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いじめ追及「報われた」 学校側に賠償命令遺影掲げ、涙の母判決後の記者会見で、娘の美桜子さんの写真を前に心境を述べる高橋典子さん(20日、名古屋市中区で)=平沢祐撮影
「法の下で、いじめが認められた」。2006年に愛知県内の自宅から飛び降りた高橋 「『死ね』って言われた」。典子さんが、美桜子さんから相談を受けたのは、 美桜子さんは翌年、別の中学校に転校したが、体調不良を訴えて不登校状態となり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や解離性同一性障害(多重人格)などを発症。高校進学後の06年8月、自宅マンション8階から飛び降り、自殺した。 典子さんは美桜子さんの同級生や担任、学園幹部に何があったのか再三尋ねたが、誰もいじめを明確に認めず、裁判でも学校側は「いじめはなかった」と主張し、「自殺は転校から3年以上たっており、予見可能性は全くなかった」などと責任を否定していた。 しかし、判決は学校側が「同級生のいたずら」などとしていた行為を、「耐え難い精神的苦痛を与えたいじめ」と判断し、学校側の責任も認定。典子さんは判決後の記者会見で美桜子さんの遺影を掲げながら、「娘は、これまで私が学校などに対して行ってきた働きかけを見ていてくれたと思う。『ママ良かったね。一生懸命頑張ったね。ありがとう』という美桜ちゃんの声が、私には聞こえます」と涙ながらに話した。 学校側の甘い認識ただす名古屋地裁判決は、いじめの相談を受けていたにもかかわらず、十分な防止措置を講じなかった学校側の責任を厳しく指摘したと言える。 当時の担任は「靴に画びょうが入れられた」といった被害実態の相談を受けていながら、「いじめは良くない」と一般的に注意を促す以上は踏み込んだ対応を行わず、学園幹部は実態調査を指示することもなかった。学校側は裁判で「生徒同士のいたずらはあったが、いじめはなかった」と強調したが、判決は「単なるいたずらと認識していたとすれば、いじめ問題に対する認識の不十分さを示すものでしかない」と指摘。生徒に教育を施すだけでなく、その安全も確保する必要があったとして、学校側の甘い認識をただした。いじめによる自殺に詳しい東海学院大大学院の長谷川博一教授は「いじめを受けた後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症するケースはある。教師が被害者の心のケアを ただ、今回はいじめと自殺との間に約4年の隔たりがある。判決は因果関係について、「いじめを放置すれば、精神的負担が累積し、場合によっては自殺という結果を招く恐れがあると予見することも十分に可能だった」と述べたが、それ以上細かい言及をしているとは言い難い。いじめから数か月後に死亡した栃木県の中学3年生の自殺を巡る訴訟の控訴審判決(2007年)では、学校側の安全配慮義務違反と自殺との因果関係までは認めておらず、どのような場合に認められるのか、議論を呼ぶ可能性もある。 (梶浦健太郎) (2011年5月21日 読売新聞)
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