地方山口組傘下団体の警戒強化 県警「組長の出所で祝い金も」 静岡2011.5.26 02:14

  • [PR]

[地方]ニュース

山口組傘下団体の警戒強化 県警「組長の出所で祝い金も」 静岡

2011.5.26 02:14

 銃刀法違反罪で実刑判決を受け、服役していた指定暴力団山口組の篠田建市=通称・司忍=組長(69)が先月9日、刑期を終えて出所したことを受け、県警は、県内の山口組傘下の団体を集中的に取り締まるなど警戒を強めている。毎年5月を強化月間に定めて取り締まりを強化しているが、今年は同組長の出所に加え、8月には県暴力団排除条例の施行も控えており、県警はこれまで以上に神経をとがらせている。

 「出所祝い金として数億円のカネが集められることも考えられる。不景気なので犯罪行為などで無理矢理にでも集めかねない」

 県警の渡辺隆之組織犯罪対策局長は、今月初旬の県生命保険協会との連絡協議会でこう注意を呼びかけた。

 捜査関係者によると、県内には、清水一家や国領屋一家、一力一家、藤友会など、山口組系の2次団体が7つあるとされる。表立った動きはないが、「清水一家が山口組内で格上げされたこともあり、祝い金をかき集めてもおかしくない。水面下の動きに目を光らせる必要がある」と指摘。現在、この7つの2次団体を集中的に取り締まる戦略にあたっているという。

 こうした方針の一環として、25日には捜査4課と富士署などが、男性に因縁をつけて人気のない山間地に連れて行き、木刀で頭部を殴ったとして、傷害容疑で清水一家坂本組組長の兄で同組幹部の●(はい)秀吉(65)と同組幹部の大村高志(34)の両容疑者を逮捕した。

 17日にも、18歳未満と知りながら県中部に住む高校生の少女(16)をデリバリーヘルス(派遣型風俗)で働かせたとして、児童福祉法違反容疑で藤友会系幹部、村井和弘容疑者(31)ら男5人を逮捕した。

 一方で、相次ぐ摘発は組織の巨大化防止や、大規模抗争を勃発前に水面下で封じ込めるという狙いも大きい。巨大化すればボロが出なくなり、捜査しづらくなるためとされ、捜査関係者は「県内の勢力図で“空白地帯”ともいわれている富士市に狙いを定める動きも出ており、これまで何度も水際で止めてきた」と説明する。

 また、資金源の一つとされる飲食店が暴力団に対し、月1万~2万円支払うみかじめ料についても、中止命令を5月までで33件出すなど、前年を上回るペースで推移。暴力団への締め付けを強めている。

 ただ、根絶は、一般市民の協力が不可欠。県警では「暴力団員などとの一切の関係を遮断するように努めることも忘れないでほしい」と呼びかけている。

●=褒の保を非に

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2011 The Sankei Shimbun & Sankei Digital