2011年05月26日

【11/5/26】ホンマでっか!?TVをよろしく

震災・原発事故といった大変な状況にあって私的な細事で申し訳ないが・・・
一年以上(不定期とはいえ)出ていた「ホンマでっか!?TV」に出ない可能性が高くなった。
理由は,ある先生が復帰することになったので,その先生の降板時の言説・理由から,私が出ないことがロジカルに結論付けられるからだ--ロジックを重んじる科学者としては,このロジックはやはり重たい。

「他の諸先生に迷惑をかけて申し訳ない」「他の先生の邪魔になる発言をすることが多くて申し訳ない」という気持ちも大きな理由だし,また,「澤口はウザイから出るな」という声を頻繁に聞くようになった,という理由もある(私のウザさは以前から自覚しているが,脳科学者としての責任を感じてのウザイ発言もあったことは付記しておきたい)。

ホンマでっか!?TVに限らず,「脳科学者」としてTVに出ることの「意味(significances)」に関しては,既に述べたが,脳科学者としてTV出演する上での「資格」「前提」を簡単にまとめておきておきたい。

1) 英語の原著論文を一流の国際学術誌に何編も掲載してきたこと。
2) 一流の国際学術誌から査読の依頼が何度も来てきたこと。
3) どの原著論文も批判的に読めること。
4) あるテーマに関する複数の原著論文をメタ解析できること。
5) 科学的結論=仮説の「信頼性の程度」を適切に判断できること。
6) 現時点で最も妥当な(信頼性が最も高い)結論=仮説を提示できること。
7) 反証可能性のある独創的な仮説を諸先行研究から論理的に提示できること。


これらの全てが自分に備わっていないと判断すれば,「自分は脳科学者」と名乗るべきではないことは自明である。

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2011年05月17日

【11/05/17】申し訳ないけれど,それでも・・・

TV出演には自分なりの意味(significances)を見出しているけれど,同時に「申し訳ない」という気持ちを抱き続けている。

とくに『ホンマでっか!?TV』がそうで,当初から「末席を汚して申し訳ない」「他の先生方の邪魔をして申し訳ない」「場を壊して申し訳ない」といった気持ちがあったが,今ももちろんそうだ。本来なら疾うの昔に辞めるべきだったのに・・・,といつも思っている。
それでも辞めないのは,やはり意味を見出しているからで,いわばロジカルに考えて・・・,といった感じである。とはいえ,ロジック以外の心情的な側面があることも間違いない。

「さまよう心」の中にあって,オートバイで人気のほとんどない道を何キロも奔って,山奥で場末の(と言っては失礼かもしれないが)温泉に日帰りで行ったことがある。
その時,「澤口先生ですか?」と温泉の従業員の方に尋ねられ,驚いた。こんな山奥でどうして私のことを知っているのか,不思議だったからだ。

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