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愛媛のニュース2011年05月26日(木)

松山市議会特別委が愛媛新聞の参考人招致を決定

 松山市発注工事で元市職員が「裏金づくり」に関与したとされる疑惑で、市議会の市発注工事解明調査特別委員会(宇野浩委員長、16人)が25日、市役所であり、一連の疑惑を最初に報じた愛媛新聞社を参考人として委員会に招致することを決めた。
 愛媛新聞社は「取材結果は逐次報道しており、記者の招致は報道倫理である取材源の秘匿を脅かす」として要請に応じない方針。
 疑惑関係者の参考人招致をめぐっては11日の前回会合で議論となり、各会派が持ち帰り検討。報道機関に裏金づくりを証言した孫請け会社社長や主導的に関与したとされる元市職員らが対象に挙がっていた。
 25日は「速やかな参考人招致」を全会一致で決定。対象者を(1)愛媛新聞、孫請け社長、元市職員(2)孫請け社長、元市職員(3)孫請け社長(4)愛媛新聞―の4案で賛否を問い、愛媛新聞単独招致を松山維新の会や公明などの賛成多数で決めた。
 愛媛新聞社は「国民の知る権利に奉仕する報道は、取材源との信頼関係があって初めて実現する。記者の招致は取材を受ける側の萎縮やちゅうちょを招き、民主主義の基盤である国民の知る権利を侵害することにつながりかねない」としている。

【橋場義之・上智大教授(ジャーナリズム論)の話】
 メディアが知り得た事実は市民に伝える目的のためだけにあり、それ以外に使うことはジャーナリズムの目的、倫理に反する。議会の調査権を行使する先は取材者ではない。自分たちの力で切り込むべきだ。メディアが肩代わりするのはナンセンス。議会の力量不足を自ら示すようなものだ。メディアが市民の期待に応えニュースを伝えるためには情報源を守る使命もある。それを理解するなら、やみくもに取材者を呼ぶべきでない。

【山田健太・専修大准教授(言論法)の話】
 強制力のない特別委の招致に応じる必要はなく、むしろ取材源の秘匿のため、可能な限り断るべきだ。議会が調査を尽くし、最後の手段として報道機関に助けを求めることはあるかもしれないが、現状で記事が出たから詳しく聞こうというのは安直。表現の自由への理解が浅いと言わざるを得ない。参考人招致は不正を暴こうとする者へのある種の圧力とも受け取れる。愛媛新聞社は毅然(きぜん)とした態度を取る必要がある。

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