2011年4月26日5時30分
福島第一原発事故を受け、福島県郡山市は25日、市立の15小中学校と13保育所で校庭の表土を削る工事を始めると発表した。市は「放射性物質の除去に効果があるとの指摘があり、学校生活を安全・安心に送ってもらうために判断した」としている。今週中にも着手し、残土は市の処分場に埋め立てるという。
市によると、小中学校全86校のうち、県が地表から1センチで測った放射線量の値が屋外活動制限の基準として文部科学省が定めた毎時3.8マイクロシーベルト以上だった小学校9校、中学校6校を対象にした。保育所は毎時3.0マイクロシーベルト超で対象を選定。全25所のうち13所で工事をすることにした。
工事は重機や手作業で数センチの表土をはぎ取ることを想定。残土は短期間は校庭の隅などに積み上げるが、最終的には市の埋め立て処分場に運ぶ予定だという。
一方、福島県教委は、県立学校では表土を削る工事を「考えていない」としている。最大の課題は残土の処理で、「処分場所もなく、作業者の体への影響を考えると県独自では判断できない」(担当者)。土壌改良についての抜本的な対策を国に求めている。(斎藤健一郎、小林誠一)