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  • 東北3県、堤防37カ所が未復旧 梅雨で氾濫の恐れ


     北上川河口付近で決壊した堤防の応急処置として積まれた土のう=25日、宮城県石巻市

     東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県で決壊や流失した堤防のうち、37カ所で応急の復旧工事が終了していないことが26日、国土交通省東北地方整備局や各県への取材で分かった。本格的な梅雨を迎えれば河川の氾濫など二次被害の出る恐れがあり、国や県は工事を急いでいる。

     同整備局によると、3県では震災で阿武隈川や北上川など、国が管理する太平洋側の4水系約1180カ所の堤防などに被害が出た。3県が管理する河川も含め、決壊や流失など被害が甚大だったのは岩手県9カ所、宮城県86カ所、福島県10カ所の計105カ所に上った。

     河口付近の堤防は津波で直接破壊された。津波が川をさかのぼって水かさが増し、地震で亀裂の入った堤防が耐えきれずに決壊や流失するなどして広範囲に被害が出たとみられる。

     同整備局や3県は震災後、過去の水害件数などを踏まえた危険箇所や、被災者向け物資輸送に使う道路兼用の堤防などを優先して応急の復旧工事を実施。平年通りなら6月中旬に梅雨入りが迫っており、岩手県5カ所、宮城県28カ所、福島県4カ所の計37カ所で工事が終わっていない。

     津波で多数の児童が犠牲となった宮城県石巻市立大川小に近い北上川では1・1キロにわたって堤防が流失。砂利を敷くなどして道路としても使用している部分の工事は終えたものの、現在は堤防機能を回復させる工事を進めている。

     堤防被害とは別に、震災に伴う地盤沈下で一部の河川沿いでは冠水被害も出ている。石巻市の北上川沿いでは20センチから40センチの冠水が確認され、市などは周辺に土のうを積み、道路に盛り土をする対策を実施している。

     東北地方整備局の担当者は「過去に経験したことのない被害だが、6月中には応急工事を終えたい」と話している。

      【共同通信】