イチロー　勝利呼ぶ犠打　１０試合ぶりマルチも６連勝だ！！

　【ミネアポリス＝ジョン・ヒッキー】この強さは本物か！？　５連勝中のマリナーズは２３日（日本時間２４日）、敵地のツインズ戦で一度は逆転を許しながら再逆転に成功し今季初の６連勝を飾った。イチロー外野手（３７）も１１日のオリオールズ戦以来となる１０試合ぶりマルチ安打と、絶妙な犠打で決勝点を演出。マ軍は借金を１として、２４日にも待望の勝率５割復帰だ。（スポーツプレス・ノースウエスト記者）

　絶妙なバントが三塁前に転がる。同点で迎えた延長１０回無死一、二塁の好機。６連勝を呼び込む犠打を決めたイチローは涼しい顔で振り返った。「サードがめちゃくちゃ前に来ているわけでない。一塁でセーフになる必要はないし、さして問題ではない」。続くフィギンズが敬遠四球後にロドリゲスが決勝犠飛。ウェッジ監督はイチローの犠打に「あれはすごく大きかった」と満面の笑みでたたえた。

　序盤は４−１とリードしながら一時は逆転され追い付き、そして再逆転勝ち。重要な局面での犠打を決めたイチローは、得点を共同作業で作り上げる作品に例えた。「（バントの成否が作品の）出来栄えに影響するわけでしょう？　気持ち良さはある」。最後は守護神リーグが締め、マウンド付近で歓喜のハイタッチ。外野からその列に加わった背番号５１は、うれしそうに白い歯をこぼした。

　自慢のバットも復調気配だ。第２打席で内野安打を放ち、これが大リーグ１６３５試合目で通算２３００安打に到達。この本数の最速到達記録は１９２０年以降では故アル・シモンズ（アスレチックスなど）に次ぐ史上２番目の記録となった。第３打席でも右前打を放ち１０試合ぶりのマルチ安打も達成。２安打に得点、打点も記録し、最後は絶妙の犠打と持ち味を存分に発揮してチームを鼓舞し続けた。今季初の６連勝で借金は「１」。昨シーズン１０１敗を喫したマ軍だが、今季はひと味もふた味も違う。