政治

文字サイズ変更

陸山会事件:「裏献金手配した」 水谷建設元会長「提供は不明」--公判

 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた衆院議員、石川知裕被告(37)ら元秘書3人の第13回公判が24日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、小沢事務所に計1億円を裏献金したとされる「水谷建設」(三重県)の水谷功元会長(66)が証人出廷した。元会長は裏献金について「私がすべて手配した」と述べる一方、焦点の04年分の5000万円が小沢事務所に実際に提供されたかどうかは「分からない」と証言した。

 証言によると、同社は04年、胆沢ダム(岩手県奥州市)の関連工事で下請けJV(共同企業体)の幹事となることを目指していた。元会長は川村尚前社長(54)に対し、元公設第1秘書の大久保隆規被告(49)への陳情を指示。「大久保さんと合意できた」との報告を受けたため、最初の5000万円を用意したという。

 ところが、同社は下請けにはなったが、幹事にはなれなかった。また、5000万円の提供先は大久保被告だったと前社長から報告されたといい「事件が明るみに出て『石川議員に渡した』(と前社長が供述した)と知り、びっくりした」と述べた。

 公判には、04年10月15日に裏献金の授受場所とされる東京都内のホテルに前社長を送ったとされる元運転手の男性も出廷した。

 検察側は、虚偽記載の背景に同社の裏献金があったと主張。4月に証人出廷した川村前社長も、04年10月15日に都内のホテルで石川被告に、05年4月に大久保被告に各5000万円を渡したと証言したが、両被告は受領を全否定していることから、弁護側が元会長らを証人申請していた。【野口由紀】

毎日新聞 2011年5月25日 東京朝刊

 

おすすめ情報

注目ブランド

毎日jp共同企画