07年当時、携帯電話の国内出荷は年5000万台。世界のわずか4%しかない小さい市場に国内大手電機の10社程度がひしめき合い、それぞれ開発から組み立て、部品製造まで手掛けていた。しかも新製品の投入を競いあった結果、短期間で値崩れが起き、収益を圧迫する。「『販売奨励金』の手法を使い、すでに崩壊していたビジネスモデルを温存させていた」――。総務省が07年に報告書をまとめた「モバイルビジネス研究会」の関係者はこう振り返る。
販売奨励金とは携帯通信会社が端末の販売代理店に支払う手数料のこと。端末価格が1台10万円を超えていた時代に始まった制度だが、後には、端末料金の引き下げ原資として使われるようになった。消費者が新規購入や買い替えのときに支払う料金を抑えられるため、高機能・高価な端末に「1円ケータイ」の値札が付いても、実質的には収益を上げられる効果を生んだ。だが、これが「延命措置」として長年続いたことから、携帯電話メーカーの国際競争力はじわじわとそがれていった。
このため総務省は07年、携帯通信会社に奨励金制度の見直しを提言。店頭の携帯電話価格は見かけ上、跳ね上がった。これにリーマンショック後の消費停滞が重なり、08年度の販売台数は3500万程度にまで落ち込んだ。
■黒船「iPhone」「Android」の衝撃
続いてやってきたのが、米アップルのiPhoneの登場と、その対抗馬として米グーグルが発表した携帯向け基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」の台頭だ。iPhone(米国では07年6月発売、日本での発売は08年7月)よりも前に、スマートフォンを名乗る端末はいくつもあったが、アップル製品の完成度の高さと使い勝手の良さは群を抜いており、「AppStore」と呼ぶ直販サイトでアプリケーションやコンテンツを直接販売するという新モデルも提唱し、スマートフォンの定義を一変させた。
それに加えて、08年9月に提供が始まったアンドロイドが携帯業界のスマートフォンへの移行を決定的にした。OSの設計図を公開し、様々な企業が端末の機能を競い合う。「アップルに対抗したい企業が結束してスマートフォンに参入する好機となった」と野村総合研究所情報・通信コンサルティング部の北俊一・上席コンサルタントは語る。
では世界標準のスマートフォンの“襲来”を受けて、日本の通信会社の考え方は変わったのだろうか。「もう自社仕様の端末をメーカーに作っていただく時代ではなくなった」(ドコモ)、「独自プラットフォームは小幅に進化することはあっても、大胆なイノベーションはもうない」(KDDI)と、フィーチャーフォンの進化が厳しいことを認めている。「これから先はデザインや色、バッテリーの持ち時間くらいしかほかとの差異化はできなくなるのでは」と指摘する声もある。
■耐用年数を迎えていた国産プラットフォーム
だが、実はiPhoneなどが登場する前から、通信会社が定めた仕様で製造される「国内専用端末」である日本のフィーチャーフォンの考え方は耐用年数を過ぎていた。「iモード」などのサービスに最適化されており、その携帯電話会社でしか使えない。長年にわたって機能を付け加えてきたため、1機種あたりの開発コストは100億円超ともいわれ、開発期間は12~18カ月程度かかる。
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