「交流戦、阪神2‐5ロッテ」(25日、甲子園)
なんでブラゼル飛び出すんや!阪神は五回1死一、二塁のチャンスに平野の左飛で二塁走者のクレイグ・ブラゼル内野手(31)が飛び出しまさかの併殺で追撃ムードはシュン。FAで獲得した小林宏の人的補償でロッテに譲った高浜の活躍で交流戦初星を献上する皮肉。残り4試合を残して5月の負け越し決定。乗れない真弓阪神を象徴するゲームになった。
◇ ◇
信じられないようなプレーだった。2点を勝ち越されて迎えた五回の攻撃だ。1死一、二塁で平野の放った当たりはレフト方向への浅い飛球で、二塁走者のブラゼルはスタート。しかし左翼・伊志嶺が捕球体勢に入ったのを見て慌てて帰塁しようとしたが、ボールは二塁へ送球される最悪の併殺となった。
「判断ミスです。いい場面だったのに流れを切ってしまって申し訳ない」。試合後、ブラゼルはそう謝罪した。だが、帰塁時にスライディングを試みようともしない助っ人を、4万2000人のファンはあきれて見つめるしかない。
24日の西武戦では久しぶりに攻撃が機能し、連敗を4で止めた。そして迎えたこの日は、一回にいきなり4番・新井のタイムリーで先制。だれもが連勝の期待を抱き、五回に2点を勝ち越されてもまだまだこれから、と思っていた矢先だった。
特にこの日の相手先発は左腕の吉見だ。チームは今季この試合まで先発左腕相手のゲームは2勝9敗1分けと大苦戦。だからこそ真弓監督も五回1死二塁で、代打・関本を起用した。その後の内野守備を犠牲にしてでも点を奪いにいく勝負手だったのだ。
その直後に手痛い走塁ミスが飛び出し、指揮官も「ボーンヘッドみたいなミスはね。流れが変わってしまうから」。結局、六回2死満塁の好機では、遊撃を守る上本に代打を送れず三振に終わった。
流れが変わってしまえば、負の連鎖は止まらない。六回を打者3人で抑えた2番手の久保田が、七回に変身。今江の適時打で追加点を奪われると、さらに2死満塁で伊志嶺に対しフルカウントから、決定的な5点目の押し出し四球を与えてしまった。
その瞬間、七回の攻撃を待たずして聖地の上空を無数のジェット風船が舞った。「せっかく点を取ってもらった後だったので抑えたかったんですが。申し訳ない」。久保田もそう肩を落としたが、泣きたくなるのはファンも同じだ。
これで5月は6勝12敗。4試合を残して早くも月間の負け越しが決定。12球団で今季3連勝がないのは、もはや阪神だけだが、ミスで得点機をつぶし、押し出しで失点していては2連勝すらままならない。浮上への光はなかなか見えてこない。
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