(cache) 3号機の汚染水が漏れた可能性 移送先の水位低下 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 3号機の汚染水が漏れた可能性 移送先の水位低下


     記者会見する東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理=26日午前、東京・内幸町の本店

     福島第1原発の高濃度汚染水の移送で東京電力は26日、3号機の汚染水の移送先である「集中廃棄物処理施設」の建屋で水位の低下がみられ、漏れているかどうか確認中だと発表した。外への漏れが確認されると、高濃度汚染水の移送計画全体に影響する可能性がある。

     3号機の高濃度汚染水の移送は17日に始まり、ほぼ計画量に達したとして、25日午前9時すぎに中断していた。東電によると、移送先の建屋で25日午前11時から20時間で水位が約5センチ下がった。それ以前から水が減少していた可能性もあるという。地下水の放射性物質の濃度に変化はないが、外への漏れがあるかどうか、ボーリング調査も検討している。

     水位低下の原因としては、ほかの建屋につながる通路への漏れや、建屋内での水の移動の可能性もあるという。

     集中廃棄物処理施設へは2、3号機のタービン建屋や立て坑にたまった高濃度汚染水を移送。約1万4千トンの計画収容量でほぼ満杯になったが、追加で5千トンを移せる可能性があると25日発表していた。

     この追加移送について、東電は「3号機からの千トンの追加については、建屋からの漏れがあるかどうか調査が終わらないと決められない」とした。経済産業省原子力安全・保安院は「(水位低下の)理由を解明してからでないと、(追加移送は)できないと考えている」と述べ、高濃度汚染水の移送計画に影響がある可能性を示唆した。

     福島第1原発では、原子炉を冷やすために注水を続けているが、原子炉圧力容器や格納容器の破損で放射性物質を高濃度に含む冷却水が漏れて原子炉建屋やタービン建屋にたまり続けており、この移送や処理が課題になっている。

     東電は、タービン建屋などの大量の汚染水を浄化し、原子炉に入れて冷却に再利用する「循環注水冷却」を事態の収束に向けた工程表に盛り込んだが、この冷却方式の構築も汚染水処理が順調に進むことが前提だ。

      【共同通信】