事件「日本海庄や」の過労死訴訟 2審も社長らに賠償命令2011.5.25 21:51

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「日本海庄や」の過労死訴訟 2審も社長らに賠償命令

2011.5.25 21:51
控訴審判決を受け、記者会見する死亡した吹上元康さんの母隆子さんと父了さん=25日午後、大阪市北区の大阪司法記者クラブ

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控訴審判決を受け、記者会見する死亡した吹上元康さんの母隆子さんと父了さん=25日午後、大阪市北区の大阪司法記者クラブ

 飲食チェーン「日本海庄や」に勤務していた息子が死亡したのは過重労働が原因として、両親が経営会社「大庄」(東京)と平辰社長ら役員4人に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。坂本倫城裁判長は「過労の実情を放置し、何ら改善策を取らなかった」として、約7800万円の賠償を命じた1審京都地裁判決を支持、会社側の控訴を棄却した。

 1審は過労死訴訟で初めて、大手企業トップの個人責任を認定。2審も同様に社長らが労働環境の改善を怠ったとして「悪意または重大な過失が認められる」と指摘した。

 判決によると、吹上(ふきあげ)元康さんは平成19年4月に入社し大津市内の店舗に勤務。同年8月に急性心不全のため24歳で死亡した。死亡までの約4カ月間の時間外労働は月平均100時間超で、厚生労働省が定めた過労死認定基準(月80時間超)を上回った。

 控訴審で会社側は、月100時間までの残業を認めた労使協定があり、「外食産業では一般的」と主張したが、坂本裁判長は「過大な残業が常態化し、協定でも補いきれなかったのが実情に近い」と退けた。

 判決後に会見した吹上さんの母、隆子さん(56)は「上場企業なら法令は守られていると息子を送り出したのに、短い時間で旅立った」と悔やんだ。

 大庄広報室の話「ご遺族に改めてお悔やみ申し上げる。判決文を検討し上告するか判断したい」

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