(cache) 放出量は5億ベクレルと推定 保安院「周辺に影響なし」 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 放出量は5億ベクレルと推定 保安院「周辺に影響なし」

     経済産業省原子力安全・保安院は8日、福島第1原発1号機の原子炉建屋とタービン建屋をつなぐ二重扉の開放により、総量5億ベクレルの放射性物質が外部に放出されるとの推計を明らかにした。

     大気への放出とは形が異なるが、4月に海に意図的に放出した比較的低濃度の汚染水約1万トンに含まれる量の300分の1で「環境への影響はない」としている。

     東京電力は、今回の放出により第1原発敷地内で浴びる放射線量は、最大0・44マイクロシーベルトと推計。一方で保安院は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を使い、海から内陸に向け秒速1メートルの東風が吹く場合、0・77マイクロシーベルトになるとした。いずれも一般人の年間被ばく線量限度である1ミリシーベルト(千マイクロシーベルト)の千分の1を下回る値。

     保安院によると、5億ベクレルという総放出量は、放射性のヨウ素131とセシウム134、137の合計値。東電が7日に測定した原子炉建屋内の放射性物質の濃度に、建屋の容積約2万5千立方メートルを掛けて総量を算出した。屋根が壊れている原子炉建屋上部の高さ約29メートルの位置から、8時間かけて放出されると想定した。

     宮崎慶次(みやざき・けいじ)大阪大名誉教授(原子力工学)は、一般的に放射性物質の放出は好ましくないとしながらも「敷地内で浴びる放射線量がこの程度であれば、人の健康や環境に影響はないだろう。今のプラントの状況を考えれば、やむを得ない。早く作業を進め、冷却システムをつくることが重要だ」と指摘。事前に建屋内の放射性物質濃度を下げ、地元自治体にも通報したことは妥当だったとした。

      【共同通信】