事件【東日本大震災】「氷が足りない」魚市場苦悩 +(1/2ページ)(2011.5.25 22:09

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【東日本大震災】
「氷が足りない」魚市場苦悩 

2011.5.25 22:09 (1/2ページ)
魚市場の再開は、魚の鮮度を保つための氷をどう確保するかがカギを握る=岩手県大船渡市(渡辺陽子撮影)

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魚市場の再開は、魚の鮮度を保つための氷をどう確保するかがカギを握る=岩手県大船渡市(渡辺陽子撮影)

 東日本大震災で打撃を受けた岩手、宮城両県の魚市場で、鮮魚を冷やす氷が不足している。沿岸に集中する製氷所の大半が津波で被災、氷の供給が減少したためだ。夏から秋にかけてピークを迎えるサンマ漁やサケの定置網漁では大量の水揚げが予想されるが、製氷が追いつかなければ、漁獲制限の可能性も出てきている。

 サンマやサケの水揚げでは県内有数の大船渡港(岩手県大船渡市)にある「大船渡魚市場」。港のがれき撤去などの復旧作業が進む中、6月からの本格再開を目指し、今月から試験的に不定期で入札を始めた。

 「氷どうすっぺ。漁獲に釣り合うべか…」。威勢のいいかけ声が飛び交う市場を、同市場常務の佐藤光男さん(59)は複雑な思いで見つめる。

 県内では、市場に氷を提供する沿岸のほとんどの製氷会社が被災。現在市場で使う氷は内陸や他府県の業者などから支援を受け、急遽(きゅうきょ)買い集めたものだ。

 だが、運送費などの諸費用がかかり価格が割高な上、少量しか手に入らず、供給量も安定しない。市場近くの製氷所が営業を再開する予定だが、8~10月に数千トンと見込まれるサンマ、サケ、サバの漁獲高に見合う氷の確保は困難という。

 氷がなければ市場で鮮魚を扱えず、漁獲が制限される可能性も出てくる。そうなれば、漁業を主要産業とする同市にとって、復興の足かせにもなりかねない。

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魚市場の再開は、魚の鮮度を保つための氷をどう確保するかがカギを握る=岩手県大船渡市(渡辺陽子撮影)

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