第10回
口臭予防には「唾液」を出せ!(1/2)
2010.02.10
口臭ケアの基本はうがいと水分補給
あなたの口臭は大丈夫? 口内をキレイに保つために、福田先生が推奨するうがい法が「ぶくぶく・がらがら・ごしごし」の3洗浄だ。「ごしごしというのは、舌を上顎の天井でこすってやること。口内を傷つけることもなくきれいにすることができます」(福田先生)
【取材協力】赤坂パークビル歯科
満員電車や打ち合わせの席で、ふと他人の口臭が気になる瞬間、誰でもあるはず。ガムやタブレットが発するミント臭ならまだしも、その多くはいかにも不健康そうな悪臭…。口臭ケアはやっぱりエチケットとして大切だ。
しかし、深刻な病気でもないのに、歯磨きをしてもどうしてもにおってしまう人もいる。何か有効な口臭対策はないものだろうか? これまで約1000人の口臭治療を行ってきた、赤坂パークビル歯科の福田原先生に聞いてみた。
「歯磨きでキレイになるのは、消化器系のほんの入り口部分に過ぎません。口臭の原因となる雑菌のおよそ8割は、舌、口の奥、喉にこびり付いています。ですから歯磨きだけでなく、きちんとしたうがいを習慣付けることが大切なんです」(福田先生)
口臭治療の患者に対しては、1分間3セット(計3分)のうがいを推奨しているという福田先生(※写真下キャプション参照)。さらに、口内を乾燥させないことが重要だという。
「口臭の元となる雑菌には嫌気性(酸素がない~薄い状態を好む)のものが多く、口の中が乾燥すると繁殖しやすくなります。寝起きに口臭が生じるのは、睡眠時に唾液の分泌が低下し、口の中が乾いて嫌気性の雑菌が繁殖するためです。そこで大切なのが唾液を出すこと。唾液の分泌を促すために、まずは水分補給が重要で、成人であれば1日1.5リットルの水分補給を心がけてください」(同)
唾液の分泌は口への刺激で促進される。そのため、良く噛んで食べることやアナウンサーのように表情豊かによく口を動かして話すことも、意外と効果的なのだとか。
ありがちだが、酔っ払って帰宅して、歯も磨かずに寝てしまうのは最悪だ。口内が雑菌のエサで満たされたまま、アルコールによって水分が不足し、さらに睡眠で唾液の分泌が落ちる状態は、口臭要因のフルコース。大事な商談やデートの前夜はとくに気を付けたい。
「人の体はもともと、口内をキレイにする仕組みを備えています。実際にやってみるとわかりやすいですが、唾を飲み込む時というのは、舌がギュッと上あごに向けて押し上がり、少し前後に動きますよね。つまり舌がブラシのように口腔をこすり、磨いてくれているわけです。ところが唾液の量が不足すると、この仕組みが適切に機能しなくなり、やはり口臭の原因となるんです」(同)
さらに究極的には、唾液の分泌を促すには「健康度を高く保つこと」が大切だと福田先生は語る。ストレス、不摂生、寝不足などは唾液の分泌を阻害する。うがい、水分補給、そして健康的な生活習慣、これが口臭ケアの三種の神器となるのだ。
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