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「北の青少年は麻薬をしないとイジメ」…「脳の発達障害が憂慮」

【麻薬使用の実態】「女性、青少年が深刻…取り締まりも無意味」
趙鐘翼 記者
[2011-05-23 14:46 ]  

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北朝鮮の麻薬使用が深刻であると伝えられているが、最近では、若者の間でも麻薬(覚せい剤)をしないとイジメを受けるほどに一般化している。

また、市場の商売と家事までしなければならない女性の場合、精神・肉体的な苦痛を忘れるために麻薬に依存しているという。

北朝鮮での麻薬は、2000年代から麻薬の生産地の咸興や平壌を中心に、幹部や富裕層の間で徐々に広がり始めた。2000年代半ば以降には、天津や新義州などの国境地域にまで急速に拡散したという。

脱北者によると、事態の深刻性を認識した金正日は、麻薬の根絶を目指し、2008年から取り締まりを強化しているが、あまりにも広範囲で広まっているために、当局も手の施しようが無い状況だ。

取り締まりを行う保衛指導員だけでなく、党職員や法官、幹部らもクスリ漬けだという。

両江道の消息筋は「14〜18歳の若者の間では、ビンヅ(覚せい剤)をしないとイジメを受けるほど。2007年から少しずつ広まったが、今では1クラス(平均30人)で、5〜7名ほどが手を染めているのが実情」と伝えた。

青少年が麻薬を吸引する場所は、親が仕事で空けている家、石炭倉庫として使わていれる学校の裏庭や倉庫などである。少人数で行うのでは無く、集団的に麻薬を吸引する。

この消息筋は、青少年が麻薬を購入する方法について「最初は親の麻薬を少し盗んでやる程度だったが、後々にはお金を出しあって麻薬を購入する」と説明した。

また、青少年らは大人が服用している「A級」麻薬(1g:100人民元、4万北朝鮮ウォン)は、購入することができず、「B級」(1g:50人民元)を購入するという。

2009年に韓国に入国した咸鏡北道清津出身の脱北者は、「都市の1つの洞は1600世帯が住んでいるが、16〜30歳の若年層の麻薬使用率は6割ほど。しかし、今はもっと増えている」と述べた。壮年層の麻薬服用は、30〜40%程度に達するという。

この脱北者によると、男性よりも女性の麻薬中毒が深刻だという。「女性は夜に一時的に電気が来る時間に、市場で売る餅やお菓子などを作り、家事もこなさなければならない。麻薬を吸引すれば、仕事の能率も上がるため、多くの女性が服用している」と伝えた。また、売春婦らは麻薬を吸引してから、売春行為をしていると付け加えた。

両江道恵山市出身の脱北者も、北朝鮮の麻薬実態について「北朝鮮ではまともな薬がないため、万能薬として使われている。金がない場合には、家財道具を売ってまで購入する」と実状を伝えた。

麻薬1グラム100元は、市場でコメ20kgを買うことができる。しかし、麻薬が蔓延し、お金が手に入っても食料を買わずに麻薬を買うという。

また、以前は挨拶代わりにタバコを勧めていたが、今では麻薬を勧めることが一般化し、幹部にも賄賂として麻薬を渡す。

清津出身の脱北者は「最近では麻薬が一般化し、食料よりも多く流通している。私がいるときには、賄賂として薬を渡し、大学に入学するときにも渡した」と説明した。

また、成長期の若者には、麻薬服用が脳の発達に悪影響を与える可能性が高い。

ハナ院の元精神科・公衆衛生医師で、明知大のチョン・ジンヨン精神科医は、デイリーNKとの通話で「北朝鮮の青少年のように、栄養状態が悪い状態で麻薬を服用する場合、成長の障害や脳の発達に影響を及ぼすだろう記憶力、集中力の低下などの障害をもたらす可能性がある」と説明した。

脱北者の多くは、北朝鮮を脱出後に第3国で長期滞在を行い、金銭的にも余裕がなかったため、麻薬を長期に渡って服用しておらず、禁断症状などの後遺症は比較的少ないという。

韓国で麻薬と関連した脱北者の検挙は殆ど無く、ソウル警察庁・国際犯罪捜査隊の関係者は「2008年以降、麻薬事件で脱北者が摘発された事例はなかった」と話した。
11.05.03
       
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