(cache) 第1原発への海水注入、実は継続 東電所長が判断 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 第1原発への海水注入、実は継続 東電所長が判断


     記者会見する東京電力の武藤栄副社長=26日午後、東京・内幸町の本店

     福島第1原発1号機で地震発生翌日の3月12日、原子炉を冷やすための海水注入が一時中断したとされた問題で、東京電力は26日、実際には注入は中断せず、継続していたことが分かったと発表した。第1原発の吉田昌郎所長が、注入した方が安全との判断で続けていたという。24日から25日にかけて、同原発で吉田所長から事情を聴いた結果、判明した。

     東電の武藤栄副社長は26日の記者会見で、吉田所長の処分を検討していることを明らかにした上で「海水注入を継続したのは技術的には妥当」として、処分検討の理由は報告時期が遅れたことにあるとの認識を示した。また、吉田所長が記者会見に出席して事情を説明するかどうかについて、武藤副社長は「現地で陣頭指揮があるので無理だ」と述べた。

     東電によると、海水注入問題が国会審議で取り上げられたことを受け、本店の社員が第1原発で吉田所長にヒアリングを実施した。吉田所長は、国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)の調査団が同原発を調査予定であることに言及し「国際的にもいろいろ評価されることを踏まえ、事実を報告する気になった」と話したという。

     吉田所長の証言について東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「本人の記憶の中にある。計器の記録が裏付けであるわけではない」と話した。

     東電が今月16日に公表した資料には、3月12日午後7時4分に海水注入を開始し、同25分に停止、午後8時20分に海水とホウ酸による注水を開始と記載している。

     政府・東京電力統合対策室は21日、中断前の注入は東電による「試験注入」で、官邸の意向が伝わり東電が中断、その後、首相から海水注入の指示があり、午後8時20分に再開、臨界を防ぐホウ酸を加えたと発表していた。

      【共同通信】