海水注入中断問題 保安院、東電からのファクスで事前報告把握したスタッフ確認できず
東京電力は、福島第1原発1号機の海水注入が、震災発生翌日にいったん中断された問題で、海水注入の3時間以上前に、原子力安全・保安院に対してファクスで事前報告していたことを明らかにした。
一方、原子力安全・保安院は、東京電力から届いたファクスは、主に「ベント」についてのものであり、紙の隅に「今後、海水注入する予定」と書かれているだけで、そのファクスで、海水注入を把握したスタッフは確認できないとしている。
原子力安全・保安院の西山審議官「その連絡の紙の一番最後に、その他特定事象の把握に参考となる情報ということで、そこに、『今後、準備が整い次第、消火系にて海水を炉内に注入する予定』というふうに書いてあります」と述べた。
原子力安全・保安院の西山審議官は、会見で、東京電力からのファクスは、主に1号機のベントについて報告するもので、付随の参考情報として、「今後、海水注入する予定」と書かれていたことを明らかにした。
保安院では、このファクスは配られたが、それによって海水注入を把握する者や、官邸に連絡した者は確認できないとしている。
また西山審議官は、「今回の連絡は、準備ができ次第、海水注入するという趣旨のもので、実際に海水注入しているという報告を受けたことは確認できないという、今までの主張とは矛盾しない」と述べた。
(05/25 23:20)