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【静岡】

「県内潜在力610万キロワット」 浜岡を上回る自然エネ発電

2011年5月26日

コストや普及へ課題多く

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 福島第一原発事故や中部電力浜岡原発の全面停止で、日に日に注目度が増す自然エネルギー。川勝平太知事も加わって太陽光や風力発電を推進する地方連合が旗揚げされる。静岡県は、新たな導入プランを既に始動し、原発が立地する御前崎市も軸足を移しつつある。県内の発電潜在力の高さを示す試算も出ており、普及に弾みをつけそうだ。 (報道部・後藤隆行)

 環境省が4月下旬に公表した調査結果によると、静岡県内で利用が見込める発電量は約610万キロワットと、浜岡原発3〜5号機の発電能力360万キロワットを大きく上回る。太陽光の比重が高いことが特徴だ。環境省は、規制などで設置が難しい場合を除き、面積や風速などから算出可能な発電量について、開発分を含めて推計した。

 その結果から本紙が県内の発電可能量を集計したところ、太陽光は一般住宅での発電を除き328万キロワットが可能。このうち工場や物流施設などでの発電が約150万キロワットを占め、愛知県と兵庫県に次いで3番目に多い。

 風力は陸上のみで222万キロワット。河川の落差や農業用水を利用する中小水力発電は34万キロワットで、地熱発電は23万キロワットだった。

 県の統計では、既存電源である原子力と水力の県内発電能力は2008年度末で480万キロワットあるが、すべてが県内に供給されている訳ではない。県内のピーク時需要(最大3日平均)は同年度に640万キロワットだった。

 環境省の調査では、洋上に設ける風力の潜在能力がかなり大きい。都道府県別の発電可能量は算出されていないが、風況条件が良い地域に御前崎岬や伊豆半島の周辺が示されている。

 ただ、収支を考えるとハードルは高い。風力の発電可能量は洋上を含む全国ベースで19億キロワットに上るが、政府が目指す固定価格買い取り制度を導入しても、採算が取れる発電量は2400万キロワット〜1億4000万キロワットとされる。

 太陽光は、低コスト化や補助金支援を伴わなければ普及が進まない試算となっている。

 一方、県が3月に策定した20年度の導入目標は、太陽光で09年度(約10万キロワット)の3倍。「全国有数の日照環境に恵まれた地域」と重点分野に位置づけている。風力でも09年度(約4万5000キロワット)の3倍を掲げた。

 

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