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公共施設は「禁煙」 県が条例素案まとめ

2011年05月25日

 他人のたばこの煙を吸ってしまう「受動喫煙」を防ぐための条例の素案を県がまとめた。神奈川県が同様の条例を2010年4月に施行しているが、公共性の高い施設での全面禁煙を定めるなど、より踏み込んだ内容となっている。

 県は昨年6月から、医師会や飲食業者、旅館・ホテル業者などの代表者による受動喫煙防止対策検討委員会を7回にわたって開催。議論を踏まえて今月23日に開かれた8回目の委員会に、県が素案を提示した。
 強制力を持たせるために罰則を設けることも盛り込んでいる。6月に開く委員会で最終報告をまとめ、今年度内の条例化を目指すという。
 素案では、官公庁や交通機関、金融機関など公共性の高い施設は禁煙。その他、教育施設や医療・福祉関係の施設も禁煙にするとしている。
 これらの施設は、神奈川県の条例では喫煙室の設置を認めているが、兵庫県の素案では認めておらず、全面的な禁煙を求めている。ただし、屋外に喫煙所を設けることは構わないという。
 旅館・ホテルや飲食店など民間事業者については原則禁煙を求めつつも、「暫定的措置」として、喫煙室を設けることによる分煙や時間帯による禁煙を認めている。

◆飲食店・ホテル、反対
 条例の素案づくりのもとになる議論を重ねてきた県の受動喫煙防止対策検討委員会は、学識経験者や医師、飲食業者ら15人で構成される。
 飲食業者や旅館・ホテル業者の委員は、店内や客室での禁煙や分煙を条例に盛り込むことに反対してきた。奥田真・県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長は「神奈川県の条例によって川崎市の飲食店や旅館・ホテルでは、客が隣の東京都に流れたと聞いた。尼崎市の客は大阪府に流れるのではないか。条例化するのなら近畿各府県が足並みをそろえて欲しい」と訴える。
 県が昨年8〜9月に実施した県民アンケートでは、禁煙や分煙を望む人が、飲食店で7割、旅館・ホテルの共用部分では9割を超えた。委員会の大勢も条例化に賛成の意向を示しており、県健康増進課は「喫煙所を設けても有害物質を遮断することはできない。国からも多数の人が利用する公共施設は全面禁煙するよう通知が来ており、素案をもとに条例化したい」と話す。
 ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスは店舗改装に合わせ全国的に喫煙室を設ける店舗を増やしている。今年末までに国内店舗数のおよそ3分の2にあたる175店舗で喫煙室を設ける計画。同社広報室は「食事をしている近くでたばこを吸って欲しくないという客も多い。時代の流れと思って対応している」と話す。(井石栄司)

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