北陸の経済ニュース 【5月26日03時05分更新】

台湾客が先行回復 金沢のホテル、独自策競う
 金沢市の都市型ホテルで、東日本大震災で急減した台湾客が戻り始めている。全体的に は前年より大幅減が続いているが、戻りが鈍い欧米客に対し、台湾客の先行回復が目立つ 。アジア系に強い金沢国際ホテルは、5月の台湾客が前年並みの約2500人になりそう だという。海外向けサイトと契約したり、自前の営業員を派遣するなど、各ホテルが独自 の海外誘客策を競っている。

 「うちは例外かもしれないが、5月の台湾人宿泊客は前年並みか、プラスになりそうだ 」。金沢国際ホテルの関係者が明かす。4月は台湾人客が前年同月比1300人減の32 0人程度に落ち込んだが、5月はほぼ回復する見通しだ。

 回復の一因は値下げ効果。同ホテルの宿泊客は中京圏から石川に入ってくる周遊客が中 心で、震災後に国内代理店や各宿泊施設が協力して導入したキャンペーン価格が奏功した という。

 金沢ニューグランドホテルは4月に前年700人の外国人客が8割減の135人となっ たが、庄田正一社長は「5月に台湾客の戻りがみられる。全体で4割減ほどに下げ幅が縮 小しそうだ」とする。6月に社員を台湾に派遣し、自前の現地セールスでてこ入れを図る 予定だ。アジア客が主力の金沢エクセルホテル東急は4月の外国人客が前年の4300人 から26人に減少したが、5月は台湾だけでも団体客40〜50人が入ったという。

 一方、欧米人が外国人客の大部分を占める金沢スカイホテルは、4月に前年の750人 から40人に急減し、5月も40〜50人にとどまったまま。このため、6月中に欧米、 アジア向けの海外宿泊情報サイト2社と契約し、外国人客の取り込みを強化する。

 唯一の外資系、ANAクラウンプラザホテル金沢は4月は前年の820人からゼロとな ったが、5月は台湾、米国、オーストラリアの団体客で計120人を獲得。ホテル日航金 沢は97%減だった4月からやや改善し、5月に台湾団体客約30人を受け入れた。JA Lホテルズの営業網に加え、親会社となったオークラの営業網を活用し、海外誘客を本格 化させる予定だ。


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