2011年3月30日 11時35分 更新:3月30日 13時17分
30日の東京外国為替市場は、リーマン・ショック後の危機対応として超金融緩和策を続けてきた欧米当局が金融政策の正常化へ動くとの思惑から円が売られ、円相場は一時、18日の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を受けた円売り協調介入後の最安値水準となる1ドル=82円80銭台後半まで下落した。東日本大震災後、円相場は17日早朝の海外市場で1ドル=76円25銭の史上最高値を記録したが、一転して円売り圧力が台頭。円はその後も前日午後5時比1円以上円安・ドル高の1ドル=82円80銭台で取引されている。
米セントルイス連銀のブラード総裁が29日、「緩和的な金融政策の転換を始めるべきだ」と発言したことなどを材料に、市場では「米連邦準備制度理事会(FRB)が量的金融緩和策の手じまいに動く」との観測が拡大。対照的に、日銀は「大震災の影響で包括的な金融緩和策を維持・強化せざるを得ない」(アナリスト)との見方が強く、日米金利差拡大への思惑を背景に、朝方から円売り・ドル買いが優勢となった。円はユーロに対しても一時、10カ月半ぶりの安値をつけた。【和田憲二】