水銀条約制定へ国際会合 排出や輸出を規制開幕した水銀規制の条約制定を目指す国連環境計画の政府間交渉委員会会合=24日午前、千葉市の幕張メッセ 健康や生態系に深刻な被害をもたらす水銀の排出を削減しようと、新条約制定に向けた国連環境計画(UNEP)の政府間交渉委員会会合が24日、千葉市の幕張メッセで始まった。これまでにまとまった条約素案は、水銀の輸出や水銀を使った製品の販売などを原則として禁じる内容で、UNEPは今後の協議を踏まえ、2013年の採択を目指している。 会合には各国政府代表のほか非政府組織(NGO)など約130カ国から約600人が参加を予定。日本は水俣病の経験を踏まえて名称を「水俣条約」と提案しているが、水銀の輸出国でもあり、素案に沿った形で議論が進めば、処分や保管への対応を迫られる。 昨年秋にUNEPが公表した素案は、水銀輸出は認められた用途のみとし、輸出通知書を提出、輸入同意書を受領するなど事前の手続きが必要とした。また、環境中に排出される水銀の量を減らし、可能ならゼロとする―などとしており、制定されれば初の包括的な水銀規制条約となる。 日本では水俣病をきっかけに、化学工業で水銀を用いない代替手法への転換が進み、内需は1964年の約2500トンをピークに現在は年10トン程度に減少。 【共同通信】
|