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福島第1原発:海水注入中断せず、所長判断で継続 東電

 福島第1原発1号機で地震発生翌日の3月12日、原子炉を冷やすための海水注入が一時中断したとされた問題で、東京電力は26日、注入は中断せず、継続していたことが分かったと明らかにした。

 第1原発の所長の判断で続けていたという。

 東京電力が16日に公表した資料では、3月12日午後7時4分に海水注入を開始し、同25分に停止、午後8時20分に海水とホウ酸による注水を開始と記載。

 政府・東京電力統合対策室は21日、中断前の注入は東電による「試験注入」で、官邸の意向が伝わり東電が中断。その後、首相から海水注入の指示があり、午後8時20分に再開、臨界を防ぐホウ酸を加えたと発表していた。

 東電によると、福島第1原発の所長は「国際原子力機関の調査があり、国際的にもいろいろ評価することを踏まえ、事実を報告する気になった」と話しているという。

 福島第1原発1号機で海水注入が継続していた問題で、東電の武藤栄副社長は記者会見で「(同原発の)吉田昌郎所長の処分を検討している」と話した。

 ◇班目委員長「私は何だったのか」

 海水注入の中断をめぐる発言が注目を浴びた原子力安全委員会の班目春樹委員長は26日、注入が継続していたことを受け「私はいったい何だったのか。頭の中は相当混乱している」と話した。(共同)

毎日新聞 2011年5月26日 15時47分(最終更新 5月26日 16時38分)

 

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