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名古屋高速:全日100円値下げは断念 財源なく時間限定

 愛知県の大村秀章知事と名古屋市の河村たかし市長が公約に掲げた「名古屋高速100円値下げ」について、24時間実施を断念し、時間限定の値下げで最終調整していることが23日、関係者の話で分かった。24時間フルタイムで100円値下げすると年間100億円の財源が必要といい、県・市の財政が切迫する中、新たな財源補填(ほてん)に二の足を踏んだ格好になる。【三木幸治】

 名古屋高速の料金は一部区間を除き普通車750円。首都高速や阪神高速に比べて割高で、大村知事と河村市長は「県・市が一緒にやればいろいろなことができる」と、100円値下げに意欲をみせていた。しかし、値下げは日中の数時間にとどめることになった。交通に影響が出ないようにするため、混雑する時間帯は外される。値下げ幅は110円前後で、今年度中に実施される見通しだ。

 名古屋高速道路公社によると、昨年度の料金収入で増収した十数億円を値下げ財源に充てる。しかし、大半をこの1年間で使い切ってしまうため、来年度以降も値下げする場合、新たな財源を確保しなくてはならない。

 同公社の担当者は「どこを絞ってもこれ以上お金は出ない」と話している。税金をつぎ込んで名古屋高速値下げを継続すべきかどうか、県と市は難しい判断を迫られそうだ。

 名古屋高速は09年7月~今年3月、土日祝日の料金を3割値下げ(750円区間は530円)する社会実験を実施。約46億円の財源は国と県・市で分担した。値下げの経済効果は約54億円で財源補填分を上回ったが、「65億円の効果は欲しかった。胸を張っていえる数字ではない」(関係者)という。

毎日新聞 2011年5月24日 2時30分(最終更新 5月24日 12時03分)

 
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