東京電力福島第一原子力発電所の事故で、環境保護団体「グリーンピース」は、海底付近に生息するアイナメやナマコからも新たに基準を超える放射性物質を検出したとして、「より多くの生物を対象に調査を進めるべきだ」と訴えています。福島県は「漁は自粛されており、基準を超える海産物が市場に出ることはない」としています。
環境保護団体「グリーンピース」は、今月3日から9日にかけて、福島県の沿岸や沖合で採取した魚介類などに含まれる放射性物質について、フランスとベルギーの検査機関に分析を依頼し、26日、その結果を公表しました。それによりますと、放射性物質が国の暫定基準を超えていたのは11種類の魚介類や海藻で、このうち、いわき市の小名浜港で取れた「エゾイソアイナメ」からは基準の1.7倍に当たる放射性セシウムを検出したということです。また、同じくいわき市の久之浜港で取れた「マナマコ」から基準の2.6倍の放射性セシウムを検出したということです。福島県など行政による調査では、これまでアイナメやナマコから基準を超える放射性物質は検出されていません。アイナメもナマコも海底付近に生息することから、「グリーンピース」では「汚染の広がりが裏付けられた。より多くの生物を対象に調査を進めるべきだ」と訴えています。これについて福島県は、「漁は自粛されており、基準を超える海産物が市場に出ることはない」としています。