ほったらかしですみません
twitterで数日前から
原理的には最短二年程度ですべての原発を止めうるというのが現実味を帯びてきた状況下では、原発推進も反原発も脱原発も無邪気ではいられない。どれを止めてどれをいつまで動かすかをまじめに議論することになるし、反原発運動といえども「再起動」を認めなくてはならないときがくる。
という趣旨の話を書いて、一部のかたには怒られ(無邪気ではいられないという表現がいけなかったようですが、そんなに妙な表現とは思っていません)、一部のかたには同意していただいたのですが、菅首相が浜岡に停止要請をしたことで、この話が現実味を帯びてきました。
浜岡は止めればいいと思っていますが、その先を考えると気分はかなりブルーです。
「浜岡をすぐに止めよう」という運動と「すべての原発をすぐに止めよう」という運動は、実は必ずしも相容れるものではないということに気づいている人と気づいていない人がいるのだと思います。後者は無邪気にすぎるということですが。そうではなく、これからは「どの原発の再起動を認めるか」が争点になっていくはずです(すべての原発は最長二年の運転ごとに定期点検が義務づけられている)。
節電でしのぐという考えかた自体は悪くないのですが、ときとして「○○は贅沢だから止めろ」という健常者視点の乱暴な意見になってしまうのが気になっています。バリアフリーの中には電気で実現しているものが少なくないのだし、高齢者や体力のない人には夏の冷房が重要なのだから、簡単に贅沢と言って欲しくはない。駅のエスカレーターは贅沢か、という問題はきちんと考えたほうがよいです。自分は平気だから他人も平気なはずだ、というのでは乱暴にすぎます。
電気がないと生きられない人たちがいることも考えたいところです。
大規模停電の怖さを考えると(人が死にます)、単純に発電可能量を足し算して、かつかつで足りるという話ではだめで、マージンがどれだけ必要かも含めて話をしないと。また、中には発電可能量を足す際に、どの発電所も点検のために止まるということを忘れる人もいるように見受けられます。
また、経済への影響を心配すると、経済より安全がだいじだというかたがおられるのですが、経済が落ち込むとたくさんの人が死ぬのではないでしょうか。電気料金の値上げが回りまわってどういう影響を生むかも、ちょっとくらいは考えるべきで、何も考えないのは無邪気にすぎると言うべきでしょう。
多くのものが「電力の安定供給」を前提に作られています。長期的には脱原発が事実上の規定路線になったと思いますが、オイルショック以降何十年もかけて、現在の電力の体系ができてしまったので、転換にはやはり相当の時間がかかると考えるのが自然でしょう。
この話にオチも結論もありませんし、特に提案もありません。
反論されても、僕はそれに対して有効な反論はできないと思います。
敵味方とかall or nothing的な二分法で語れた時代は終わったと言いたいだけですが、単に乱暴な話を書いているだけと思っていただいてもかまいません。
キャッチフレーズだけ繰り返しておきます
........................
最短二年程度ですべての原発を止めうるというのが現実味を帯びてきた状況下では、原発推進も反原発も脱原発も無邪気ではいられない。
.......................
もうひとつ考えついてしまったキャッチフレーズは
.......................
原発推進と反原発の蜜月時代は終わった
.......................
ですが、これはレトリック嫌いのかたにはさらに怒られるでしょうね。でも、思いついて、気にいったので書かずにはいられませんでした
吉岡斉さんの岩波ブックレット「原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か」は一読の価値があります
[追記]
このテキストをネガティブに捉えるかたもポジティブに捉えるかたもおられると思いますが、僕は「脱原発」がだめだと言っているわけでは全然ないので。ただ、2年で達成してしまうのは、無茶だと思っていますが。
浜岡だけに停止要請をしたことで、停止中の原発の再起動問題が既に持ち上がっています。地元自治体としては、簡単には再起動に同意できないのも当然でしょう。それがこれから順番にやってきます。その気になれば、本当に2年ですべての原発は止められます。「止めろ」ではなく「再起動させるな」でいいわけです。
しかし、この文章くらいでも「原発推進派」に見えちゃうんですかね。
[追記]
社会構造はインフラに合わせて最適化されてしまいますし、インフラはその社会構造に合わせて整備されるという意味で、インフラと社会構造は共進化なのだろうと思います。共進化による一種の「袋小路」(過剰適応)状況から、どう別の穴に移るかという話だと思うのですけれども。たとえば、電波時計用の信号を出すNICTの設備が避難地域内にあったために、多くの時計の時刻が合わせられなくなったことなど、過剰適応の結果ですよね。
まあ、こういうことは書かないほうがいいのかもしれませんが
[追記]
吉岡さんのブックレットを挙げたことでわかっていただけると思うのですが、現実的な脱原発を議論してきた人たちがいないと言っているわけではありませんので、念のため。ただ、そういうかたがたにとっても、事態の推移は急激すぎるのではないかという気はします
この記事に対するコメント[442件]
1. ファブヨン
— May 9, 2011 @13:14:32
1.素人のザックリ理解で、脳のリソースには自身で思うより案外少ない限界がある。
2.だから、複雑なことはまとめ(≒チャンク)て定義することで、より広い範囲を考えてる。
3.キャッチフレーズも、複数の定義や方向性を絡めたまとめのひとつ。
4.研究者同士の専門用語にも案外、その定義にバラつきがあり、そこに気がつかないと議論が混乱する。*
5.しかし、研究者同士は、その定義を説明し合うことで、定義にバラつきがあっても議論できるし、同じ言葉であっても別の解釈なのだと理解できる。*
6.だから、レトリックの危険は、互いに自分も相手も、リソース不足に悩む同じ人間だと考えて、説明し合うことで緩和出来ると思います。
*:項目4と5はTwitterで有名な渡邊芳之さんの著書の一部の要約。
2. Katase — May 9, 2011 @16:18:25
・朝日新聞−「関西への電力「今夏半減も」 福井知事、経産相に迫る」http://www.asahi.com/special/minshu/OSK201105040134.html
福井知事が、福島の事故を踏まえて安全設計や耐震設計の指針を国が見直して暫定的な安全基準を設けるように求めており、定期点検中の原発は当面「その基準を満たさないと再起動は認めない」という立場を示しているそうです。
現在定期点検中のものは、関電の美浜1号機、高浜1号機、大飯1、3号機の計4基で、今夏に向けてさらに美浜3号機、高浜4号機、大飯4号機の3基が定期検査に入る予定とのこと。
定期点検後に再起動が遅れると夏に稼働するのは4〜5基になってしまうとのことで電力不足が予想され、浜岡原発を停止した場合の中部電力への送電にも支障が出てしまう恐れがあります。
3. ken500d
— May 9, 2011 @16:49:28
九州電力の真部利応社長は9日午前、佐賀県玄海町の岸本英雄町長と町役場で会談し、定期検査で運転が停止したままの玄海原子力発電所2、3号機の運転再開に理解を求めた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110509-OYT1T00657.htm
運転再開せざるを得ない事態も当然予想されるわけですが
具体的になされた対策を原発一基ごとに公開して
外からの批判に耐えることが必要だと私は考えてます。
今ある情報で素人目に思うこととしては、非常用電源車配備だけでなく
送電鉄塔(外部電源)の耐震補強が全国で必要な気がいたします。
4. FROY — May 9, 2011 @17:36:46
全体の発電容量からすると、原発が占める割合は20%くらいですよね。
リスクの高い原発を再起動させるより、原発以外の休眠設備を
再起動したほうが理に適っていると私は思います。
5. aokaji63 — May 9, 2011 @18:19:27
じゃあ、どうして現状でこれだけの原子力発電所が設置されているのか?
科学的な考察を求めるブログなので、感情で語るのはいいかげん終わりにしませんか?
6. かんばせ — May 9, 2011 @16:24:22
健康マニアの「健康のためなら 歹ヒんでもいい」
を言い換えて、
「廃原発のためなら死んでもいい」・・・・・・
・廃原発運動が毛沢東のスズメにならない事を切に願っていますが……
リスクフリーではなく、リスクコントロール(マネジメント)とかいう言葉が 世間に理解されて実践されるには まだまだ時間が掛かりそうです。
7. まや — May 9, 2011 @19:03:52
水力発電は自然を破壊してダムを造るから良くない
火力発電は二酸化炭素を大量に出して温暖化に結びつくから良くない
だったらクリーンな原子力発電を。
という流れで日本は原発を大量に作ってきたんだったと思います。世界的に、環境保護に傾いてきているので、二酸化炭素排出削減に積極的です。そのための原発だったはずです。
確かに現状では原発がなくても電気は足りているように見えますが、そんなこんなで火力発電の割合を減らしていこうという流れな訳です。
ますます上昇する電気需要に見合うだけの電気を、安定的に供給するにはどうするのか??
風力や地熱では不十分(というか安定的じゃない)という現実もあります。
私も原発なんか無くなってくれればいいと思っている1人ですが、だからといってすぐに止めてしまえばそれでいいというわけでもない。夏が昨年みたいに暑かったら、クーラーかけずに耐えろって、なかなか言えない。
難しい問題だなぁ、と思います。
原発に変わる発電方法、化石燃料を燃やさなくても済む発電方法、環境に優しい発電方法、そういうものを考えていかないといけないのだと思います。そうしないと原発再起動しなくちゃやっていけなくなっちゃうよ。と
何か新しい発電方法のアイデア、ないですかね。
電力の安定供給という観点からすると水力・火力・原子力が優れていて、特に火力と原子力はまったく自然条件によらない強みがある。そして、リスクヘッジの立場からは一種類に頼らないほうがいいわけね。
9. 匿名希・望 — May 9, 2011 @19:20:35
>火力や水力の稼働率をあげれば原発は特に必要ないと思いますが。
>全体の発電容量からすると、原発が占める割合は20%くらいですよね。
稼働率の内、休眠しているのにはそれなりの理由があります。
施設自体が老朽化している、施設があっても稼働させる人員が足りない等。
また休眠している施設以外でも、常にフル回転で動かす事は非常時の余裕や定期点検の間の休止を見込めば不可能です。
原発を再稼働しないのであれば、絶対に新規発電所の増設が必須になります。
勿論、施設の増設だけでなく、人員の増強も必要です。
原発の作業員をそのまま火力や水力発電所の作業員に回すわけにも行きません。
これはコストの問題よりも、実際に電力需要が逼迫するまでに新設が間に合うのか、時間的な余裕こそが問題になるでしょう。
#その間を稼働率を無理矢理上げることで凌ぐなら、何時まで無理できるかの計算も必要です
この時間の計算は、ケースバイケースで結果は違いますから、全ての原発で再稼働が必要か否かは一概には答えられません。
今回はコストの話は無視してます。
必要とあれば資金については政府が緊急融資するなりして調達する事は不可能ではないので。
10. 匿名希・望 — May 9, 2011 @19:55:53
原理的な壁は別にしても、単純な技術レベルのアップによる効率は変化する訳だから。
11. YMN — May 9, 2011 @23:34:47
「反原発運動といえども」の指すものとしては次の3つあたりが考えられます。
1、全ての反原発運動の人
2、反原発運動の大部分の人
3、反原発運動の一部の人
普通に読めば1の解釈になり、反原発の人が読んだらカチンと来ることになりそうです。
2の解釈で残りの人は原発反対の原理主義といったところで(何があろうが、人が何人死のうが)、常識の枠内では皆無に近いことになり、実質的には1と殆ど同じということになるでしょう。
12. e10go — May 10, 2011 @00:26:14
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/__icsFiles/afieldfile/2011/03/23/032303.pdf
供給力(発電能力)
発電方法:発電能力(発電設備構成比)
水力:554万 kW(19%)
火力:2,012万 kW(69%)
石油:437万 kW(15%)
LNG:1,196万 kW(41%)
石炭:379万 kW(13%)
原子力:350万 kW(12%)
合計:2,916万 kW
年間発電量
発電方法:発電量\年間稼働率(発電量構成比)
水力:116億 kWh\24%(9%)
火力:971億 kWh\55%(75%)
石油:39億 kWh\10%(3%)
LNG:595億 kWh\57%(46%)
石炭:336億 kWh\101%(26%) ← 年間稼働率は、発電設備構成比と発電量構成比を元に計算しているので100%を超えています。
新エネルギー:129億 kWh\*(10%) ← 発電設備構成比が無いので、年間稼働率は出せません。
原子力:194億 kWh\63%(15%)
合計:1,294億 kWh\51%(100%)
年間発電量を見ると原子力が無くても余裕があるように見えますが、実際は余裕がありません。
平成22年の最大電力(ピーク消費電力)が2,698万 kW、供給力2,916万 kWから原子力の350万 kWを差し引くと132万 kW足りません。この分、他所から融通してもらうか、節電の必要がありますね。
ついでに、沖縄電力を除く各電力会社の供給力と最大電力(需要ピーク電力)を調べてみました。
東北電力、中部電力、中国電力、四国電力、九州電力は平成22年の供給力から原子力を除くと最大電力に届きません。つまり、供給不足になります。
北海道電力(2010年推定実績 http://www.hepco.co.jp/info/2010/1187532_1424.html
供給力:合計 826万 kW、原子力 207万 kW、最大電力 579万 kW
東北電力(平成22年3月 http://www.tohoku-epco.co.jp/comp/keiei/keikaku/pdf/h22_keikaku.pdf
供給力:合計 1,680万 kW、原子力327万 kW、最大電力 1,557万 kW
東京電力(平成22年計画 http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu10_j/images/100331d.pdf
供給力:合計 7,800万 kW、原子力 1,794万 kW、最大電力 5,910万 kW
北陸電力(2010年推定実績 http://www.rikuden.co.jp/press/attach/11033001.pdf
供給力:合計 43万 kW、原子力 130万 kW、最大 291万 kW
中部電力(平成22年実績 http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/__icsFiles/afieldfile/2011/03/23/032303.pdf
供給力:合計 2,916万 kW、原子力 350万 kW、最大電力 2,698万 kW
関西電力(平成22年推定実績 http://www.kepco.co.jp/pressre/2011/0328-3_1j.html
供給力:合計 3,428万 kW、原子力 891万 kW、最大電力 3,009万 kW
中国電力(平成22年推定実績 http://www.energia.co.jp/press/10/__icsFiles/afieldfile/2011/03/28/p110328-1a.pdf
供給力:合計 1,226万 kW、原子力 88万 kW、最大電力 1,157万 kW
四国電力(平成22年実績見込 http://www.yonden.co.jp/press/re1103/1178014_1450.html
供給力:合計 669万 kW、原子力 161万 kW、最大電力 572万 kW
九州電力(平成22年推定実績 http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/press/2011/h110330-2.pdf
供給力:合計 1,843万 kW、原子力 424万 kW、最大電力 1,676万 kW
ただし、他の発電施設建設を進めながら、計画的に停止・廃炉していかなければ、日本にとってかなりのマイナスとなると思います。
また、化石燃料に頼るにも、グリーンエネルギーを推進するにも、結構大きなリスクが発生することも予測出来ますね。
「省エネに対して工夫する余地はある」という意見は賛同できますが、「生活の質を落としても構わない」という意見は、国民の余生を削っても良いという意見と同等と思います。
14. ななせ たろう
— May 10, 2011 @05:30:46
冷静な考えだと「私は」思っていますけど…。
「地震活性期」に突入しているというのはすべての地震学者が認めている事実だし〜。
「リスクコントロール」といっても、ゼロの桁が違いすぎませんかね?
15. ななせ たろう
— May 10, 2011 @05:38:21
今話題の夏場の電力供給問題ですが、「最悪回避(日本完全アウト)」を前提にして、そこから遡って、今何をすべきかを考えるようにしたら、それこそ「日本人」のことだから、何とか「やりくり」できるんじゃないですかね?
「足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」てか!
16. o — May 10, 2011 @05:20:40
地震からのリカバリに関してはわりと差異がありますね
17. ふぃっしゅ — May 10, 2011 @06:30:44
記憶で不確かなのですが、原子力資料情報室が2002年頃に出した東海大地震が起きて浜岡原発を直撃したら関東近隣も含めて1000万人近い人が被ばくするというような予測が使われていました。
福島の事故を目の当たりにした直後ですし、多くの人は原発に詳しい知識があるわけではないので原発は「止めれば安全になる」と、一刻も早くと思い署名していたのではないかと思います。
「原発を止める」とはどういうことなのか。
電力供給の影響だけでなく、原発施設の処理にかかる期間やリスク、環境、雇用、地域への影響など、一旦すべての考えられる問題を国は国民に解りやすく提示して意見を求める場を作ってはどうかと思います。
ものごとわかっている人、現在目つき相当におっかないです。
気象学会が現在情報統制を敷いている「事実」はしっかり認識しておきましょう。
雨季(梅雨)以降、気圧配置が変わります。いつまでも西風が吹き続けてくれるわけではありません。
19. Isshocking — May 10, 2011 @09:32:23
>「原発を止める」とはどういうことなのか。
福島原発でも地震と同時に炉心は「停まって」いたわけですが、その後の冷却に支障ありで事故に至ったわけです。
原発というのは停止中でも相当な補機容量に電力を使い、これは結局火力発電とか別の系統を使うことになります。
炉心冷却に数年、その後燃料棒を抜き取ってさらに冷却、炉心解体までは数十年かかるわけですが、単なるビル解体と違って、解体にもまた原子炉の専門技術職というのが必要なので、彼らをどうやって養成するか、技術継承するかという課題もあります。
わたしなどは専門技術職は結局もの作りをしながらでないと実効的な知識は身につけられないので、原発は新規に造りながら古いのを壊していくしかないと思っています。
20. yoshi — May 10, 2011 @09:45:46
一企業である東電だけでは無理でしょう。国の責任というなら、最終的に税金が投入されるわけだし。関東圏だけでなく他圏の見直しも迫られつつある今、全国の問題ですよね。
また、地震・津波対策を、とクローズアップされていますが、自然災害だけでもそれだけではないのですが。
21. o — May 10, 2011 @11:01:10
22. さんちゃん — May 10, 2011 @14:01:26
●電力不足、全国的な問題に 浜岡原発停止で融通厳しく
http://www.asahi.com/business/update/0509/TKY201105090618.html
・非常時の指揮命令系統が整理される:今回は、これがとりわけひどかったみたいなので。
・被害補償の確立:東電と国との駆け引きが無駄すぎます。
・原発立地などの一元管理:中電じゃなければ、浜岡には作らなかったでしょう。
・資金の流れの透明化:たくさんある基金などをまとめて原発に必要なコストを可視化する。そのうえで電力会社への卸値を決めればよいでしょう。
・安全対策の充実:浜岡を止めた程度で株主訴訟がどうのといった話になるようでは論外です。
立地を集中すると、送電コストが上がりリスクも高まりますが、安全対策に必要なコストは下がります。そこら辺を検討して最適化するためには、国有化が一番手っ取り早いと思います。
24. monoris2008 — May 10, 2011 @18:07:18
これを科学的に語る必要があります。
推進派の方々からもこういう所に依拠しての発言をよく聞きます。
おおざっぱな統計ではなくちゃんと因果関係を調べた上での議論なら大いにやるべきでしょう。
それこそ、放射線被曝の影響調査と同等かそれ以上に大事な研究だと思いますので、それ相応に厳密な検証が必要になります。
現時点での自分の見解は、できるだけそういうしわ寄せが行かないよう対策を打つことにこそ知恵と労力を使うべきではないかということです。
もっと言えば、全ての政策を進める際に絶対外せない大前提ですが、いままで十分に手が当てられて来たとは思えません。
25. sksk — May 10, 2011 @19:02:35
データのない(根拠のない)話を。
>すべての原発を止めうるというのが
原子力発電所を止めることが可能かどうかなら、可能だと思います。
単純に、発電を九電力会社がではなく利用者が行う(ローカル発電)ことにすれば。
ローカルな発電設備は、ガスタービン発電機、ディーゼル発電機、都市ガス等による燃料電池、等安定しているものはあるみたいだからそちらに移ればいいと思います。
しかし、どっちが安全かというと、電力会社の方が安全だと思いますが。
まあ、そのリスク(とコスト)を取って止めるのはチョット。
薄く広いリスクは低く見積もられて、濃く狭いリスクは高く見積もられるのかしら。
東北沖太平洋地震では2万人死んでいて、福島原子力発電所の事故ではだれも死んでいないのに。
チョットずれてると思いますが、別の話。
基本的に「核分裂炉」は「核融合炉」へのつなぎと考えられていたのですよね、今も。この際、核融合炉に向けての開発が加速するとか。
核融合炉になれば危険な放射性物質は使わない、核廃棄物(燃焼灰)はほぼ出ないし、燃料は発熱しないし、起動停止は核分裂より楽だし(多分)、・・
どうなんでしょうかね?めど、立ってないけど。
26. ROM歴三年 — May 10, 2011 @23:04:19
駅のエスカレーターが止まって難儀しているのは高齢者でしょう。
核融合だって長期間実用に耐えるにはD-D反応路ので行かなくてはなりませんし、これも中性子をドカドカだしますので、いまの原発の比ではないですが、核廃棄物は出ます。
He3-D反応炉は夢だと思います。
理想を言えば、日照量の安定した砂漠地帯での大規模太陽光発電−電気分解などによる水素燃料輸出サイクルが確立すればベストでないかと夢想しますが、国際情勢が恒久的安定化しなければ絵に描いた餅ですね。
現実的には日本における脱原発の代替発電の中心は、ガンタービンによる熱ハイブリッド発電しかないと思います。
日本にない資源をどう安定確保するための外交コスト・リソースはどれだけになるかと思うと、気が重くなりますね。
27. Katase — May 11, 2011 @00:06:52
>ローカルな発電設備は、ガスタービン発電機、ディーゼル発電機、都市ガス等による燃料電池、等安定しているものはあるみたいだからそちらに移ればいいと思います。
これらの発電で、不足分をちゃんと賄えるでしょうか?
みんなが発電の為の燃料を購入するとして、その分が充分に供給されのかという問題もあります。
火力発電所で不足分を賄うのに問題になっているのが燃料の調達ですが、結局根は同じ燃料調達の問題になってしまわないでしょうか?
同じ燃料を使うのでしたら、発電所の大規模な発電機の方に回した方が効率よく発電できるのではないかとも思います。
>東北沖太平洋地震では2万人死んでいて、福島原子力発電所の事故ではだれも死んでいないのに。
今回の地震と津波による被害者は多数に上っており、被災された方々は今も避難生活が続いて苦労されています。
それに加えて、原発事故が起こり、放出された放射性物質が広範囲に拡散し、直接地震と津波の影響を受けなかった地域にも被害をもたらしています。
原発事故はまだ収束していません。直接の死者は原発事故ではこれまでにいませんが、だからといって軽視していいものでは無いと思います。
警戒区域や計画的避難区域に住む方々は移動を命じられ、持ち出せるわずかな荷物だけを持ってその土地から出て避難生活をしています。大切に飼われていた家畜や可愛がられていたペット達の多くは連れ出せずに飼い主も泣く泣く置き去りにしてきています。大切に耕してきた田畑も放置しないといけません。
原発事故でこれまでの生活を捨てざるを得なくなった人達が大勢います。
住み慣れた土地を離ればらばらに避難することで、地元で培ってきた人間関係も寸断されてしまいます。
半減期の長い放射性セシウムなどで汚染された土地は、これから何十年にもわたってその影響が残りますので、避難を指定された地域の人達は元の家にいつ帰れるのかもまだよく分かりません。
避難の指定がされていないけれども比較的放射線量の高い地域もあり、そこに住む人達についても、放射性物質が将来に健康に与える影響を気にして不安を抱え込んでしまう人達もいるでしょう。
また、あってはならない事なのですが、福島出身というだけで言われない差別を受けている人達もいます。
大地震は短時間に甚大な被害をもたらしますが、原発事故はそれにより放出された放射性物質が後何十年と色々な方面で影響を出し続けるので、だらだらと長続きします。どちらも大きな災害です。
>基本的に「核分裂炉」は「核融合炉」へのつなぎと考えられていたのですよね、今も。この際、核融合炉に向けての開発が加速するとか。
「核融合炉」は、実現にはずっとほど遠いのではないでしょうか?
現時点で実現の可能性の低い技術に期待をするのは、残念ながら非現実的だろうと思います。
monoris2008さん
経済が落ち込むとたくさんの人が死ぬという話に関係するものとしては、参考までに「自殺の経済社会的要因に関する調査研究報告書」が平成18年に内閣府経済社会総合研究所から出されています。
http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou020/hou018.html
>長期失業等を含む失業要因が、年齢階層別データ分析において、統計的に安定して有意に男性自殺率を増加させる方向に作用しかつ寄与度も大きかった。都道府県別年齢階層別データを用いた分析でも、失業率は統計的に安定して有意であった。したがって、98年以降の30歳代後半から60歳代前半の男性自殺率の急増に最も影響力があった要因は、失業あるいは失業率の増加に代表される雇用・経済環境の悪化である可能性が高い。
電力不足で工場の操業などが落ち込む状態が長く続けば、全体的な経済の状況が停滞して倒産する企業が増えたり、人員削減によるリストラで解雇されたりして失業者が増えると自殺者の増加にも繋がる恐れがあると思います。(不景気の時の働き盛りの年齢層の自殺者数は、病気による死亡数を上回ったりするので馬鹿になりません)
>また、都道府県別年齢階層別データの統計分析は、近所づきあいの頻度が高い地域で自殺率が低い傾向にあったことを不完全ながらも示している。
被災地から自治体ごと避難できたケースを除いて、個人や家族単位で地域の人達と離ればなれになる形で避難や移住をした人達は、それまで培ってきた近所づきあいを無くしてしまうので、新たな土地で人間関係を築くまで精神的な面でも大変だろうと思います。
原発事故による影響は現に深刻ですし、一方で定期点検中の原発の再起動を一切しなければ電力の供給に支障が出てしまい経済に与える打撃も無視できないと思います。
予想される地震の関係で一番危険性の高い浜岡原発がまず停止されますが、それに続く原発の停止については、既存の原発の安全対策をしながら原発以外の発電設備を整えつつ、(立地や老朽化などで)リスクの高い原発から順次段取り良く停止して脱原発を行っていくのが良いのではないかと思っています。
>これを科学的に語る必要があります。
別に”科学的”と大仰なことを言うまでもなく、自明なそういう事例をいくつか(ひとつでも)挙げれば十分かと思います。
例えば校舎の耐震化が100%に届かなかったがために多数の人が死亡するリスクがあり、経済状態が良ければ難しいことではないでしょう。
29. FROY — May 11, 2011 @04:15:56
現在日本で行われている発電で主なものは、火力、水力、原子力ですが、
原子力は火力の一種として考えるべきだと私は思います。
私が思うのは、「原子力発電」vs「それ以外の発電」という考え方は古いと思うわけです。
発電方法は考え方一つでカテゴリもいろいろと変わって来るかと思います。
例えばここで、大きな括りとして「熱発電」と「非熱発電」と考えた場合、
原発と火力発電は同じカテゴリです。熱を得る燃料の違いだけです。
この燃料を一種類だけに頼ってしまえばリスクが高くなりますから、
様々な燃料を併用してリスクを分散するべきだというのはきくちさんと同じ考えです。
現在熱源とされている主な燃料は、
石炭、天然ガス、石油、ウランですが、このように分散してきた理由は、
どれかがダメになった場合に備えていたわけですよねぇ。
で、今回このうちのウランがダメになったと考えればよいのではないでしょうか。
こういう時のためにわざわざ分散していたわけですから。
緊急性と将来性とにわけて考えた場合、
まず緊急性を補うために他の燃料の比率を上げる。
そのうえで将来性を考えてウランの代替を探す。
私は、かなり単純な話しかしていないと思うのですが(^^;
30. ぴん — May 11, 2011 @05:32:57
私の友人に某メーカーの原発部門の人間がいるのですが、その受け売りです。
>基本的に「核分裂炉」は「核融合炉」へのつなぎと考えられていたのですよね、今も。この際、核融合炉に向けての開発が加速するとか
今の時点でも核融合に関する研究は盛んなようです。しかし、
「太陽で核融合が可能なのは、その強大な重力で水素(トリチウム)を閉じ込めることが出来るからなんだよね。その強大な重力の代わりに水素を閉じ込める方法が見つからない。おそらく未来永劫無理なのかもね」
との意見でした。
トリチウムの埋蔵量もそれほど多くなく、継続的に発電に利用することも難しいとのことです。
もし、今の問題にかこつけて核融合研究推進という話が出てきたら、それは嘘つきでしょうねえ
32. くろきげん
— May 11, 2011 @05:15:41
まず
(A) 経済成長率が下がると失業率が上昇する傾向がある
という普遍的な教科書的事実があります。経済成長しているだけでは不十分です。十分な速さで経済を成長させないと失業者が増えます。失業率は景気の遅行指数であることがよく知られています。
さらに
(B) 日本では失業率が上がると自殺率も上がるという傾向が明確である
という事実もあります。ぼくのおおざっぱな見積もりでは失業率が1%上昇すると毎年4千人くらい余計に自殺で死ぬことになります。しかもこれは警察発表の自殺者数だけを考慮しての見積もりなので実態はもっとひどいはずです。
実は原発の話とは別に日本での失業率と自殺者数の高止まりは大問題です。1997年から1998年にかけて失業率が急上昇してその後は5%程度で高止まっています。警察発表の自殺者数もずっと年間3万人を超えています。そのうちの年間8千人程度は日本経済低迷が原因の失業率の上昇が原因で増えた自殺です。
このような状況が十数年間ずっと続いてしまっている原因について私は明確な意見を持っているのですが、その話はここでの話題とは直接関係ないので省略します。
経済が低迷すると生活が困窮する人が増えます。自殺を別にしても生活困窮が余命が短くするのは確実だと思います。これについても探せばきっと見積もりが見付かると思います。そもそも通常の感覚では生活が困窮すること自体が絶対に避けたい状況でしょう。
「経済もまた重要だ」と言うと「企業がお金儲けのために滅茶苦茶をやる」というような印象を持つ人が結構いるようですが、そういう話ではありません。それはあまりにもひどい誤解。
生活水準や人命にかかわるリスクについて判断する場合には「見落としているリスクがないかどうか、よく考えてみること」がとても重要だと思います。多数の人間が意見を持ち寄らないと見落としの危険性が高まると思います。「反原発派」「原発推進派」のようなくだらない分類は抜きで議論を進めないとまずいです。
個人的に今回の浜岡原発の停止の経済的害は大したことがないだろうと見積もっています(実は大して自信はない)。リーマンショックが原因で経済が低迷していた2009年夏には電力量ピーク値が低かったので問題無しでした。今回は大震災が原因の経済低迷で似たような感じできっと大丈夫だと思います。
ちなみにトヨタは震災前の生産水準を回復は11〜12月頃になるだろうと発表しています。夏にフル稼働はきっと無理でしょう。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011042200523
電力不足が原因で経済成長が鈍化することになるのは避けた方が良いです。ついでに述べておけばこのタイミングでの増税も非常にまずい。
これもきくちさんがおっしゃっていることの一端かと思います。
なにごとも初動が大切かと私は思います。
私は、今後も原発を続けられるとは思っていません。
現段階で原発ありきを前提として考えれば初動は遅れると思います。
電力会社もその他の産業界も、ほとぼりが冷めれば再び原発を
動かせると内心で期待しているように感じます。
原発を止めたら再起動は無理だと考えれば、
もっと違ったアクションを起こしているはずです。
もし原発廃止を前提に考えるのであれば、
大規模工場などのように電気消費量が多いところでは、
自前での発電の準備を急ピッチで進めなければなりませんし、
電力会社に至っては、休眠設備の再起動と新たな発電所の新設に向けて
全力を注がなければなりません。
原発に対する好き嫌いといった個人的な好みの問題は置いといて、
原発はもうすぐなくなるという前提で考えることこそが
被害を最小限にする最大の方法だと私は思います。
ウランの代替エネルギーを考えるのはそれからで十分でしょう。
34. 匿名希・望 — May 11, 2011 @02:48:32
たまたまメイン産出国との関係が安定してるからって、それが無条件で続くと考えるのは、やはりお花畑の謗りを免れ無いな。
取り敢えず、現用で新設に対応できるのは天然ガスのガスタービンと石炭汽力の2つ。
ガスが優位なのは環境負荷。
石炭の優位はコストと資源安定性。
この方向性を推し進めるなら、ガスタービンのコストパフォーマンスを高めガス供給源の多様化を図るのと、石炭をより環境負荷の低い方法で利用できる様にするのと、両方やる方が良いでしょう。
もう少し先の話なら洋上で自然エネルギー発電をするのもありでしょう。
発電の不安定さは海水の電気分解で水素燃料を作って、それでもう一度発電をすれば、効率は落ちますが回避出来ます。
効率が許すなら、更に水素に炭素を添加してメタンにした方が扱い易くなるでしょうけど。
35. ツチノコ — May 11, 2011 @09:38:35
恐らく、このようなことを語るということは、未来を予測(予言)するということとほとんど同値ではないかと思うので、近い将来に可能である、というようなことは全く期待できないことではないかと思うのですね。
(あるいは、未来は決定されているかどうか、というような科学哲学的な話にもつながるのかも・・・)
(いわゆる)原発反対論者が事故のリスクは言っても、原発を止めた場合のリスクについて言わないのは、(皮肉な意味で)科学的な態度であるのかも・・・
36. SF物理マニア — May 11, 2011 @09:50:06
全く同意です。
核融合炉というのは、幻想に過ぎないと思います。
効率という面でも最悪ですし。
投入エネルギーに対して1.2倍エネルギーを出すわけですが
差し引き0.2のエネルギーしか出しません。
エネルギー収支面で既に破綻しています。
次世代原発として、トリウム塩溶融炉というのがあります。
これは、現状原発と比べて優位性をもつといわれています。
こちらのほうが筋がいいと思われるのですが、高速増殖炉と同様の危険性もあると思います。
37. こなみ — May 11, 2011 @12:24:31
> skskさん
>>ローカルな発電設備は、ガスタービン発電機、ディーゼル発電機、都市ガス等によ
>>る燃料電池、等安定しているものはあるみたいだからそちらに移ればいいと思います。
>これらの発電で、不足分をちゃんと賄えるでしょうか?
> 火力発電所で不足分を賄うのに問題になっているのが燃料の調達ですが、結局
>根は同じ燃料調達の問題になってしまわないでしょうか?
> 同じ燃料を使うのでしたら、発電所の大規模な発電機の方に回した方が効率
>よく発電できるのではないかとも思います。
これはちがいます。大規模な発電所は消費地と何百キロも離れた場所に作られるわけで,送電ロスと設備コストが無視できません。また,力学エネルギーへ変換されない分は廃熱として海と大気に捨てられています。
燃料を輸送して,オンサイトで発電することができれば,送電ロスはなくなります。また廃熱を温水製造に有効利用できるために,実質的な熱効率は格段に向上します。コージェネというやつです。
たとえば,LNG火力発電で得られた電気を使って消費地の家庭で風呂をわかした場合,もとの化学エネルギーの半分も利用できませんが,都市ガスのLNGで燃料電池を駆動した場合,廃熱だけでそのエネルギーをまかなえるはずで,全体としてのエネルギー効率は現時点で85%にも達しています。たとえばホンダのコージェネシステムについての記事を見てください。
http://www.honda.co.jp/factbook/power/cogene/02.html
ちなみに2005年に私が本でこのあたりを紹介したときには75%程度というラインでした。
エネルギー変換・利用技術はこのところ急速に発展しているし,うまい組み合わせを工夫するだけでも発電所何基にも相当する「エネルギー源」になるんだという観点が必要だと思いますね。
解説をありがとうございます。
私は、浜岡原発停止でこの夏を乗り切る短期間のことを想定していました。他の原発の再起動をしなかった場合に、本格的なものは直ぐに設置は難しいですし、間に合わせの発電機などで急場をなんとか乗り切れるものかな?と思ったのです。それでこの夏の燃料供給の不足の懸念も出しました。
オンサイトでの都市ガスのLNGで燃料電池を駆動する方法ならば送電ロスも少ないし、エネルギー効率も高のですね。これから先の原発ではない発電設備の拡充の方法としては選択肢の1つになりそうですね。
オンサイトの発電としては、天候に左右されやすくて安定供給に問題はありますが、太陽電池なども将来的に公共施設を含む一般の建物に補助的に設置していくのも有りではないかと思っています。
良く晴れた日中の太陽がカンカンと照りつける時には、冷房などの電力の足しになるのではないでしょうか。
39. tadys — May 11, 2011 @15:33:35
これらをEVやHVにして、その電池をスマートグリッド化して送電網につなげば電力のピークカットが出来ます。
EVの電池容量は、日産自動車『リーフ』が24kWh、三菱自動車の『i-MiEV』が16kWhですから一般家庭の数時間〜半日分は有ります。
問題は電池の寿命と設備のコストですね。
自然エネルギーを大幅に採用するにはどうしても蓄電機能が必要になります。
大規模なものを小数作るよりは小規模なものを多数作る方がいいのじゃないでしょうか。
40. fisker — May 11, 2011 @16:01:47
横槍失礼します。コージェネシステムの効率が良いことに異論はありませんが、限られたスポットでその中だけの効率を見るのならともかく、大々的に導入して大規模発電所の送電エリア並みのスケールで全体の効率を大規模発電より高められるかというとかなり難しいのではないでしょうか。(そこまでは主張されていないかもしれませんが)
廃熱をいかに有効利用するかが支配的だと思いますが、そのためには小規模設備を分散配置することになり、設備費は割高になりそうです。燃料輸送については都市ガス利用であれば既存のインフラをそのまま使えそうですが、それ以外だとタンカーから直接荷下ろしできる大規模発電に分があります。尚、送電設備の維持コストについては知りませんが、送電ロスは日本の場合平均で5%未満です。
短期的にはコージェネで効率よくシステムが組める所だけでも導入するのは有効ですし、すべきだと思います。ただし、長期的には化石燃料依存からの脱却は不可避であり、将来のエネルギー源が結局大規模集約型になるのであれば送電インフラは維持せざるを得ないと思います。
原子力も現行の軽水炉については埋蔵資源に頼っている時点で持続可能ではなく、あくまでも再生可能エネルギーの本格普及までの繋ぎに過ぎません。ただ、それまでの50〜100年間を、たとえ効率が限りなく100%に近づいたとしても化石燃料で乗り切ることは現実的でなく、再生可能エネルギーがそれより早く十分な容量を賄えるようになる目処も立っていません。そのため、多くの国が繋ぎに原子力を利用する戦略を立てているわけです。この前提条件は、今も変わらないと思います。
41. と — May 11, 2011 @17:08:51
http://jp.mitsuichem.com/csr/special/special_002.htm
やはり液体燃料は使いでがありますし。
42. sksk — May 11, 2011 @18:05:22
お返事ありがとうございます。
ご指摘は基本的に同意します。そのような問題はあると思います。
でも、プラスもあるということで。
1)ローカル発電の話
発電量不足、燃料不足はその通りだと思います。それ以外に作れるかも問題?
どこまで「ローカル発電」を使うか、できる範囲で、との話です。まあ、私はデータないですからね。
ただ、リスクで核分裂発電を他に移すならそっちのリスクも考える必要があるのではと思います。
この辺りの詳細の話は、よくわかっていらっしゃる方が進めてくださってるようで・・・。
実用化するには、技術だけではなく、コスト、「時代の気分(流行?)」等の問題がありますね。
2)福島原子力発電所の事故の話
現在進行中の話でどうなるかわからないのはその通りですが、二桁になる可能性はないでしょう。
「警戒区域や計画的避難区域に住む方々・・・・地元で培ってきた人間関係も寸断されてしまいます。」
これは、東北沖太平洋地震でも基本おなじですよね。
「経済が落ち込むとたくさんの人が死ぬという話」と同じような考え方でしょう。
>どちらも大きな災害です。
福島事故は東北沖太平洋地震による二次災害の一つでは?
(事故っていうのはチョットかわいそうな気がするんですよね、基本的にミスはないような。事故ってミス有というニュアンスでしょう。)
だからいいというわけではないですが。(でも、そう聞こえますよね)
3)核融合炉の話
>「核融合炉」は、実現にはずっとほど遠いのではないでしょうか?
同意します。時間スケールが他の話とは違いますね。
核分裂炉の廃炉に数十年、廃燃料に数百年千年レベルの時間スケールですからそれと比べると、まあいいかなと思ったんですが。
根拠ないですが、何とかなるんじゃないかと。
余談ですが。
Katase さまと私は、同じことを反対側から見ている、言っているだけの違いが主のような。ちがうかな
まあ、それが大切。
私の書き方の問題が主だったりして、「ローカル発電」と「核融合」を一緒に入れたのが敗因かも。
>Katase さまと私は、同じことを反対側から見ている、言っているだけの違いが主のような。ちがうかな
まあ、それが大切。
物事を1人の頭の中だけで考えるのではなくて、複数の人が多方面から考えて意見を出していくと、1人では思い付かなかったり見落としていた点に気付くことができるのが良い所だと思います。
kikulogはどんどん突っ込みが入りますが、私は逆にそれによって自分が独善に陥ったりするの避けられるので、逆に安心感?があったりします。
ローカル発電の話は、今年の夏場には準備期間も短くて間に合わないと思いますが、将来的に全体のバランスをとりながら適度に発電体系に組み込んでいくと良いのではないかと思います。複数の発電方式を試しながらバランス調整していくことで、日本にあった組み合わせが出来てくるのではないかなとも思います。
原発事故の被害の影響はこれから出てくるものも多いと思いますので、現時点で全ての被害の予想はまだ無理だと思いますが、そんなに軽いものではないだろうと予想しています。
被害の程度として直接の死者数も指標となりますが、必ずしも被害はそれだけでは計れないと思います。
原発による被災地の人達は生活の基盤を失ってしまった人も多く、その地域の経済にも影響しそうです。
チェルノブイリでは、生活の不安などのストレスからアルコールの摂取量や喫煙量が増えて体を壊してしまった人達も多いという調査結果が出ています。
また、経済が低迷すると自殺者が増えるということを先にコメントしましたが、同じ様な事が間接的な被害として起こる可能性もあります。
「経済が落ち込むとたくさんの人が死ぬという話」は、私の先のコメントで紹介した「自殺の経済社会的要因に関する調査研究報告書」に、各種統計などのデータと詳細な解析資料がリンクされていますので、もしまだでしたらぜひそちらにも目を通して下さい。
決して、印象だけで語られているのではありません。
>(事故っていうのはチョットかわいそうな気がするんですよね、基本的にミスはないような。事故ってミス有というニュアンスでしょう。)
今回の原発事故は、実は事前にかなり予想されていました。
・吉岡メモ「津波来襲時の事故評価」
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo36.pdf
>経産省傘下の原子力安全基盤機構が2008 年に「地震に係る確率論的安全評価手法の改良」という報告書で、BWR に津波が来襲した場合の研究結果を示しています。報告書には、砂丘を描くなど浜岡原発をイメージしたような図が示されていますが、検討結果は一般的なものなので、この報告書の予測シナリオと、今回の福島原発事故とを比較しました。結論から言うと、殆ど今回の福島原発事故を予測したような報告書です。
>上の例は津波を取り上げましたが、そもそも、地震の時にどうなるかについては、経産省傘下の原子力安全基盤機構が2006 年以降、原子炉の炉型毎に解析していて、下記は福島1 号機タイプの原発の例です。
>今回の福島原発事故では、圧力容器破損も格納容器破損も無かった訳ですが、ベント(排気)したので、結局は放射性物質が数十km に撒き散らされた、ということです。従って、今回の福島事故は、報告書シナリオよりは原子炉ダメージは少なかったものの、環境への影響は同じでした。
>「なんだ、ここまで分かっているのに、なぜ対応してこなかったのか?」と言われそうです。
比較の詳細については、リンク先を見て下さい。良くまとめて整理してあります。経産省傘下の原子力安全基盤機構が、かなりきちんと予測をしていたのに、なんで対応してこなかったのかと、私も思います。
今回の原発事故は、人災でもあると言えるのではないかと思います。
>核分裂炉の廃炉に数十年、廃燃料に数百年千年レベルの時間スケールですからそれと比べると、まあいいかなと思ったんですが。
根拠ないですが、何とかなるんじゃないかと。
諦めが悪いですね〜。差し迫った原発に変わる発電の問題にはとっても間に合わないでしようから、潔く諦めた方がいいと思います。
44. 普通の電気設計者 — May 11, 2011 @22:24:19
また、現行の製品においても、海外の生産委託業者を検討しろとも言われてます。そして一度海外移転してしまうと国内回帰することは極めて稀です。
今後、電力需給の不安定さ、電力価格の高騰、円高、税制などを考えると生産工場の海外移転は必須になるでしょう。
特に、在庫を持たないタイトなサプライチェーンを構成する際に電力需給により生産日程がずれる事は大きな打撃になります。
代替エネルギーが安定化する前に、現行の原発を止める事は、経済面での大きな打撃になるでしょう。
安全でも職が無くなってしまえば、困るのは自分達だと思うのですが。
45. かとう — May 11, 2011 @23:58:12
そうですよね。結局、それで苦しむのは弱者なのです。
地方の人が、工場一つ誘致する為にどれだけ苦労しているのか、そういった想像力が無いんですよ。結局、「原発なんて止めてしまえ」って言うのは、弱者を慮ったフリをして、自分の正義を振りかざしているだけにしか見えません。
46. ROM歴三年 — May 12, 2011 @00:08:06
取り敢えず、福島が収束しなければ、理性的な討議ができるとは思えません。
短期では無い袖は振れないけど、中期では何とかなりそうな気もします。
しかし、そこから国際を含む政治の世界になりそうなので・・・。
でも、直面しているのは短期での問題なんですよねえ。
暫し、ROMに戻ります。
47. 匿名希・望 — May 12, 2011 @00:30:58
根本は国内市場の落ち込みと円高でしょう。
取り敢えず、震災からの復興ついでの代替発電所建設需要は、景気自体には好材料でしょうけど。
#投資資金が充分なだけ供給されるならですが
というか、原発が滑った転んだという前に、
今の状況を見てその努力を行うべきだと私は思います。
あと、鉄道会社には是非自前の発電施設を持ってもらいたいですね。
県や市町村といった自治体による発電も出てくるのではないでしょうか。
原発なくせとか、あるいは原発をなくすなも、
自分の正義を振りかざしているという点においては同じことでしょう。
往々にして戦争がそうであるように、
争いあうのは常に正義と正義ですからね(^^;
49. かとう — May 12, 2011 @09:05:12
これ、全部製造コストに響いてくるという事は理解していますよね?だからこそ、普通の電気設計者さんがおっしゃるように、海外へ出て行く企業が止まらないという話なんですが。
50. と — May 12, 2011 @09:57:14
同様に、電力の質の話も、海外と比べて、どれだけ質を落とせるのかということを、きちんと比較できないのであれば、あまり意味がないように思います。
51. かとう — May 12, 2011 @10:21:05
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-18561020101209
という記事も無視するような人は与太話の域ですね。
52. と — May 12, 2011 @10:30:48
その記事は知っていましたが、私には、その記事からあなたが言わんとすることを読み取れないので解説していただけますか。
それは、原発が普通に稼働中でも起こる事象ですよね?原発があってもそれに対する対策が必要と思うのですが、原発がなくなることでそのコストは劇的に上がるのですか?海外ではこのようなことは起こらないのですか?
第一、停電リスクを上げてまで原発の全停止をしろなんて誰も言って無いんだけど。
あなたは言ってないかもしれないけど
55. captnemo — May 12, 2011 @10:56:54
広瀬、いや猪瀬直樹の旧著には、電気鉄道発足当初、鉄道会社は電気を自前でつくり、余剰分は周辺の民家に売っていたことが、書いてあります。
電力売買自由の、その昔に戻ることがあれば、おこぼれの電力を買えるかもしれない鉄道沿線に住む優位性が増しますが。
56. e10go — May 12, 2011 @12:29:31
もっとも、自家発電を非常用とするなら設備費だけが問題になります。
57. 匿名希・望 — May 12, 2011 @18:35:51
経済活動規模を落とさない節電なんていくらでもあるのに。
少なくともそれを全部実行してそれでも足りない時に原発が必要というなら判るけど。
機械を省エネ型に買い換える(これは買い換え需要も発生して景気には+)、
問題なのはピーク電力なので活動時間を冷房需要のピーク時からずらす(まあシェスタですな)、
一日の中でずらすのが難しいなら地区毎に公休日を変更して週の中でずらす(海外移転を考える様な企業が時差や休日の違う国と取引できないなんて言わないよね?)。
口先で「現実」を唱える人間の頭の中にあるのが「単なる固定観念」以上ものでは無かった事は往々にしてありますけどね。
しかし、多くの日本企業は既にかなり節電を行っており、余裕は余り有りません。その為、新しい設備投資が必要で費用がかさみます。ここで事業投資&開発投資に対する減税措置は、国内に比べて海外の方が優遇されています。よって新しい設備投資をするなら海外を検討・・となるのです。また、市場自体も国内市場よりアジアが大きくなり、生産→市場を短くする為のサプライチェーンを考えると海外移転のメリットが増えます。
これが私の思い込みだけならむしろ嬉しいのですが、実際に会社の業務上で計画が動いてますし、関連他社の工場も移動計画を早めるとの話が出ております。
(実際には、取引先のA社が海外移転する為、関連業者に部品供給を短納期対応してもらう為に海外移転の依頼をしたりします。この話が来てます。)
59. 匿名希・望 — May 12, 2011 @19:48:01
>ここで事業投資&開発投資に対する減税措置は、国内に比べて海外の方が優遇されています。
>よって新しい設備投資をするなら海外を検討・・となるのです。
>また、市場自体も国内市場よりアジアが大きくなり、生産→市場を短くする為のサプライチェーンを考えると海外移転のメリットが増えます。
これって原発関係あります?
仮にあっても、それは9割の条件が揃ってた所に最期の一押しをしただけであって、原発問題なくても遅かれ早かれ発生する事象では?
60. FROY — May 12, 2011 @19:37:51
#55. e10go さん
レスポンスありがとうございます。
>これ、全部製造コストに響いてくるという事は理解していますよね?
>工場で使う電力を電力会社から買うのと自家発電で賄うのとでは、電力に対するコストが数倍から十数倍の開きがあります。
ええ、でもキリンのように自家発電でうまく賄ってる例もありますよね。
きっとこの夏は他社を出し抜いてビールを増産するでしょう(^^;
>もっとも、自家発電を非常用とするなら設備費だけが問題になります。
現存する電話会社や病院や放送局などはこれに当りますよね。
常用として使うことも可能でしょう。
要するに、問題となるのはコストだけということですよね。
#54. captnemoさん
レスポンスありがとうございます。
なるほど、そういう例もあるのですね。
大きな消費電力量もそうですが、計画停電の時のように、
鉄道が麻痺することの総合的なダメージを考えると、
やはり自家発電がいいのではないかと私は思います。
61. FROY — May 12, 2011 @20:02:24
例えば私の住む東京でいえば、東京電力で動いているのは
柏崎の4基だけとなりましたが、これを点検であれなんであれ止めた場合に、
今止めている他の原子炉を再起動出来るかといえば、
これは相当に難しいと思います。
自分達が使う電力ならまだしも、余所の電気の為に地元新潟の人が
そうそう簡単に動かさせてくれると思います?(^^;
ましてや福島となれば、もっとオオゴトです。
地元住民を説得出来るウルトラ級の秘策でもあれば話は別ですが。
「動かさなければ電気が足りないじゃないか」というのは東京の理屈であって、
地元の人達には全く関係ないわけですから。
ですから、少なくとも東京電力の原発停止はカウントダウンに入っていると私は思います。
原発に対する好き嫌いを言っている余裕はほとんどないように思います。
64. と — May 12, 2011 @20:44:01
65. さんちゃん — May 12, 2011 @21:17:30
このたび、顧客先の会社は休日を移動することをなりました。わが社はまだ協議中で何も決まっていませんが。
取りあえず、このまま行くと顧客と出勤日がずれることになり、顧客は出勤しているのにわが社は休み、顧客は休んでいるのに出勤ということになり、常駐している意味がなくなります。かといって3ヶ月もの間毎週休出では組合的にアウトだし。
輪番休出でもしようかという話も出ていますが、未だ対応は決まらず・・・・。
とりあえず、仕事の効率は悪くなるし、人件費は高くなるけど価格には反映できないし。まあ、確実に私のところは経済活動は悪くなっていますね。
66. TAN — May 12, 2011 @21:24:25
かとうさんのお答えはどうか分かりませんが、電力供給が不安定な所と安定している所の停電するリスクを比べた時
一瞬で200億円損をするなら、よりリスクが少ないであろう安定した所に、行きたがるのではないでしょうか?
匿名希・望さん
>機械を省エネ型に買い換える(これは買い換え需要も発生して景気には+)
ですが、工場で使うような機械って、数百万〜数千万円、下手をすると数億円掛かりますから、
省エネ型出てるから変えよう!なんて、家電みたいに簡単にはいかないと思います。
原発うんぬん以前からコスト削減の為に、昼間は最低限の明かりで作業している様な中小企業には、まず無理かと思います。
事故の被害額はどちらかというと主題ではないのです。件の記事の事故は原発に問題がなかったとき、世界最高品質の電力といわれていたときに起きたものです。もちろん200億円の損は許容できないでしょうから、対策はとらないとといけないでしょう。この対策費用は原発があっても必要なものです。原発がとまったとき、この対策費用はどれだけ増えるか、その額を問題としています。
今回、福島原発は何兆円もの損害を出しました。もちろんこのような事故も許容できません。リスクを減らすためにTANさんは原発をすぐに全て止めてしまうでしょうか。私はこのような事故を起こさないだけの対策(もちろんなるべくリスクを増やさず脱原発できれば理想ですが)とそのコストを考えたほうがよいと思います。
68. 匿名希・望 — May 12, 2011 @21:53:32
制度変更を調整無しにバラバラにやってもそりゃ混乱の元です。
休日や休憩時間の制度変更には労働法の変更も必要でしょう。
どんな事もノーコストでは出来ませんが、よりコストパフォーマンスの良い方法はありますし、事が金で済む事なら、それは今の日本にとって一番安い買い物です。
日本程の国債発行余裕とそれを裏付ける潜在的供給力を持っている国を私は知りません。
69. okaby
— May 12, 2011 @23:28:03
ところで、このレスをみると、原発を止めたら電力の安定供給ができなくなると否定的な意見が多数の出様ですが、たとえば、
小出裕章さん
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10851020441.html
田中優さん
http://twitter.com/#!/farposting/status/66729791059005440
も電力は足りているという主張で私も納得していましたが、
問題点があるなら教えてもらえますか?
原発が電力供給に占める割合は2〜3割程度で、54基中40基が年内に停止すると8割電力供給が減るだろうけど、その程度なら、省電化や他の発電の代替、企業活動の調整(バカンスなど)で何とかならないでしょうか?
参考までに、あるMLで投降したものを転載しておきます。
↓
=============
国内原発54基の運転状況をみると
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110508k0000m040072000c.html
震災で停止中が14基
定期検査などで停止中が18基(13ヵ月に1度停止させるそうです。)
浜岡原発2基も含めて年内に10基の停止見通し
となるようで、
少なくとも停止中の原発を徹底して総点検すれば、たいていはボロが出てくるでしょうから、再稼働は無理になるんじゃないでしょうか?
定期検査などで停止中の原発の再稼働も中止に追い込まれば、42基が停止で、稼働中は12基になります。
(計算あってますよね?)
毎日新聞の記事では、
<国内の商業炉の設備容量は計4884.7万キロワットと、発電設備全体の約17%を占めるが、定検中の原発の再稼働が遅れれば、全国の原発の8割超が停止状態になりかねない。>
とのことですが、17%の8割なら、単純計算すれば13.6%なので、これぐらいの省電化はいまから頑張ってもなんとかなるのでは?
原発をすぐにゼロにするのは大変だけど、40基以上を止めることは世論と運動いかんによって十分実現可能なように思えます。
ただし、総発電量に対する原子力発電量の割合は西日本の方が高く、とくに関西電力は2009年で53.6%(今日観たテレビでは現在は43%とか言っていたような)
http://eurofactory.dtiblog.com/blog-entry-733.html
半分を原発に依存している関西人はちょっちきついかもね。
70. masudako — May 13, 2011 @03:00:39
火力発電をいっぱいに使えば、原子力発電所が止まったぶん全部は無理だと思いますがかなりの部分は補えます。しかし需要の変動や点検などに対応する余裕がなくなります。それで、需要のピークでの節電が必要です。また、化石燃料の消費がふえます。二酸化炭素排出の影響をひとまず別にしても、燃料代の費用がかさむことになります。
71. TuH — May 13, 2011 @02:53:14
>…かなりきちんと予測をしていたのに、なんで対応してこなかったのかと、私も思います。
>
>今回の原発事故は、人災でもあると言えるのではないかと思います。
2006年でも2008年でもかまいませんが,それらの報告書類が提出されてから,
・その妥当性を検討し,
・緊急性を評価した後,
・予算を作成,発注し,
・工事が終了する
のが,2011年03月11日に間に合ったとの考えなのですね。
別に私は今すぐ全廃とかは考えてませんので、経済の悪影響を最小限に抑える範囲の節電をやって、可能な限りの火力発電所増設を国庫からの融資で行い、それでも足りない分だけリスクの低い順に再稼働させれば良いと思ってます。
でも、火力の稼働率をピーク時だけでも100%にするのは、緊急時の余裕を考えれば無茶過ぎです。
73. fei — May 13, 2011 @07:42:00
> 2006年でも2008年でもかまいませんが,それらの報告書類が提出されてから,
> ・その妥当性を検討し,
> ・緊急性を評価した後,
> ・予算を作成,発注し,
> ・工事が終了する
> のが,2011年03月11日に間に合ったとの考えなのですね。
間に合ったかどうかは分かりませんが、少なくとも震災から2ヶ月で、各地の原発で電源車の配備が進められているという報道があります。
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80511.html
そもそも、間に合う、間に合わない以前に、報告書を受けて、「その妥当性を評価し..」以下のプロセスはまともに始まっていたのでしょうか?
74. Katase — May 13, 2011 @07:56:37
>2011年03月11日に間に合ったとの考えなのですね。
2008年の報告書から、2年と少しありました。
例えば、福島原発の事故があったことから、浜岡原発では2〜3年後に対策が終了できるとしていました。
【ミニ解説・浜岡原発 運転停止要請の背景は】
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/81126.html
原発事故後から2ヶ月間で、
・津波で電源が喪失する事故を想定して、非常用の発電装置を原子炉建屋の屋上に設置。
・原子炉の水位を維持するための持ち運びができるポンプを配備。
といった緊急の対策ができています。
そして、再来年までには、
・原子炉を継続して冷やすための容量の大きい非常用発電機を高台に設置。
・砂丘と原子炉建屋の間に海抜12メートル以上の壁を設置。
などの対策ができるとしています。
報告書で指摘されていた危険性をきちんと認識していれば、この例にあげた程度の対策ならば、その報告書が出されてから福島原発の事故が起こるまでの間に対応できたのではないかと思います。
75. Ely — May 13, 2011 @10:38:26
私は間に合わなかったんじゃないかと思います。
各原発の電源車配備や浜岡原発の緊急対策は、今回の事故を受けての話なので。
2008年の報告書を真摯に受け止めたとしても、いつおこるかわからない災害に対して、
2009年度は調査費。その結果対策が必要とされれば2010年度から2〜3年の間に工事等施工。
ぐらいのペースだったのではないでしょうか。
他に優先したい項目があれば、さらに後回しにされる可能性もあります。
ただ、報告書を受けて対策を進めている状況だったなら、災害に間に合わなかったとしてももう少し批判は抑えられたかも知れません。
76. Katase — May 13, 2011 @11:16:19
>他に優先したい項目があれば、さらに後回しにされる可能性もあります。
ちゃんと予想できていた地震と津波によって起こる事故の対策よりも、他の事を優先してしまったのですよね。
そして何もしなかった。
その結果が福島原発の事故の現状。
少しでも何か対策をしていれば、例えば非常用の発電装置の設置位置を変えるという簡単な対策だけでも、今の様な状況になっていなかった可能性があると思います。
危険の指摘を軽視してしまい、何もしなかった失敗だと思います。
被害総額は約2兆円ともそれ以上とも言われています。
大地震などめったに起こらないと過信して、ほんのちょっとの対策もせずに怠ってしまったのは、やはり問題があったろうと思います。
>大地震などめったに起こらないと過信して、ほんのちょっとの対策もせずに怠ってしまったのは、やはり問題があったろうと思います。
事故がおきた後の解析では、「これさえしておけば」は出てきますし、それ自体は間違いでは無いんです。ただね、事故の再発防止視点で言うとできるだけ広くシステムを見直す必要があるんですね。例えば、福島第2原発とか、女川とか、東通では、非常用発電が死ななかったのでセーフではあったんですね。Kataseさんにしてみると、「これらの原発はセーフだったのだから、今までどおりで構わない」と思われるかも知れないですね。でも、私みたいな人間から見ると、これらの原発でも非常用発電に頼って何日も炉心を冷やす期間が有ったわけで、これはとても危険な状態と思うわけです。
もともとの考え方の中に、今回の東北地方の太平洋側でおきたような「停電が何日もの長期間続く」という想定が無いわけです。大規模な停電が起きても8時間とか24時間以内にはどこかの変電所から緊急停止した原発に送電再開出来るという想定で緊急システムも作ってきた面があります。今後も原発を使い続けるつもりなら、その「想定」の部分から見直す必要があると思っている訳ですね。
そういう意味で言うと、大地震の頻度の見誤りというよりも大地震や大津波でおきる広域被害の見積もりが甘かったと考えている面があります。このあたり、原発の安全設計の概念を理解して貰えないと理解いただけないない部分なんですが、確かに非常用発電機が生きていた原子炉では事故は防げた訳だけど、もともとそんなに長時間非常用発電のみで耐える事は考えていなくて、たまたま、非常用発電機が頑張り続けてくれたから事故にならなかった様な見方をしている訳です。或る意味、余震が来るたびに他の原発で非常用発電機に障害が出ないかと冷や冷やしながら見ていた面が私なんかにはあるんですね。
なんていうかな、「責任追及視点」でものを見ると「何で非常用発電装置が死んだのだ」は大きなポイントではあるわけです。ただ、その事にあまり強くこだわると、もともとの概念である「非常用装置は使わないで済む事が最も良く、非常用装置のみでしのぐ期間は短いにこしたことはない」なんて概念が出るところを失う面がありましてね。或る意味、今後も源力発電を行う気なら、原発への送電網の強化というのが必要になるんですね。これまでの対策というのは「多重化で充分」と考えられていた面があるんです。複数の電力網から供給を受けていれば、どれかは生きのびるだろう、たとえ全部失われても短時間で復旧は可能だろう、なんて想定です。そしてその短時間の外部電源喪失の間をしのぐためのものとして、非常用発電であったり、直流電源(要は電池です)であったり、最後の手段としての隔離時炉心冷却装置(原子炉の余熱で冷却水ポンプを動かす装置です)があったという事です。
なんていうか、理解して貰えないかも知れないけど、今回の地震とか津波の予想は、人によってはしていた人が居たかもしれないんですが、特別個圧の送電網がここまで大きな被害を受けて、広域の長時間停電が起きる事を予想した人というのを私は知らないんですね。
なんていうかな、「再発防止視点」で見るときに、「大地震や大津波を予想しなかった」という見方だけではなく、その大地震や大津波でおきる原発の周辺も含めた大きな被害の予想想定をする必要があるわけです。それができていなかったと私は思っています。
78. fisker — May 13, 2011 @13:34:39
いかなる設備の設計も、防災計画の立案も、ある条件を想定してその範囲で要求を満たすようにしています。想定を超える事態では要求を満たせないのは当たり前です。したがって、問われるべきは想定の妥当性ということになりますが、どこまで想定するかというのはそれを実現するコストと想定を超えた場合のリスクのバランスで判断されます。
こう言うと、経済性のために安全を犠牲にするのはケシカラン、といった反応をする方が必ずおられますが、社会資本整備においては完全に的外れです。社会資本整備には莫大な費用と長い時間が掛かるのが普通で、その費用の少なくとも一部は最終的に国民が負担しています。割り当てられた枠を超えてリソース(直接的には予算)を投入するには、他のどこかを犠牲にする必要があります。例えば社会保障を犠牲にした場合、それが国民の「安全」に直接打撃を与えることは簡単に想像できると思いますが、定量的な評価は難しい(一応手法はある)ものの、純粋に民間部門の業績悪化といった「犠牲」であっても、規模が大きくなれば社会全体に大きな影響があり、その影響は当然国民の福祉、つまり「安全」にも及びます。より大規模な災害を「想定できた」ということと「想定するべきだった」ということは完全に別のことです。
例えば、大雨による河川の大規模氾濫は長期的な予測が困難な自然現象であり、一旦起これば甚大な人的・経済的被害をもたらすことが経験とともに知られています。そのため、「100年に1度」の規模の大雨を「想定」し、それに耐えうる設備を整備することが決められています。多くの費用が掛かるため数十年掛けて整備する計画ですが、実績は計画の半分程度しか進捗していません。計画通り進めるには税金を増やすか、他の保障を削るか、どこかの民間部門に「泣いて」もらうかしかありませんが、いずれも弊害の方が大きいと(有権者が)判断し、結果的により緊急性が低いと判断されたものは遅れていくしかありません。政府が強力な強制力を持つ政治体制であれば強引に計画を進めることはできるでしょうが、その結果は洪水による被害の期待値を上回る人的・経済的被害がより確定的にもたらされることになるでしょう。
国民(有権者)や市場は常に合理的判断で動くわけではないので、特に長期的な計画についてはある程度の道しるべが必要であり、そこは政治の責任です。長期計画は定期的に、あるいは新たな知見が明らかになれば見直し、国民はそれをチェックすべきですが、十分な判断材料が揃っておらず冷静な判断ができない状態で安易に方針を変更することには慎重であるべきです。
今回の大震災やそれによる津波は想定を超える規模でしたが、どれだけの規模を想定したとしてもそれを超える事象が発生する可能性はゼロにはならず、想定を超えたこと(より大きな規模を想定しなかったこと)自体は問題ではありません。今後の防災計画では今回の経験を参考にすべきですが、今後全ての社会資本を同じ規模の地震、津波に耐えられるようにするべきだということにはなりません。繰り返しになりますが、強権的にやってできなくはないでしょうがそれは国民の安全には寄与しません。(高い確率で逆方向に寄与します)
原子力発電の安全設計については、想定を超える事態においては設備の一部が破損し、少量の放射性物質が環境中に漏洩することを認めています。それでも、放射性物質の多重防護が破れて環境中に大量の放射性物質が放出される可能性は十分に低く抑えることが求められ、IAEAの基準では炉心損傷の確率を1炉、1年当たり10^-6(100万分の1)以下とすることとしています。確率の計算は確率論的安全性解析(PSA)を用い、過酷事故に至るあらゆるシナリオを想定してそれぞれの複合事象の確率を全て積算して求めます。今回の災害では、想定していなかったシナリオで事故に至りました。このことは、地震、津波の規模が想定外だったことよりも遙かに大きな問題です。人間が事前に想像できることには限りがあり、想像もしていなかったシナリオが発生する可能性は今後も否定できません。これはPSAの限界とも言え、10^-6という確率をそのまま信じることはできないでしょう。
今回のシナリオに関しては、その想定さえできていれば非常用電源の多重化という、比較的安価・短期間で取れる対策で過酷事故に至る確率を大きく下げることができ、事業者としてもためらわず対策していたでしょう。残念ながら、実際に起こるまで誰も予想できなかったのが問題なのです。大規模な地震、津波災害の危険性が事前に指摘されていたというのは事実ですが、外部電源の復旧が間に合うと判断したために緊急性は低いとされました。そして、当時の知見ではその判断は妥当なのです。河川堤防の決壊も実際に起これば防災計画の不備が盛んに指摘されますが、普段は逆に「無駄な」土建工事と非難されるものです。
人類が原子力発電を初めてまだ半世紀程度ですが、何度かの事故や数多くの事故には至らなかった事象の経験を蓄積し、原子力発電の安全性は飛躍的に高まってきました。今回の災害や福島第一発電所の事故に至ったシナリオを今後の原子力安全に活かす取り組みは既に始まっており、今後の原子力はさらに安全になるでしょう。
人間が直感として感じる「安心」と、確率・統計論で数学的に算出できる「安全」にはしばしば大きなずれがあります。自動車と飛行機を比べると、事故による犠牲者の絶対数でも、移動距離当たりの犠牲者数でも自動車の方が圧倒的に多く、飛行機が遙かに「安全」であることはよく知られています。それでもなお、自動車は平気なのに飛行機に乗ることを「不安」に感じる人が多いというのは分かりやすい例でしょう。
原子力発電による死者は、チェルノブイリの事故による死者を国連レポートの4000人とした場合発電量1TWh(テラワット時)あたり0.04人です。100倍の40万人だとしても4人/TWhです。これは天然ガス発電による死者数と同程度です。石油火力では36人/TWh、石炭火力は世界平均で161人/TWh、中国に限れば278人/TWhの死者を出しています。主に大気汚染による影響だそうです。水力発電による死者は0.1人/TWh程度ですが、中国の板橋ダム決壊事故(17,000人死亡)の影響を加味すると1.4人/TWhになります。
発電量当たりの死者数だけで安全性を評価できるわけではありませんが、直感による「不安」や「恐怖」だけを根拠に安易に原子力発電からの脱却を図った場合、その結果が必ずしも現在および将来の国民の「安全」には繋がらないことはきちんと理解しておくべきだと考えます。
79. Katase — May 13, 2011 @14:03:54
私は、何が起きても100%完璧な対策をしておけなどとは書いていません。
ちゃんと津波による被害の程度がかなり正確に予測されていたのに、対策として1つも手を付けていなかったことを問題にしています。
この予測をした報告書については、再度紹介しますが次を参考にして下さい。
・吉岡メモ「津波来襲時の事故評価」
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo36.pdf
地震と津波は何処の原発で起きるか予想できないので、全ての原発で対策をとっておく必要がありますが、予算を少し回して、非常用電源の確保が出来る様に設置位置を移動するだけでもいいし、別の対策でもいいし、何か1つでもやっておかなかった姿勢について「怠慢」だとしています。
「想定に対して完璧な対策」をするか「そんなの無理だ」とかという極端な話に持って行かれると結局これまでありがちだった論争と同じです。
私が言っているのは「できる範囲で」という中間です。
「予想できていなかった」のではなく「予想できていた」のですし、手を出せる範囲でいいので何らかのアクショクンを少しでもとっていなかったのが問題だと思っています。
報告が指摘した危険性を認識して、出来る範囲の対策を一応とっていたのに、それでもやっぱり無理だったのでしたらまだマシだと思います。
80. pasta — May 13, 2011 @15:21:42
81. fei — May 13, 2011 @16:03:03
おっしゃることは一般論としては了解できますし、特に反論もありません。ただし、今回の事故のような個別の事例について、一般論で想定外であったと結論付けるのが適切であるとは思いませんし、現時点では時期尚早であろうと考えます。
特にここで結論を出すつもりもなければ、それだけの材料を持っているわけでもないのですが、ただ少なくとも事故の危険性を予見した国会質問なり、報告書なりがあったのは事実なわけです。ですから、今回の事態は、最低限その質問や報告書が国や東電にどう受け止められて、どういう議論・検討がなされて、どういう結論が出されたのかということを議事録などを精査した上で判断すべきことだと思います。
さらに、この論点は、国や東電の責任追及というだけでなく、今後原発に関して新たなリスク(例えば外国での事故とか過去の地震や津波の記録、活断層の発見、老朽化に伴うリスクなど)が発見された場合に、国なり電力会社なりがどのような対応を取ることができるのかということにもつながってきます。つまり、原発の運営体制が、外部から指摘されたリスクを適切に評価して、迅速に対応を取ることができるものであるのか、実際に事故が起きてからでないと対応できないものであるのかということです。この点は、今後原発の存廃を考える上で重要な判断材料の一つであろうと思います。
また、直観として感じる「安心」と、確率・統計論で算出できる「安全」が乖離することがあるという点は同意しますが、この点も必ずしも「安全」が正しくて「安心」が間違っているという単純なものではありません。人間は全ての事態を数値化できるわけではありませんから、確率・統計的計算できる状態に持っていった時点で、いろいろなものが捨象されます。例えば今回の被害を、被害額として金銭的に見る場合、お金に換算できない部分は捨象されます。安全と安心が乖離するのには、それなりの理由がある場合も多いです。
例えば、今回の事故の場合、死者の数で比較すれば、確かに被曝による死者は出ていないので、地震の方がはるかに大きな被害のようにも見えます。しかし、現時点で避難所生活を余儀なくされている人の数を見ると、
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/05/20110511t73013.htm
地震・津波の被害は3県中最も少なかった福島が、全体の半分近くを占めています。
あまり安易な図式化は危険だとは思いますが、一般的に個人がこうした大規模災害に対処していくプロセスは、失なったものと手元に残ったものを精査して、それを現実として受け入れた上で、次の選択に向かっていくという段階を踏みます。もちろん、個人差もありますし、失なったものが大き過ぎで現実として受け入れられない人もたくさんいると思いますが、原発地域以外の被災者の方々は、次の選択のスタートラインに立てる状況にはなっていると思いますし、実際に復興や新たな道に進み始めている人もたくさんいると思います。
これに対して、原発20km圏内の8万人とも言われる被災者の方々は、先日ようやく92人の方について2時間の一時帰宅が許されたという状況です。つまり、自分が何を失なって何が手元に残ってということすらわからない、選択のスタートラインにすら立てない状況です。今後もいつになったらスタートラインに立てるのかすら明らかになっていません。
以上のように、地震の被害と原発の被害はそもそも質が違うのであり、死者数だけで比較すると上記のような問題は捨象されてしまします。今回の事故の場合は捨象される被害があまりに大きいため、死者数の比較による被害規模の検討は全く不適切であると思います。
違和感を感じるべきは、むしろ、「想定外」という言葉を錦の御旗にして、その適用範囲を都合のよいように広げてしまうことではないかな。津波の規模は確かに想定外であったかもしれませんが、津波襲来以前、そして襲来以後の対応が適切であったかどうかは、「想定外」とは別の視点でも検証されなければならないでしょう。Kataseさんの指摘自体は妥当であると思います。
83. Katase — May 13, 2011 @15:50:24
>なんていうか、理解して貰えないかも知れないけど、今回の地震とか津波の予想は、人によってはしていた人が居たかもしれないんですが、
私が予測していたとする報告書は、民間人が私的に出してた様なものではなくて、「経産省傘下の原子力安全基盤機構」という国の専門機関が正式に出していたものです。
「人によってはしていた人が居たかもしれないんですが」というのとはレベルが違うものです。
タイトルが吉岡メモとなっているので、吉岡さんの個人的メモだと勘違いをなさったかも知れません。見落とされていると思いますので、先のコメントにもリンクを貼りましたのでご確認下さい。
84. disraff — May 13, 2011 @16:47:16
横から口を挟みますが、技術開発者さんが吉岡メモの何たるかをご存じない、というのはかなりありえない推測だと思います。そのコメントのポイントは、責任追及視点ばかりでなく再発防止視点からも考えてみてはいかがか、という事ではないかと。
85. Katase — May 13, 2011 @17:06:19
そうですね。技術開発者さんが、有名な「吉岡メモ」を知らないはずはないでしょうね。うっかりしてました。
86. sksk — May 13, 2011 @17:15:13
ちょっと、話が通じていないような。
(私の書き方下手、省略の仕方がまずい?)
単純いうと「想定外のことを「過失(ミス)」とするのはおかしい」です。
何かを決定するためには;
1)「Aをするしない」ためには、(Aによる結果)「B1,B(n)を想定する」必要がある。
2)1)のために「B1を想定する」には「「B1を想定するしないことによるプラスマイナスCを想定する」、でB(n)まで検討。
3)B(n-x)を想定することを決める。B(x)は想定しないことにしたB。
4)「Aをするしない」ためには「「B(n-x)を想定するプラスマイナスD1,D2etcを想定する」
5)「Aをするしない」ことを決定する。
(1-5は明確に分かれているわけではないでしょうけど)
で、Kataseさまのあげている話は1)の話「B(n)を想定する」ですよね。
私の言ってるのは2)の話「B(n-x)を想定する」です。
今回の地震津波はB(n-x)ではなくB(x)に分類されている。
B(x)については想定されていても、それに対応できないからと言って「過失」ではないでしょう。
(津波は防津波堤で防ぐのでB(x)査定かな)
なぜ、B(x)に想定したかという話になりますが、それは
今回の地震津波による、「2万人の死者」の想定がされていないことと同じでしょう。このレベルの地震津波は想定外判定B(x)。
どちらも、想定していないのは「過失」だ、という判断もありますけど。
まあ、発電所に対するAhと2万人の死者に対するAoが同じ想定基準である必然性という話もあります。
説明下手だけど、こんなのでわかります?
まあ、これは「過失」の話で「責任」、「補償」の話ではないですけど
この何を「想定するかしないか」の話は、本題の「再起動」にもつながるわで、って何とか本題に戻ったかな。
お返事ありがとうございます。
>トリチウムの埋蔵量もそれほど多くなく、継続的に発電に利用することも難しいとのことです。
トリチリウムの半減期は12年ぐらいみたいですね。量は海水からで問題ないでしょうけど、海水から取り出すのは簡単にはいかないみたいだけど。
でも、D-T以外にD-Dとかもあるみたいだし。まあ、50年100年のはなしですから。
今さらの返事ですいません。主題ずれみたいですね、この話。
88. Katase — May 13, 2011 @17:19:12
>単純いうと「想定外のことを「過失(ミス)」とするのはおかしい」です。
「想定内」だったんですよね。読んで下さい。
「津波来襲時の事故評価」
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo36.pdf
89. かとう — May 13, 2011 @17:26:24
それは想定外です。
リスクマネジメント上の「想定」とKataseさんが使っている日本語の「想定」の意味が違うと、skskさん他、みなさんが言っています。
90. Ely — May 13, 2011 @17:27:07
http://www.jnes.go.jp/content/000117490.pdf
91. かとう — May 13, 2011 @17:28:35
>本報告書の複製、転載、引用には、当機構の承認が必要です。
引用に著作権者の承認が必要なんて、何処の国の著作権法なんだ?
著作権とは、著作物の「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」事が目的なので、公正な利用である引用は認められてるんです。
93. Katase — May 13, 2011 @17:59:23
紹介した吉岡メモ「津波来襲時の事故評価」に記載されているのは、紹介したリンク先を見て頂けたら分かると思いますが、
・2008年(平成20年)「地震に係る確率論的安全評価手法の改良」←こちらが主
・2010年(平成22年)「地震時レベル2PSAの解析(BWR)」
です。
平成21年度 「地震に係る確率論的安全評価手法の改良=BWRの事故シーケンスの試解析=」ではありません。
また、私が吉岡メモの「津波来襲時の事故評価」を資料として出したのは、
skskさんの
>福島事故は東北沖太平洋地震による二次災害の一つでは?
(事故っていうのはチョットかわいそうな気がするんですよね、基本的にミスはないような。事故ってミス有というニュアンスでしょう。)
東電には事故というのもかわいそうであり、ミスは無いとされた事に対して、そうとも言えないのでは?ということで参考までに出しました。
話がズレてきてしまっていると思うのですが、
他の方々も、同じ様に東電にはミスが無かったとお考えでしょうか?
※発端は、東電にはミスがあったか無かったかというのが論点です。
94. かとう — May 13, 2011 @18:14:09
をざっと見てきましたが、あるイベントに対して、各事故の発生確率は出ていますが、これだけをもって「想定」って言う人は想定の意味を解ってないですね。
それらのイベントがどの程度の確率で発生するのか、その各事故に対して、どの程度の損害が発生するのか、その各事故に対してどの様な対策案がありそれらのコストはどの程度か。
それらを全て勘案した後に、想定するかしないかの判断が下されるわけです。
平成21年度時点でのリスクマネジメントに必要な基礎資料の一つがこれだったとは言えますが、これだけで今回の事故が防ぎえたかどうかの判断は不可能です。
これで十分だという人は、自分が全能者(神)だと思っているとしか思えないです。
95. かとう — May 13, 2011 @18:20:45
>他の方々も、同じ様に東電にはミスが無かったとお考えでしょうか?
>
>※発端は、東電にはミスがあったか無かったかというのが論点です。
事故後の対応に細かいミスがあったかどうかでいえば、あったと思います。
が、事故前にミスがあったとは思えません。
96. Katase — May 13, 2011 @18:41:39
私の前のコメントに書いてある通り、Elyさんが出されたのは別の報告書です。
吉岡メモ「津波来襲時の事故評価」の方をお読み下さい。
なんていうかな、別に電力会社の肩を持つ気は無いのだけど、基本として「外部電源喪失」という想定はあったし、その時に「1炉あたり複数基」ある非常用発電機が動かないという「全交流電源喪失」の想定もあった訳です。だからこそ「隔離時炉心冷却装置」という炉の余熱でポンプを回すシステムまで作って居たわけですからね。問題はその喪失の時間想定なんです。特に「隔離時炉心冷却装置」に関しては「長時間は駆動出来ない」ということを前提とした最後の安全装置なんですね。緊急停止後の炉心は稼働時の7%くらいの熱を出しますから、その熱量で動くように設計していて、頑張って水を入れて炉の出す熱量が下がると動けなくものなんですね。設計要件からすると8時間を超えれば動作が危なくなる装置です。考え方としては、その時間内に非常用発電機を動くようにしたり、あるいは外部からの電力を取り戻すという考え方なんですね。
現実を考えると、1号炉ではこの「隔離時炉心冷却装置」が動きませんでした。これについては非常に大きな問題です。想定内の事がおきたのに対応出来なかった訳ですからね。2号炉、3号炉についてはだいたい20〜30時間くらいこの装置が頑張ったけど力尽きた感じです。問題は、その20〜30時間の間に非常用発電機の回復ができなかった、つまり想定以上のダメージを複数の非常用発電機が被ったということで、これについてはKataseさんが言われるように設置場所の変更とかを事前にやっておけば防げた可能性はある訳ですね。でも、ここで忘れられやすいのですが、この時間の間に外部電源が回復しても結果としては同じなんですね。というか現実の対応としては、外部電源の復旧を考える方が正道だろうと思います。この複数の変電所からの供給が一斉に止まり、さらにその回復に時間が掛かったという事もまた、今回の事故における「想定外」のことだったことと考えて欲しいわけです。
なんていうかな、「津波がきたから非常用発電も失いました」という視点からは「非常用発電をもっと津波に強くしよう」しか結論は無いし、kataseさんは、「それで充分」とお考えになると思うのだけど、私にしてみると、「多重の外部送電網はなぜ、長時間にわたり回復しなかったのか」についても考えて、その対策をすべきだろうと考えている訳です。それが「再発防止視点」というものだと言いたい面があります。例えば地震・津波時に原発をとりまく送電網はどのような被害を被り、どの程度の期間、原発への送電がストップするかを想定する事が甘かったと思っている訳です。
98. FROY — May 13, 2011 @18:36:00
とりあえず日本全体を考えると話がぼやけそうなので、
首都圏に絞って考えた場合、当面の緊急策として私が考えるのは、
1.時間を稼ぐ
2.電力を確保する
3.消費電力を抑える
この三本柱ではないかと思います。
1.時間を稼ぐ
柏崎で稼働中の原子炉4基の内2基が今年8月に定期検査で停止する
予定となっておりますが、検査を延期してもらうようにお願いするしか
ないように思います。勿論期限を決めなければなりませんが。
止まっている原子炉を再稼働させるより、動いているものをそのまま
使う方がまだやりやすいかと思います。
2.電力を確保する
火力、水力の休眠設備の再稼働が急務となるかと思います。
あくまで緊急措置ですので、効率やコストや環境といったものは
ここでは度外視しています。
3.消費電力を抑える
ここでいう電力は、東電が発電した電力消費を抑えるという意味です。
消費電力の大半を占める企業による自家発電が効果的かと考えております。
中小企業まで全てというのは難しくとも、規模の大きな工場や鉄道会社、
電話局、放送局、病院、百貨店、遊園地、空港などなど、消費電力が多い
事業所には自家発電の導入を推進するわけです。
緊急措置として、設備や燃料にかかる費用を国が補助するのもありだと思います。
どのくらい時間が稼げるか、また、その期間内にどこまで準備が出来るか。
ここがポイントになってくるかと思います。
99. Katase — May 13, 2011 @18:52:11
私は「それで充分」とは書いていません。
東電ができる範囲で何か1つでも対策してあったら、その「姿勢」はそれなりに評価できたのにとしています。
国の専門機関からの指摘は3年前に出されており、直前に出されて全く対策する時間もなかったというものではありません。
なかなご理解を頂けないので繰り返しますが、その対策では完璧では無いとしても、国の専門機関から正式に指摘されていた危険に対して「できる事はしておこうとする姿勢」を持ち、何かできる事を少しでも行っていたらその姿勢は評価できたのにと言うことです。
それでも被害が出てしまったら、仕方ないです。
吉岡さんのコメントにある様に、
「なんだ、ここまで分かっているのに、なぜ1つも対応してこなかったのか?」という事です。
原点に戻りますが、技術開発者さんも東電にはミスが無かったという判断ですか?
100. ブランク永井 — May 13, 2011 @19:47:47
再起動を含めた今後の日本の原発の状況がどのように推移していくかは、この人々がどう考え、どう判断するかに大きく依存するでしょう。それを前にしては、脱原発のリスクやコストの理屈、また今回の事故を踏まえた今後の対策の推進などはいかにも無力のような気がします。
101. YMN — May 13, 2011 @20:08:32
>田中優さん
>http://twitter.com/#!/farposting/status/66729791059005440
>も電力は足りているという主張で私も納得していましたが、
>問題点があるなら教えてもらえますか?
魚の骨が喉に刺さってしまい耳鼻科に行って抜いてもらったことがあり、耳鼻科を出る時は開放された気分でしたが、このような「治療した途端に治る」というのは医療行為では例外的と言えるでしょう。
悪霊などに憑依された(と思い込んでいる)とき祈祷師に徐霊してもらう場合も、このように悪いものが取れて途端に良くなるイメージかと思います。
”悪いもの”を想定し、諸悪の根源をそこに置くことにより、「それさえ無ければ」ということで、陰謀論と極端な楽観論が同居していることがあり、田中優氏にそれを見る感がしてしまいます。
きくちゆみとも親しいようですし、思考パターンが陰謀系のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=KhEEwZ7xKyE
田中優氏は社民党のブレーンとして扱われているようですが、おそらく田中優氏にとっては箔付けになり、社民党にとってはプラスにはならないと思います。
なお、「問題点があるなら教えてもらえますか?」というのは、トンデモさんの定番パターンの「立証責任の転嫁」を彷彿とするものがあり、少々嫌な感じがしてしまいます。
人に聞く前に、それらしきキーワードでネットで検索するだけでも、批判意見は結構見つけられるかと思います。
もし、仮に東電や同様に対策をとってこなかった他の電力会社も同じ様に考えていて、指摘された危険性に対して何も対策をとらなくても「ミスは無い」とする姿勢をとるなら、私はそんな風に事故対策がなされずにいる状態の原発ばかりになるならば、もうさっさと無くしていった方がいいとさえ思います。
実際には、東電は事故を起こした事に対して被害者に謝罪をし、賠償金をできる限り支払いますし、他の電力会社も急いで地震・津波の対策を取り始めています。
実際に起きてしまった事故を教訓に、のど元過ぎれば忘れるという様な事なく、危険性の指摘に対しては今後は常に前向きに取り組んで行って欲しいと思います。
定期点検により停止した原発の再起動には、地元からこれまでよりも安全対策がしっかりとなされる事が条件になってくるだろうと思います。
もし、事故が起きてしまうまで地震・津波に対して対策をとってこなかったことに対して「ミスが無かった」と主張すれば、なかなか地元の人達から再起動は許され難いのではないかと思います。
103. fisker — May 13, 2011 @21:06:26
公衆衛生などでもよく問題になることですが、被害を「無限大」に見積もってしまったり、確率を「ゼロ」と考えたりしては定量的な評価ができず、合理的な判断はできません。防災や公衆衛生では時として個人が直感的に実感できる範囲を超えた被害や確率を扱うことが求められます。1/100,000と1/100,000,000はどちらも直感では「ほとんどゼロ」ですが、リスク管理での扱いは大きく異なります。「事故は絶対に起こらない」とか、「こうなったら日本は終わり」みたいな思考停止ではなく、冷静に、定量的に評価して初めて合理的な判断ができるのです。
震災以前に指摘されていたというのはあくまでもそういうシナリオが考えられる、ということであり、その発生確率については指摘した側も含め高いとは考えていませんでした。したがって、「危険性を指摘されていたのに軽視した」というのは定性的にはその通りなのですが、より正確には「危険性を指摘されたが、リスク(被害予想×発生確率)が低いと見積もって優先順位は低いと判断した」というところです。その見積は結果的に間違っていたわけですが、当時の知見では妥当な見積だと思います。
電力会社は毎年一定の(相当な)リソースを原子力の安全性向上のための改良や研究につぎ込んでいます。確認したわけではありませんが、津波対策を後回しにした分のリソースはより安全性の向上に寄与する(と判断した)対策に回していると思います。
ちなみに、炉心損傷確率の10^-6/年・炉というのはIAEAのガイドラインも国内の基準も同じですが、これはもちろん最低(確率としては最高)ラインであり、これだけ達成すればよいというものではありません。国内のプラントは、事業者の自主的努力により評価上はいずれも1〜2桁基準より低い確率を達成しています。
また、国内外の様々なトラブル事例、研究による最新知見などは国際的に共有する仕組みがあり、国内で事例がなくても海外で同じ機器、材料でトラブルがあれば対策をすることになっています。福島第一で起きたことは今後はもちろん世界中のプラントで「想定」されることになります。
さらに、以上の事情により、今回の事故のシナリオを予見できなかった責任は東電一社、ましてはその役員や社員個人にあるのではなく、世界中で原子力の平和利用に携わる全ての技術者(私自身を含めて)が負うべきであると考えます。
104. Ely — May 13, 2011 @21:14:14
話をややこしくしたみたいですみません。
でも、
>・2008年(平成20年)「地震に係る確率論的安全評価手法の改良」←こちらが主
これがどうしても見つからないのです。探し方が悪いんだとは思いますが。
吉岡メモの要約はわかりやすくていいのですが、どんな条件のシナリオを設定していたのか知りたかったので・・・
もう一度良く探してみます。
お騒がせしてすみません。
105. Ely — May 13, 2011 @21:31:43
http://www.jnes.go.jp/content/000004688.pdf
ありがとうございました。
106. hn33jp — May 13, 2011 @21:41:38
私は「ミスがあった」とされるKataseさんのご意見も「ミスはなかった」と言われるかとうさんのご意見も、どちらもうなずけます。結局、ミスという言葉をどう捉えるかということではないでしょうか?
例えば、私は大学に勤務しておりますが、法人化以降、職場の巡視などが厳しくなりました。書棚を金具で固定しろとか、高所に重量物を置くなというような指導を衛生管理者などから受けるようになり、「書棚は場所を変えることがあるのに」とか「棚の上に物を置けなかったら、どこに置けばいいんだ?」とか不満が募ります。
衛生管理者の危険性の指摘というのは、実は法的には強制力がなく、事業者の主体的な判断で取捨選択できるようになっています。リスクに対応することは、コストがかかりますので、そのリスクをどれくらいあり得ることかと判断することが事業者に許されているわけです。ただし、指摘を受けていたにも関わらず、対応せずに労働者に被害を与えた場合には、事業者の結果責任は重くなります。結局、この構図と同じだと思うのです。
吉岡レポートにより勧告を受けていたにせよ、そのリスクにどれくらい現実味があるのか、また現在の備えで対応できないものなのか、というようなことを事業者側が自主的に判断することは、法的にも許されており、対応しなかったこと、それ自体を「ミス」だとは、言えないと思います。
ただし、現実の世は結果責任ですから、こうなってしまえば、その判断が適切でなかったと非難されることは仕方ないですし、判断ミスだと言われれば、申し開きはできないと思うのです。何も起こらなければ、経営的には好判断なのですが。
よく言われていることですが、私は結局、原子力という技術は、事故が起こった際の影響の及ぶ範囲が、物理的な広がりでも、時間的な長さでも、他の災害と比べて大きいことが問題だと思っています。経営判断的には辛いでしょうが、かなりの低いリスクに対しても実際は対応しないと、今回のようなことが世界のどこかである頻度で今後も発生する可能性があるように思います。それにより原発がコスト的に成り立つかというのは、また別の話です。原発の耐震性が一部の例外を除けば、直下型地震でM6.5までしか対応してないとか、悪意のあるテロに対する対策とか(廃棄物の管理を含めて)、反対派から指摘されている潜在的な危険性は他にもあります。
ただ、私は心情的には東電には同情的です。基本的には、原子力を重視してきた国の方針に大きな責任はあり、またそれによって作られた電気を使っていた国民にも一定の責任があると思っています。東電の判断ミスというのは、厳密に言えばあるでしょうが、明らかに責められる種類のミスとは違うと思います。
東電に責任を押しつけて、原発によって得た電気を使っていた国民は被害者だという構図も辟易します。福島で被災されている方には申し訳なく思いますが、東京や関西で電気を使っている人間にまったく責任がないと私は思えないです。原発は社会全体としてのリスク&リワードについても考慮が必要ですが、より鮮明にはリスクとリワードの地域による偏在性に問題があります。再起動を難しくしているのは、そちらの問題で、大都会に住む人間は、このようなリスクの偏在性について真摯に考える必要があると思うのです。原発からの距離に比例して、電気料金が上がるような仕組みでもあればとか、ちょっと思いますけどね。
この場合、最初から原発存続が結論だった訳で、設問の立て方自体が間違っていた可能性を排除できるのでしょうか?
・fiskerさん
>電力会社は毎年一定の(相当な)リソースを原子力の安全性向上のための改良や研究につぎ込んでいます。確認したわけではありませんが、津波対策を後回しにした分のリソースはより安全性の向上に寄与する(と判断した)対策に回していると思います。
流石にそれを証拠も無しに信じられる程、皆さんお人好しではないと思いますよ。
それこそ、定量的判断ではありません。
108. 匿名希・望 — May 13, 2011 @21:51:44
・fiskerさん — May 13, 2011 @13:34:39
>原子力発電による死者は、チェルノブイリの事故による死者を国連レポートの4000人とした場合発電量1TWh(テラワット時)あたり0.04人です。
100倍の40万人だとしても4人/TWhです。これは天然ガス発電による死者数と同程度です。
>石油火力では36人/TWh、石炭火力は世界平均で161人/TWh、中国に限れば278人/TWhの死者を出しています。主に大気汚染による影響だそうです。
>水力発電による死者は0.1人/TWh程度ですが、中国の板橋ダム決壊事故(17,000人死亡)の影響を加味すると1.4人/TWhになります。
この数字のソースを教えて頂けませんか?
それと、今回は日本のエネルギー政策の話なので世界平均ではなく日本のみの平均で計算するべきと思いますが。
もっと言えば、今現在稼働していない旧式機械によるものは除外するべきです。
109. zorori — May 13, 2011 @21:54:23
しかし,多くの人が,原発災害は致命的で許されず,絶対安全で無くてはならないと感じているのだとすれば、そんなことは不可能だから,原発は止めるべきだと私は思います。
個人的には,現状の原発は他の施設と比べれば十分安全で被害の期待値も小さいと思います。明白なミスも無かったと思います。ミスのように見えるのは後知恵ではないでしょうか。津波が起こった後では、10m程度の津波で被害を受けるなんてお粗末だというような風潮ですが、3.11以前はそんな津波対策をするのは過剰だという思われていたのではないでしょうか。地域ごと壊滅するような大災害にもかかわらず,直接的には一人の死者も出さずこれだけの被害で済んだというのは驚くべきことです。千葉の石油コンビナート火災では3人の重軽傷者を出し,10日間炎上し大気を汚染し,将来の発がんリスクを高めたかもしれないことに比べれば,上出来です。
それでも、一旦事故が発生すれば致命的な被害をもたらす原発は廃止した方が良いと考えます。直接的な被害は皆無であるにもかかわらず、間接的な被害となると,避難による住民生活,農産物,海産物に与えた打撃は膨大なものです。これは,将来的なガン発生率のわずかな上昇も防ぐという非常に高レベルの要求に対応するためのもので,それが皮肉な事に別の大きな被害を引き起こすということが実証されました。
仮に,今回のような津波に耐えうるように改善されれば,それ以上の津波での被害は許容出来るのでしょうか。テロや飛行機衝突のような事故は仕方無いと諦められるでしょうか。飛行機でも自動車でも建築物でも事故や地震被害があり得ることは誰でも了解しており,出来るだけ安全にすべきとは思っていても,廃止すべきという意見にはなりません。でも原発は違うのはなぜかということです。
110. ごんべえ — May 13, 2011 @22:25:22
「複数の変電所からの供給が一斉に止まり、さらにその回復に時間が掛かった」のソースはどれですか?外部電源が一系統しかなくて、しかも、津波でもなく鉄塔が倒壊したという話じゃありませんでしたっけ?
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-30/2011043004_04_0.html
福島第一原発の電源多重化というのは今年の4月になってから行っているものは目にしますが、もともとどんな多重化がされてたんでしょう?
fiskerさん ― May 13, 2011 @21:06:26
> より正確には「危険性を指摘されたが、リスク(被害予想×発生確率)が低いと見積もって優先順位は低いと判断した」というところです。その見積は結果的に間違っていたわけですが、当時の知見では妥当な見積だと思います。
発生確率をどのような根拠でどのように見積もったという情報が出ていないのにどうして「当時の知見で妥当」と評価できるんでしょうか?根拠無く発生確率を過小評価(0とみなす)した疑いが濃厚じゃないでしょうか?(もとより頻度の低い事象で適正な推定は難しいことは認められますが)
zororiさん ― May 13, 2011 @21:54:23
「直接的には一人の死者も出さず」ってどういうこと?少なくとも3人亡くなっていると報道されていますが?
http://www.asahi.com/national/update/0412/TKY201104120142.html
111. ROCKY 江藤 — May 13, 2011 @23:26:41
それは原発において亡くなられた方々であって、原発が原因で亡くなられたのではないでしょう。
建物の倒壊ならば他のプラントでも起こることです。たまたまそこが原発であっただけです。
> 他の方々も、同じ様に東電にはミスが無かったとお考えでしょうか?
ということですので、私自身の意見を書きます。現時点では、ミスがあったともなかったとも結論付けることはできないと考えています。
fiskerさんがお書きになっていますが、
> 公衆衛生などでもよく問題になることですが、被害を「無限大」に見積もってしまったり、確率を
> 「ゼロ」と考えたりしては定量的な評価ができず、合理的な判断はできません。防災や公衆衛生で
> は時として個人が直感的に実感できる範囲を超えた被害や確率を扱うことが求められます。1/100,000
> と1/100,000,000はどちらも直感では「ほとんどゼロ」ですが、リスク管理での扱いは大きく異なります。
という意見は全くその通りだと思います。ですので、2008年の報告書を受けて、想定以上の津波の発生確率がきちんと再検討されたのか、その際に見積られた確率が1/100,000なのか1/100,000,000なのか、その見積りのプロセスは妥当なものであったのか、また、他の安全対策が優先されたのだとすると、その対策の根拠となるリスクはどのようなものであったのか、ということが重要な判断の根拠になると思います。これらが明らかになっていない以上、ミスがあったかなかったかという判断は、現時点では避けたいと考えています。
なお、上記のような議論が記録に残る形で行なわれていなかったとしたら、それは報告書を個人の実感できる範囲で処理してしまったとしか考えられませんので、重大なミスであると考えます。
政府が今月中旬に発足させるとしている原発事故調査委員会には、上記のような問題までつっこんだ調査を期待していますし、私自身の結論はその報告を待ちたいと思います。
113. Katase — May 13, 2011 @23:48:02
>外部電源が一系統しかなくて、しかも、津波でもなく鉄塔が倒壊したという話じゃありませんでしたっけ?
それにつけ加えますと、津波によって非常用ディーゼル発電機が機能喪失したことで、最終的に全電源が失われています。
また、吉岡メモからの引用ですが、
・福島原発事故の発端 (PDF)
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo34.pdf
>〜枋蠧發陵匹譴涼録未世辰燭、1/2/3/4 号機の受電設備が損傷して外部電源喪失し、5/6号機は受電している夜ノ森線の鉄塔が倒壊して外部電源喪失した。
>△修慮紊猟吐函平緞廚箜た綢設備の破壊等)で、非常用ディーゼル発電機が機能喪失した。
>以上の両方の原因で事故になった、と言えます。言い換えると、地震対策または津波対策のどちらかだけでもしていれば、事故は防げたはずです。
ここで、福島原発での地震の最大加速度は448 ガルと、想定予想値(600 ガル)以内だったことから、想定内の揺れの地震とされています。
また、もし原発西側の夜ノ森線の鉄塔が倒壊しなければ、5/6号機用の外部電源を1/2/3/4 号機に送電できたとのことです。
114. okaby
— May 14, 2011 @00:14:28
<電力は足りているという主張>の妥当性を問うているだけです。
その有名な主張として田中さんのものがあるので、それに問題点があるなら教えてほしいということだけであって、あとの尾ひれのことは私も重々承知ですが、今回の質問の本質ではありません。
115. okaby
— May 14, 2011 @00:23:15
あらためて。
<電力は足りているという主張>について、
<人に聞く前に、それらしきキーワードでネットで検索するだけでも、批判意見は結構見つけられるかと思います。 >とのことでご存知のようですから、最も説得力だと思える一例だけでも教えてもらえますか。
116. Katase — May 14, 2011 @00:15:47
>吉岡レポートにより勧告を受けていたにせよ、
2008年に事故の可能性を予見して報告していたのは、「経産省傘下の原子力安全基盤機構」という国の専門機関であり、「吉岡メモ」の筆者の吉岡律夫さんではありません。
参考までに吉岡律夫さんは、(株)東芝の原子力事業部で原子炉設計や安全解析に従事した後、同社の情報制御事業推進室で機能安全事業を担当していた経歴の持ち主です。今回の原発事故についての情報を集め、ご本人の解説と見解を加えて「吉岡メモ」として情報提供をされています。
レスありがとうございます。
<別に私は今すぐ全廃とかは考えてませんので、経済の悪影響を最小限に抑える範囲の節電をやって、可能な限りの火力発電所増設を国庫からの融資で行い、それでも足りない分だけリスクの低い順に再稼働させれば良いと思ってます。
でも、火力の稼働率をピーク時だけでも100%にするのは、緊急時の余裕を考えれば無茶過ぎです。 >
↑
そうなのかもしれません。
ただ、真夏の午後の電力消費ピーク時、よく言われるように夏の高校野球決勝戦ごろのピークでも、一般市民の電力消費は1割で企業の消費が9割をしめていますね。
たとえば、ある本の紹介で、
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%80%E9%9B%BB%E6%A9%9F%E3%81%A7%E9%9B%BB%E6%B0%97%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%82%92%E8%B2%B7%E3%81%8A%E3%81%86-%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%81%AA%E3%81%91%E3%82%8C%E3%81%B0%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E3%81%AF%E6%AD%A2%E3%81%BE%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%84%AA/dp/4270005890
<電力消費のピークは、夏・平日・14〜15時・31℃を超えた時との条件を全て満たす時で、年間10時間未満。
仏ではピーク時料金を11倍に設定して、米では希望で、家庭でエアコンとその他家庭用との配線を分け、ピークになるとエアコン側を5分間電気供給を切ることで料金を下げるサービスもあり、それぞれピークを下げる努力を行っているが、日本でそんな取り組みはない。>
とあります。
こうした努力をすれば、市民生活も経済活動も現状維持しながら原発なしで火力もそれほど増やさずにやっていけそうに思いますが、やはり無理でしょうか?
なお、誰が言っているかではなく、何を言っているかの批判をいただきたいです。
118. hn33jp — May 14, 2011 @00:52:27
ご指摘ありがとうございました。一応、一通りスレを読んでいたつもりでしたが、確認を怠りました。私も”ミス”が多い方で、そういう意味でも、東電を責める気にはなれません(冗談です)。
119. 落花生 — May 14, 2011 @01:19:36
鉄塔が倒壊し送電線が切断され、外部電源喪失。
高台および建屋の屋上に設置した非常用発電機が破壊され、全電源喪失。
福島第一原発と同様の事故が起こると予測されます。
さて、対策はどうしましょう?
120. 咲坂&桃内 — May 14, 2011 @01:36:03
で事足りるような気がするんですがダメですかね?
121. たく — May 14, 2011 @02:30:24
安全な運用はできないのでしょうか?
浜岡が危険なのであれば止めればいいし、柏崎の再開が無理なら止めればいい。
しかし現実に原発で死んだ人はいないし数年で死者がでる予測は今のところ考えられていない、一方で夏には確実に電力不足で数百人が死亡する。
経済が死ぬ、税収が死ぬ、復興が遅れる、めぐって被災者が死ぬ。
EUのように相互に電力融通できる環境でもなく、しかもEUより基準が厳しいこの国で頼れるものは、石油・石炭・LPG・原子力しかないわけで、今すぐ行わなければならないのはトリアージや仕分け。将来的には科学の力で、どれだけ火力発電所の熱効率があげられるか、どれだけ効率のよい太陽電池を作れるか、どれだけ安全な原発を運用できるかに尽きると思うんですが。
「発生確率をどのような根拠でどのように見積もったという情報が出ていないのにどうして」「根拠無く発生確率を過小評価(0とみなす)した疑いが濃厚」と評価できるんでしょうか?
123. kgofboston — May 14, 2011 @05:17:04
大してリソース(金)を必要としない対策すら、とらなかったからじゃないの?それも1つじゃなく複数。
優先順位の関係で対策を怠ったんではないなら、東電や政府はなぜそれを示さない?(私が見つけられてないだけかもしれないけど)
仮にリスク計算や安全対策が妥当であろうが、リスクを負う者と利益を享受する者の乖離がある以上、その妥当性を原発再開の理由や根拠にはできないと思うけど。
124. 技術開発者 — May 14, 2011 @06:19:27
>原点に戻りますが、技術開発者さんも東電にはミスが無かったという判断ですか?
別なところでも書いたけれども「重大なミスが無くても起きた事故」という意味で福島第一原発は意味があると考えています。スリーマイル事故のときに「原発は危険だから今後は止めよう」という流れになりきらなかったのは、あの事故の原因に多くの人為エラーが関与していたためでした。「制御盤に警告が出ているのに無理して運転を続けるようなことをしたからだ、きちんとマニアルを守った運転をしていれば防げたはずだ」という考え方ですね。チェルノブイリのときも、格納容器を持たない制御の難しい黒鉛炉という設計上の問題と、安全装置を切って出力制御を続けた人為的なミスが問題となりました。つまり、「設計がきちんとしていて、運転マニアルが守られる原発は安全である」という論調に脱原発論は常に言い負かされてきた面があるわけです。
なんていうか、今回の福島原発事故が世界中に衝撃を与えたのは、「重大な設計ミスも見当たらない、操作ミスも見当たらない原発でも事故を起こした」という事にあるわけです。必死に安全を考えて設計し、マニアルを整え、そしてマニアルにしたがって運転していても事故が避け得ないなら、原発は見直す必要があるという論調ですね。Kataseさんは、「ミスがあった」と主張されることで、「今回の自然災害の大きさは予測可能であった、自然災害を織り込んだ設計変更は可能であった、よって今回の事故は避けえた。しがって、今後も自然災害を予測し迅速に設備変更をするなら原発は安全である」という主張をされていることになります。
なんていうか、ある意味「事故の危険性」では脱原発というのは出来ないのかもしれないと思ったりします。人は事故という不条理に直面したときに「責任探し」をする生き物です。そして責任探しをするなら、「このミスがなければ事故は起こらなかった」となり、「今後はミスをしなければよいんだ」とまた使い続けることになるものだろうと思ったりする面があります。
福島第1原発の外部系統は3系統ありました。そのうち2系統が受電盤が損傷して受電できず、1系統が鉄塔の損傷で受電できなかったとされていますが、受電盤損傷によりとされた2系統の先の変電所もまた損傷を受けて停止していたので、受電盤の復活よりも鉄塔の損傷を受けたラインの復活を優先して行ったと認識しています。
125. FROY — May 14, 2011 @07:02:53
私も基本的には同じ考えです。
電力各社は、今それらの休眠設備の再稼働を順次進めていると思います。
ただやはり旧式のものが多いでしょうから効率は落ちるでしょうね。
もう見飽きてるソースかもしれませんが
小出裕章さんの講演は↓これについてですよね。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/dent-05.pdf
今回の原発事故の直後にIEAも似たような見解を示してますね。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20049520110315
私の意見は「だから原発は止めろ」というわけではなく、
「原発はもうすぐ止まるんだから他の設備を動かすしかないでしょ」という感じです(^^;
東電の場合は過去に原発を全て停止した実績がありますが、
その時はまだ東北電力などからの融通がききましたが、
今回はそれが難しいと思います。
再稼働でどこまでカバー出来るかですね。
ですから沢山電気を使う企業には自家発電してもらうべきだという考えです。
126. と — May 14, 2011 @06:29:48
例えば、原発が始まってからざっくり50年、1年当たり地震での非常停止を10回とすると、累計で500回となります。そして今回の大事故が1件。そうすると、非常停止が起こるような大きな地震が起きたときの重大事故が起こる確率は数百分の1から数千分の1のオーダーであると推計されます(実績値として)。
さらに甘めに見積もって、大地震時に重大事故につながるのが1万分の1としても、年当たり1%以上大地震の確率があるのであれば、fiskerさんご指摘の年当たり100万分の1というIAEAの基準を超えてしまいます(浜岡を止めたのはこのためかもしれませんが)。
この実績値を却下するのであれば、それなりの根拠と計算を求められると思います。
zororiさんが書かれていますが、原発事故では直接の被害(現時点では事態は収束していないし、晩発性の被害は予測ですが)より風評被害が大きいです。ただ、海外の港で日本発の船が何隻か止められているように、消費者の(不合理なまでの)リスク回避行動は、全世界的なものであり現時点ではコントロール不能なリスクです。そのため、私は風評被害については原発固有のリスクとして織り込むしかないものと考えています。不謹慎なことを言ってしまえば、これまで推計すら難しかった風評被害の実績値が得られるのは、今回の事故の収穫ではあったかなと思います(これからはこれを元にリスクを計算できる)。
※69で小出裕章氏が示したグラフの1〜3は発電容量に占める実際の年間発電量のグラフですが、問題はピーク時に供給できるかどうかです。
電力が基本貯蔵できないのなら、需要のないときにいくら余裕があっても仕方ないわけですが、このグラフではその無駄がそのまま余裕として積み上げられ「供給能力はこんなにある」というグラフになります。
グラフ4については発電容量が100%なら火力と水力で賄えるという主張ですが、一番の問題は電力融通に限界がある日本の電力会社の合計で「足りる」と言っている点です。
全国合計で100%賄えたとしてもある電力会社では105%、別の電力会社では95%で融通は1%しかできないかもしれません。
また水力発電は貯水量頼みで100%の出力を保証できません。
田中優氏のツイートですが、ピーク時の電力料金を上げれば節電するかもしれませんが、田中氏が言うには日本の節電能力は世界一なので簡単にはできそうにありません。操業時間のシフトなどで対応するのでしょうか?それを企業や一般国民が受け入れるか疑問です(結局15%節電も国の要請と言う強権による)。田中氏自身も電炉メーカーが安い電力料金を避けて夜間操業している状態を日本の電力料金の高さを示すものだと笑っています。
ところで、今年の夏東電が供給できるのは5,600万kWまであげることができるようですが、たとえば平成13年の7月だとほぼ日中は電力不足になりますね。
http://www.tepco.co.jp/company/corp-com/annai/shiryou/suuhyou/pdf/suh-all-j.pdf
ピークが1日1時間、夏場に数回というのが正しいとして(1時間ごとの集計で最大値が1日1回と言うのは当然だが)、問題は原子力抜きで何時間、何日大丈夫か?なのですが、田中氏の発言でそのことに触れたものは見たことがありません。
見逃しているだけかもしれませんが。
128. zorori — May 14, 2011 @07:50:29
>「直接的には一人の死者も出さず」ってどういうこと?少なくとも3人亡くなっていると報道されていますが?
すみません、その通りでした。訂正します。
確か、3月の地震発生直後から行方不明者は報道されていて、後日、遺体が発見されたのでした。津波被害者ですね。
129. YMN — May 14, 2011 @08:06:16
><人に聞く前に、それらしきキーワードでネットで検索するだけでも、批判意見は結構見つけられるかと思います。 >とのことでご存知のようですから、最も説得力だと思える一例だけでも教えてもらえますか。
数ある批判意見のどれから何を汲み取るかは人それぞれ好き勝手にやれば良いことで、私が意見を述べることにさしたる意味があるとも思えませんし、またそんなことを書くのも気が向きません。
別の点から述べれば、(生食用でない生肉の表面部分みたいなもので)9.11陰謀論に肯定的な点で知識人の役柄としての田中優氏は丸ごと切り捨てるのが総合判断の手筋というものかと思います。
ただのおっさんの役柄ではないので、それなりの厳しい評価基準になるのは当然のことです。
130. ごんべえ — May 14, 2011 @07:51:59
大体において、人間は確率の正しい計算は苦手で間違いやすいようにできているのではないかと思います。
131. zorori — May 14, 2011 @09:02:05
それとは別に、今回の事故で原発そのものの是非を問う議論が起こることを期待していたのですが、どうもなかなかそうはなりません。私は一応原発否定派ですが、「原発も非常に稀ではあるが事故を起こす事もあるし、一旦事故を起こせば非常に深刻な影響を及ぼす事もある。それを認めた上でも、電力確保のためには必要である」と国民的合意(世論)が得られるなら原発維持を了解します。
金以外の理で納得させたいのなら、東京大阪に原発1個でも建てれば、納得するかもね。それ以外の理屈は思いつかない。
133. Katase — May 14, 2011 @08:46:01
これでは、従来の「反原発」対「原発推進」の両極端な不毛な議論とほとんど変わりないじゃないですか。もっと柔軟に考えられないのでしょうか。
政府の専門機関から、地震・津波で起こる危険性の予見が出されていた事に対して、東電がそのうちの比較的簡単に対策できるものについてさえ、1つも対策をとっておらず、実際にそのどれか1つでも対策を済ましていれば全電源喪失による大事故には繋がらなかったという事実があり、なぜその対策をとろうとしていなかったかという東電の「姿勢」に疑問があるとしています。
この危険性に対する「対策をすることを後回しにしてしまった」優先順位の見積もりに誤りがあったという東電側の落ち度(ミス)があったのではないかと私は考えています。
私が何度も「東電側の対応の姿勢」について問題視しているのに、指摘しいる対象を誤解した反論が複数ありますが、私は「対策をミスなく完璧にすべき」なんて極論は言っていません。
134. fei — May 14, 2011 @09:17:17
ミスがあったかどうかは現実を精査した結果として判断されることであって、脱原発に有利だからとか、原発の存続に有利だからとか、そういう視点で決めることじゃないと思うんですが。もちろん結果として明らかになったミスの有無は原発の存廃の重要な判断材料になりますが、ミスがあったにしても、どのようなミスであったのかということも判断に関わりますし、現在の運営組織がそうしたミスをしない判断が可能な組織なのか(はっきり言えば政府・電力会社がそこまで信用できるか)という点も考慮されます。決して、ミスがあったのだから、そのミスをしないようにすれば安全だという単純な判断ではないでしょう。
まして、『Kataseさんは、「ミスがあった」と主張されることで、「今回の自然災害の大きさは予測可能であった、自然災害を織り込んだ設計変更は可能であった、よって今回の事故は避けえた。しがって、今後も自然災害を予測し迅速に設備変更をするなら原発は安全である」という主張をされていることになります。』というのは単なる言いがかりとしか読めません。
135. SF物理マニア — May 14, 2011 @11:14:07
主な当事者は、原子力安全・保安院と東電です。
事故当時直後の詳しい情報がないのでなんとも言えませんが。
予防策では、以下が挙げられます。
外部電源が1系統しかなかったこと
固定の予備発電機が冠水で機能しなくなった
非常用移動発電機のケーブル接続ができなかった事
館野淳さんが「廃炉時代が始まった」で主張しているように、日本は他と比べて地震や津波によるリスクが高かったわけですから、それを考慮にいれた設計や緊急対応策シナリオを用意しておく必要があったと思います。
136. okaby
— May 14, 2011 @11:51:37
#127. ジルベルト下大利さんのご意見「ピークが1日1時間、夏場に数回というのが正しいとして(1時間ごとの集計で最大値が1日1回と言うのは当然だが)、問題は原子力抜きで何時間、何日大丈夫か?」
↑
ありがとうございます。なるほどなと思います。
いますぐ原発全廃なら不安だけど、東電のかなりの原発が廃炉・停止の状態で、中電も浜岡の停止で原発ゼロになっている現段階で、安定的な電力供給が可能かどうか、いわば社会実験が行われようとしていますので、そこで成功体験が得られれば、次のステップに進めるかもしれません。
関連して、あるMLでの議論で次のように投稿しました。
↓
==============
たしかに、これ以上の増設をせず建設予定も中止させ、耐用年数も福島第一のように40年以上にせず25年にすれば、20年後には確実に全廃になります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%82%89%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E6.97.A5.E6.9C.AC
その間に廃炉・停止できる原発の優先順位を決めて、代替エネルギーを拡充していけばいいかも。
節電も社会的弱者にしわ寄せがいかないように、公共施設、公共交通機関、医療福祉施設などの電力を確保しつつ、電源ピークの調整(とくに大企業)をしていって。
電気料金についても、総括原価方式でやっているから、
http://itpro.nikkeibp.co.jp/word/page/10011736/
日本は世界一高いと言われていて、とくに高コストの原発をつくればつくるほど電力会社が儲かる仕組みになっているので、電気代を安くするためにも原発は減らすべきでは。
長期的には、消費エネルギーを減らすように生活と企業活動の質を転換させることが必要なんでしょうね。
石油もウランも枯渇ないし逼迫するわけだし。
そうした社会のイメージと実践として具体的なものが示されればいいでしょうね。
(今度上映する「幸せの経済学」で描かれているローカリゼーションとか)
そのうえで、短期的に可能性を追求したいのは、現状の市民生活と経済活動を維持しつつ原発なしでやっていくこと(無理なら上記の展望になりそうで)。
それが可能なら、市民多数の合意を一番得やすく政策転換も容易だろうし。
(それが可能なら苦労はしないのかもしれないけど)
一つは電力消費を減らしながら経済を活性化させる可能性はないか?
節電と経済・雇用とはトレードオフの関係ではなく、ウィンウィンにならないか。
たとえば生産活動とともに労働時間を減らすことで、バカンスなどでツーリズムやレクリエーションを活性化させるとか。
これこそ経済(学)に詳しい人の出番ですがどうでしょう。
もう一つは、電力ピークを調整することで安定供給はできないか?
館野淳さんの福島原発事故に関する対談記事がありましたので紹介しておきます。
対談 震災1ヶ月原発危機・・原日本の原発史上最悪、熱と放射能が相手(山口邦和さん、館野淳さん)
http://www.jcpre.com/genpa-fukushima2011-3/2011-4-11gen.html
138. sksk — May 14, 2011 @12:30:39
福島原子力発電所の事故の話
話しの発端の私が返事をするのも変ですが、
>他の方々も、同じ様に東電には”基本的に”ミスが無かったとお考えでしょうか?
文脈から行くと地震前ですよね。(”基本的に”を挿入しています。)
1)「「想定」に基づいて対応しているので、基本的に「過失」はなかった」
2)Kataseさまの言うレポートは「想定」外である。
根拠(2の)は
3)今回の地震津波による、「2万人の死者」の想定がされていないことと同じである。
福島事故は東北沖太平洋地震による二次災害の一つですから。
繰り返しますが、
「この危険性に対する「対策をすることを後回しにしてしまった」優先順位の見積もりに誤りがあったという東電側の落ち度(ミス)があったのではないかと私は考えています。」
これは、この危険性が実現するためには、今回の地震津波が必要であるという事実があります、(それ以前の地震ではこの発電所のこの損傷はない)。
で、この地震津波は想定外です。理由は3)です。
まあ、これは「過失」の話で「責任」、「補償」の話ではないですけど
余談
”基本的に”を入れたのは、
Katase さまのおっしゃっているように「全か無か」の話ではないですから。
以下は Katase さま当てではありませんが。
「責任」、「保証」が必要だから、「過失」が必要というロジックもアリですが、それは目的がちがいますよね。
目的が「この問題を国民、世界が納得するように収めるなら」その選択肢もアリだと思います、この目的も重要です。感情は重要です。
例えばこれ、(Katase さまのを例に出してる、すみません)
「もし、事故が起きてしまうまで地震・津波に対して対策をとってこなかったことに対して「ミスが無かった」と主張すれば、なかなか地元の人達から再起動は許され難いのではないかと思います。」
「ミスが無かった」を主張しているのは私(東電ではありません)です。で 私は直接のステークホルダーではありませんので「再起動は許され難い」を考慮していません。
(私宛ではないような気もするが・・・)
個人的には「現状では再起動は必要だ(そうするしかない)と思う」ですけど、別の話。
139. pasta — May 14, 2011 @11:55:40
140. map — May 14, 2011 @12:30:07
死者が何人になったら再起動するのか、何人になろうと再起動しないのか、はっきりさせておいてほしい。
141. ブランク永井 — May 14, 2011 @13:00:27
>今回の事故の場合は捨象される被害があまりに大きいため、死者数の比較による被害規模の検討は全く不適切であると思います。
>必ずしも「安全」が正しくて「安心」が間違っているという単純なものではありません。
私も不適切きわまりないと思います。
ところで、捨象される被害には、さらに定量的評価が難しい国際的な「雰囲気」のようなものの影響も含まれます。
例えば、この事故による、日本ブランド(日本製品や日本の国土・風土、日本に対するイメージなど)に対する世界の「風評」の問題。
例年なら「外人」で溢れかえっているゴールデンウィークの京都に、今年はほとんど外人を見かけなかったという現実。
日本への留学生の多くが留学半ばで帰国してしまい、そのほとんどがまだ戻ってきていないというのもそう。
地球環境問題がクローズアップされてきた現代において、チェルノブイリのロシアと並んで、世界共通である生態系を放射性物質で汚染させた国と位置づけられてしまうことのマイナスイメージ・・・低レベル排水を海に捨てたときの、アメリカの大手ネットワークのキャスター達が、きわめて強い口調でそれを批判していたのを思い出します。専門家が出てきて「薄まるから大丈夫」と言っていましたが、それに納得しない様相のキャスター。まあ、「雰囲気」というのはそういうものでしょう。
日本人にとっても「雰囲気」の問題は大きい。小田原にも汚染が見つかって、意外に広い範囲が汚染されているじゃないかという実感は、「健康には影響のないレベル」という表現が空しくなるほど、国民の気分に暗澹たる影を落としています。また、被害の質も他の災害とは大きく異なるため、Feiさんの言われるように、直接被災された方々のそれを適切に評価するのは困難です。「復興」をどのように評価するのかも含めて。
仮定の問題は無意味かも知れませんが、そもそも今回の事故の推移は、「運悪くここまで来てしまった」のか「運良くこの程度ですんでいる」のかどちらでしょう?
想定外の大きさの津波がやってきたことはしかたがないとしても、その後に起きた一連の不具合まで「想定外」と位置づける人がいるのですから、何が起きてもおかしくなかったとも言えます。はるかに高レベルの汚染が西日本まで広がったかもしれないというシナリオは、あながち非現実は言えないのではないでしょうか。そこまで行けば、日本という小さな国は色々な意味で世界から取り残されるでしょう。
想定外であろうが何であろうが、「起きてしまった」ということで初めて実感させられたことがあります。それは質的にも量的にも「原発事故は特別だ」ということです。かく言う私も、これまで、ぼんやりとですが、原発を最良の選択肢と考えてきたのです。しかし、これからは少なくとも、「まず自分が原発20km圏内にすんでいることを仮定する」というのを大前提として考えていきたいと思っています。
↓↓引用↓↓
fiskerさん ― May 13, 2011 @21:06:26
> より正確には「危険性を指摘されたが、リスク(被害予想×発生確率)が低いと見積もって優先順位は低いと判断した」というところです。その見積は結果的に間違っていたわけですが、当時の知見では妥当な見積だと思います。
発生確率をどのような根拠でどのように見積もったという情報が出ていないのにどうして「当時の知見で妥当」と評価できるんでしょうか?根拠無く発生確率を過小評価(0とみなす)した疑いが濃厚じゃないでしょうか?(もとより頻度の低い事象で適正な推定は難しいことは認められますが)
↑↑引用↑↑
「妥当な見積『だと思います』」と書かれているように、積極的な肯定ではなくここはfiskerさんの意見でしょう。
基本的に、東電の対策が妥当だというのを前提として、そうじゃない事を反証するのが論理です。(この場合、積極的な肯定は勿論できていない。だからfiskerさんはちゃんと「思います」と書かれている。)
リスク(被害予想×発生確率)がそれなりに高かったのに東電が無視したという根拠を示していただかない限り、私やfiskerさんが「東電の対応は妥当だったのだろう」と判断するのが自然な論理です。
143. kgofboston — May 14, 2011 @14:36:12
>基本的に、東電の対策が妥当だというのを前提として、そうじゃない事を反証するのが論理です。
なぜ「基本的に、東電の対策が妥当だ」を前提とするのか理解できません。前提というものは、観測や実験を通してそれが広く受け入れられているからこそ前提になるのでは?
東電は当時の「想定」とやらに基づいて対策はしたのでしょう。
・リスク計算の結果、優先順位の関係で先送りした。震災+津波→全電源の喪失よりも直近の対応が必要かつ深刻なissueがあった。そしてそれが当時の判断として妥当だった。
という思うは自由ですが、「そう判断するのが自然な論理」だとは思いません。
少なくともそのissueが何なのかくらい示してもらわないと。大したリソースを必要としない全電源喪失対策をやるよりも必要かつ緊急の課題があったのでしょう。当時の妥当性を判断するのに情報がない今、「妥当だった」と判断するのが自然な論理と言われてもちょっと信じがたい。情報があって示していただければ納得しますがね。
この手のリスク計算の話を聞くたびにメキシコ湾原油流出事故を思い出します。あれも事故後に色々指摘されてました。
リスク計算が仮に事故前に妥当だったとしても、結局間違っていたのなら結果責任はあるでしょ。そしてそれは、「想定外」という言葉を責める理由になる。だってリスク計算を判断して線引きをしたのは東電、政府なのだから。
144. fei — May 14, 2011 @15:20:22
まずは、些細な点ではありますが、ごんべいさんも「疑いが濃厚じゃないでしょうか?」と言っているのであって、断定はしていません。一応、確認まで。
科学の世界では、特異な主張をする方が立証責任を持つという原則がありますが、今回の「ミスはあったか」という議論にこの原則をを当てはめるのはさすがに無理ではないでしょうか。この原則が成り立つのは、肯定側・否定側の双方が同じデータにアクセスすることができるからこそです。一方で、津波の確率についてどのような見積りが成されたのかという情報は、東電聞くしかないものであり、東電が公開しない限り知ることができません。ここに、「ミスがあったと考える側が証拠を示せ」という原則を当てはめてしまうと、どんなミスがあっても内部の情報を隠すことで隠蔽できてしまいます。
ついでながら、私自身は、今回の地震や津波など到底予想してませんでしたし、現在も特に大きな自然災害に備えて何かをやっているということはありません。そういう意味では、私にとっては今回の地震・津波は全くの「想定外」です。しかし、一方で原発の運営に関わる関係者や専門家の方々が、私のような一般の人間と同じような感覚で、地震や津波のリスクを考えているとしたら、たまったもんじゃないと思います。そういう意味での、当事者・専門家の判断として、報告書をどのように判断したのかという点が知りたいと思っています。
145. ジルベルト下大利 — May 14, 2011 @14:50:22
>日本は世界一高いと言われていて、とくに高コストの原発をつくればつくるほど電力会社が儲かる仕組みになっているので、電気代を安くするためにも原発は減らすべきでは。
実際のところ日本の電力料金は安くなって来ています。(注:pdfファイルです)
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/shiryo/ryokin.pdf
次に原子力発電所のコストを見てみましょう。
たとえば現在建設中の世界最大規模の風力発電所は845MW(84.5万kW)で建設費が約20億ドルだそうです。
設備利用率30%なら25,4万kWですので、日本の原子力発電所のモデルケース135万kW(設備利用率70%なら94.5万kW)の27%です。
原子力発電所と同じだけの出力を得ようとすると74億ドル(約6,000億円)かかりますが、原子力発電所の建設費は4,500億円。燃料費を入れても0.17円/kwhですので、14億円/年ですみます。
費用のかかる日本では青山高原ウインドファームの増設計画の場合8万kWで200億円。設備利用率30%で94.5万kWを得ようとすると7,8785億円となります。
原子力発電所の廃炉のコスト、風力発電タービンの更新費用も入れておらず、稼動年数の見積もりも行っていない大雑把な計算ですが、簡単に原発は金がかかるとは言いづらいように思います。
廃炉費用に1,000億円かけてもまだ安いですし。
146. zorori — May 14, 2011 @16:18:39
少し時間をかけた国民全体での原発是非論を期待したのですが、結局なにも変わらなかったような。
恐れていたように、今回の事故は、津波想定の甘さという判断ミスによるもので、それを改善すれば安全に運用出来るということになってしまうようです。
不満はありますが、高める安全性のレベルについては、国民的合意を得ると言うのならまあ良いでしょう。それ以上の津波に対しては想定外として諦めるという言質を取ったことになりますから事故が起きてももう誰も文句は言えません。今回のように、想定が不足であったという批判はあり得ないことになります。
ただ、非常用電源と津波対策をすれば大丈夫と大方が思い込んでいるような雰囲気を感じるのですが、テロ対策はどうなんでしょう。それに思いもよらない想定外はもうないのでしょうか。テロも想定外でよいという合意が必要という気もしますが、まあそのあたりは曖昧になるんでしょう。そして、いつかテロが発生した時にテロに対する安全性を高め利用継続の方針を出せばよいわけで。
いや、確かに、技術というのは、痛い経験で発展するものと思えば、それでも良いのかもしれません。回復可能な痛い経験のうちは。
>福島第一原発と同様の事故が起こると予測されます。
>さて、対策はどうしましょう?
と、次々と対策すべきことが現れる様をご指摘しています。
これを受けて、私は竜巻が来た後にどのような話になるのかも興味がありました。
つまり
1) 福島を受けて津波対策実施
2) 原発稼動
3) 大竜巻襲来→また全電源喪失
4) ミスがあった・なかったで大騒ぎ
5) 大竜巻向け対策の検討
6) 最初に戻る
という流れです。
148. かとう — May 14, 2011 @17:08:16
地下鉄サリン事件以降に見直されたり、911以降に見直されたりしてます。
だけど、軍事的に十分な対策なんてそもそも無いです。配置された警備を上回る攻撃をされたらアウトなのは、常識でしょう。100人で守っても300人用意されればアウトだし、1000人で守っても3000人用意されたらアウトです。
911以降いろいろ想定したと言っても、現状の日本では皇居や官邸を飛行機をハイジャックして突入されたら、陛下や総理には死んでもらうしかないのと同じです。
149. うさぎ — May 14, 2011 @17:12:17
今回の話に絡めるのならせめて1000年に1回くらいはくる事が確実な事象にしないと。
150. Katase — May 14, 2011 @17:44:51
>あれれ、政府は原発の安全性を高め利用継続方針をG8で打ち出すとの報道が。
管首相は「従来のエネルギー基本計画は白紙に戻し議論する必要がある」と、原子力発電の推進を盛り込んだ現行計画を白紙で見直して「(太陽光や風力など)自然エネルギーと省エネルギーをもう二つの柱として、これまで以上の力を注いでいく」として、これまでの原発重視の路線修正をする考えを示していますよね。
政府はどの程度の利用継続を考えているのでしょうね。
リスクの高い浜岡原発をまず停止させましたが、その他の原発についてはは個々のリスクを考えて様子を見ながら順次停止させて数を減らしつつ、残りの原発については安全性を高めた上で継続利用をしていくのかなと思っていました。
新規の原発の建設は地元の反対などもあって難しくなっていると思うのですが、どうでしょう。
政府内でも、人によっては考え方が違っていそうですし、どうなるのでしょうかね。政治家達の間だけではなく、国民全体の原発に対する意見を取り入れて考えて行って欲しいと思いますが、それは次の選挙でということになってしまうのでしょうか。
因みに、私は前にも書いたとおり、別の発電施設に置き換えつつ段階的に脱原発をしていくのがいいのではないかと考えています。
151. kgofboston — May 14, 2011 @17:57:02
>廃炉費用に1,000億円かけてもまだ安いですし。
私は原発のバックエンド費用見積もりはいまいち信用しきれてないです。なんというか年が経つにつれて徐々に上がってきているので。
長期にわたって(百-千年オーダー)商用原発のバックエンドが1000億程度で済むことを祈ってます。ぶっちゃけ、これに関しては実績ないから額のオーダーすらよくわからんのです。
911の4号機は、原発をターゲットにしていたという話あります。
圧力容器がいくら頑丈でも電源系や補機類がやられたらアウトですから
防ぎようがないです。
フランスの原発は航空機アッタクに耐えるといっていますが、これも現実的には無理です。
153. fisker — May 14, 2011 @23:26:47
公表されている規制情報では、アメリカでも911以降にライセンスされるプラントは格納容器が航空機の衝突に耐えることが求められています。日本では現在の所規制要求はありません。ただし、航路を逸脱して原子炉に近付いた航空機は日本でもアメリカでもスクランブル対象になります。
ちなみに、電源系や補機類で原子炉にダメージを与えるにはかなり広範囲を破壊し、長時間復旧を妨げないといけないので、多分原子炉本体をターゲットにするより難しいと思います。
154. 匿名希・望 — May 14, 2011 @23:26:02
#それも単純であればある程よい
水蒸気爆発を起こさないように無電力でベントできるようにして、いっそ水を供給せずにメルトダウンさせた溶融燃料をそのまま受け止められるデッカイ耐熱鍋みたいなパーツを格納容器の下に据付れば大丈夫かな。
勿論、そのパーツは溶融状態の燃料の熱に耐えるのみならず、圧力容器が破壊されるような地震でも決して漏れるようなヒビが入らない程の耐久性を求められますがw
#そんな素材があったらそれを圧力容器に使えって?ご尤も
155. TuH — May 15, 2011 @04:10:22
そのシーケンスを以下の通りとする(少々修正しました)と,
1.報告書類の提出
2.その妥当性の検討
3.緊急性の評価
4.予算の作成および発注
5.工事
6.工事終了=対策済み
feiさんが May 13, 2011 @07:42:00 で示された先
(http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80511.htmlLink
によれば,
>NHKで、東京電力の福島第一・第二原発を除く全国15か所の原発で、電源車などの出力を調べた結果、このうち12か所の原発では、…略…原子炉を継続的に冷やして100度未満の安定した状態にするには出力が足りないことが分かりました。また、残る3つの原発では、…略…すべての原子炉を同時に冷却できると答えたのは、北海道電力の泊原発だけで、…略…。さらに、出力が低い電源車を配備した12か所の原発では、いずれも大型の電源車や発電機を追加で配備する計画ですが、その時期については、関西電力がことし9月までとしているのに対し、九州電力は1年以内、北陸電力は2年以内とするなど、対策のばらつきが浮き彫りになっています。
とのことで,【緊急対応】ということであっても,2ヶ月〜2年かかるということでしょう。
また,Kataseさんが May 13, 2011 @07:56:37 で示された浜岡原発の事例
(http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/81126.htmlLink
によれば,
>…「いつ起きてもおかしくない」と指摘されている東海地震の想定震源域のほぼ真ん中に位置している…
>…しかし今回、福島第一原発で想定を超える地震の揺れと大きな津波が襲ったことで、…
とのことですから,優先的な扱いであると思いますが,それでも緊急対応(電源車の配備等)で2ヶ月ほど,長期対応策だと2〜3年かかるということです。
注意しなければならないのは,お二人の提示された事例は,報告書類の提出を受けてということではなく,対策することを決定してからの時間すなわち,
4.予算の作成および発注
5.工事
6.工事終了=対策済み
の時間であるといえます。
ここで,
2.その妥当性の検討
3.緊急性の評価
4.予算の作成および発注
については,今回の震災がなければ,例え報告書類を受けてすぐに動き出したとしても,Elyさんが指摘されている(May 13, 2011 @10:38:26)ように,
>…いつおこるかわからない災害に対して、
2009年度は調査費。その結果対策が必要とされれば2010年度から2〜3年の間に工事等施工。
ぐらいのペースだったのではないでしょうか。
他に優先したい項目があれば、さらに後回しにされる可能性もあります。
と考えるのが妥当であると思います。柏崎刈羽の状況(新潟県中越沖地震により運転中の全ての原子炉が緊急停止,その後最初の7号機の営業運転が再開されたのが,約2年半後の2009年末。以降,1,5,6号機が順次営業運転再開。)から考えても,福島第一,福島第二に人員や予算を優先配分されるとは考えにくいでしょう。
すなわち,Kataseさん(May 13, 2011 @07:56:37)の
>報告書で指摘されていた危険性をきちんと認識していれば、この例にあげた程度の対策ならば、その報告書が出されてから福島原発の事故が起こるまでの間に対応できたのではないかと思います。
というのは,完全な後出しでしょう。「そのうちの比較的簡単に対策できるもの」とか「この例にあげた程度の対策」というのも今だから言えるのであって,どの程度の対策が必要であるかは,予算策定も含めた検討期間が必要でしょう。
なお,「報告書で指摘されていた危険性をきちんと認識していれば」という点については,別途コメントする予定ですのでここでは触れません。
156. Toshi2100 — May 15, 2011 @05:07:15
feiさん http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305296394
> ですので、2008年の報告書を受けて、想定以上の津波の発生確率がきちんと再検討されたのか…(中略)…ということが重要な判断の根拠になると思います
2008年の報告の後にも原子力安全機構はいろいろやっているみたいです。
すでにElyさんがリンク(http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305275227
たとえば、津波の発生頻度は図3.4で、それプラス施設の特性を勘案した結果は図3.5や3.6です。
結果が「相対値」なので、これを見せられてどう判断したらいいのか私にはまだ高い山がそびえているのですが、この業界の方々にとって意味のある結果であれば、これを判断の根拠にできるかもしれません。
http://www.jnes.go.jp/content/000010427.pdf
ですね。
影響が十分に評価されていない危険性があるとわかった時点で、「どの程度の対策が必要であるかは,予算策定も含めた検討期間」に惰性で運転をして良いとしていたら、事故が起きたときは批判を免れませんね。それは建設前で考えたら許可を出せない状態なので。
158. okaby
— May 15, 2011 @12:28:45
たしかに、電気料金−国際比較−をみると、
<国際的に見て、内外価格差は 内外価格差は一部の国との間では依然残るものの、縮小している 縮小している。>ようですね。
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/shiryo/ryokin-kokusaihikaku.pdf
他方、原発の発電コストについては、いただいたメールによると、下記のように言われています。
↓
============================================
原発の発電コストを検証:原発は本当に安いのか
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/05/12/tv-asahi-may12/
2011年5月12日、テレビ朝日のモーニングバード、15分ほどです
内容ですが、この放送内容についての記事があります。転載させていただきます。
「原子力は安い」の大ウソ!原発10・68円、 火力9・9円、水力7・26円
(JCAST ワイドショー通信簿)
ーーーーー
玉川徹レポーターの「そもそも総研」コーナーで、「原子力発電は安いのか」と多くの人が感じている疑問にストレートに切り込んだ。
電気事業連合会が出している発電コストの比較では、1KW当たり原子力5・3円、火力6・2円、水力11・9円で、原子力が一番安い。これがこれまでの原子力発電推進の基本になっていた。だが、これに異を唱える人は結構いる。まず京大原子炉実験所の小出裕章助
教。 原子力の専門家でありながら、原発に反対している。
六ヶ所村や敦賀に巨額交付金
小出助教は「原子力エネルギーに夢を託してこの道に入ったが、事実に反することがわかった。なおこの仕事にいるのは、反対する人間が必要だと思うからだ」と話し始めた。そして、電事連の数字を「旧通産省や経済産業省がモデルを作って出したイカサマ計算。原子力は安くない」という。
立命館大の大島堅一教授は別のコスト計算をしていた。
「政府の審議会は計算に一定のモデルを使う。発電所建設がいくらか、何十年使うか、燃料はいくらかなどを仮定して計算すると、原子力が一番安いと出ている。私がやったのは仮定ではなく実績をもとにした計算。国民が負担した費用はいくらだったか。それを得られた発電量で割ってみました」
40年間の実績(有価証券報告書)から割り出したところ、火力9・8円、原子力8・64円、水力7・08円。原子力がいちばん安くはない。
大島教授はさらに、国民負担という点から「税金負担分」をこれに加えた。税金は原発に多く使われているので、「原子力は(ほかの発電より税投入が)2円くらい高くなる」
結果は、原子力10・68円、 火力9・9円、水力7・26円 で、一番高いのは原子力発電だ。大島教授は「再処理をいれると高コスト事業なんです。国民の合意が得られるかどうかは微妙だ」という。
原発に注ぎ込まれている税金とは何か。電源開発促進税というもので、1KWにつき37・5銭。東京電力管内の一般家庭で毎月約108円が上乗せ徴収されているという。その税金が何に使われたかというと、たとえば「青森・六ヶ所村の文化交流プラザ」の総事業費約32億8000万円の交付金として31億9000万円。「福井・敦賀市のきらめき温泉リラポート」の総事業費約35億9000万円の交付金24億3000万円といった具合だ。
赤江珠緒キャスター「原発事故があって、その補償などにお金がかかるから高いといわれていますど、そうじゃなくて、そもそもはじめから高かったということですよね」
大震災以降も資料出さない政府・経産省
なぜこんなに食い違うのか。衆院議員の河野太郎氏に聞いた。
「経産省にバックデータ出せというと、黒塗りになっているものを出してくる。これは何だというと、電力会社の企業秘密なので出せませんという。東日本大震災のあった3月11日(2011年)以後にも請求したが出せないという。都合が悪い数字なんでしょうね、経産省、電力会社、これまで原発を進めてきた利権団体から見て。でなければ堂々とメリットがあると出してくるでしょう。原発をすすめるために、安いですよ、CO2は出しません、でやってきた。
国会の仕事でもあり、歴代経産大臣は資料を見ることができるから、何をしていたのかともなる。封じてきたのは自民党。民主党もあまり追及しなかった」
玉川「メディアの責任もある。ただ信じてきたんだから」
松尾貴史(タレント)「海江田さんが出せといったら出るものでしょう」
玉川「もちろんです。検証した結果、原子力が安ければそれでいい」
司会の羽鳥慎一「いかに関心を払ってこなかったか」
まあ、これだけの事故を起こしたコストも含めて、計算結果を見たいものだ。
ーーーーー
159. Ely — May 15, 2011 @13:28:41
吉岡メモの元になってる報告は、リンクして下さってるものですね。
私が今まで二回リンク貼ったのは、どちらも違っていました。
皆さん、お騒がせしてすみませんでした。
でも、同じような解析を毎年毎年報告しているのですね。
まだきちんと読めていないので、皆さんのご意見を拝読しながら、勉強させていただきます。
160. zorori — May 15, 2011 @13:10:01
>だけど、軍事的に十分な対策なんてそもそも無いです。
同様に、地震に十分な対策もそもそもありませんね。あるのは想定(設定した)レベルへの対策でしかありません。そんなこと当り前なのに、なぜか原発の場合は「想定外などあってはならない」となります。通常は、あらゆる場合を想定して対策するよりも、ある程度以上の事態には対策せずに被害を受忍した方が得策です。その被害を吸収でき回復可能ならです。
原発の場合、回復が困難なので、「想定外などあってはならない」といわれるのではないでしょうか。被害の期待値は充分小さくても最大値が大きすぎて、破綻してしまうからです。身の程を超えた投資は危険です。確率的には儲かりそうでも、一介のサラリーマンが機関投資家並みの高額の投資をするのは、万が一の損失のとき破綻してしまうので止めた方がよいです。基本的にギャンブルは金持ちが有利です。資金が底をついた時点で、借金出来なければゲームセットです。
原発は東電の身の程を超えた投資ということが実証されかかっています。第三者の死者はまだ出してないこの程度の事故ですら、経営破たんが危惧されています。純粋な民間事業ならだれも手を出さないはずですが、国策として国の支援があるから出来る芸当です。ところが、スポンサーの国も怪しいです。国の身の程も超えた投資の可能性があるのではないでしょうか。
161. zorori — May 15, 2011 @14:02:27
たとえば(いきなり話が飛びますが)宇宙飛行士などは、ミッション中に起こる可能性のある、およそ想像できる限りの故障や事故に対処するための訓練を地上で受けるわけですが、そのように“想定”されているトラブルに対しては当然のことながら対策が用意されているわけで、言ってみればそれらはもはや本質的に“難しい問題”ではないわけです。 ということはどういうことかと言うと、本当に危険なトラブルというのは常に“想定外の状況”で起こる、と想定されるわけです(←全然矛盾してませんから)。 そんな“想定外”の状況に対処する訓練のために、たとえば模擬環境で(マニュアルに従って行動するだけという単なる出来レースのような訓練をするのではなく)、マニュアルにはない“想定外”の状況を考え出す役目の人が用意した状況に放り込まれて、その場で手に入れられる限られた情報を利用して冷静に的確に対応できるかどうかを試したりするわけです。 (究極的にはこれ
本当の(本来の)危機に対処する能力とは「想定外」に対応する能力のことなのであって、要するに「想定外などあってはならない」のではなく、想定外のことは必ず起こると想定し、それが起きた時に手持ちの資源と時間のなかで解決法を見つけ出し、的確な対応を取れるように備えておかなくてはならないはずです。(なので、今回の件に関して、津波の高さが予見出来たかどうかとか、それに対する危険が指摘されていたのに対処されなかったのではないかとか、そういうことはあまり本質的な問題とは私には思えません。 仮にその対策が取られていたとしても、また別の問題が起きたかもしれないし、次の災害の時にはまた別の“予見されていた”問題が発生するに違いないので)
で、東電や政府が危機に対してどういう訓練をしたり計画を持っていたのか私は知りませんが、原子炉はちゃんと止まってくれたのに、彼らは「想定外」の事態に直面して、それから何時間、あるいは何十時間も一体何をやっていたんだろうなぁ…と、↓ この記事を読んで改めて思った次第です。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110510/219895/
163. ファブヨン
— May 15, 2011 @16:51:09
>また、地震・津波対策を、とクローズアップされていますが、自然災害だけでもそれだけではないのですが。
そう思います。
温暖化と同時に寒冷化なども時折報道されてますが、再生可能エネルギーの多くは地球環境に依存してますから、多様性として、化石燃料と化石燃料よりは環境への影響が幾分少ない原子力の技術は、残して置く必要があると思います。
寒冷化記事
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=29078080&expand#title
寒冷化記事
http://www.skepticalscience.com/translation.php?a=53&l=11
⇒22. さんちゃん (敬称HNについてるので略)
>立地を集中すると、送電コストが上がりリスクも高まりますが、安全対策に必要なコストは下がります。そこら辺を検討して最適化するためには、国有化が一番手っ取り早いと思います。
分散化に大賛成なのですが、国有化すると、どう言う仕組みで分散化が促進しますか?
⇒27. Kataseさん
>大地震は短時間に甚大な被害をもたらしますが、原発事故はそれにより放出された放射性物質が後何十年と色々な方面で影響を出し続けるので、だらだらと長続きします。どちらも大きな災害です。
原子力を止めた場合、かなりの期間、主力として君臨する化石燃料ですが、採掘まで含めて考えると、事故がなくても原発と同様に、100年単位の長期間、広大な地域に健康と環境の甚大な被害があります。
カナダや米のような先進国であれば、年間28兆9000億円程度のコスト(米石炭の場合)で抑えられるようですが、原発事故に親和性ありそうな火事とかになると何百年も鎮火出来ないことがあるようです。
カナダ石油記事
http://ips-j.com/entry/770;jsessionid=B1ACCE7ACF83B937FB27D001B544FB82?moreFlag=true
米石炭記事
http://jp.reuters.com/article/3rd_jp_jiji_EnvNews/idJPjiji2011021700410
米坑内火災wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%AE%E5%9D%91%E5%86%85%E7%81%AB%E7%81%BD
fisker さんが⇒78で指摘されてるように、これが新興国の中国だと、もっと健康や環境に悪影響があって、問題になってます。なお、日本は、世界一の石炭輸入国で中国から購入してます。
炭鉱付近住民半数が病気記事
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=34137
中国障害児出生率世界トップ
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=33398
癌の村100箇所
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=30921
さらに、後進国だと、これに加えて、以上に安く買い叩かれる搾取のようなことが加わります。
これらの重金属類の流出による環境汚染と癌は、(プラス大量の地下水汲み上げによる地盤沈下砂漠化などの被害は)事故なくして、既に放射線と比較してそん色ないあるいはより大きな被害に自分の目には移ります。
ウランの採掘でも同様の問題が起きて深刻な被害があり、日本の電力はその犠牲の上に成り立っています。
関西電力などが出資してるオーストラリアのウラン開発
http://savekakadu.org/
ですが、なにぶん一般人の自分には、正確な数字はまったく出せないのですが、メキシコ湾の事故やチリの炭鉱事故のように世界中至る所で日常的に問題になっていることや、ウランの核分裂では、1グラムのウラン235で、石油なら2000リットル(ドラム缶10本分)、石炭なら3トン分のエネルギーを生み出すと言われてる効率の問題で、採掘されてる量が圧倒的に違うから、そこから被害に圧倒的に差があると推測できます。
そこからの印象でしかないのですが、化石燃料というのは、事故が起きてない段階で、原子力と同じかそれ以上に危険だと、いえないでしょうか?
⇒55. captnemo さん
>広瀬、いや猪瀬直樹の旧著には、電気鉄道発足当初、鉄道会社は電気を自前でつくり、余剰分は周辺の民家に売っていたことが、書いてあります。
ここで広瀬という苗字はどういう関連があるのでしょう?
個人的に非常に気になります。
⇒59. 匿名希・望 さん
>これって原発関係あります?
仮にあっても、それは9割の条件が揃ってた所に最期の一押しをしただけであって、原発問題なくても遅かれ早かれ発生する事象では?
9割の条件の内、多くを占めそうな人件費の安さは、採掘まで含めた場合考慮すべき問題の健康や環境への無配慮によるところが多いと考えられますよね。
だから、そういう移転先の健康や環境への無配慮を容認できるか、一線を引くかが問題かと。
日本は輸出できる資源に乏しいので、製造業を失っても、エネルギー他を買う必要があります。
よって、無配慮な国に合わせる方針を取れば、多くの国民は、給与面や待遇、健康、環境面で無配慮な国に合わせることになります。
国民の多くがそうなっても構わないくらい原発に反感を持っているのならしょうがないと思いますが。
⇒108. 匿名希・望 さん
>この数字のソースを教えて頂けませんか?
fiskerさんとは違うかもしれませんが、ここにまとめられてます。
下の方に参照先URLがあります。
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51817203.html
>それと、今回は日本のエネルギー政策の話なので世界平均ではなく日本のみの平均で計算するべきと思いますが。
これはどうしてでしょうか?
エネルギー問題は国内だけで完結しないのが大前提ではないでしょうか?
⇒154. 匿名希・望 さん
>水蒸気爆発を起こさないように無電力でベントできるようにして、いっそ水を供給せずにメルトダウンさせた溶融燃料をそのまま受け止められるデッカイ耐熱鍋みたいなパーツを格納容器の下に据付れば大丈夫かな。
米で60年代に数年の稼動実績があって、日本の学者が再発見し、中・印・米が開発を急いでいるトリウム炉は、そういう仕組みのようですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110225/218599/?rt=nocnt
⇒132. kgofboston さん
>そもそも今から原発再開させるのに、強権的なやり方とらずにできるのか疑問。節電や操業時間のシフトを強権的で受け入れられないというのなら、原発再開を現地住民に納得させるのはより強権的なやり方が必要になると思う。私に思いつくのは、補助金をちらつかせる事くらい。
これまで、原発は成田空港のような強制的なものではなく、誘致でした。
3.11以降は、誘致先限定的ではない被害が想定されるので、今後に向けたアクションには、少なくとも周辺含めた助成金が最低条件になるように思えます。
>金以外の理で納得させたいのなら、東京大阪に原発1個でも建てれば、納得するかもね。それ以外の理屈は思いつかない。
原発建設の条件に、硬い岩盤と海に面してる必要があるようです。
個人的には、東京・大阪に造るべきだと思うけれど、別の条件を打ち立てる必要がありそうです。
⇒136. okaby さん
> たしかに、これ以上の増設をせず建設予定も中止させ、耐用年数も福島第一のように40年以上にせず25年にすれば、20年後には確実に全廃になります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%82%89%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E6.97.A5.E6.9C.AC
F1耐用年数はGEの当初の仕様では10年だったとか。
いくらメンテとテコ入れをしたとしても、廃炉にすべきだったと思います。
停止放置されてる多くの小型原子炉と共に、解体洗浄作業を通じて、学べたはずのノウハウが蓄積されてなかったことも、今回の事故が長引いてる要因のひとつに思えます。
> 節電も社会的弱者にしわ寄せがいかないように、公共施設、公共交通機関、医療福祉施設などの電力を確保しつつ、電源ピークの調整(とくに大企業)をしていって。
生産業の移転が現実視されてる中、失業率も上がり、税収も減収することが予想できますが、弱者保護は、そうでないひとからは、平時の防災費並みに理解がされ難い予算だと思います。
お金がない状態で、弱者を助けることって可能なのでしょうか?
164. kgofboston — May 15, 2011 @17:57:23
>これまで、原発は成田空港のような強制的なものではなく、誘致でした。
私はその誘致が既に強権的だったと思ってます。本来、需要のない場所に電源三法交付金でもって「買収して」リスクを負わせていたと。
日本の原発のリスクにおいて私が本当に問題だと思っているのは利益を享受する者とリスクを負う者が違うということです。だから飛行機、自動車等のリスクとは本質的に異なると考えています。
助成金を与えているのだから利益を享受している。という事であれば、私はその「リスクを金で売るor買わせる」事自体が強権的だと思います。強制的ではなくとも強権的であったことは私にはより悪質に感じられます。
チェルノブイリは電力需要地から比較的近くに建設されていました。ソ連は確かに甘い考えで原発を使っていたと思いますが、少なくとも立地においてリスクを需要のない地方に売りつけることはしなかった。彼らは自分達の技術に自信を持っていたと思います。それは結局、過信でしたが。
日本で行われてきた「誘致」が強権的でないという意見には賛成できません。だから「東京大阪に建てる」ことが原発再開を現地に納得させる金以外の理だと書いたのです。結局のところ、金で再開させるのだろうと思いますが。
165. さんちゃん — May 15, 2011 @18:17:11
>⇒22. さんちゃん (敬称HNについてるので略)
すいません。私のHNには敬称は入っていません。
紛らわしいのは分かっていますが、大抵の方はそのまま「+さん」するのでほったらかしです。
HNの由来とか書くつもりもないですが、「アグネス・チャン」と同じと思って置いてください。
で、本題。
>>立地を集中すると、送電コストが上がりリスクも高まりますが、安全対策に必要なコストは下がります。そこら辺を検討して最適化するためには、国有化が一番手っ取り早いと思います。
>
>分散化に大賛成なのですが、国有化すると、どう言う仕組みで分散化が促進しますか?
これは、「23. と — May 10, 2011 @14:47:00」さんへの質問でいいですよね?
166. captnemo — May 15, 2011 @18:21:13
広瀬さんの本を読んだのが大昔で忘れかけていて、次に読んだ猪瀬さんの名が上書きされて、それからも長い時間が経ち、久しぶりにあらわれて偉そうなことをいう過去の人「なんとか瀬」を混同してしまう老人力を、ちょっと自慢してみただけです。
お心を乱して済みません。
ご意見ありがとうございます。
<生産業の移転が現実視されてる中、失業率も上がり、税収も減収することが予想できますが、弱者保護は、そうでないひとからは、平時の防災費並みに理解がされ難い予算だと思います。
お金がない状態で、弱者を助けることって可能なのでしょうか? >
というご意見について。
私は、日本の経済・雇用の活性化させるには社会保障全般に公的資金をヨーロッパ並みにつぎ込むのが一番じゃないかと思っています。
まずは必要だから。そして必要なサービスに付随してお金が回れば経済が活性化して、そのために税金を使っても税収を増やせて失業率も減らせる。
環境対策も同じことが言えますが、ご質問の弱者保護もそうした脈絡で必要であり「お荷物」でないとわりきれば問題が解決しそうだと思います。
168. と — May 15, 2011 @19:09:11
>>立地を集中すると、送電コストが上がりリスクも高まりますが、安全対策に必要なコストは下がります。そこら辺を検討して最適化するためには、国有化が一番手っ取り早いと思います。
>
>分散化に大賛成なのですが、国有化すると、どう言う仕組みで分散化が促進しますか?
現状では原発の設置主体はそれぞれの電力会社ですから、許認可によって間接的にコントロールされているとはいえ、集中化にしろ分散化にしろ誰かが責任を持って方針を決めているわけではないです。あえて言えば、国有化して分散化を国策とすれば、それなりの政策も出てくるでしょうし、国が責任を持つということで(今回の東電の対応に恐れをなした)自治体を説得しやすくなるかもしれません。もし、現状のまま何もしなければ、新規立地は難しいでしょうから、集約化が進むと私は予想しています。
169. と — May 15, 2011 @19:25:40
一度に受容可能なリスクには上限が必ずあります(究極的には日本人が全員死んでしまえば確実に終わり)。嫌な話ですが、毎年3万人の自殺者が出続けても千年後も日本社会は機能しているかもしれません。けれど、1年で3000万人が自殺したら、酷いことになるでしょう。原発のリスクが嫌がられるのには、その一度に受容可能な閾値(特に経済的な)を越えてしまいかねないと思われていることがあるのではないかと思います。
170. ROM歴三年 — May 15, 2011 @19:54:21
私が消極的原子力推進派という立場をとっているのは、学生の時に読んだ新書にあった、「原子力という選択肢が、化石燃料の高騰を抑えた。」という説に強い説得力を感じたからです。
当時に比べて、投機マネーが世界経済を振り回している現在、原子力という選択肢を手放すというリスクは、予想しがたいものだと思います。
化石燃料の高騰は、電力以外に多くの影響を及ぼしますので、それが心配です。
素人感覚ですが…。
171. Toshi2100 — May 15, 2011 @21:16:05
kuritaさんの http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305443942
ところで、3段落ですが、私はちょっと違う意見です。
> それから何時間、あるいは何十時間も一体何をやっていたんだろうなぁ
「100mは長いか…」で書きましたが、
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1302167315#CID1304134309
ベントするにしても、ちょっと弁のところに行ってひょいと捻ればいい、というものでは無かったようです。
ご提示されたNBOの記事で指摘されている時間帯には、上記のように簡単だと思って、私自身「早く弁を開けろ!」とTVに向かって言っていました。しかし、最近では現場ではやりたくてもやれない事情というものがあったような気がしています。例えば地震から明けて土曜日は東北沿岸では大津波警報はまだ解除されていず、余震も頻発していたと記憶しています。日曜日にですら、余震で多摩地域の救出作業(東京の地震の犠牲者2/7がここです)が中断していましたから。(野次馬で見に行ったのではっきり覚えています。)
4月の前半くらいには東電か保安院のHPに地震以降何を行ったのかがPDFで公開されていました。それがあればもう少し状況がわかるのでしょうけど、上のコメントを書くときには見つけられませんでした。
きちんと検証すればもしかしたら対処の悪いことがわかる可能性は大有りですが、今の段階では情報が少なすぎてかえって間違った判断をする可能性もあるのではないかと思っています。
173. ファブヨン
— May 15, 2011 @22:37:10
理想を高くもつと、まさにおっしゃるとおり。
一方で、日本は資源に乏しい国で、エネルギーに関しては貧困国に近いのが現状。
理想とは違いますが、割となだらかな差しかない公平な社会を構築しています。
それでも地方は大変苦しい。
そこに付け込んだとすると、整合性がないです。
差をわざと大きくして苦しめた方が人身はコントロールできます。
ですから、誘致と助成金のセットは、悪意ではなく、当時の政府や行政なりに一生懸命考えた方針だと思います。
理想から程遠いのはまさにそのその通りですが・・・。
⇒165. さんちゃん
>HNの由来とか書くつもりもないですが、「アグネス・チャン」と同じと思って置いてください。
了解です。
>これは、「23. と ― May 10, 2011 @14:47:00」さんへの質問でいいですよね?
その通りです。
ご指摘ありがとうございます。
また、混同してしまいお二人には申し訳ありません。
⇒166. captnemo さん
>お心を乱して済みません。
一瞬、何かあるのかとドキッとしましたが、理解しました。
⇒167. okaby さん
世界中の国々で、不景気に対して制度で対抗して成功した例は稀だと思います。
制度の改革は、それまでの制度に慣れた社会にとって負担でしかなく、その後何度も制度変更に伴う周辺バグを解決し、その解決があらたな問題を生み、その繰り返しで徐々に形になるという認識を持ってます。
単純な話し、景気対策に、ドカンとお金をつぎ込んだ方が有効的で、余裕が出来たところで改革に取り組めば良いのではないでしょうか?
制度改革の歪は、貧乏人を直撃しますが、景気対策で、誰かが窮地に陥ることはないまずないかと。
日本は、元々改革が解決という甘い見通しで不景気になってたところに震災ですから、まず景気対策。
お金ないと、何も出来ないので。
国民をに告知や教育すれば、意識が向上して、理想的に弱者への意識が向上して解決していくというのは、あまりピンと来ないです。
⇒170. ROM歴三年 さん
>「原子力という選択肢が、化石燃料の高騰を抑えた。」という説に強い説得力を感じたからです。
裏付けると言えるほど密接な関係はありませんが、日本では、原発建設と炭鉱の廃坑は同じ時期です。
炭鉱の被害大きい中国は原発の建設で解決しようとしています。
>当時に比べて、投機マネーが世界経済を振り回している現在、原子力という選択肢を手放すというリスクは、予想しがたいものだと思います。
自分も消極的推進派と言う言葉がぴったりな感覚なので、このような周囲への影響の危機感同意します。
>化石燃料の高騰は、電力以外に多くの影響を及ぼしますので、それが心配です。
素人感覚ですが…。
値段高騰で採算が合えば、危険な炭鉱再開なども考えられそうです。
174. Katase — May 15, 2011 @22:27:47
・廃棄された原発無人ロボット 東電など「活用場面ない」
http://www.asahi.com/national/update/0514/TKY201105140193.html
>原発事故での使用を想定し、国の予算30億円で開発・製造された遠隔操作ロボットが、東京電力などが「活用場面はほとんどない」と判断したために実用化されなかったことが分かった。だが、福島第一原発の事故では、人が入れないほど放射線量が高い場所での作業に米国製ロボットが投入される事態に。事故の想定の甘さが、ロボット開発でも浮き彫りになった。
>遠隔操作ロボットをめぐっては、1999年に茨城県東海村で起きた「ジェー・シー・オー(JCO)」の臨界事故を受け、当時の通商産業省が同年度にロボットの開発費として30億円の補正予算を計上。開発事業を受注した日立製作所、三菱重工業、東芝など4社は2001年に計6台のロボットを製造した。だが、電力会社などからの配備希望がなかったという。
>災害現場では人が作業できるエリアは必ず確保されており、人が現場で作業を行うことは十分可能として、「原発などの災害で活用する場面はほとんどない」と結論づけた。この結果、不要とされた6台は06年3月、廃棄処分となった後、一部は東北大に引き取られた。そのうち1台が現在も仙台市科学館で展示されている。
せっかく多額の税金を投入して放射線が高い場所でも使えるロボットを開発していたのに電力会社などは「必要無い」として廃棄処分にしてしまって、肝心の今回の事故では使えずに米国製のものを輸入してようやく現場の様子がわかったという状況。残念ですね。
現在の事態を「あり得ない」として想定からはずしてしまい、必要と考えられてお膳立てされていた対策まで無駄にしてしまった姿勢を残念に思います。私は、誰がこれらの判断をしたのかを追求してスケープゴートとして吊し上げをするつもりはありませんのでお断りしておきます。これは、東電ではない他の電力会社でも同じですね。
(そういう事故を想定して準備することが「事故があり得る」と認めてしまうことになるので心理的に消極的になってしまったのでしょうか)
175. SF物理マニア — May 16, 2011 @00:12:42
>災害現場では人が作業できるエリアは必ず確保されており、人が現場で作業を行うことは十分可能として、「原発などの災害で活用する場面はほとんどない」と結論づけた。
全く何を考えているのでしょうか。
論理がおかしいです。
人間軽視も甚だしいです。
ドイツあたりでは、廃炉の処理が進行中でロボットを活用しているいう事ですが。
176. e10go — May 16, 2011 @00:34:49
>> それから何時間、あるいは何十時間も一体何をやっていたんだろうなぁ
>「100mは長いか…」で書きましたが、
>http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1302167315#CID1304134309
>ベントするにしても、ちょっと弁のところに行ってひょいと捻ればいい、というものでは無かったようです。
kuritaさんの指摘している事はそういう事ではく、原子炉に早く注水しないと拙い事になるのに、その判断が遅れた事を指摘していると思います。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110510/219895/
上の2頁目にあるリンク
http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/20110311miyagi/201103151700.pdf
「首相官邸の資料」で、3/75頁〜5/75頁に「原子力発電所事故の状況」が記載されていますが、それを読むと1号機の注水をもっと早くやっていればここまで自体が酷くならなかった可能性があります。
内容をピックアップすると、
>11日
>16:36 1、2号機に関し、非常用炉心冷却装置注水不能(原災法15条報告事象)
>*注水状況が分からないため、念のために同法15条に該当すると判断
>21:00 D/D消火ポンプを起動し、炉圧が低下したら流入できる体制を執っている。
>12日
>00:00 1号機に関し、非常用復水器で原子炉蒸気を冷やしている。
ここまでは非常用復水器で原子炉を冷やせていた様です。
>00:30 1号機に関し、ドライウェル圧力が600kPa(設計上の最高使用圧力:427kPa)を超えている可能性があるため、調査中
この時点で非常用復水器での原子炉冷却ができなくなっていると思われます。
この間、外部からの注水はありません。
>07:51 ・1号機に関し、海水ポンプへのバッテリー接続作業、冷水タンクから注水作業、ベントの電磁弁電源復旧作業を実施中
ここで注水を始めています。しかし、
>08:30 1号機に関し、09:00頃より、原子炉格納容器内の圧力降下のためベントを開放予定
>09:07 1号機に関し、ベントを開放
>10:49 1号機に関し、2つあるベントのうち、片方の弁を開く作業が難航中。放出はされいない
格納容器内の圧力が高いために注水しても必要量が入らなかった様です。そのため、
>11:13 未確認だがベントは開始されている模様(圧力が0.8から0.74に下がっている)
>10:04〜18:30 1号機の核燃料の一部が一時水面上に露出
> 10:04 マイナス50cm
> 11:20 マイナス90cm
> 12:05 マイナス150cm
> 15:28 マイナス170cm
原子炉水位が下がって行きます。そして、水素爆発が発生しています。
>15:36頃 直下型の大きな揺れが発生し、1号機と2号機の間で大きな爆発があり、白煙が発生
ここまで見ると、11日16:36〜12日00:00までの間に注水を始めていれば水素爆発爆発は防げたのではないか、と思われます。少なくとも「首相官邸の資料」では、11日21:00から注水は可能な状態であると読めます。
注水が遅れたのは、現場に指揮権が無かったのと東電トップの決断遅れが原因でしょう。
>kuritaさんが言われていることは、非常事態での人間の対処(危機管理)のことで、それも重要ですが、「想定外」で話題になっているのは、建屋や機器類の設計条件(特に津波)のことで、別の話ですね。
いや彼の主張は、設計上の想定外といってもそれで対応を放棄せず最善を尽くせという趣旨だと思います。今回は想定外だから、責任はないとは言えないということです。
また原発停止後2〜3時間が勝負になるところを、正確な状況把握・迅速な対応を取れていなかった。
どう見ても、当事者がパニクって迅速な対策が取れなかったようです。
具体的にはベントの遅れがあります。
これは個人的な思いつきですが、ECCSが機能不全になる前に原子炉隔離を解くという手もあったと思います。こうすれば、ある程度冷却できたと思います。
178. okaby
— May 16, 2011 @01:41:01
<日本は、元々改革が解決という甘い見通しで不景気になってたところに震災ですから、まず景気対策。>
というのは、そのとおりで、その優先順位として弱者にやさしいお金を使うようにしたらいいということです。
きくまこさんが強調されているように、節電・停電などで弱者にしわ寄せをしないように配慮することが、エネルギー政策や景気対策と矛盾するという、みすぼらしい発想はやめたらいいのではと思うだけです。
179. 匿名希・望 — May 16, 2011 @03:08:56
>>これって原発関係あります?
仮にあっても、それは9割の条件が揃ってた所に最期の一押しをしただけであって、原発問題なくても遅かれ早かれ発生する事象では?
>
>9割の条件の内、多くを占めそうな人件費の安さは、採掘まで含めた場合考慮すべき問題の健康や環境への無配慮によるところが多いと考えられますよね。
>だから、そういう移転先の健康や環境への無配慮を容認できるか、一線を引くかが問題かと。
>日本は輸出できる資源に乏しいので、製造業を失っても、エネルギー他を買う必要があります。
>よって、無配慮な国に合わせる方針を取れば、多くの国民は、給与面や待遇、健康、環境面で無配慮な国に合わせることになります。
>国民の多くがそうなっても構わないくらい原発に反感を持っているのならしょうがないと思いますが。
論旨が全く噛合ってません。
原発をやってるのとやってないのとに関わらず海外移転は起きており、海外移転を原発継続の理由にするのは余りにも筋違いの話であるということです。
>>それと、今回は日本のエネルギー政策の話なので世界平均ではなく日本のみの平均で計算するべきと思いますが。
>
>これはどうしてでしょうか?
>エネルギー問題は国内だけで完結しないのが大前提ではないでしょうか?
他国の合法的な経済活動の結果の被害まで、日本は責任を持てないからですよ。
その命の値段を不当だと考えてより値段を上げるのならそれは産出国の自由です。
その価格に合った政策を改めて考えるだけの事ですが何か?
それと別に、日本が何で発電しようが他の条件が変わらなければ日本以外で死ぬ人間の数は殆ど変わりません。
そもそもこのソース自体、計算方法が不明なので正直怪しいと思っていますが、仮にファブヨンさんの論法を容れたとしても、日本がどう発電するかで変わる死者数は理論上、海外の採掘による死者と日本国内の発電による死者だけです。
少なくとも、原料採掘由来と発電由来とに死者の死因を分解して、発電由来のものを日本国内の平均に合わせなければ、日本の政策変換による死者数の変化を表現する事はできません。
180. 匿名希・望 — May 16, 2011 @03:47:59
需要>供給にしたいのなら政府が足りない需要に対して支出を増やせば宜しい。
後は供給が需要に追随できるように電力や交通等のインフラを整備する。
経済に関して政府がやるべきことは極論すればそれだけです。
181. Isshocking — May 16, 2011 @05:33:45
原発よりも直接人命にかかわるはずの沿岸部住宅地の防潮対策が10m超の津波を想定も対策もしていないからです。
もっとも、津波は想定外であっても、全電源喪失を想定外とできるかは、やはり疑問があります。巨大な落雷や配電盤の火災がありうるからです。
電源が失われないにせよ、冷却ポンプの故障や配管系の寸断がありますから、それらの想定は無視して良いわけがありません。
また、制御系がアウトになったとしても計装系が同時アウトというのは全くいただけません。計装系が生きていないことには手動復旧も著しく困難になるわけですから、1ランク上の耐久性が必要でした。
さらに、最悪事故が起こったにせよ、収束ははからなければならないわけですから、最低限のロボットも保持していなかったことは大いに問題です。空撮用のラジコンヘリさえ自前で用意できませんでしたから。
>40年間の実績(有価証券報告書)から割り出したところ、火力9・8円、原子力8・64円、水力7・08円。原子力がいちばん安くはない。
電力会社が総括原価方式で利益率が保証されているからコストのかかる発電方式を採用すると言うのであれば、もっともコストのかかっている火力発電所を建設するのが電力会社にとって魅力的ということになります。
電源開発促進税は電力使用量にかかるもので、隠れた原子力発電のコストになり得ても発電原価に含めることはできません。
電力会社が電源開発促進税の額を原価に含められなければ、電力料金に転嫁してより多くの利益を上げることはできません。
183. 砂の惑星人 — May 16, 2011 @07:26:34
okabyさんが紹介された番組情報にも出ている立命館大学大島さんの財政支出もいれた場合の試算と他の発電方式との比較をした原子力委員会のPPT資料があります。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2010/siryo48/siryo1-1.pdf
ジルベルト下大利さんのご指摘のように、財政支出の原資は電力会社が税金として払っているものです。
現在の原子力発電の直接コストは徐々に下がってきています。建造費や用地買収費などの償却が終わった古い原発の寿命が伸ばされて初期の想定より長く使える状態であるために、単価が下がっていると思います。もし原子力発電を寿命より短く止めるとすると、せっかく安くなった電源を放棄することになり余分な費用がかかることになります。補うためのガス火力発電所のコスト、増加する燃料のコストが上乗せになります。原子力発電を停めても、数十年は管理が必要ですし、廃棄物の処分の費用も必要で、今度は持ち出しになります。
西ドイツなどの「脱原発」は寿命が来た原発を順次廃炉にするというもので、日本も同じように新設しないで今後30-50年ほど原子力発電を続けるか、定期検査後に再開しないなど直ちにどんどん廃炉にするかで、今後のコストは大きく変わりますね。
製造業を中心として日本の産業が衰退していくのは、残念ながらどうしようも無いと思いますが、おかげでエネルギー需要はかなり押さえられるでしょうから、仮に原発が使えなくなっても案外なんとかなるような気がしてきました。
184. e10go — May 16, 2011 @11:42:49
すみません。先の発言、取り消します。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305473689
東電のプレスリリースを見ると状況が全然違う。
http://tepco.mirror.myapp.jp/cc/press/11051508-j.html
http://tepco.mirror.myapp.jp/cc/press/betu11_j/images/110515k.pdf
3月11日19時半頃の時点で、どうにも成らなくなっています。燃料が全てむき出しの状態だから、ここで水素は発生しているでしょう。
水素発生を防ぐにはこれより早く対応する必要があるけど、可能だったろうか?
185. 技術開発者 — May 16, 2011 @12:46:34
>水素発生を防ぐにはこれより早く対応する必要があるけど、可能だったろうか?
詳細な情報が入手出来ないので何とも言えないのですが、私が1号炉の「隔離時炉心冷却装置」が動かなかった事を重視するのは、この部分があるからです。全交流電源喪失時に炉心の熱を使って冷却ポンプを回す隔離時炉心冷却装置というのは、まさにこの短時間の対応のためなんです。あくまで仮定ですが、1号炉でこの最後の頼みの綱の冷却ポンプが動いていれば、いろんな対応の時間が稼げた可能性があるわけです。
186. トンデモブラウ — May 16, 2011 @13:38:38
10mの津波を「想定」していなかったのは、全く違いますね。
また、東電に対策費が全くなかったとは言わせません。
今回の福島第一原発事故が「津波被害の想定に問題があり、東電の落ち度によるものだった」と考えた場合、そのように考えなかった場合と比較して、私たちの将来にどういう影響が出るのでしょうか。
188. 技術開発者 — May 16, 2011 @16:45:49
>今回の福島第一原発事故が「津波被害の想定に問題があり、東電の落ち度によるものだった」と考えた場合、そのように考えなかった場合と比較して、私たちの将来にどういう影響が出るのでしょうか。
普通、事故で「落ち度」を探すときと言うのは、その落ち度により賠償責任が変わるからなんですが、原子力に関しては「原子力損害の賠償に関する法律」の第三条に「無過失責任」が定められていますから、「落ち度」の有無は賠償責任に関係しません。そのため、皆さんが「落ち度」を探されるのは、賠償責任論ではなく「今後は事故を起こさないため」だろうと思います。つまり、皆さんは「今後も原子力を使う」という前提で、「どこに落ち度があったか明らかにして、今後はその落ち度を落とさないようにして原子力を使い続けよう」と落ち度を探されているのだろうと思います。
私自身はできればこの機会に脱原発の動きを起こして欲しいという意識がありまして、そうなると「再発防止視点」の解析も湿りがちにはなるのですが、Kataseさんを初めてとして「落ち度を探して、今後の参考にしたい」という人が沢山いらっしゃるみたいなので、とりあえず解析してみています。
189. ジルベルト下大利 — May 16, 2011 @17:21:10
防災基準の策定は国が行うので「津波被害の想定に問題がある」場合は東電の落ち度とは言えないでしょう。
東電の過失が問われるケースとしては「定められた予防策を行わなかった」「津波被害は想定内(あるいは想定外でも)だったが、震災後適切な対応を怠ったため被害を発生させた」などが考えられるでしょう。
ここからが本題ですが、
東電に過失があった場合無限賠償の責任を負いますので、東電は資産を売り払ったり電力料金を値上げして支払う義務が生じます(政府が特別な救済策を講じない場合)。
この場合損をするのは東電と東電から電力を受けている顧客となります。
東電に過失がないと見なされた場合は全額国が賠償を行いますので、国民全員が損をすることになります。
190. ジルベルト下大利 — May 16, 2011 @17:37:07
個人的に「国の定めた基準を超える震災は『異常に巨大な天災地変』にあたるから免責で、基準に達していないのならそれは東電の落ち度だろ?」って思いがあったので無過失責任について言及しませんでした。
191. 技術開発者 — May 16, 2011 @17:42:44
>東電に過失があった場合無限賠償の責任を負いますので、東電は資産を売り払ったり電力料金を値上げして支払う義務が生じます
「原子力損害の賠償に関する法律」の第三条は過失について規定しません。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第三条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「当該原子炉の運転等により」という文言は過失によらないことを明示したものです。問題になるとすれば「但し書き」ですが、まあ今回の地震・津波は「異常に巨大な天災地変」には当たらないでしょう。
>東電に過失がないと見なされた場合は全額国が賠償を行いますので、国民全員が損をすることになります。
この法律の第四条は
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第四条 前条の場合においては、同条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき原子力事業者以外の者は、その損害を賠償する責めに任じない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
であり、国も「責めに任ずべき原子力事業者以外の者」にあたりますから、そのような賠償はこの条文に反します。考え方としては、一時的に国債等の発行により肩代わりすることはあっても、その国債の償還は、「責めに任ずべき原子力事業者」が今後の事業により返済する責任を持つ事になります。
>個人的に「国の定めた基準を超える震災は『異常に巨大な天災地変』にあたるから免責で、基準に達していないのならそれは東電の落ち度だろ?」って思い
これは、今後に議論になる可能性のあるところではあるのですが、なんて言いますか、私が「異常に巨大な天災地変」に当たらないと考えるのは、確かに巨大な地震と津波ではあるけど、これまでの地震や津波の延長線上にあるという事なんですね、つまり「異常に」の認定に難がある。「隕石が落ちた場合」なんて話もでていますが、実際、隕石が福島沖に落ちて、その結果として震度7の地震と高さ14メートルの津波で事故になったら、「異常に巨大な天災地変」になるかも知れないなんて思ったりします。震度も津波も今回と同じなのですが、原因が「異常」とされやすい面がありますからね。
193. e10go — May 16, 2011 @18:18:32
技術開発者さんの言われるように「隔離時炉心冷却装置」が機能しなければ対応に余裕はないですね。
津波到達後も18時までは炉心温度が安定していますが、その時間が2時間半。「隔離時炉心冷却装置」が機能していればこの時間がもっと延びていたでしょう。
技術開発者さんが「隔離時炉心冷却装置」の事に触れた時には気にしていませんでしたが、確かに問題ですね。なぜ機能しなかったのか問題にした方がいいですね。
194. なべ — May 16, 2011 @18:11:59
> 私が1号炉の「隔離時炉心冷却装置」が動かなかった事を重視するのは、この部分があるからです。
1号炉の「隔離時炉心冷却装置」の動作状況に関する信頼できる情報源がありましたら教えていただけますでしょうか?
「半日動作した」とか「1号炉にはその系統はなかった」とか「水温が上昇したために止まった」とか「電源喪失で電磁便が閉じて止まった」とか相矛盾する憶測レベルの話が氾濫していてさっぱりわからなくなってしまっています。
ちなみに、隔離時冷却系が動作したのかどうか、動作したとしてどのくらいの時間なのかは重要なことだとは思っていますが、熱交換機構を持たない(強いて言えばサプレッションチャンバーが建屋内で自然空冷)隔離時炉心冷却装置はあくまでも短時間の繋ぎで、正常に動作してもそれだけでは長く保たないだろうとも思っております。
195. ファブヨン
— May 16, 2011 @18:59:59
大筋その通りですね。
リーダーシップが発揮出来るかどうかの点で、なし崩し的になりそうですが。
⇒174. Katase さん
⇒175. SF物理マニア さん
>・廃棄された原発無人ロボット 東電など「活用場面ない」
>ドイツあたりでは、廃炉の処理が進行中でロボットを活用しているいう事ですが。
使わないにしても、政府と東電の連絡密にして、試作段階でも双方が互いの領域に立ち会ってれば、早めに決断できて無駄が省けたはず。完成後に断るって少しおかしいですね。
⇒178. okaby さん
>その優先順位として弱者にやさしいお金を使うようにしたらいいということです。
>きくまこさんが強調されているように、
賛成です。
そのお金を得るためには、景気対策が重要。
自分が思うに、現状、福祉国家ではなくまだ土建国家の残りが圧倒的に大きい状態。
なので、景気対策や雇用対策に福祉を考えると行き詰まり易い。
そこには注意する必要があるかと。
⇒179. 匿名希・望 さん
>論旨が全く噛合ってません。
>原発をやってるのとやってないのとに関わらず海外移転は起きており、海外移転を原発継続の理由にするのは余りにも筋違いの話であるということです。
噛み合ってないのは、要するに閉じた系か開かれた系かと言うことですよね?
日本が、資源ないのに、国民が貧困国として他国に出稼ぎなどしなくても、成り立って来たのは、輸入加工輸出という形式の基幹産業を発展させる方針をを国が推し進めたからなのは周知の事実かと。
国家的方針の歯車の中のひとつとして、安定して割と安い電気を供給してきたのが原子力。
それで、現状、エネルギーと食料と加工原材料は輸入が頼り。
で、そのお金を賄うために基幹産業があって、世界規模で循環してる。
前回、匿名希・望 さんがおっしゃっていたように、この仕組みの歯車はたくさんあって、原子力の影響は1割くらいなのかも知れません。
きっと、基幹産業流出危機のもっとも、大きい要因は、他国の労働者の健康や自然環境をコストとして残酷に扱えるかどうかということでしょう。
要はこれに合わせるかどうかということですよ。
当たり前ですけど、急に、農業国とかにはなれないので、製造業に頼る形はしばらく固定されてると考えるしかない。
元々資源なく不利な戦いなわけで、安い電気≒原子力を失えば、例えば、前回張った中国の記事のような労働環境に合わせて生活や健康他様々なことのレベルを落とさないと勝てない。
経済戦に負ければ、日本中買い叩かれて、直接、ああいう労働を強いる人たちの命令に従って仕事をしなければならなくなるかもしれない。
原発とどっちが良いのかと考えると、原発に匹敵するくらい安くて安定してるエネルギー出て来るまで、自分なら、原発の方が良いと思う。
国民の大半が、経済的な影響や国際競争よりまず原発反対となるのなら、それはそれで止むを得ないとは思うけど。
>他国の合法的な経済活動の結果の被害まで、日本は責任を持てないからですよ。
確かに、そうも言えますが、国際社会は、感情で感情を制する法整備があまり整ってない無法地帯ですから、日本が責任をもつかというより、相手のやり方を認めるかどうかですね。
相手は相手のルールを主張するのだから、日本は日本のルールを主張するかどうか。←ここが大事かと。
森林伐採、水産資源、関税など日本も非合法ではない経済活動で他国から色々言われてます。
皆自分の価値観正義感公平感で、言い合うのが基本。
相手に合わせるだけだとしたら、少し違うかと。
>その命の値段を不当だと考えてより値段を上げるのならそれは産出国の自由です。
>その価格に合った政策を改めて考えるだけの事ですが何か?
命の値段との表現はともかく、その通りですね。
つまり、相手次第な面があって閉じた系では完結しないということです。
196. 匿名希・望 — May 16, 2011 @19:23:41
>元々資源なく不利な戦いなわけで、安い電気≒原子力を失えば、例えば、前回張った中国の記事のような労働環境に合わせて生活や健康他様々なことのレベルを落とさないと勝てない。
>経済戦に負ければ、日本中買い叩かれて、直接、ああいう労働を強いる人たちの命令に従って仕事をしなければならなくなるかもしれない。
それは被害妄想が過ぎるというものです。
日本の不況は金融財政政策のミスであって新興国との競争が原因ではありません。
日本の経常黒字とGDPにおける輸出産業の占める割合を考えたら即答できますよ。
それと日本の発電方法の変更による死者数の変化の計算方法については納得して頂けたのでしょうか?
単純な論理の話としてこれは変です(以前のKataseさんへのコメントも同じ構造)。
原発を存続させようとするならミスの吟味は必須ですが、逆に、ミスを吟味する立場からは必ず原発存続の方向性が出てくるとは限りません。
198. SF物理マニア — May 16, 2011 @20:00:44
>1号炉の「隔離時炉心冷却装置」の動作状況に関する信頼できる情報源がありましたら教えていただけますでしょうか?
以下にアレバ社の資料があります。ドイツ語なまりの英語ですが、P7あたりから、事故のシーケンスが書いてあります。大本営発表よりは信用できるでしょう。
http://www.seyth.com/ressources/quake/AREVA-Document.pdf
199. なべ — May 16, 2011 @20:16:39
> 以下にアレバ社の資料があります。
その資料は既に拝見しておりますが、孤立時冷却系が動作し続けるには「1.バッテリーが必要」と「2.温度が100℃未満である事」の2点が挙げられ、ウェットウェルの水温上昇が原因で停止したような事が記述されています。
何故温度が上昇すると動作しなくなるかに関しては「吸い上げによる減圧で沸騰して気泡が発生するからだろうか?」などと想像していますが、正確な事はわかりません。
それはともかく、この資料に書かれている事は起きた事象に関するアレバの推定ですよね?
私が知りたいのは孤立時冷却系が何時から何時まで動作していた(あるいは動作しなかった)という記録です。
200. SF物理マニア — May 16, 2011 @20:51:21
1)資料のP11はの後段説明は、熱除去が行われないため永久に機能はしないと書いてあります。
2)P12には、ポンプを駆動するモータがバッテリが上がり等で停止したと書いてあります。
1)の有効期間はどのくらいか分からないのですが、2号機での停止時刻を見ると、3/14の13:25分まで動いても駄目であったことから1W程度は必要であったかも知れません。又は、注水や外部冷却系に引き継ぐ等の処理が必要であったのかも知れません。
私も専門家ではないので、これ以上分かりません。
201. okaby
— May 16, 2011 @22:00:05
<自分が思うに、現状、福祉国家ではなくまだ土建国家の残りが圧倒的に大きい状態。
なので、景気対策や雇用対策に福祉を考えると行き詰まり易い。
そこには注意する必要があるかと。>
↑
そうかもしれません。
福祉や環境対策を経済成長の方策にすると、市場原理や営利化がすすむので、かえって問題が起きることもありますし。
福祉を公的に手厚くすることはある程度の経済波及効果はあって、経済のお荷物ではないというぐらいならいいでしょうね。
労働時間短縮と休日の増加でワークシェアリングをして雇用を増やすとともに、フレックスタイムを積極的に導入して通勤電車を減らすとかいうのも、節電になっていいかも。
一方で、原発では年間の発生確率10^-6という数字が出てきます。これは100万年に1度ですから1000年の1000倍です。実際、検討用地震波の評価を見ると、10^-4〜10^-6などと書いてあります。私は、これがどうも腑に落ちないのですが、原発の場合は1000年に一度など甘い、100万年いや絶対に今回のような事故は起こしてはならないというのが多くの方の意見の様です。これは重視すべきことだと思います。そして、一般の土木・建築では1000年レベルの災害に対応できるなどと考えるのは思い上がりもはなはだしいという感覚であり、100万年レベルの災害に耐えうる原発など作れるはずもなく、つまり作ってはいけないということとかなと思います。
203. Toshi2100 — May 16, 2011 @22:21:08
コメントありがとうございます。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305513769
> 3月11日19時半頃の時点で、どうにも成らなくなっています。
昨日のTVでグラフを見ましたが、じっくりとは今はじめてみました。確かにそのようです。この時間帯だと職場で、海水で一杯になった宮城の様子や、気仙沼の大火災をワンセグで見ていた時間だと思います。もしかしたら原発施設にも次々と津波がやってきていたのかもしれませんね。
たとえ今日のようになるとわかっていたとしても、当時原発にいた作業員の方々に「(津波に飲まれるかもしれないけど)建屋に行け」と私は言えなかったと思います。(現地にいなかったので、本当は言っていた可能性は大有りですが、「今思う」ということで許してください。)
すでに取り消されていることなので、コメントするのはいけないかもしれませんが、ちょっと真意が伝わってないかなと思ったことがあるので、すみません。
> 原子炉に早く注水しないと拙い事になるのに、その判断が遅れた事を指摘していると思います。
確かに1分でも1秒でも早く決断すれば多少は違ったかもしれませんが、国会中継の東電社長の弁を聞いた限りでは、社長が判断して実際にベントするまで8時間かかったのは、決して決断などにかかったわけではなく、実際問題として作業にかかったんだそうです。
その理由の2つが「津波が襲来するかも(なので、作業がはかどらなかった)」と「真っ暗闇の中での、時間が制限された作業だったこと」だったと記憶しています。
国会審議なので議事録あると思いますので、あとで探しておきます。
204. SF物理マニア — May 16, 2011 @22:47:13
関連記事がありましたので補足しておきます。
以下引用:
http://osai-nitako.iza.ne.jp/blog/entry/2282204/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110510/219895/
「まとめておこう。
1、3月11日16時36分に非常用炉心冷却系(ECCS)が止まってから8時間は、1号機は隔離時復水器(IC)が作動して「制御可能」の状態にあった。元来、隔離時復水器(IC)は、最長8時間作動するように設計されていた。
2、そして隔離時復水器(IC)停止後に、この1号機は「制御不能」の事態に陥ってしまい熱暴走が起きることを、現場の技術者は知っていた。
3、ならば、この「執行猶予」の時間内に冷却機能の復活を試みることと並行して、原子炉崩壊熱を上回る熱容量をもつ注水(毎時25トン)の準備をして おかねば、この熱暴走を止める手立てはなかった。結局「執行猶予」の時間内には冷却機能の復活はなかったので、隔離時復水器(IC)の停止と同時に、毎時 25トンの注水をしていれば1号機を「制御可能」の状態にとどめて置くことは可能だった。
4、ところが、実際には即座の注水は行なわれることなく、隔離時復水器停止の約8時間後に炉心の露出が始まった。炉心の露出が始まる直前に淡水注入が 行なわれたものの、その量は毎時10トンで功を奏さず。ようやく海水注入が行なわれたのは、1号機が「制御不能」の事態に陥って約20時間後のことだっ た。」
「東電の経営陣は、むしろ1号機について20時間もの間、海水注入を拒んだということができる。すなわち東電の経営陣は、技術が「制御不能」になるとはどういうことなのかを、20時間かけてようやく理解したということだろう。
それは「現代技術は、常に科学パラダイムに基づいていて、その科学パラダイムが提示 する『物理限界』を超えることはできない」という命題への本質的な理解の欠如だった。科学パラダイムに依拠する技術は、不可避的に「物理限界」を有してお り、その「物理限界」が、その技術の「制御可能」の状態と「制御不能」の状態との境界を特徴づける。そしてその境界を超えると、列車は転覆し、原子 炉は熱暴走するのだ。」
「だから、この事故が「初動のミス」つまり「ベントが遅すぎたり注水が少なすぎたりしたから起きた」と単純に理解してしまっては、本質を見誤る。そ うではなくて、物理限界を特徴づける境界の位置と特徴、そして構造を、東電の経営陣は理解できなかったから、この事故は起きたのだ。」
「すなわち、この原発事故の本質的原因は、「技術」にあるのではなく「技術経営」にある。よって、元来「制御可能」だった事故をみずからの判断ミスで「制御不能」にしてしまった東電の経営責任は、計り知れないほど大きいと言えるのではないだろうか。」
205. なべ — May 16, 2011 @22:23:45
> 2号機での停止時刻を見ると、3/14の13:25分まで動いても駄目であったことから1W程度は必要であったかも知れません。
AREVAの資料では1号機は3/11の16:36、2号機は3/14の13:25、3号機は3/13の2:44に隔離時冷却ポンプが停止したとなっています。
それこそ私の知りたいデータなのですが、以下の原子力安全・保安院の文書と照らし合わせると疑問点があります。そもそもそんなわけで質問したのでした。
http://www.meti.go.jp/press/2011/05/20110516007/20110516007-1.pdf
http://www.meti.go.jp/press/2011/05/20110516007/20110516007-3.pdf
上記資料による関連部分の概略は以下の通りです。
1号機
3/11 11:46 運転中、地震により自動停止
3/11 15:42 10条通報(全交流電源喪失)
3/11 16:36 15条事象発生(非常用炉心冷却装置注水不能)
3/12 01:20 15条事象発生(格納容器圧力異常上昇)
2号機
3/11 11:46 運転中、地震により自動停止
3/11 15:42 10条通報(全交流電源喪失)
3/11 16:36 15条事象発生(非常用炉心冷却装置注水不能)
3/13 11:00 ベント開始
3/14 13:25 15条事象発生(原子炉冷却機能喪失)
3/14 16:34 海水の炉心注水開始
3/14 22:50 15条事象発生(格納容器圧力異常上昇)
3号機
3/11 11:46 運転中、地震により自動停止
3/11 15:42 10条通報(全交流電源喪失)
3/13 05:10 15条事象発生(非常用炉心冷却装置注水不能)
3/13 08:41 ベント開始
3/13 13:12 海水及びホウ酸の炉心注水開始
3/14 05:20 ベント開始
3/14 07:44 15条事象発生(格納容器圧力異常上昇)
上記のうち「15条事象発生(非常用炉心冷却装置注水不能)」が(バッテリー切れによる)ECCSの停止、「15条事象発生(原子炉冷却機能喪失)」が孤立時冷却系の停止の事だと思われますが、後者は2号機についてしか示されていません。
AREVAの資料では1号機の孤立時冷却系はECCSが停止したのと同じ時刻に停止し、2号機については案全員の資料と一致、3号機は交流電源喪失とECCS停止の間あたりで停止した事になっています。
このあたりについて、時間関係が明確に確認できる資料(できれば東電や安全院の資料)の所在をどなたか御存知ありませんでしょうか?
> 2)P12には、ポンプを駆動するモータがバッテリが上がり等で停止したと書いてあります。
ポンプ自体は圧力容器からの上記で駆動されていますので、バッテリが上がって止まるのは電磁弁か制御系の問題ではないかと思います。
206. なべ — May 16, 2011 @23:22:37
さて、SF物理マニアさん紹介の以下の記事によると
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110510/219895/Link
「1号機の圧力容器と配管構造。2−3号機では、隔離時復水器 (IC) の代わりに隔離時冷却系(RCIC)が装着されている。」という事なので1号機と2〜3号機ではここの仕組みがちょっと違うようですね。
それはともかく、上記の記事によると「最後の砦(IC or RCIC)」は、1号機では約8時間、3号機では約32時間、2号機では約63時間稼働したという事なんですが、これは原子炉の停止からの時間と考えてもECCS停止からの時間と考えてもAREVAの資料とは全く一致しません。
というわけで相矛盾する情報が満ち溢れていて何を信じたらよいのやら。
ご興味のある方がいるかどうかは疑問ですが、見つけたと思いますのでお知らせします。
第177回国会
予算委員会 第12号
平成二十三年四月二十五日(月曜日)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0114/177/17704250014012a.html
(30日で消えちゃうそうなので、6月以降にごらんの方は国会図書館を見てみてください。)
議事録で「福岡資麿君」を検索してください。福岡さんの質問がベントになぜ時間がかかったかを問うています。8時間っていう数字がないですが、私の記憶違いか別のかも。もうちょっと探してみます。
208. なべ — May 17, 2011 @01:47:31
2011年東北地方太平洋沖地震と原子力発電所に対する地震の被害
2011年4月4日 原子力安全・保安院(NISA)原子力安全基盤機構(JNES)
http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2011/files/230411-1-3.pdf
上記資料の「3-7. 1号機における主要な事象の進展(1/4)」では隔離時復水器はまだ動作しており、次ページの(2/4)では「機能は復旧せず」となっています。つまりいずれかの時点で何らかの理由で止まったものを再起動しようとして駄目だったようです。
地震・原子炉圧力上昇・津波…東電、データ4冊分公表
2011年5月16日21時59分 asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY201105160495.html
さらに、上の記事によると「東電は非常用復水器の停止の原因は不明としているものの、炉内が冷えすぎたため手順書に従って人為的に閉めた可能性があるという。その後、再び起動したものの、12日午前1時48分にポンプの不具合で停止した。」という事のようです。
東北地方太平洋沖地震発生当時の福島第一原子力発電所プラントデータ集
東京電力
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/index10-j.html
7.各種操作実績取り纏め
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/plant-data/f1_7_Sousajisseki.pdf
この東電の資料の「表 7. 1 (1) 各種操作実績取り纏め -- 原子炉注水系、逃し安全弁、格納容器ベントの実績」には11日の1号機の非常用復水器と2号機3号機の隔離時冷却系の操作が記載されています。
1号機では地震後に非常用復水器が自動起動した後、津波より後に再起動しようとしているようです。ディーゼル駆動消化ポンプでラインナップ(って何でしょうか?呼び水みたいな事?)しようとしたがポンプの不具合で駄目だったようです。時系列的には大体上記の朝日の記事に対応しているように思えます。
2号機3号機では孤立時冷却系が手動起動とトリップ(って止まっちゃう事ですかね?)を何度か繰り返しています。
いずれ部外者にもわかるような解説をして欲しいという事と、それ以前の問題として「人為的に閉めた可能性がある」みたいな調子ではなくきちんと事実関係を明らかにして欲しいものです。
このあたり(に限りませんが)が明らかにならないと問題点や責任を明らかにしようにもグダグダな話になってしまいます。
209. ROM歴三年 — May 17, 2011 @03:54:40
事態が収束して居ないばかりか、東電が解っていたなったのか、隠蔽していたかはまだ判りませんが、新しい情報が出てきています。やはり事態を総括して、問題を洗い出すのは時期早計ではないかという気が強くしています。
後で誤魔化されないために、国の東電の対応などを時系列での記録はとるのは良いですが、いま評価を定めるのは早計かと・・・。
他の方も指摘されていますが、国策である原子力政策に則って原発を推進していた東電に総てを押しつけ、免責しようという風潮が国にも国民にもあると感じます。
東電にも対応の間違いや過失は当然あったとおもまれますが、原子力政策を推進したのは歴代の政権で、民主党政権も原子力を推進しようとしていたという事実があります。
また、多くの国民がそれを積極的に支持しては居なかったでしょうが、必要悪として黙認、甘受していたという責任はあると思います。
君子豹変すとして、過ちを認めるのは過ちを認めざるより良いに決まっていますが、責任逃れの敵に東電に穢れを押しつけようという空気をひしひしと感じていてしまいげんなりします。
私は原子力以外でも、安定活十分な供給が可能な、化石燃料に以外の選択肢が得られるなら、それに舵を切ることには吝かではありません。
ウラン235のみを使う原子力なんて資源の枯渇が見えていますし、私の理想は太陽光を一次エネルギーとした(バイオマス含む)循環エネルギーです
しかし、現状をみると近未来での実現は困難の極みと考えます。
210. ファブヨン
— May 17, 2011 @04:48:36
>それは被害妄想が過ぎるというものです。
この評価はちょっと酷いな…。
妄想が過ぎる相手だと御感じであるのなら、お互いのために対話は中止が妥当。
>日本の不況は金融財政政策のミスであって新興国との競争が原因ではありません。
>日本の経常黒字とGDPにおける輸出産業の占める割合を考えたら即答できますよ。
自分のように、このままだと給与や待遇が下がると懸念される人もそこそこいらっしゃいますが、内需型だから大丈夫だと述べる方もそこそこいますね。
経済詳しくありませんが、GDPの輸出入が1割前後だとして、同じ程度の割合だし、しかも低い値だから、そのまま相殺させてしまえば、入ってくる金と出て行く金が少しづつ消えて、内需型として何も問題ないというような単純な話しではないですよね?
エネルギーはほとんどすべて輸入、食品も6割輸入、原材料の多くも輸入、これらを右から左に動かしてるだけなら、相殺してゼロに出来ますけど、エネルギーや食料を外国に転売してるわけではないので、実際には、相殺は無理です。
GDPの数字上どう見えても、エネルギー、原材料、食糧は買わないと無理。
買うお金は、加工輸出産業が主に稼いでる。(金融などもあるでしょうけど。)
国内の産業サービス業などが主体で、基幹産業が稼いだお金を分配・巡回させてる役目だとも取れます。つまり国内完結型ではない。
>それと日本の発電方法の変更による死者数の変化の計算方法については納得して頂けたのでしょうか?
納得も何も、そうしたければ、それで良いと思いますよ。
自分は、既に述べてるように、エネルギー輸入国の日本がエネルギー問題を一国単独で考えても無意味だと述べてます。
「実は、輸入に頼ってるように思えて輸入してません国内完結型です。」というようなクリティカルな反論を頂いた訳ではないので、両方あって別に問題ないんじゃないですかね?
国内だけに注目するとこういう数字です。
産出国他全工程を踏まえて考えるとこう言う数字です。
と言う具合に、2つあっても問題ないというか、自分としては、産出国の悲惨な状況も改善出来たら良いなと考えてるので、2つあった方が分かり易さの点で助かります。
⇒201. okaby さん
>労働時間短縮と休日の増加でワークシェアリングをして雇用を増やすとともに、フレックスタイムを積極的に導入して通勤電車を減らすとかいうのも、節電になっていいかも。
なるほど。電車24時間化案とかは、いつも治安の問題との攻防で負けてますが、時間をずらすことも大事かもしれないですね。
自分は、一応、消極的に推進派なので、節電はそこそこで使って産業経済まわして欲しいと思ってます。
211. Toshi2100 — May 17, 2011 @06:18:44
> 自分のように、このままだと給与や待遇が下がると懸念される人
私なども確実に下向きの圧力が増加する方向と懸念しています。
> GDPの数字上どう見えても、エネルギー、原材料、食糧は買わないと無理
先日ちょっとした研修を受けたのですが、今の日本の農業で使っている肥料って結構輸入だそうです。肥料自体は国産だとしても、その成分(りん鉱石とかおっしゃってました)は輸入で、最近は買い負けているとか。
農業の自給率がどこまでを言っているのか知らないのですが、農薬や肥料・飼料まで含めると、更に低くなるような気がします。つまり国内で算出されているGDP自体が輸入に頼っている。
>⇒201. okaby さん
>
>>労働時間短縮と休日の増加でワークシェアリングをして雇用を増やすとともに、フレックスタイムを積極的に導入して通勤電車を減らすとかいうのも、節電になっていいかも。
>
>時間をずらすことも大事かもしれないですね。
大事と思います。が、さんちゃんさんが既に述べられていらっしゃいますが
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305202650
わたしも実は似たような環境です。私の場合は、自社で何かスバラシイ策(自宅勤務とかです)を出しても、常駐先にいる私には全く関係無さそうです。
>単純な論理の話としてこれは変です(以前のKataseさんへのコメントも同じ構造)。
「算数で、長方形の面積を横×縦で求めるとバツにするのはおかしいのではないか?」と疑問に思う人間は、一人一人に丁寧に教えることに断固反対している。
と主張するような方ですからね。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1291884284#CID1297136226
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1291884284#CID1297139411
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1291884284#CID1297381846
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1291884284#CID1297487044
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1291884284#CID1297490911
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1291884284#CID1297492203
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1291884284#CID1297652638
213. 技術開発者 — May 17, 2011 @07:38:12
少し勘違いしていまして、2号炉3号炉には隔離時炉心冷却装置がありますが、1号炉は古いタイプなので隔離時非常用復水器が代わりにありました。この装置は圧力容器内の上部の蒸気を、溜め水の中の熱交換パイプに通して水にして圧力容器の中に戻すというとても単純な構造でしてその分、時間的には隔離時炉心冷却装置より短い(溜めてある冷却水が無くなるまで約8時間持つ訳です)けど信頼がおけるものなのです(隔離時炉心冷却装置はタービンなので何かの障害で回らないと言う事があるけど、これはただの冷却用バイパスですから故障しにくい)けどね。要は炉心の水をの代わりに溜めてある非常用復水器の冷却水を蒸発させて炉心の水を守るという装置です。
今朝の報道によると、地震が来てから津波がくるまでの間には作動していたようです。作業員が停止したと言われていますがこれは間違った操作では無く、圧力容器の圧が上がれば弁を開いて動作させ、圧が下がれば弁を閉じて冷却用溜め水の温存を図るのはマニアルどおりの操作です。問題は弁が閉じて居るときに津波に襲われて、弁を開閉するための直流電源の電池を水没させた事にあるようです。別な直流電源をつなぎ代えて弁を開けるまでの間に、炉心が水を失い水素の発生がおきたと考えられます。
隔離時炉心冷却装置にしろこの非常用復水器にしろ、稼働したら稼働しっぱなしという事はなくて、圧力容器内の圧の状態を見ながら直流電源系(要は電池です)で弁の開閉を繰り返しながら操作するもののはずです。そのため「止まった」「動かそうとしたけど動かなかった」、「動いた」などの情報がそのたびに出るので、動きっぱなしのイメージで考えると混乱すると思います。
原子炉の非常用装置は交流電源系(外部電源および非常用発電機による電源で駆動する注水ポンプ類)と直流電源系(電池による弁の開閉で復水器へのバイパスを開閉したり、非常用タービンへの弁を開閉したりする機構)がありまして、それらを総称して非常用冷却系と呼ぶ事が多いので、マスコミなどの報道では「どれが生きていて、どれが死んでいるのか」よく分からない事が多いですね。
短時間しかもたないこの非常用の冷却装置というものの基本の考え方は「時間かせぎ」です。この装置で稼いだ時間の間に外部電源を復旧したりしようとする考え方なのです。1号炉についてはその時間稼ぎが上手くできなかったわけです。そして発生した水素による水素爆発などの事態が起きたことで、時間をとりあえず稼いでいた2号炉3号炉に対する手当も遅れてしまった感じを受けています。
214. 技術開発者 — May 17, 2011 @08:27:19
少し、貿易というものについて「勝ち負け」の概念に毒されているきがするのです。貿易経済学は「互恵的交換」という言い方をします。つまり、「国としての貿易」には「勝ち負け」は存在しません。産業をある分野について見ると貿易の「勝ち負け」は存在するのですが、どれかの分野が国際的なシェアを伸ばすと、その国の産業のとこかの分野で他国にシェアを奪われるというのが「比較優位論」の教えるところです。
日本が少資源国であり資源を輸入しないと成り立たないというのは事実ですが、例えば2007年の貿易統計によると80兆円輸出して70兆円輸入しています。そして70兆円の輸入の内訳を見ると、原油や鉱石などの「国内で産出できないもの」の輸入は20兆円にみたず、後は「国内で産出できるけれども外国から買った方が得」になったものの輸入です。実はこれが大きな雇用の損失をもたらしています。つまり50兆円の国内でも産出出来たものの輸入により国内のその分野の産業は衰退し雇用が悪化している訳です。その分輸出産業が雇用をしている訳ですが、日本のように知識集約型産業製品(自動車・家電など)を輸出し、労働集約型産業製品(農産物・繊維製品など)を輸入する状態ですと、輸出入金額当たりの雇用者数に大きな隔たりが生じます。つまり自動車・家電を10兆円輸出するために製造すると、その製造で雇用する労働者は約80万人度考えていますが、その輸出の見返りに10兆円の輸入が起きると、農産物で150万人、繊維製品などで120万人の雇用が失われると考えられます。つまり輸出すればするほど、国内の雇用は悪化する状態になっていた訳です。
以上が貿易に「国家としての勝ち負け」は無いという考え方のご紹介です。
215. 砂の惑星人 — May 17, 2011 @08:58:44
http://dalanreport.com/index.php?option=com_weblinks&view=weblink&catid=151:nuclear-breaking-news&id=22710:AREVAFukushima.pdf-TheFukushimaDaiichiIncidentProgressionReport&Itemid=4
当初1号機も隔離時炉心冷却装置があって、バッテリー切れで止まったような推定が書かれていましたが、上記資料では非常用復水器のタンクが空になったか?と書かれています。
216. Katase — May 17, 2011 @09:11:34
"想定外"の津波ではなく、"想定内"の地震で重要な電源を失ってしまっています。
これは、以前にも指摘してありますが、再度。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305298082
ここで、福島原発での地震の最大加速度は448 ガルと、想定予想値(600ガル)以内だったことから、充分に想定内の揺れの地震ですね。
そもそも原発西側の夜ノ森線の鉄塔がこの地震で倒壊しなければ、全電源喪失のドミノ倒しの様な事態は起こらなかったという点もあります。
想定されていた地震の揺れ(600ガル)に対する送電設備の対策が出来ていなかった事も忘れてはいけないと思います。
大震災に成る前の日本の経済状況について、私は「需要飽和が起こり始めている」という解析をご紹介していました。つまり、経済成長を行うための需要が本質的な飽和傾向に直面しているので、経済成長ということから考え直さなくてはならないという考え方です。
一例をあげると1980年に日本の国内で使用されていた自動車の台数は約4000万台です。2007年の統計ではそれが8000万台になっています。つまり、この27年間自動車産業は4000万台の買い換え需要とは別に4000万台の新規需要の生産もおこなってきたということです。では、そのペースの生産をこれから25年程度進めると日本国内の自動車台数は1億2千万台にならないとなりません。これは等差でみていますが、等比でいうと1億6000万台ということになります。これは、果たして、国内で使用される自動車の数としてありえる数字でしょうか?
あくまで一例として自動車を上げましたが、実は1980年代くらいから現在までの経済成長を解析すると、「かなり無理のある消費喚起」がベースになっている様に見える面があります。5年くらい着ていた衣料品を3年で更新し、やがて1シーズンきたら廃棄して次のシーズンは別な衣料を買うようなことで、ようよう経済成長が起きているといった感じです。
経済成長というのは国民生産の伸びを表すものですが、これは複利の借金の様な面がありまして、年に2〜3%というとたいしたことが無く見えても、その2〜3%が25年も続くと国民総生産は倍になります。1980年のGDPが240兆円で現在のGDPが500兆円であることからもわかると思います。国民総生産が伸びるというとメデタイ事に思えますが、増えた価値生産に対して価値の消費が追随しないと、おかしなことになります。500兆円の生産された価値を1億2000万人の国民が消費しようとすると、老いも若きも唖願望まで一人当たり400万円分の価値を1年間で消費しないと成り立たないという事になる訳ですね。こんな単純計算はおかしいのですが、これほどではなくても、経済成長による価値生産の増加に伴って、かなり無理をした価値消費を行ってきた面はあるわけです。
この震災で、日本経済は沈滞を余儀なくされる面はある訳ですが、この機会に、国の経済の行く末というのを一度じっくりと考えてみる機会になればと考えています。
218. と — May 17, 2011 @10:03:27
2005年までの推移はこちら。
http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2006/2006honbun/html/i3411000.html
最新の値はこちら。
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_eco_bop-balance
219. と — May 17, 2011 @10:41:09
220. SF物理マニア — May 17, 2011 @10:09:12
情報提供ありがとうございます。
問題が複雑であり、まだよく理解できていませんが
引用の日経記事にある以下結論に尽きると思います。
▼以下引用
「技術」にあるのではなく「技術経営」にある。よって、元来「制御可能」だった事故をみずからの判断ミスで「制御不能」にしてしまった東電の経営責任は、計り知れないほど大きいと言えるのではないだろうか。
▲引用終わり
そもそも、このような状況において経営判断するようなことでなく、技術判断により即行うべきであったと思います。
技術側も予め、ケース毎のオペレーションフローを用意しておいて、迅速
且つ正確に対処する必要はあったと思います。
221. 技術開発者 — May 17, 2011 @09:54:14
>話の流れで忘れられがちになっていますが、今回の原発事故での全電源喪失は、想定されていた地震の揺れ未満で、原発施設に送電している鉄塔が倒壊した事も大きな原因の1つです。
やっとその話に付き合っていただけますか?
お話に出ている鉄塔ラインというのは、この原発で発電した電気を超高圧変電所に送るためのラインでして、もちろん生きていれば逆に他の変電所からの送電を受け取る事もできる(というか発電の際は送電を受けてその周波数に同期させる形で発電するから否応なしに送受電ラインなんですけどね)ラインです。ただ、これのみが原発が受け取ることができたラインではなく、他に2回線ほどラインが引き込まれていました。そのラインについては、津波により受電盤が損傷したことにより受電できなかったとされているのですが、最初、私には不思議な気がしました。なんていうか、受電盤の損傷だけでラインが生きているなら、受電設備を運び込んで復旧すれば早く済む話に思えたのです。実際、夜ノ森線に関しても受電変電設備を運び込んで復旧させていますからね。あくまで推測なのですが、地区全体の停電状況からするとこの他の2つのラインに関しては、その元の変電所も損傷を受けて停止して居たのではないかと思います。
このあたり、送電ライン網の知識が必要になるんだけど、超高圧送電網とか特別高圧送電網とか電圧の違う送電網がいろいろあって、一般に電圧が高いほど堅牢なのね。街で見かける電柱は6.6キロボルトほどでこれは災害時には倒れたりもするけどその元にある変電所に送られている特別高圧送電網(33キロボルトとかのラインね)はいわゆる鉄塔で結ばれている訳で簡単には壊れないと考えられていた面があります。実はこの特別高圧送電網が今回どの程度の損傷を受けたか掴みきれないんだけど、今回の停電の状況を見るとこの特別高圧送電網かあるいは変電所がかなりの損傷を受けていると思います。
なんていうかな、Kataseさんがやられている見たいに一つ一つの設備について「これが保っていれば」と考える事を否定する気はないのです。ただ、いままで原子炉などの巨大プラントについて考えられていた多重性防御の考え方を見直す面も必要かなと思ったりするわけですよ。
私の仕事場も2回線の受電設備を用意しているのだけど、考え方は「この元の変電所が送電できなくなったら、別な変電所の送電を受けよう」なのね。でもって、この2つの変電所というのは実は特別高圧送電網の中に位置づけられているから、もし、その元になる特別高圧送電がアウトしたら、2回線用意していても意味は無いわけですね。その時には、私の仕事場の可愛らしい自家発電機がうなり始める訳ですけどね(なにせ、自分の仕事場の設計に関与するとこんな事に変に詳しくなるんですよ:笑)。
つまりね、福島の原子力発電所の受電系というのは、確かに3重には成っていた訳ね。ただしそのうち2回線はその上位の送電網が停止したら同時に役にたたなくなる同じレベルにあったということね。そしてレベルの違う受電ラインである夜の森ラインが鉄塔の倒壊で切れたという訳です。
Kataseさんは「東電のミスをひたすら探す」という視点でお考えだから、地震の基準で壊れてはならない鉄塔が壊れたとことが大問題であり、他の事はどうでも良い事に見えるかも知れないのだけど、私は東通原発などが5回線も受電設備を持ちながら、非常用発電に頼らなくては成らなくなったことなんかも気にする訳ですよ。「大きな災害の時には、多重性が一辺に無価値に成る場合がある」という事でね。それは、今後、原発を使い続ける上で「多重性防御」に新たな「レベルを違えて入れる必要性」の考え方を示す事だからね。
>一例をあげると1980年に日本の国内で使用されていた自動車の台数は約4000万台です。2007年の統計ではそれが8000万台になっています。
>つまり、この27年間自動車産業は4000万台の買い換え需要とは別に4000万台の新規需要の生産もおこなってきたということです。では、そのペースの生産をこれから25年程度進めると日本国内の自動車台数は1億2千万台にならないとなりません。
>これは等差でみていますが、等比でいうと1億6000万台ということになります。これは、果たして、国内で使用される自動車の数としてありえる数字でしょうか?
生産台数と経済成長を直結させるとそうなりますが、大事なのは「額」なので、単純計算すれば値段が倍の高級車を生産・消費すれば成長額は二倍になります。
私は消費低迷は「もっとこんなものが欲しい、あんなものが欲しい」という欲望=夢を見失った事、それを実際に需要にする為のマネーが滞留している事が原因と考えます。
223. Katase — May 17, 2011 @13:59:13
もう、何度も言っておりますが、私は「東電のミスをひたすら探す」という視点では考えていません。
一連の私のコメントをちゃんと読んで下さい。
ブランク永井さんも、積分定数さんも何度も指摘して下さっていますが、もういい加減にして下さい。
224. 技術開発者 — May 17, 2011 @15:29:34
>一連の私のコメントをちゃんと読んで下さい。
読んだ結果として、そういう感想を抱いたというだけです。「そのような感想を抱くな」と言われると、なかなか難しいですね。
今回の震災での東北電力管内での鉄塔の損壊や傾斜は40基くらいだという話があります。たぶん1万基以上の鉄塔が管内にありますから、損壊率としては割と少ないですね。ただ送電ラインというのは、100基の鉄塔のうちの1基が倒れても送電がとまるものですからね。本来、どの鉄塔も倒れて欲しくはない訳です。
或る意味、原発敷地内にある鉄塔だったので「コレが原因」みたいにとても分かり易くなる訳で、もちろん原因の一つででないと言う気も無いのだけど送電ラインというのは原発の敷地内に限らず途中のどの鉄塔が駄目になっても送電はできなくなるしろものなんですね。或る意味、「原発とつながる送受電ラインの鉄塔は、全て原発の耐震基準を満たすべきかどうか」という問題提起としては考えるべき問題だろうと思います。さらにいうと、その元になる変電所も簡単に停止せずに原発に向けては送電をしてくれる方がよろしい訳ですから、原発の耐震基準に準じた基準を設けた方が良いかも知れないわけです。まあ、地震直後の停電は仕方が無いにしても、少なくとも炉心の水があるうちに「原発に向けてだけでも送電ができる」という体制が必要かもしれないと思ったりする訳ですよ。
実はKataseさんのコメントは結構刺激に成って居るんですね。なんていうかな、例えば「非常用発電機をもっと安全な所に移しておけば良い」というコメントにしても、「福島第1発電所には12基くらいの発電機があって全部駄目に成ったな」なんて事を考えるわけですね。「多重性にあぐらをかく」なんて言い方は変だけど、私なんかも事故の前だったら、「これだけの数が一斉に動かないことは無いだろう」なんて思ったかもしれない訳ですね。ただ、その12基くらいの発電機が全て同じように配置してあったという部分に、「ああそうか」なんて問題を感じたりする部分がある訳です。同じように配置すると、その発電機からの電力を受ける盤の位置なんかも同じようになって、メンテナンスするときなんかは都合が良かったりするとは思うけど、同じ配置は、同じ脆弱性をもつということだからね。今後の対策として、もっと安全な位置に動かすもあるけど、同時に配置にバリエーションを持たせるという事も考えた方が良いかも知れないなんて思ったりしますね。
225. 技術開発者 — May 17, 2011 @16:33:28
>私は消費低迷は「もっとこんなものが欲しい、あんなものが欲しい」という欲望=夢を見失った事、それを実際に需要にする為のマネーが滞留している事が原因と考えます。
このあたり、私はマルキストですから「資本論」に書かれている様に資本主義が成熟した結果として過剰資本状態に陥り「マネーが滞留」しているなんて考え方をしていますが、それを押し付ける気はありません。
ただ、なんていうか「学問の結果は経験や直観を裏切る」なんてのを感じる事があります。天動説と地動説ではありませんが、地べたに立って天体の動きを見ていると直感的には「空の星が動いている」訳です。普通の生活でそう思っていたってかまいはしないけど、天動説に基づいて衛星を打ち上げるのはかなり難しい。それと同じで、経済の学説とか定説は容易に皆さんの経験や直観を裏切る面が有るんですね。「エネルギーコストがあがったら、こういう事になるだろう」と経験や直観で個人的に思うのは構わないのだけど、学問的な考察無しに経済政策を選択するととんでもない結果をまねくこともある訳です。
実は、材料コストやエネルギーコストが高いと雇用はむしろ増える傾向になるんですね。単純に言うと製品価格そのものの中の材料コストやエネルギーコストの締める割り合いが多くなり人件費の締める割合が減ると、人手をかけて材料やエネルギーのセーブを行う事の価値が高まったり、人手をかけて製品の差別化を図っても、価格そのものの変動が少なくなる〜なんですね。あまりに極端な例えかも知れないけど、江戸時代の藍染めの手ぬぐいなんてのは、綿や藍のコストの締める割合がとても大きいから、逆に染めの意匠を工夫して差別化を図っても価格としてはわずかしか違わなくなる訳です。そのため江戸時代の藍染め製品は意匠に工夫をこらしたものがとても多いんですね。
話を少し現状に戻すと、「ストルパー・サミエルソンの定理」なんてのがありましてね。これは発展途上国と先進国が大きな比率で貿易を行うと何が起きるかという話なんですが、発展途上国では賃金の上昇と雇用機会の増大が、先進国では賃金の下降と雇用機会の減少が起こります。なぜそうなるのかは、少し考えてみて下さい。実は日本の場合に、初期にはヨーロッパや米国相手に発展途上国として貿易を行っていたために、「貿易を行うほど国内が豊かに良く成る」という概念が形成されている面があります。ところが途中から先進国への仲間入りをしまして、アジアとかを相手に先進国として貿易を行ってきましたから、当然の事として、賃金の下降と雇用機会の減少はおきる訳です。問題は、それが経済の必然だとなかなか理解して貰えないということにある訳ですけどね。
226. SF物理マニア — May 17, 2011 @16:59:50
非常冷却 津波前に停止 1号機
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011051702000043.html
▼抜粋
東電が発表した震災直後のデータによると、本震発生から六分後の三月十一日午後二時五十二分に一度は復水器が起動し、炉の圧力は急低下。しかし、同午後三時には炉内の圧力が上昇に転じた記録が残っており、東電はこの時点で復水器が止まったと判断した。
津波が襲ったのは、装置が止まった約三十分後。さらにその後、午後六時十分に復水器が再び動いたが、十二日未明までには完全に止まった。
東電によると、炉内の温度が一時間に五五度以上下がる場合は、冷却装置を止めるようマニュアルに示されている。
松本純一原子力・立地本部長代理は「午後三時にかけて炉内の圧力が急低下した。この時に温度も下がり、止めた可能性がある」とマニュアルに沿った行動だったと強調。
▲
・復水器がECCSのこと?
・マニュアルもおかしいのでは?
あるいは政治やマスコミや世論などにおいても、
「原発がもうすぐ止まる」ということの現実味が
殆ど見えなくなってしまっているところに、
問題があるように感じてしまいます。
時間的にかなり切迫していると私は思うのですが、
・定期検査をいつまで延期するか
・どれが再起動可能か
といった具体的な議論に進展することよりも、
原発に対する賛成・反対の方が確かに面白いですからね(^^;
228. かとう — May 17, 2011 @19:59:53
こうやって、明後日の方向の話をしている間に、気がついたら原発が
稼動してるってのはいつものパターンです。
229. 匿名希・望 — May 17, 2011 @20:36:41
「ストルパー・サミエルソンの定理」は単純に資本集約型と労働集約型の比較だけでなく、熟練労働者優位と単純労働者優位でも成り立ちませんでしたか?
資本移動が自由化している時代、どちらかといえば中国相手に起こっている事はこっちの様な気がします。
だから、わざわざ中国と同じ土俵で競争するのは馬鹿げてます。
教育全体の質を上げて、高技能の労働者でなければできない産業にシフトするのが常道です。
#それに取り残される人々を救う為に、教育も再分配も存在する。
230. Katase — May 17, 2011 @20:09:27
大事な事なので繰り返しますが、私は東電の責任問題という小さな枠では考えていません。
最初にコメントした様に、これから夏に向けてもう既に問題が発生してきている現在定期点検により停止している原発の再起動が、地元の自治体から国に対して安全設計や耐震設計などの指針を見直して暫定的な安全基準が示されてからではないと許可できないと国に要求しているという事があります。
また、私の立ち位置ですがこれもくどい様ですが勝手に解釈される方がおられるので再度書きますが、立地や古さなどを考慮してリスクの高い原発から、原発以外の何らかの発電設備と置き換えつつ、順次段取りをつけて停止していき脱原発をしていくのが良いのではないかと考えています。
この場合、一気に全原発を停止するのではないので、定期点検の後に原発を再起動していく必要があります。運転中の原発の安全性はこれまでよりも改善さている方がやはり良いと思うので、これまで通りの対策で特に問題なく充分であるとしてしまうのは不安に思います。
これは東電だけの問題ではなく、関電をはじめとする他の電力会社の全てに関わってくる問題です。
福島第一原発でこれだけの大事故が発生していますが、ここでの議論の流れの中で出てきたことですが、これはもう想定外の災害の不幸な二次被害の1つであって仕方が無かったとしてしまっても良いのだろうかという思いがありました。
これまでに分かっているだけでも、想定内の地震の揺れだったにも関わらず鉄塔が倒壊してしまったり、津波による全電源喪失が既に予見されて危険性が指摘されていたのに複数ある対策のうちでも比較敵簡単なものでさえ1つも対策がとられていなかったり、30億円という多額の税金を投入して高い放射線の環境でも使えるロボットが開発されて6台が提供されたのに電力会社側が必要無いとして全て廃棄処分にしてしまい、いざ今回の事故が起きたら外国からロボットを輸入しなければならなくて現場の確認や瓦礫の処理が遅れてしまった手落ちなど、色々と問題が浮上しています。
私は、これは東電だけの問題では無いと思うので、以前にも書きましたが、誰がその判断をしたか悪者を特定してスケープゴートとして吊し上げる気は無く、その様にやっておけば良かったと思われる対策を後回しにしたり不必要としてしまった「姿勢」の問題について考えています。
各電力会社は現在、原発事故が実際に起きたことから大急ぎで対策をしていますが、この実際に大事故が起きたという教訓を忘れずに、これから先々も事故が起きないようにする対策を積極的に行っていって欲しいと思います。
(この積極的というのは、ミス無く完璧にやれということではなく、その時に出来る可能な対策があればなるべく後回しにせずに積極的に行って欲しいということです。これも曲解して極論にすり替える人がいるので念のために説明しておきます)
これが、私の意見の主旨ですので、どうか誤解の無い様に宜しくお願い致します。
231. 落花生 — May 17, 2011 @20:27:25
実は私も、Kataseさんのコメントの真意をはかりかねている一人です。
> 私は「東電のミスをひたすら探す」という視点では考えていません。
とのことですが、私なりにご発言を精査させていただいた結果として、Kataseさんの立場は次の通りだと考えてよろしいでしょうか。
・福島第一原発に津波が襲来する危険そのものは事前に予測できていた。
・しかし、その大きさは事前に予見できる範囲を超えていた。
・原発の敷地に津波が侵入した場合の危険性は、事前に政府機関によって予測されていた。
・その危険に対する対策はそれほど困難なものではなかった。
・したがって、予見が難しかった大きさの津波に対しても、それが起こりうると考え、可能な対策は事前にとっておくべきだった。
・それをしなかったのは東電の怠慢であり、ミスである。
以上、間違いがありましたら教えていただけるとありがたいです。
私の見るところ、私の書いたことに曲解はなさそうですが、見落としがありましたらご指摘ください。
233. fei — May 17, 2011 @21:55:30
せっかく紹介していただいたので、少し調べてみました。とは言うものの、専門家じゃないですし、解釈などが間違っている可能性も大です。2008年と2010年の報告書の位置付けについては、ちょっと理解が深まったような気がしますが、まだ抜けているところもあって、理解が不十分です。専門の方がいたら直してもらえるとありがたいです。また、経緯確認なので、「だからどうなんだ」というのは特にありません。
まず、2010年の報告書(http://www.jnes.go.jp/content/000117490.pdf
平成18 年9 月には、発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針(以下、「耐震設計審査指
針」という。)が改訂され、残余のリスク評価の必要性が記載されている。これを受けて原子力安
全・保安院は、電気事業者に対して、改定後の耐震設計審査指針に基づく既設炉の耐震性のバッ
クチェックの終了後に、将来の確率論的安全評価の安全規制への導入の検討に役立つ情報として
残余のリスク評価を実施し、その結果を報告するように指示している。電気事業者が行った残余
のリスクの評価結果の妥当性を確認するためには、地震PSA モデルの整備、試解析による主要シ
ーケンスの摘出、解析条件が炉心損傷頻度に及ぼす影響の把握等が必要である。
んで、2008年の報告書(http://www.jnes.go.jp/content/000117490.pdf
2006年に改訂された「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si004.pdf
(2)は、「「残余のリスク」の存在について」となっています。こちらが新たに付け加えられたものです。これは、
地震学的見地からは、上記(1)のように策定された地震動を上回る強さの地震
動が生起する可能性は否定できない。このことは、耐震設計用の地震動の策定に
おいて、「残余のリスク」(策定された地震動を上回る地震動の影響が施設に及ぶ
ことにより、施設に重大な損傷事象が発生すること、施設から大量の放射性物質
が放散される事象が発生すること、あるいはそれらの結果として周辺公衆に対し
て放射線被ばくによる災害を及ぼすことのリスク)が存在することを意味する。
したがって、施設の設計に当たっては、策定された地震動を上回る地震動が生起
する可能性に対して適切な考慮を払い、基本設計の段階のみならず、それ以降の
段階も含めて、この「残余のリスク」の存在を十分認識しつつ、それを合理的に
実行可能な限り小さくするための努力が払われるべきである。
「上記(1)のように策定された地震動を上回る強さの地震動が生起する可能性は否定できない。」とありますので、2006年度の段階で、想定以上の地震が起き得ることと、そうした場合にも大きな被害を出さないように対応すべきことが盛り込まれたことがわかります。ただし、以下の解説は、ほぼ(1)のためのもので、(2)についてどのように計算して何を行なうのかは具体的には書かれていません。
ここからは推測になるのですが、(1)については、想定した規模の地震において重大な事故にならないようということで比較的単純な対応が可能です。しかし、(2)については、それを考慮して、単純に想定される地震規模を上げていけば、比例してコストが上昇しますし、どこまで想定すれば大丈夫というような基準も存在しません。そこで、(1)とは別の考え方で(2)のリスクを減らしていくという考え方が必要になります。そのために導入されたのが「確率論的安全評価」という方法のようです。
確率論的安全評価(PSA)は(http://kotobank.jp/word/%E7%A2%BA%E7%8E%87%E8%AB%96%E7%9A%84%E5%AE%89%E5%85%A8%E8%A9%95%E4%BE%A1
1. 指針の発表
2. 電力会社による(1)に基づく現在の発電所のバックチェック
3. 電力会社による各発電所における(2)の「残余のリスク」の評価
4. 安全委員会による、電力会社からの報告の妥当性の検証
5. 確率論的安全評価による安全規制の作成
6. 確率論的安全評価による安全規制の施行
7. 電力会社による発電所のチェック及び改修
となっていたんだと思います。安全委員会が7までにどのぐらいの期間を見積っていたのかは不明ですが、2008年と2010年で、「これを受けて原子力安全・保安院は、電気事業者に対して、改定後の耐震設計審査指針に基づく既設炉の耐震性のバックチェックの終了後に、将来の確率論的安全評価の安全規制への導入の検討に役立つ情報として残余のリスク評価を実施し、その結果を報告するように指示している。」という記述に全く変更がないことから、現状は2の途中だったのかなと推察しています。
234. RAM — May 17, 2011 @22:02:06
これは典型的な禁じ手。
「断定」を「感想」とごまかせるなら、なんでもありの議論になってしまう。
いずれにしてもしつこくてねちこくていやらしい、というのは私の感想。
235. zorori — May 17, 2011 @21:28:26
>"想定外"の津波ではなく、"想定内"の地震で重要な電源を失ってしまっています。
破壊現象は多分に確率的なものですが、特に問題の鉄塔は地盤の崩壊で倒壊しており、ミスがなくても被害は起こりえます。想定内の地震で被害を受けたとしても,設計ミス,施工ミスなのかは調査してみなければ分かりません。責任については事故調査委員会や裁判所が十分な資料や証拠に基づいて判断すべきで,あまり,推測は述べない方が良いのでは無いでしょうか。
>これはもう想定外の災害の不幸な二次被害の1つであって仕方が無かったとしてしまっても良いのだろうかという思いがありました。
「想定外」というと、どうも、仕方なかったとしてして免責するためのように受け取られますね。そうではなく、原発の本質的な無理を明らかにする為に必要だと思っているわけです。人為ミスが無くても、どうしようもない事故は稀には起こりえます。一般の施設では、それは仕方ないと諦めるわけですが、原発では仕方ないで済ますにはあまりに甚大な被害をもたらすということです。責任の話はそれはそれですればよいと思いますが、それとは別の議論もあるだろうということです。
極端なことを言えば,原子炉建屋の直下に断層が生じるケースが有ります。これは絶対に対処しようが有りませんから,そもそもそんなところには建設しないということで逃げています。ところがそのための活断層調査は12〜13万年前以降(旧指針では5万年前)に過ぎません。その一方で年間事故確率を10^-6以下という数字もあって,まるで整合がとれていません。100万年なら,日本の何処でも断層が生じる可能性は有るんじゃないでしょうか。少なくとも無いとは断言出来ないでしょう。仮に直下断層があり得ないとしても,100万年レベルを考えれば,他にも危険が有ります。100万年前は福島原発サイトは海の中です。津波云々どころの話じゃ有りません。現世人類の登場が20万年前です。なんというか原発の安全は仮想現実という気がします。
なんで,こんな事になったかというと,従来から原発否定派が10^-6以下の非現実性を指摘せずに、むしろ求めたために,原発推進派はできない事が分かっていながら,出来るフリをしてきたのだと思います。今回,せっかく原発推進派が「想定外」のことは対処出来ません,「想定外」でも安全というのは仮想現実でしたと認めようとしているのに,否定派が「想定内で出来るはずだ」と言うものだから、また出来るフリをして再起動しそうな空気です。
「原発推進と反原発は相変わらず蜜月時代を続けた」とならないことを願います。
236. e10go — May 17, 2011 @22:48:12
>すでに取り消されていることなので、コメントするのはいけないかもしれませんが、ちょっと真意が伝わってないかなと思ったことがあるので、すみません。
Toshi2100さんの真意を取り違えており、二重の意味で申し訳ありませんでした。
運の悪い事に、地震発生後に炉心が冷え過ぎないように「隔離時炉心冷却装置」を手動で止めた所に津波に襲われて炉心の冷却ができなくなっています。
津波の後では作業は非常に困難になっていただろうし、何れにしても有効な手立ては無かったでしょう。
そんな禁じ手なんか聞いたことはないけど。
自らの管見を恥じるべきなのか?
238. disraff — May 17, 2011 @22:35:19
従事する人の姿勢がいいに越した事はないにしても、「人の姿勢」なんて当てにならないものにはなるべく頼らないで済む安全策が講じられていて欲しいものです。
239. Katase — May 17, 2011 @23:00:42
わたしは、「東電にミスがあった」かどうかについてを自分の論点にしていないと言ったら、何度いわせるのですか!!!!
もう、情けなくなります。
抽象的な「姿勢」ではなく、原発を減らしつつも、急激な電力供給の減少を避ける為にこれから何度も巡ってくる再起動について、安全性を向上させて地元の人達にそれを認めてもらっていく為にも、できる限り事故が起きないようにする対策を積極的に行っていって欲しいと具体的に述べているではありませんか。
これだけ何度もくどく書いているのに、どうして曲解されてしまうのでしょう。
240. e10go — May 17, 2011 @23:19:45
Kataseさんの言いたい事は
1.この事故が起きたのは当事者による何らかのミス(津波による被害の想定?等)があっただろう。
2.同様の事故が起こらないように対策する必要がある。
3.そのためには、ミスは何故起きたのか原因を知っている必要がある。
と言う事でしょうか。
241. Toshi2100 — May 17, 2011 @22:58:19
> 2006年に改訂された「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」
わたしも「残余のリスク」が何を指すか疑問で勝手に推測しながら読んでいたのですが、週末は2つの報告をかろうじて理解したところでダウンしてました。わたしが推測していたことが正しかったのか、私も読んでみます。情報いただきありがとうございます。
>現状は2の途中だったのかなと
2008,2010年の報告書プラス保安院の議事録を見る限りは、新しい耐震基準を策定中と読める部分があったので、わたしも同じ意見です。
> Toshi2100さんの真意を取り違えており
こちらこそ、ちゃんと伝わる文章を書かねばいけませんでした。重ね重ねお詫びします。
e10goさんの本題部分ですが、(私はかなり事後でわかっただけですが)まったく同感です。
今のわたしでは、今福島で自然と戦われている方々(東電社員・強力会社社員問わず)があほらしくなって退職届を明日に出すようなことの無いように考え、まわりに(微力ながら)影響を与えていくこと位しかできません。
243. 落花生 — May 17, 2011 @23:37:42
「私、間違ってますか?」と聞いただけなんですが。
−− 引用 −−
Katase ― May 13, 2011 @19:28:46
もし、今回の原発事故に対して、国の専門機関が3年前には事故のあらましを予見してあり、その危険性が正式に報告書として出されていた事に対して、これまで1つも対策をとってこなかった姿勢を「ミスは無かった」と判断して済ましてしまえるのでしたら、今後も同じ姿勢であってもそれでまた済まされてしまうことにもなります。
−− 引用ここまで −−
ミスがあったかどうかを重要視されないのであれば、不用意に上のような発言をされない方が、誤解を招かずに済むと私は思います。
「ミス」という言葉をこのエントリで最初に使ったのはKataseさんではありませんが、それだけこの言葉は刺激的で、誤解を招きやすく、Kataseさんがご立腹されているように、議論を矮小化して本質からそらしやすい危険な言葉だからです。
244. disraff — May 18, 2011 @00:19:18
そこが嘆かわしいというお気持ちには全く異はありませんが。
245. FROY — May 18, 2011 @00:32:30
まぁ、結局なるようにしかならないのかもしれませんね(^^;
今回の事故もそうですが、人間が予測して回避出来た問題って、
はたして何%くらいあるんでしょうかね。
個々においてはあたかも自由意思があるかのように見える事象も、
全体からすれば確率的な式として表わせるのかもしれません。
結局、我々の思考や行動も、自由意志によると思っているだけで、
全体的にみたらその「自由」なんてのは極々限られた範囲というか、
無いに等しいのかもしれませんね。
人間をウイルスとして考えた場合、それらが引き起こすイベントや、
それらの増減のシナリオなども、崇高なシミュレーションの中においては、
式の中に取り込まれてしまっているのかもしれませんね。
この書き込みも、そうした式の中における現象の一部だったりして(^^;
246. 落花生 — May 17, 2011 @23:56:35
Katase ― May 17, 2011 @20:09:27 さん
> 津波による全電源喪失が既に予見されて危険性が指摘されていたのに複数ある対策のうちでも比較敵簡単なものでさえ1つも対策がとられていなかったり
今回の津波が予見困難な、「まさか起こるとは思わなかった」規模の災害であったことは、2万人におよぶ亡くなられた方々が証明しています。
私が問いたいのは、津波そのものが予見困難だった震災前に、報告書の存在だけをもって、津波による全電源喪失の対策が本当に可能だったか? 可能だったとすれば、いま私たちは、何の対策をすべきだろうか? ということです。
自然は常に人智を超えています。次に原発の安全が脅かされるのは何によってなのか、私たちに正確に予測することはできません。運よく1000年に1度の地震と大津波であれば、今回の経験から事無きを得られるかもしれませんが、それは虫がよすぎるというものでしょう。あるいは10000年に1度の大地震か、3000年に1度の火山の噴火かもしれません。私の知識と想像力の貧困のため、あまり挙げることができないのが残念です。
そのような「まさか起こるとは思われない」天変地異のひとつとして、私は貧しい想像力を働かせて
落花生 ― May 14, 2011 @01:19:36
> 津波対策を完了した後の浜岡原発に、大竜巻が来襲したとします。
> さて、対策はどうしましょう?
と書きました。大竜巻は例え話でもあんまりじゃないか、という、うさぎ ― May 14, 2011 @17:12:17 さんのツッコミは私も認めます。しかしながら、私たちが脱原発を完了するまでに、10000年に1度の異常気象が起こらないという保証はどこにもありません。竜巻があんまりなら、巨大台風でもかまいません。実際、地球温暖化により異常気象の頻度が高くなるかもしれないことを指摘した文章もあります(http://macroscope.world.coocan.jp/ja/memo/ooame.html
ここで重要なことは、竜巻が発生するかどうかよりも、「竜巻による全電源喪失が既に予見されて危険性が指摘されていた」ことだろうと思います。これは私の見解ではなく、冒頭のKataseさんの文章を津波でなく竜巻に置き換えただけです。しかるに、私の「対策はどうしましょう?」という問いかけに対して、ここまで丸3日と100コメント以上を経過したにもかかわらず、反応していただいたのはわずか3コメントだけ、具体的な対策については咲坂&桃内 ― May 14, 2011 @01:36:03 さんただ1人だけでした。
私の貧しい知識と想像力でも、建屋内や地下に非常用電源を配置するという比較的簡単な複数の対策が浮かびますし、そんなものとっくに浜岡は準備してるよ、という厳しい指摘があるかと思ったのですが、それもありませんでした。
「まさか起こるとは思われない」事象がどれほど軽視されがちであるか、このkikulogの人々をもってしても反証はできなかったのです。
震災前に津波対策が可能だった、と考えるならば、私たちは残された原発の安全のために、地震や津波以外の広い事象に目を向け、どんなリスクであっても一笑に付すことなく、一度は真剣にその対策について検討しなければなりません。それがいかに困難なことか、私は今回実感させられました。
尚、この文章は、Kataseさん一人だけを批判したり非難するものではありません。念のためお断りしておきます。
248. zorori — May 18, 2011 @06:05:20
それでも、起こってしまった事故の再発防止を続ければ、改善はされますので、それで良いと考える分野が多いと思います。原発もそれでよいのかが疑問なのです。
249. ふぃっしゅ — May 18, 2011 @05:42:46
先日の国会中継でも。地震発生後からの分刻みの状況が明らかにされながら、「あなたはなぜこの時に、こうしなかったのか」という質問がされていました。
事故の検証の段階で少しずつ時系列の事実や全容がわかってきた時に「なぜしなかったのか」という問いは、事故の再発予防に意味がどれだけあるかと思いながら国会中継を観ていました。
医療事故の検証では、そんな時に「後医は名医」という表現がよく使われていますね。
また、事故再発防止のために他の原発施設でのハード面の対策は推進して欲しいと思います。
ただ、#19 Isshockingさん(May 10,2011@09:32:23)のコメントの「彼らをどうやって養成するか、技術継承するかという課題」は、脱原発を目指すのであればなお深刻な課題になるのではないかと心配になります。
250. Katase — May 18, 2011 @06:58:10
私としては、話のすり替えをして勝手な言いがかりを付けられただけの様に思いますが、どうなのでしょう?
私は東電を悪者にして責め立てたら解決するなんて、これっぽっちも考えていないし言っていません。
他にも、数々の曲解があります。
改善していく為には問題把握は必要でしょう?
これは東電だけの問題ではないので、他の電力会社についても事故対策の点での問題性は共通しているのではないかと思うと何度も書いています。
問題点を調べて次にどうしたらいいのか考えるのが、原発だと通用しなくなるのはなぜですか?
(これは犯人捜しなどとは別の話です)
原発は存在すべきものだから?
それとも、存在してはならないものだから?
私は、存在させるとしたら、これからどうしていったら良いだろうかと考えています。
「どういう問題点があったのか?どういう改善が可能なのか?」
を論じようとすると
「東電を批判したいようだが、うんぬん」
という別の話にすり替わってしまうのはなぜでしょう。
この様に書いても、また曲解して何か言ってくる人が後を絶たないのではないかとも思います。暗澹たる気分です。
251. ごんべえ — May 18, 2011 @07:28:39
・その危険に対する対策はそれほど困難なものではなかった。
・したがって、予見が難しかった大きさの津波に対しても、それが起こりうると考え、可能な対策は事前にとっておくべきだった。
というのはなかなか難しいところじゃないでしょうか。いくつかの明らかなミスはありますが、それが無ければ大丈夫だったのかまだよくわからないと思います。外部電源喪失は最初に通報された重大事ですが、そこらじゅう瓦礫だらけ、受電盤が壊れて、タービン建屋浸水で、どの設備がどれだけ使えたのか。
ただ、姿勢というか、最初の想定と設計思想と管理方針に問題があるのもきっとそうでしょう。多重防護といいながらドライベントの後にフィルターを用意していないなど。ちょっとでも放出すると非常に強くたたかれるので、all or nothing思考になって放出量を低減する手段には投資しないわけですね。
想定を決めるときに、そこの局所的な数百年の記録だけをみて、決めて、それプラスアルファ以上のことがおきる可能性を0.001や0.0001ではなく0とみなして操業するとかですね。
zororiさん
>ただし、責任を問うことで防止出来るのは、起こってしまった事故の再発防止だけで、ひょっとして見落としているかもしれないバカなことではないので、事故は繰り返し発生します。
そんなわけで、数十年に一度くらい重大事故が起きそうと思われますが、毎年1000億儲かるけど、50年に一度10兆そんするだと平均でも損になるんだけど、、、低いほうの確率は推定が難しいもので、0と見做しがちなんでしょう。みんな10^-6を達成していれば世界500基で2000年に一度しか起きない事故なんですが、、、
「どういう問題点があったのか?どういう改善が可能なのか?」
を論じようとすると
「東電を批判したいようだが、うんぬん」
という別の話にすり替わってしまうのはなぜでしょう。
の他にも
「今ここでそんな事を論じても意味がない」
「終わってからなら、何とでもいえる」
「そんな批判よりも、今はもっと優先する事があるだろう?」
「問題点として浮かび上がった事だけを対策したって、どうせ完全に防ぐなんて不可能」
などなど、の反応があります。
私は、事実関係をできるだけ把握して問題点を挙げていき、現実的に可能な改善策を検討してみて、どの様に対策していくとより良いのかを考えるのは、必要な流れだと思っています。
また、東電や他の電力会社だけではなく、これまで原子力政策を進めてきた自民党時代を含む政府などがとってきた原発の安全性に関わる政策についても広く関係してくるだろうと思います。
253. 技術開発者 — May 18, 2011 @08:02:41
>今回の事故もそうですが、人間が予測して回避出来た問題って、
>はたして何%くらいあるんでしょうかね。
労働災害の問題なんかを扱っていると正しく対策するとずいぶん防げる面はあると思います。建築現場なんかで言うと、東京オリンピックの頃に日本中でいろんな土木建築工事が行われていた訳ですが、その頃の事故率というのは「工事費1億円当たり死亡事故1件」なんて状態でしてね。いまはその当時に比べるとずいぶん少ない訳ね。
こういう事故の低減に関しては、いろんな要素があるのね。生臭い話だけど、例えば「作業員の命の代金」が高くなると事故対策が進むみたいな面とかね。昭和40年台くらいから、労働災害における被害者補償が大きくなる事で、生臭い話として建築会社の「姿勢」が変わってきた面なんかもあるのね。つまり「死亡事故とが起こすと補償が大変だから、事故が起きないようにしよう」なんて話ね。
そういう基本的な「姿勢」の上に安全工学に基づいた事故の解析と対策技術が進歩してきたのも事実なんです。なんていうか、今の建築現場では現場監督なんてのはひたすら安全上の指示ばかりしている面があるんだけど、その指示がずいぶんと具体的なのね。「重機の回転半径に入るな」じゃあなくて、「トラ柵を持ってきて回転半径の外側を囲んでおけ」みたいな指示ね。
なんていうかな、私は「姿勢」といった部分は、今回の事故でずいぶん変わるだろうなと思っています。事故を起こしたときの賠償額というのが具体的に見えてきていて、それは東電一つを潰しても払いきれないくらいの額だからね。これは、東電だけじゃなくて原発を動かしてきた全ての電力会社が慄然とするのに充分な金額なんですよ。なんていうかな、労働災害の補償額が高くなると安全対策が進むなんてのは、ずいぶんとあざとい話に見えると思うんだけど組織体の持つ「姿勢」というのは結局そういう事で変わる面があるんですね。
安全問題でよく言われるのは「姿勢」と「対策」は両輪だということね。姿勢があっても「どう対策したら良いか」という具体性がないと結局進まないからね。でね、その対策の一つには「不使用・代替」というのもあるということね。ベンゼンなんて私が若い頃はずいぶんと普通に使われていた有機溶剤だったんだけど、白血病の誘発性が見つかってね。でもって、蒸気を吸う事が避けられない様な塗装とか接着作業の溶剤としてはほとんど使われなく成ったわけです、代わりにトルエンとかキシレンに代替してね。なんていうかな、ベンゼンを溶媒として使うという対策を考えていくと、「そんな対策したら引き合わないよ」という面が出てきて、「じゃあ、ベンゼン使わずにトルエンにしようか」となっていく様な部分ね。
なんていうかな、或る意味、原子力発電をこれからどうしていくか、みたいな話はそういうバランス論でもあるのね。まず「事故の時の巨額な賠償」という話があり、「事故を起こさないための対策にかかる費用」という話があり、それらの対策費を使って商業発電としてペイするのかみたいなバランスね。それらを見ていくためには、対策の具体論を詰めていく必要は有ると思うんですね。
254. 技術開発者 — May 18, 2011 @08:57:23
私としては、Kataseさんの「どういう問題点があったのか?どういう改善が可能なのか?」について協力しようとしているのですが、全く聞く耳をお持ちにならないので、勝手に続けますね。
1.広域の長時間停電下において原発が外部電力を喪失しない、あるいは喪失時間を短縮する方法について
私が一番気にしている部分がこれなんですね。なんていうか3回線とか5回線とか、複数の回線を引き込んで居るから大丈夫と考える背景には「広域・長時間の停電」の視点が欠けていた様に思うわけです。大きな災害時に、原発周辺の広域にわたり長時間の送電停止が起こるなら、複数の近隣の変電所から複数の回線を引き込んでいても外部電源の喪失は避けられない事になります。実の所、今回の東北地方の送電が震災でどういう障害を受けたのかがまだ完全に見えていない部分がありまして、まだ具体的には言えないのですが、少なくとも原発に向けての送電網の強化というのは考えるべき事項だと思っています。
2.受電設備や非常用発電の配置の多様化について
今回見えて来た事の一つに受電設備や非常用発電が一斉にダメージを受けたという事があります。1.で述べたような送電の強化が行われても、受電できなければ意味がありませんから、複数の受電設備や非常用発電を、配置に多様性を持たせて配備することが必要だろうと考えています。
3.隔離時の炉心冷却装置の仕様やマニアルの問題
上の様な対策をおこなったとしても、交流電源喪失時の対策も必要です。これまで、交流電源喪失時に直流電源を用いて弁の開閉操作などで隔離時炉心冷却系を操作するという機構に私自身違和感を感じてはいなかった面があるのですが、今回、弁を閉じた状態で一時的に弁操作の直流電源を失い、それが1号炉の冷却水喪失をもたらした部分を見ると、この部分は今後大きく変更する必要があると考えます。基本的には直流電源をも失った状態で冷却装置が動くという方向での改善が必要と考えています。
255. KOH — May 18, 2011 @09:34:57
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110516j.pdf
これは,地山そのものの崩壊みたいですね.
256. ブランク永井 — May 18, 2011 @09:45:23
>そんな禁じ手なんか聞いたことはないけど。
禁じ手とは思いませんが、ニュアンスはわかるような気がします。
【Kataseさんは、「ミスがあった」と主張されることで、「今回の自然災害の大きさは予測可能であった、自然災害を織り込んだ設計変更は可能であった、 よって今回の事故は避けえた。しがって、今後も自然災害を予測し迅速に設備変更をするなら原発は安全である」という主張をされていることになります。】
や
【Kataseさんは「東電のミスをひたすら探す」という視点でお考えだから、】
は
客観的事実を述べたように受け取れます。
もしそれが、【これは私の個人的感想ですが、Kataseさんは・・・・・とお考えなのではないでしょうか】だったなら、Kataseさんの反応も違っていたように思います。
それを今になって「あれは感想だ。感想に文句を言ってもらっても困る」というのは私にもフェアとは思えません。
オイルショックを契機に石油のみに頼る状況を変えるため、エネルギー安全保障のために原発を増やしていった。という認識に少し納得しきれていない部分があります。
それは70-80年代に日本の石炭生産量が大幅に減ったことです。まあ、海外炭との価格差や炭鉱の事故もあったりして減少したのは理解します。
しかし、石炭は資源小国と認識される日本において自国内で生産されうる貴重な資源であり、エネルギー安全保障だけ考えるなら重要視されてもいいはずでした(と思ってます)。枯渇しない限り他国の影響を受けないのですから。
原発が導入され増えていったのが、エネルギー安全保障のためというならば、なぜ国内で産出されうる貴重な資源を簡単にスポイルしたのか?(と少なくとも私はそう思っている)。ここの所が今いち、「原発はエネルギー安全保障であった」を信じきれていない点です。
258. 技術開発者 — May 18, 2011 @10:01:28
>運の悪い事に、地震発生後に炉心が冷え過ぎないように「隔離時炉心冷却装置」を手動で止めた所に津波に襲われて炉心の冷却ができなくなっています。
冷えすぎないというよりは(別に冷えすぎても悪い事はないので)、冷却水の温存のためなんですね。もともと「時間かせぎ」のための装置の面があるから、冷やす必要が生じたら動かし、少し冷えたら止めるみたいなケチケチ運転をして、他の対策が行われる時間を稼ぎたい訳です。なんていうか、設計上8時間分の冷却水だけど、ケチケチ使えば10時間は保つかも知れないわけですね。でもって例えば他の注水とかの準備に9時間かかってしまったら、そのケチケチ運転をしたかしないかには意味がある訳ですね。
>津波の後では作業は非常に困難になっていただろうし、何れにしても有効な手立ては無かったでしょう。
操作とかマニアルの問題ではなくて、基本的な設計の問題として改善の余地はありそうに考えています。普通の建物で電子錠の出入り口を設計するときに、「停電時解放」にするのか「停電時ロック」にするのかという問題が良くあるんですね。内側からはサムターンで空けられるタイプなら停電時ロックで構わないけど、内側からもカード認証ででしか空かないドアなら停電時に解放しないと人を閉じこめちゃうからね。
今回、この非常用装置の直流電源が失われるという事が起きた訳だけど、その時「電源喪失時弁開」みたいな設計を考える必要があるのかも知れないと思っている訳ね。まあ、この設計変更が可能かどうかはいろんな面を検討する必要があるとは思いますけどね。
259. ふぃっしゅ — May 18, 2011 @11:18:12
ROMに戻ろうと思ったのですが、「議論を深めていると思った」と私が書いた部分への疑問を書かれていらっしゃるので、その部分について書かせてくださいね。
kataseさんは第三者的な立場で対応策に関していろいろな情報を集めてくださっている方、それに対して技術開発者さんは現場側の立場からの視点を提供してくださっている方、という意味でどちらの意見もとても参考になるということです。
事故後に提案される対応策は合理的な内容と思いますが、現場の当事者の事故当時の不合理な状況はどのようだったのか・・・を知ることがより現実的な対応策へとなるのではないかと思う次第です。
260. SF物理マニア — May 18, 2011 @11:45:20
>冷えすぎないというよりは(別に冷えすぎても悪い事はないので)、冷却水の温存のためなんですね。もともと「時間かせぎ」のための装置の面があるから、冷やす必要が生じたら動かし、少し冷えたら止めるみたいなケチケチ運転をして、他の対策が行われる時間を稼ぎたい訳です。なんていうか、設計上8時間分の冷却水だけど、ケチケチ使えば10時間は保つかも知れないわけですね。でもって例えば他の注水とかの準備に9時間かかってしまったら、そのケチケチ運転をしたかしないかには意味がある訳ですね。
ここでの問題は、時間稼ぎというよりはリスク増大を招いていることです。津波が来て電源がアウトになり、ECCSを手動で再開することもできなかったことです。ECCSの手動再開にしてもバルブを動かすのはモータでやっていると思われる。実際にECCS再開は、18:10になっています(24:00に停止)。
そこで、
55°Cの低下があった場合ECCSをとめるという
マニュアルの内容が妥当であったのかが争点になります。
261. ちたにあ — May 18, 2011 @11:40:46
以下は、Kataseさんの意見とは関係無く、単なる自分の意見。
1.今後の安全の確保が第一。
そのために、地震前および地震後の東電・政府の「行動」の徹底的な検証が必要かと。日本が地震の活動期に入っていると考えられる今、速やかに。
ちんたらちんたら、福島原発の結果の推移を待たない。
(1946年の昭和南海地震以後、「たまたま」地震の活動が少ない時期を何十年か経験していますが、その感覚で物事を進めない)。
例えば、今回の事故が、「津波?千年に一回だろ?金かかるし確率的に考えるのは無駄」として起きたのと、徹底的に議論した上でこうなったとのとでは、今後とりうる対応が全然違う。
例えば、検証の結果、その技術分野の「常識」や「感覚」だけで決定されたことが要因とわかれば、今後は、最大限の議論をなして(例えば、地震学などの理学的な要素も取り入れて)あたるべき。
まあ、きっと利権も絡むし、風通しが極めて悪くて、従来、徹底的な議論がなされていないように思われますが(これは推定)。
2.原子力については、何かあったときの影響があまりに大きい(時間的にも空間的にも)ので、他の技術と同等のレベルで考えて欲しくない。建物作ったり、自動車作ったりするのと同等じゃ困ります。
まして、無数の様々な事情を持つ一般の人が津波で避難したか否か、結果としてお亡くなりになったか否か、のレベルと同じように考えて「想定外でした。てへ」なんて言ってもらっては困ります。
甘い。そんなのプロじゃない。
そうとしか考えられないのなら、止めて&辞めてしまえ、というのが一般人(ちょっと変なことをすると、バカヤローと言ってスパナが飛んできてた妙な社長がいた自動車会社のエンジニア)としての感想です。
>原発が導入され増えていったのが、エネルギー安全保障のためというならば、なぜ国内で産出されうる貴重な資源を簡単にスポイルしたのか?(と少なくとも私はそう思っている)。ここの所が今いち、「原発はエネルギー安全保障であった」を信じきれていない点です。
単純に言うと、国内炭の採掘コストでは安全保障のコストを入れて考えてもペイしないという結論なんだけどね。国内炭鉱は浅いところはもう掘ってしまっていて、どうしても深いところで掘らなきゃ成らなくて、露天掘りのできる外国炭に比べて無茶苦茶割高に成ってしまうからね。
実は1980年代に通産省あるいは資源エネルギー庁の中でそういう議論が有った事は有ったんです。国内炭を掘り続けようみたいな話ね。それも商業ベースで掘るのは無理だから、採掘技術を失わないための技術保存のために夕張あたりの炭鉱を細々と掘り続ける方法を探索していた時期がある訳です。石炭というのは掘らなきゃそのまま地下には在り続ける訳だけど、完全に掘るのを止めてしまうと、それまで堀った坑道も駄目になるし、採掘の技術も失われる。かっては国の研究機関が研究する技術の中には「鉱山保安」なんて項目がけっこう大きくあって、「どうやったら安全に掘れるか」みたいな技術開発もしていたし、ずいぶんいろんな成果があるのだけど、現場で使われないとそういう保安技術なんかも紙の上だけのものになってしまうからね。
その頃に画策されていたのは、夕張あたりに石炭火力の効率アップのための実験用火力発電施設が作れないかみたいな話ね。細々と石炭を掘って採掘技術を保存するんだけど、そんな石炭は市場に出したって割高過ぎて見向きもされないから「研究用」に使おうなんて考え方です。場所が夕張と言うところもミソでしてね。要は炭鉱が失われて衰退する夕張市への支援も兼ねているような話ね。まあ、或る意味で非常に政治的な話なんですね。まあ、結局投資効率とか考えて実現しなかった話だけどね。もし実現していても、「事業仕分け」で真っ先に廃止になったであろうような話です。
263. サルガッソー — May 18, 2011 @12:47:06
HDDのデータ保護にRAIDが使われますが、正しく運用しないとあまり信頼性は高くないんですね。
・同じ型番、生産時期のHDD使うので壊れるときもだいたい同じ
・動作環境がほぼ同じ(たいてい隣同士)なので壊れるときがだいたい同じ
・HDDじゃなくてRAIDコントローラーが壊れて使えなくなる
またITでも待機系を用意しますが、メンテしているつもりでも普段使わないものをいざ動かしても動かないことが多い
Kataseさんを初めとする皆さんが求めているのは、一つ一つの信頼性の向上かなと思うんです。
RAIDにつなげるHDDを増やすだったり、待機系のメンテナンスを密に行うだったり。
技術開発者さんはそもそもその設計を疑おうよと話しているのではないでしょうか?
稼働率90%を2重にしたから理論的には稼働率99%って本当ですか?と
264. Katase — May 18, 2011 @12:33:27
>事故後に提案される対応策は合理的な内容と思いますが、現場の当事者の事故当時の不合理な状況はどのようだったのか・・・を知ることがより現実的な対応策へとなるのではないかと思う次第です。
私は、これまでに問題点と考えられるものをいくつか例として挙げましたが、事故直後などの詳しい記録が公表されていなかったので、それらは含めていませんでした。分からないのに問題点として挙げて検討の対象として提示できないからです。
事故後の対応については考えないでも良いとは思っていませんので、誤解の無い様にお願いします。
事故直後の記録類がようやくここ数日間で出されてきましたね。
なべさんが既に紹介されていますが、
東京電力「東北地方太平洋沖地震発生当時の福島第一原子力発電所プラントデータ集」
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/index10-j.html
特に、その中の次の資料
7.各種操作実績取り纏め
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/plant-data/f1_7_Sousajisseki.pdf
などは、事故後の対応についてどのような事が起きていたかの参考になると思います。これらだけではまだ不明な事もありますが、こういう資料が出されてくると、事故後の対応についての問題点の洗い出しができる様になってくると思います。
事故に至るまでの様々な経緯や事故後の対応の過程についてそれぞれ検証して、今後の改善策として現実的に可能な事は何かを検討してみて、原発をより安全にしていく為にどの様に対策していくとより良いのかを考えていくことは大切だろうと思います。
265. kgofboston — May 18, 2011 @13:19:02
丁寧な回答ありがとうございます。国内炭の問題点はコスト、危険性等、様々あるんだろうな、とは思っていました。政治的な話や投資効率は門外漢なのでわかりませんが中々複雑な状況だったようですね。
この疑問に付随してさらに単純な疑問としてウランの代わりに海外炭輸入を増やすことは当時選択肢になかったのだろうか?と思いました。
・政情が安定した国から資源を輸入すること
・石油以外の選択肢を増やすこと
が当時から続く原発のエネルギー安全保障の内容だと思うのですが、海外炭輸入はこの2つの用件を満たしうるのでは?と。火力、水力、原子力の代わりに、石油、石炭、水力ってな具合です。燃料を燃やして蒸気でタービン回す点は、火力も原子力も変わらないですし。
まあ、当時は当時で他の要因で海外炭輸入を増やせなかったのかもしれないとも思うのですが。
原子力のデメリットは人間の直感では測れない規模や時間スケールで起きますし、バックエンドまで含めた運用の追試はできない点を、当時の政府がどう捉えられていたのかは気になります。技術開発者さんのおっしゃる日本でのチェルノブイリやスリーマイルの捉えられ方を見る限り、海外の事故前も楽観的だったのだろうとは思うのですが。
266. Katase — May 18, 2011 @14:34:06
>kataseさんは第三者的な立場で対応策に関していろいろな情報を集めてくださっている方、それに対して技術開発者さんは現場側の立場からの視点を提供してくださっている方、という意味でどちらの意見もとても参考になるということです。
技術開発者さんは、例えば最初に私が参考資料として提示した「吉岡メモ」の中身を読みもせずに、まったく見当違いの反論を言ってこられたりと、(私のそれに対する反論 http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305269424
こちらの提示した情報などもきちんと見もせずに、ご自分の思い込みだけで持論を展開されています。
それについては、
>技術開発者さんが吉岡メモの何たるかをご存じない、というのはかなりありえない推測だと思います。
という反論を頂きましたが、その後の技術開発者さんのどのコメントにも私が紹介した「吉岡メモ」の中身を読んだ形跡のある記載はありません。その他にもこちらの意見をきちんと把握せずに、私に対する勝手な印象操作をされて、読む人をミスリードされています。
>技術開発者さんはそもそもその設計を疑おうよと話しているのではないでしょうか?
>稼働率90%を2重にしたから理論的には稼働率99%って本当ですか
設計思想の弱点みたいなものを自分で感じて仕方が無いんですね。私自身、「複数のバックアップを用意しておけば対応出来る」みたいな考え方をしてきた面があるからね。
たとえ話としては、次の日の会議でどうしても報告しなきゃならない話があったとして、前の日に同僚と居酒屋で打ち合わせして、「もし俺が明日病気にでもなったら、A君、君が代わりに報告してくれ、もしA君も駄目なときは、B君、君に頼む」と3重バックアップをしたつもりが、その居酒屋で食べたユッケの食中毒で次の日に3人とも寝込んでいた(笑)なんて感じかな。
企業伝説かも知れないけど、コカコーラの配合を知っているのは会社に3人しかいなくて、その3人は文書にせずに記憶していて、その代わり決して一緒の飛行機に乗ったりしないなんて話も頭をよぎるんだけどね。この場合は、秘密を守るために多重性を限定している訳ね。多重性を限定するから、逆に「3人とも同じ飛行機で事故になったらどうする」という発想が出てくる。多重のバックアップがあると、つい「全てが一度に失われる可能性はないか」という部分への考察が甘く成りやすいのかも知れません。
なんていうかな、私なんかにしてみると原発というのが、我々には手の届かないほどの多重のバックアップが認められる世界に見えていた面があるわけです。まあ、私の世界がそんなに重大な話でないからなんだけどね。その多重バックアップが一瞬にして無力化するというのが、或る意味とてもショックだったのは事実です。そのショックにせっつかれて、解析している面はありますね。
268. disraff — May 18, 2011 @15:13:24
そのやりとりを「技術開発者さんのまったく見当違いな反論」として例示されるようでは、明らかに冷静さを欠いていると思われても仕方ないです。
269. 技術開発者 — May 18, 2011 @15:47:23
>この疑問に付随してさらに単純な疑問としてウランの代わりに海外炭輸入を増やすことは当時選択肢になかったのだろうか?と思いました。
原発の話にかならず「国策として推進」はあるんだけど、このときの国策というのは「原発を増やそう」という話だけというのとは少し違うのね。電源多様化政策なんていい方をしていたけど、要はいろんな発電を推進しましょうなのね。太陽電池の開発と普及とかもやってきた面はあるし、同じ火力でも、重油、石炭、天然ガスといろんな燃料を使う方向を進めて来た訳ね。
その多様化の一環として「原子力も進めよう」であった訳です。エネルギー源の多様化そのものは、まあ、省資源国として或る意味、妥当な政策ではあると思います(その多様化の中に原子力を入れるべきかどうかは別としてね)。だから、「原子力を進めよう」はあったのだけど、フランスみたいに電源の8割が原子力みたいな事に成りそうだったら、「ちょっと待て、もっと他の発電もしろ」というのが国の方針だった訳です(少なくとも1980年くらいまではね)。
現在の日本の状態を見ると2割強が原子力で火力が7割弱、水力とかその他で1割くらいというのがおおざっぱな分類なんだけど、その火力の中の燃料を見ると火力全体を100としたとき石炭が4割強、天然ガスが5割弱で石油は1割強という所ね。天然ガスの比率が大きくなっているのは、燃料として比較的安い事もあるけど、天然ガスのガスタービン発電は出力調整がしやすいという事も関係しています。
270. Katase — May 18, 2011 @16:42:28
技術開発者さんについては、私は積分定数さんのこれまでのご指摘と同じ問題を今回も感じています。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305584648
技術開発者さんは、今回の積分定数さんのご指摘についても何も答えておられませんが、そちらにもきちんとご返答をお願いしたいと思います。
ブランク永井さん、RAMさんからのご指摘についてもどうお考えでしょうか?
271. 技術開発者 — May 18, 2011 @17:32:08
>技術開発者さんは、今回の積分定数さんのご指摘についても何も答えておられませんが、そちらにもきちんとご返答をお願いしたいと思います。
積分定数さんは別段回答を求めてはおられないと思いますよ(笑)。
>ブランク永井さん、RAMさんからのご指摘についてもどうお考えでしょうか?
正直、何も考えていません。
以上でよろしいですか、私はKataseさんのおっしゃる「どういう問題点があったのか?どういう改善が可能なのか?」に考えを傾注したい面がありましてね、 Kataseさんの「自分がこういう考えで書いた事は、万人がその通りに受け取らなくては気が済まない」という幼児性におつきあいする気が余り起こらないのですよ、申し訳ないけどね。歳をとるとね、「人からどう思われるか」をあまり気にしなくなりましてね、良い面も悪い面も出ることだけどね(笑)。
Kataseさんは「自分の考えが皆さんに伝わらないのは技術開発者がねじ曲げているからだ」と思われているけど、そう思い続けていただいても私は別段かまいませんのでね。
ネット上のやりとりでは、お互いの真意を誤解して受け取ることがあるので、真摯に議論し合うには、「あなたはつまりこういうことを言いたいのでしょうか?」と確認し合うことも必要かと思います。自分の真意と違うなら、「そうじゃない」と否定すればいいわけで、そうやって修正しながら、お互いの考え方の違いや同じ点を明らかにして議論を進めるべきだと思います。なかなかそうはいかないですが。
しかし、この技術開発者さんという方は、手前勝手に「お前はこう考えている」と決めつけてそれを前提に話を進める。「そうは考えていない」と反論しても、「感想だ」「皮肉だ」などといって正当化する。
「自己解析」がかけている方なのでしょうね。
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/LaTeX/20101123Kakezan.html#A56
273. 積分定数
— May 18, 2011 @17:53:52
これは確かにその通り。「長方形の面積を横×縦で求めるのはけしからん。バツになって当然だ」と主張する方ですから、まともな回答があるとは最初から思っていません。
274. 積分定数
— May 18, 2011 @18:01:13
>「人からどう思われるか」をあまり気にしなくなりましてね、
つまり、一連の発言は「人からどう思われるかを気にしないから、どんな出鱈目で支離滅裂な発言をしても構わない」と考えている幼児性が原因ですね。
275. sksk — May 18, 2011 @18:10:48
>「津波被害の想定に問題があり、東電の落ち度によるものだった」と考えた場合、
>私たちの将来にどういう影響が出るのでしょうか。
「と考えた場合」というのは、実際にそうである場合とそうでない場合がありますが?
「東電の落ち度」に関しては、その程度内容によります。
対策を指示さているのにそれをしなかったで、それの有無で大きく違ったと考えます。
また、「東電の落ち度」というのは、それ以外に原因はないという考えではないとします。
実際に事故原因(要因)は多数あり、今後検討される中には「過失、想定内」の話も当然あるとは思いますので。
また、「私たちの将来」ということを下記に分けます(要求と違うような?)
1)原因解明、2)防止対策、3)責任、4)補償、5)他
ちゃんと上記対応ができるという前提で(ここが問題かもしれませんが)。
1)原因解明
実際に「落ち度」である場合はそのまま、「落ち度」でない場合はその分ロスをするだけ。
基本解明の優先順位に影響するぐらい、ちゃんと解明すれば「東電の落ち度」有無に大きくはかかわりないとおもいます。
技術開発者さまのおっしゃる方向に行く可能性もありますけど。
2)防止対策、
実際に「落ち度」である場合はそのまま、「落ち度」でない場合はその分ロスをするだけ。
ちゃんと検討すれば「東電の落ち度」有無に大きくはかかわりないとおもいます、今回の話は「想定」の問題が主で「不正、間違い等」の話ではないようですので。
対策は基本的に事故原因解明に従いますが原因は多数あり大きな原因順に対策するわけではないですから、その面でも「東電の落ち度」有無とは大きくはかかわりないのでは。
技術開発者さまのおっしゃる方向に行く可能性もありますけど。
以下は「政治的?」な話ですが。
3)責任(何を責任というかは難しいけど)
「東電の落ち度」有の方が東電の責任は多くなるとおもいます。相対的に他の責任は減る。
4)補償
基本は技術開発者さまと同じで、最終的には「東電の落ち度」有無にかかわりないとおもいます。地震津波の損害もそうですが国で補償するしかないのでは。
細かい割合は判断基準が色々ありそうだし。
東電が「その損害が異常に巨大な天災地変」を主張するのは選択肢の一つだと思います。現在の日本の状況では東電にマイナスの方が大きそうですけど。
5)他
「東電の落ち度」有無にかかわりがあるのは、東電被災者、地震津波被災者、他の国民の気分ですよね。
これは「東電の落ち度」有のほうが収めやすいのでは?
話が複雑でまとめきれていませんが、いかがでしょうか?
276. かとう — May 18, 2011 @18:32:58
開き直って、「ハイ解りました。わたしが悪かったです。責任を取って倒産します。残った資産は精算して下さい。損害を受けた人や労働者、債権者で別けてください」ってのは、資本主義下の株式会社では可能なんですよ。
収め易いって言っても一時的な感情であり、その結果が上記の通りになりえます。一時の感情をぶつけて、それで終わりで良いのでしょうか?
倒産させちゃえば、福島第一原発も放棄されるんですよ。後始末は誰がやるの???
こんなのは、生かさず殺さずで、必要な賠償は国が立て替えて出しといて、数十年かけて利益を無配当で、その分を国に返させる。
そうやって事業存続させる事で、廃炉等までめんどうを見させることも可能です。
>東電が「その損害が異常に巨大な天災地変」を主張するのは選択肢の一つだと思います。
(直近にあるのでskskさんを引かせてもらいます。)
東電をむやみに追い詰めて、すぐに訴訟にすると、こっちを主張するオプションもあります。もし認められたら(ってゆーか、多分認められます。訴訟って社会的影響もみちゃうので。建前上法律だけしか見ないことになってますが)損害賠償されなくなってしまう。
こんなのは、日本人の得意な、なあなあで落とし所を探すのが、被災者の方々の為になります。
ちょっとバタバタしてて参戦できないのが残念ですorz
なので一言だけ。
積分定数さん、邪魔なのでどこかよそでやってもらえませんか?
278. ワカシム
— May 18, 2011 @14:22:35
ずっと読んでますが、私はkatase様にかなり同情的です。
何人かの方については、他者の文章をきちんと読んでいるのかな?という感想を強く抱いています。それは私だけではないはずです。
現在までkatase様が問題にしている話は…
東電の責任追及や原発の今後という話はさておき、原発の危機管理に関して、過去になされた実際の提言を参照すると、東電の「姿勢」は「怠慢」であり、福島第一原発の事故は「過失」といえそうだ、という話をしているわけです。
強調すべき点は、対策が間に合う間に合わない・事故を防げた防げないという部分は本質的な問題というわけではなく、東電の危機管理について「提言に対するリスクの査定の妥当性」というのは問うことができるでしょう?という観点からの話をしていることでしょう。
そして、その論点を共有されている方もいて、特にfei様は適切なレスをし続けていると思います。
#81. fei — May 13, 2011 @16:03:03
>特にここで結論を出すつもりもなければ、それだけの材料を持っているわけでもないのですが、ただ少なくとも事故の危険性を予見した国会質問なり、報告書なりがあったのは事実なわけです。ですから、今回の事態は、最低限その質問や報告書が国や東電にどう受け止められて、どういう議論・検討がなされて、どういう結論が出されたのかということを議事録などを精査した上で判断すべきことだと思います。
で、katase様は↑を踏まえ、たしかに東電側の査定内容そのものが分析できれば早いけど、提言の内容だけを見ても、無関心でいることが許されない内容のように思えるから、震災前の原発に対する東電の危機管理は「怠慢」という評価が妥当といえるのではないか、というお立場かと存じます。
fei様の
#112. fei — May 13, 2011 @23:19:54
>2008年の報告書を受けて、想定以上の津波の発生確率がきちんと再検討されたのか、その際に見積られた確率が1/100,000なのか1/100,000,000なのか、その見積りのプロセスは妥当なものであったのか、また、他の安全対策が優先されたのだとすると、その対策の根拠となるリスクはどのようなものであったのか、ということが重要な判断の根拠になると思います。これらが明らかになっていない以上、ミスがあったかなかったかという判断は、現時点では避けたいと考えています。
>
>なお、上記のような議論が記録に残る形で行なわれていなかったとしたら、それは報告書を個人の実感できる範囲で処理してしまったとしか考えられませんので、重大なミスであると考えます。
というのは、katase様が問題視している論旨にそった良レスでしょう。
一方で、提言内容からの判断は、明らかに「後知恵」である。という返答もありました。
#86. sksk — May 13, 2011 @17:15:13
>Kataseさまのあげている話は1)の話「B(n)を想定する」ですよね。
>私の言ってるのは2)の話「B(n-x)を想定する」です。
>
>今回の地震津波はB(n-x)ではなくB(x)に分類されている。
>B(x)については想定されていても、それに対応できないからと言って「過失」ではないでしょう。
で、危機管理に対する後知恵の批判は非合理だ、という種類の疑義は、当然でるべきですが、kataseさまのお立場からすれば、
「吉岡メモのケースをB(x)に分類したことは、本当に妥当といえるか?」
というのが論点といえます。
そして
#103. fisker — May 13, 2011 @21:06:26
>より正確には「危険性を指摘されたが、リスク(被害予想×発生確率)が低いと見積もって優先順位は低いと判断した」というところです。その見積は結果的に間違っていたわけですが、当時の知見では妥当な見積だと思います。
この「妥当な見積もり」だと思うことを補強できる話が出てくれば、katase様の議論も次のステップに入れたのではないでしょうか。
逆に、そこに至らずに東電の危機管理の高い合理性を前提にするのは、katase様が展開している話からすれば、論点先取でしかありません。
また
#110. ごんべえ — May 13, 2011 @22:25:22
>発生確率をどのような根拠でどのように見積もったという情報が出ていないのにどうして「当時の知見で妥当」と評価できるんでしょうか?根拠無く発生確率を過小評価(0とみなす)した疑いが濃厚じゃないでしょうか?
というレスについて、立証責任の話にもなっていましたが、
これまたfei様ですが
#144. fei — May 14, 2011 @15:20:22
>科学の世界では、特異な主張をする方が立証責任を持つという原則がありますが、今回の「ミスはあったか」という議論にこの原則をを当てはめるのはさすがに無理ではないでしょうか。
というのが公平な見方だと考えます。
※むしろ東電の黒歴史は、#110のごんべえ様の推測に有利とすらいえましょう。
ともあれkatase様の議論を踏まえると、論じられていて然るべきことは、吉岡メモやその他の事前の提言についての東電のリスク評価の妥当性でした。
その結果「過失である」あるいは「危機管理上の想定外という判断は妥当である」あるいは「もっと掘り下げないと判断できない」など、然るべき判断に収束していくことができそうな議論がなされていないことは、katase様の立場としては「っっもう!」となるのは当然です。
すくなくとも第三者としてはそのように見ていました。
279. Katase — May 18, 2011 @19:24:39
>Kataseさんは「自分の考えが皆さんに伝わらないのは技術開発者がねじ曲げているからだ」と思われているけど、そう思い続けていただいても私は別段かまいませんのでね。
こうおっしゃいますが、結局はご自分の持論を展開するための「藁人形像」に私を勝手に当てはめて利用したのです。
それにより、私が伝えたかった事が歪められてしまいました。
本当に迷惑です。
280. F田 — May 18, 2011 @18:06:25
kataseさん、May11,2011@18:25:23あたりから、ご自分のコメントを読み直しませんか?
特にMay13,2011@17:59:23です。
>発端は東電にはミスがあったかというのが論点です。
これは誰の論点ですか?
他にも
>東電にはミスがなかったとお考えですか?
と何度も聞いていますよね。
これで「曲解」と言われてもこまります。
281. Katase — May 18, 2011 @19:51:03
私は議論の流れから東電にはミスが無いという話がでたので、議論を進めるきっかけとして東電のミスの有無から入ったのは確かですか、その後の展開として「これは東電に限った問題ではない」として話を展開していきました。
この話の展開の流れをこれまでのコメントを追って確認して頂きたいと思います。
そもそも菊池さんが、このブログをこのような形でオープンにされたのは、チョットでもニセ科学がこの世から少なくなって欲しいと願ったからではないのでしょうか。
それが、なんだか「俺のほうがよくわかってんだからな!」みたいなペダンティックな「演説」ばかりがふえて、「議論」になっていない気がします。
たまに「素人さん」が迷い込んでくると、寄ってたかって馬鹿にして、追い出したり、まったくもって逆効果になっている気がします。
(もちろんアラシ君はべつですが、それだって単にスルーするだけで済むのになと、思いますよ)
私は現役の頃(一応、会社法上の大会社の社長でした)、研究者たちをそれなりに部下に持っていましたが、研究能力と、社員としての有用性あるいは人格との間にはなんの相関関係もないことは実感していました。オツムのよろしい方々は、よほど御自戒くださいませ。
283. Katase — May 18, 2011 @19:56:46
ちょっと説明が足りなかったかと思います。
>発端は東電にはミスがあったかというのが論点です。
この部分は、私の言いたいことからどんどん逸れて行ってしまったので、もう一度振り出しに戻って話の展開をやり直そうと自分なりにコントロールを試みたものです。
私の考えは、何度も繰り返しますが、東電を悪者にして責め立てたら解決するという結論に導こうとするものではありません。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305669490
福島第一原発の事故について検証をしていくことから始めて、他の電力会社の原発も含めて、これまでの国の政策についても広く問題点を見直していこうというものです。
284. さんちゃん — May 18, 2011 @20:30:44
>そちらにもきちんとご返答をお願いしたいと思います。
それをいいだすとあなたも落花生さんやe10goさん(すいません、分かりやすいところから持ってきました)の質問に返答したらと思っちゃいますが。
まあ、回答しないのもその人の意思表示とか思っていますのでどっちでもいいんですが。
285. hn33jp — May 18, 2011 @21:09:33
分かり易い抜粋をありがとうございます。
私見ですが、技術開発者さんが述べておられた広域・長時間における送電網の喪失という問題も、決してKataseさんの問題提起から外れていた訳ではないと思いますよ。
私も、最初はどうして非常用電源を高台に避難させておくくらいの簡単な対策を東電はやらなかったのだろうと不思議に思っていたのですが、技術開発者さんのお話を伺って、なるほど技術者の方は、非常用電源より交流電源の複数回線化の方を重視しており、それが長時間なくなるという想定をしてなかったので軽視したのだ、ということで納得が行きました。
つまり東電側は、津波ですべての非常用電源が万が一失われることがあったとしても、複数ある外部電源が割りに早期に回復されるということを期待していたし、重要視していた、という風に理解しました。これは東電側が報告書の地震・津波リスクに対する査定と対策において、どういう考え方をしたのかという判断材料になるかと思っています。
Kataseさんが今回の東電側のミスから教訓を得ようという、津波対策の個別の問題から話を始められたのに対して、技術開発者さんは、より全般的なシステムとしての安定性という所に一気に話を進めただけのような気もしています。お二方ともいつも参考になる有益な発言をされる方なので、仰っておられることに本質的にそんなに大きなズレはないような気もするのですが。。。。
286. fei — May 18, 2011 @21:49:56
せっかくお誉めいただいたのに恐縮ですが、私自身ちょっと考えを変えたところがありますので、説明させていただきますね。詳しくは、"fei ― May 17, 2011 @21:55:30"に書いた通りなのですが、端的に言うと、2008年の報告にしろ、2010年の報告にしろ、「こういう危険が予見されるから対策しなさい」という提言ではなかった思っています。少なくとも、発信者である原子力安全基盤機構も、受信者である原子力保安院もしくは電力会社も、提言とは違った性質のものとして考えていたのではないかと。
話はもっと複雑で、発端は一応2006年の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si004.pdfLink
実際、この指針の変更を受けてのシンポジウムの問答集に「しかし「残余のリスク」をどのように設定し、どこまで安全性を確保すべきかは、各原子力発電所ごとにおかれた状況が異なるので、各原子力発電所ごとに研究・調査しなければなりません。」とあります。つまり、定義としては、「策定された地震動を上回る地震動の影響が施設に及ぶことにより、施設に重大な損傷事象が発生すること、施設から大量の放射性物質が放散される事象が発生すること、あるいはそれらの結果として周辺公衆に対して放射線被ばくによる災害を及ぼすことのリスク」と決まっていても、実際にそれがどんなシナリオまで考慮に入れて、その結果どの程度のリスクが見積られて、という部分は不定のままだったのではないかと。
ただ、私見ですが、少なくとも指針の作定に当たっては、この「残余のリスク」はそれなりに重大で緊急性のあるものだと認識されていたと思います。そうでもなければ、測定・評価の方法すら定まっていないものが基本方針に取り入れられるとは考えにくいからです。また、これも憶測ですが、阪神淡路大震災が、従来大きな地震が想定されていなかった地域で起こったことも、影響しているのではと思います。
2006年の時点で、「残余のリスク」の存在もその重要性もそれなりに認識されていました。実際に、電力会社にもバックチェックの終了後という扱いではあっても、「残余のリスク」を評価するように指示が出されています。しかし、この時点では、どの範囲でどのようなシナリオを評価の対象とするかというところは定まっていなかったんだと思うんですね。ですから、2008年、2010年の報告は、「こういうことを評価しなさい」という「残余のリスク」の評価のモデルとして提示されたものだったのだろうと推測しています。
ですから、2008年の時点で、今回の被害を予見するような報告が出ているわけですが、多分対策はほとんど進んでいなかっただろうと思います。ただ、その原因は、コストを重視したからとか、発生確率を低く見積ったからではなく、
1. 指針の発表
2. 電力会社による(1)に基づく現在の発電所のバックチェック
3. 電力会社による各発電所における(2)の「残余のリスク」の評価
4. 安全委員会による、電力会社からの報告の妥当性の検証
5. 確率論的安全評価による安全規制の作成
6. 確率論的安全評価による安全規制の施行
7. 電力会社による発電所のチェック及び改修
というシーケンスを考えていて、そのシーケンスによっていずれ適切に対処される問題という認識があったからなのではないでしょうか。そういう意味では、「シーケンスの途中で想定を越える災害にみまわれる」というのが想定外だったのだろうと考えています。
だいぶ推測を含みますが、今のところの考えは以上です。
> 今回、弁を閉じた状態で一時的に弁操作の直流電源を失い、それが1号炉の冷却水喪失をもたらした部分を見ると
先に提示した東電のオペレーションに関する資料や安全院の資料などを含め、私が調べた範囲では技術開発者さんが述べているような事が起きていたかどうかを確認できません。
情報ソースを教えていただけますでしょうか?
288. zorori — May 18, 2011 @21:54:54
>或る意味、「原発とつながる送受電ラインの鉄塔は、全て原発の耐震基準を満たすべきかどうか」という問題提起としては考えるべき問題だろうと思います。さらにいうと、その元になる変電所も簡単に停止せずに原発に向けては送電をしてくれる方がよろしい訳ですから、原発の耐震基準に準じた基準を設けた方が良いかも知れないわけです。
原発は,一般の施設とは明確に違っているように思ってしまいがちですが,普通の施設とグラデーションで繋がっていて,その境界ははっきりしないんですね。耐震指針でもクラス分けがあり,Cクラスは一般の施設と同じレベルの耐震性です。外部電源の送受電系統はどの範囲まで耐震性を高めるべきなのかはなかなか難しい問題だと思います。そもそも外部電源は,途絶えることも有るから,複数系統で多重化を図っており,更にそれらが全部途絶えた場合のために耐震クラスの高い非常用電源を用意しているわけですね。ですから,非常用電源が使えなかった時に,外部電源が使えたら被害を防げたはずだというのは事実としてはその通りですが,批判としては奇妙に感じます。
人材についても同様で,例えば建築では,元請けー下請けー孫請けー臨時日雇作業員と一般社会と繋がっています。もちろん,現場入場に当たって教育研修は行われるはずですが,完全は望めないので,作業員が少々のミスをするようなことは織り込み済みの安全策がとられているはずです。仮に,そのような安全策が上手く働かず事故が発生したのなら,その安全策に問題があると考えても、作業員がミスをしなければ事故は起こらなかった,だからそれが問題だとは考えないと思います。
特殊な原発でもその裾野は一般社会に繋がっていて,一般社会で良く有るようなミスや事故は探せば結構あるのじゃないでしょうか。果たして,そこにまで高度な対応を求めるのが良いのかどうか疑問です。ただ,あまりこういう事を言い過ぎると,なし崩し的に裾野から安全がおろそかにされるので難しいです。
289. zorori — May 18, 2011 @22:05:55
このような考え方は原子力業界でも昔から有りましたが,世間に対してはとにかく壊れないという説明をしてきたために,それを改めたことをはっきりさせるために「残余のリスク」と名付けただけで、特別難しい概念とは思えません。
ただ,飛行機や建物は壊れてしまえば,それでおしまいでそれ以上の危険は有りませんが,原発の格納容器が壊れれば,放射性物質がむき出しになってしまいます。壊すといっても限度があり,その限度を長期間維持しなければなりません。事故が起こらなくても廃棄物の面倒も見なければなりません。これまた原発の大きな問題点だと思います。
290. e10go — May 18, 2011 @23:17:05
質問しておいて申し訳ありませんが、Kataseさんに議論の負荷を増やす事になるので、先の私の質問、
#240. e10go May 17, 2011 @23:19:45
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305641985
の返答は不要です。
なお、先の質問は私の意見(こうあるべきと考える)でもあります。
私は、東電を含めて原子力政策における津波の想定に問題があるのではないか、と考えます。
後だしジャンケンのようになりそうなので、この件に触れるのを躊躇っていましたが、今は問題にした方がいいのかな、と思っています。
http://finches.exblog.jp/15318669/
http://finches.exblog.jp/tags/essay+bibliophobia+nuclear/
291. M2 — May 18, 2011 @22:52:38
>「重機の回転半径に入るな」じゃあなくて、「トラ柵を持ってきて回転半径の外側を囲んでおけ」みたいな指示ね。
と
>261. ちたにあ — May 18, 2011 @11:40:46様の書き込みの哲学は正反対に思えます
もうかなり昔の事ですが、重量物をホイストで移動中に事故が発生した事を憶えています。
天井の高い室内で、2階にホイストを操作する人がいて、1階でもう一人が安全確認をしていたんです
一階で見守っていたほうの人が、荷物の固定が甘い事に気付いて、とっさに荷物を固定していたワイヤを叩きました
彼はワイヤに手を挟まれてしまい、指を失う障害を負いました
「トラ柵」にあたる対策がなされていれば、一年に一度も行わない構内クレーンの操作であんな目にあわずにすんだのにと、10年以上経つ今も思います
えーと、技術開発者様以外の方の為に書いておきますが、四方山話をしているつもりはありません
私もKataseさんに冷静さを取り戻してもらいたいと考えているものです。
Kataseさんのコメントで腑に落ちないのが、東電の「姿勢」に拘る所や夜ノ森線の鉄塔を倒壊させた地震が「想定内」である事に拘る所です。
私は、まず考えなければいけないのは原発はどうあるべきか、再起動するなら原発そのものにどういう対策が取られるべきかという部分であると考えております。原発を運営する立場の東電(や他の電力会社)の「姿勢」の問題は、重要では無いとは思わないですが、原発そのものの対策をどうするべきかの問題よりは優先度が低いと考えております。なので現時点で東電の「姿勢」に拘るKataseさんは。東電の責任追及をするつもりは無いと言われても、責任追及したいように見えてしまいます。
鉄塔を倒壊させた地震の話しについても、現時点では「想定内」か「想定外」かが重要とは思えません。なぜなら、それが例え想定外の事象(地震)だったとしても、大きな災害を引き起こした原発をこのままにしては行けないというのが、今回の地震による原発災害のポイントだと考えているからです。部分的に原因が「想定外」か「想定内」だったかによって、今後取るべき原発そのものに対する対策が大きく変わってくるととお考えでしょうか?
上記二点は、東電の責任について考える文脈では当然重要になるとは思いますが、それ以外の文脈でも重要であるというのが理解出来ないので、Kataseさんは東電の責任やミスの有無を追求したがっているようにどうしても見えてしまうのです。
あと、技術開発者さんのコメントについてですが、確かに技術開発者さんのコメントの書き方は人が良いとは決して言えないとは思いますが、曲解に基づいて発言している訳では無いと思います。
私は技術開発者さんはいくつも制度設計を手がけた経験をお持ちなのでは無いかと想像しています。制度設計で重要なのは、ある目的を達成するために制度を作ったり変えたりする場合は、その制度の表の影響の部分だけでなく裏の影響みたいな部分も考慮する必要がある事だと思います。
例えば、人事評価制度で社員のやる気と会社の業績をUPする事を目的として業績評価による人事評価制度が一時はやったと思うのですが、定量的な評価がしにくいコーポレート部門の社員が不利となってモチベーションが下がったり、定量評価がしやすい営業部門でも運の要素が大きかったりして却ってやる気を失う社員の方が多かったりと言った課題がクローズアップされ、業績評価制度がはやらなくなったと思います。
技術開発者さんは、社員のモチベーションと会社の業績アップを意図して業績評価制度を提案する人に対して、「あなたはコーポレート部門の人のやる気は重要でないと考えている」とか「多くの社員のモチベーションを下げたいと考えている」というような言い方をします。嫌味で不快に感じる事も無くは無いのですが、人の意見を曲解している訳ではないですし、思い至ってなかった影響を気付かされ「はっ」とさせられる事もあるので、示唆に富む意見とも言えます。
他の言い方をあるだろうにとは思いますが、まあこれが技術開発者さんのプロトコルなんだろうと思います。
293. ごんべえ — May 19, 2011 @05:51:20
>「倒産します。残った資産は精算して下さい。損害を受けた人や労働者、債権者で別けてください」ってのは、資本主義下の株式会社では可能なんですよ。
これは、そもそも、民間企業に原子力事業をさせてはいけないんではないかということにつながりますね。
>倒産させちゃえば、福島第一原発も放棄されるんですよ。後始末は誰がやるの???
当然許可した国・政府の責任でやるしかないでしょう。
>こんなのは、生かさず殺さずで、必要な賠償は国が立て替えて出しといて、数十年かけて利益を無配当で、その分を国に返させる。
そうやって事業存続させる事で、廃炉等までめんどうを見させることも可能です。
でも、東電の場合、これは、電気料金から徴収する税金でやっているのとほとんど変わらないではないか?国家公務員より高い給料と広告費を彼らに払い続けるくらいなら、日航のように一回倒産させて、給料、年金をリセットせよという判断になることも当然ありえるわけです。
倒産させるかどうかで一番変わってくるのは、東電の株の価値、次に、債権の価値であって、これらを守ることに道理が通るかというです。
今回の地震は全体としては「巨大な天災地変」かもしれませんが、女川、福島第二が破綻せず、それより周辺部にある福島第一の事故が「異常に巨大な天災地変によって生じたもの」にあたるなんていうことは無いでしょう。
feiさん ― May 18, 2011 @21:49:56
>発生確率を低く見積ったからではなく
...
>そのシーケンスによっていずれ適切に対処される問題という認識があったから
まあ、そのシーケンスでゆっくり評価しても間に合う/評価中には事故が起きないという賭けに負けたわけですよね。
もちろん発生確率は低くて、10%も無いと考えるのが普通だとと思いますが、1万分の1、10万分の1というレベルでもなくて、そこは判断が甘いのでしょう。人間の感覚ではなかなか難しいんじゃないでしょうか。
294. ファブヨン
— May 19, 2011 @07:14:15
>責任逃れの敵に東電に穢れを押しつけようという空気をひしひしと感じていてしまいげんなりします。
トムの胃という有名な観察実験によると、人は、自分では直接対処できない(政治的な事など)ストレッサーに、もっとも大きなストレスを感じるようです。
また、たいていの動物は、ストレスを感じると、探し出してでも何かそばにある攻撃し易い個体やモノを攻撃します。
いわゆる責任転嫁です。
一部に、そういうマイナスな気持ちは昇華させれば良いとして、責任転嫁に否定的な説もありますが、動物全体に関して言えば、攻撃出来ない状態や喧嘩出来ない状態は、とても酷いストレスを生みます。
結果、より酷くなるので、自分は一時的な責任転嫁は、必要悪のひとつとして肯定的に考えています。勿論、いつまでもネチネチ続けることには否定的です。
ですから、ROM歴三年さんのおっしゃてる通りで、もしかしたら、現状の原発批判は、震災まで含んだ大きなストレスの捌け口になってる可能性はあると思います。
それでも、そうである人そうでない人の見分けはつかないし、そもそも人である以上、不合理である気持ちはどうしようもなくて、これを全否定することは出来ないかと。
一方で、大抵の動物は、危険や未知といった本来避けるべきことに対して、はなれていればいるほど、興味が湧き一定程度の距離までは近づき、そこから先へは怖くて近づけないけれど立ち去ることも出来ないコンフリクトが発生します。だから、今回も危険だと言われれば言われるほど、原発から完全に離れることは出来ないと推測しています。
もしかしたら、気持ちの整理のつけ方として、より悪いのは浜岡原発だというような絞りかたで沈静化するのかもしれません。特に根拠ないですが…。
あと、ついでと言っては何ですが、現時点で知りえてる知見で、意見を述べることはまったく正しいことだと思います。
例え、その知見に不足があったり、すでに否定されている知見であったり、知見は否定されてなくてもそれに基づいた解釈部分が否定されてるというようなことまで含んで、自分の知る限りの知見とそれに基づいた意見を述べることは、とても素晴らしいことだと思います。
要は、間違いや不足を指摘されたとき、どう勉強し、自らの意見を強化したり修正するかだと思います。
最後により良い意見が完成すれば良いだけで、気軽に述べてよいのだと思います。
異論反論をもつ人や、知見の不足や間違いを指摘する人にも、そうすることで勉強になる部分があるので、お互いに向上し合え得る範囲で、というのが前提ですが。
⇒211. Toshi2100 さん
>私なども確実に下向きの圧力が増加する方向と懸念しています。
ですね。
よく、先進国が、後進国や新興国に合わせて行って、そこから世界の平均化がいずれ実現される。と、言う人がいますが、自分は否定的です。
実際、日本の高度成長期、欧米の生活水準が日本並みに下がったかというと、そうでもないです。
たいてい、上記のように言う人ほど、返す言葉で、日本も欧州を見習って何らかの豊かな暮らしを正しいと見なして勧めます。
だったら、現に悲惨な生活をしてるけれど儲けていて余力のある中国の方が生活全般のインフラを整備し向上させるほうが世界の平均化には効率的です。
また、生物としてみるなら、期待される給与が下がったり遅れたりすることは、罰システム(A6)と直結します。
少しであったり、一時的なものであれば適応も可能でしょうけれど、世界中に、今だ飢えに苦しむ国々は多いです。
今後もずっと、下がり続けて平均化をまつというのは、特別なマゾの人以外、生物して正しくありません。
>農業の自給率がどこまでを言っているのか知らないのですが、農薬や肥料・飼料まで含めると、更に低くなるような気がします。つまり国内で算出されているGDP自体が輸入に頼っている。
なるほど。数値化はザックリ全体を見る場合扱いやすいまとめ(チャンク)ですが、その利便性の陰には、種からミツバチまであらゆる所に輸入しなければならない要素があることが、隠れてそうですね。
>わたしも実は似たような環境です。私の場合は、自社で何かスバラシイ策(自宅勤務とかです)を出しても、常駐先にいる私には全く関係無さそうです。
理解できます。
自分の場合は、会社が社会の流れに合わせて適応してくれなかった場合、給与が下がる可能性があります。
そこ一時保留にして、あくまでも、全体的には、時間の検討は大事かもというゆるい意見です。
生物としては、夜型とか良くないですし…。
⇒214. 技術開発者 さん
少し、貿易というものについて「勝ち負け」の概念に毒されているきがするのです。貿易経済学は「互恵的交換」という言い方をします。つまり、「国としての貿易」には「勝ち負け」は存在しません。産業をある分野について見ると貿易の「勝ち負け」は存在するのですが、どれかの分野が国際的なシェアを伸ばすと、その国の産業のとこかの分野で他国にシェアを奪われるというのが「比較優位論」の教えるところです。
>興味深い考え方ですね。
でも、これは、世界が平均化されてる状態では成り立ちやすいと思いますけど、実態としてはあまり意味ないことに思えます。
詳しくないので、すでに言及されていたり否定されてることかも知れませんが、世界は非常に不公平で、資源の有る無しは、例えばアフリカなどでは、生まれた場所の僅かな違いが、生死を分けるほど、重大な差として現れます。
日本は、省資源であり、気候風土と人口に関してそこそこ豊かですが、台風地震といった天災も多く、平地面積も不利な立場です。
欧米の農業国と比較した場合、日本は技術で負けたわけではなく、広大な農地と機械化で負けたと考える方が妥当ではないでしょうか?
つまり、前提条件として一人当たりの作付面積に大きな違いがあるので、もう少し複雑に比較する余地があるように思えます。
これを、小資源であることと同じく不利な条件として見立てれば、(技術革新などで変動する可能性を秘めているけれど現時点では)「国内で産出できないもの」≒50兆円の内訳に、土地という準資源不足による輸入というニュアンスを付け加えることが出来るかもしれません。
と言うのも、基幹産業と農業や繊維産業が、そんなに直接的にバッティングして、労働者を奪い合ってたようには思えないからです。
農業は土地と機械化によるコスト、繊維は低賃金な国との競争が、衰退の主要因に見えます。
現在の、基幹産業の移転騒ぎも繊維と同じく、主にコストの問題だと思いますが、変わって台頭して来た産業と言うのが見当たりません。
また、欧米を見ると、生産業と農業がともに高水準である国も存在してます。
また、別の視点ですが、社会性のある霊長類は縄張り争いがあります。
前頭連合野の面積に比例して、縄張り争いは過酷で残虐になります。
現状、人の集団で最大の単位は国どうしなので、経済であっても国家間の勝ち負けというのはあると自分は推定します。
追記:別途、技術開発者さんと、Kataseさんに意見を述べたいことがあるのですが、今は一旦遠慮しておきます。
295. 技術開発者 — May 19, 2011 @07:58:18
>なるほど技術者の方は、非常用電源より交流電源の複数回線化の方を重視しており、それが長時間なくなるという想定をしてなかったので軽視したのだ、ということで納得が行きました。
重視していたという言い方が正しいのかどうかはあるんだけど、「多重性にあぐらをかく」みたいな所は在ったように思うんですね。「大きな津波が起きると非常用発電も使えなくなるぞ」なんて話に対して「そりゃあ、大変だ」より前に「非常用発電に頼る状態になるかなぁ〜」みたいな意識かな。その上に「非常用発電機も沢山配備しているから、全部ということは無いだろ」みたいな部分が重なっている感じですかね。さらにその上に、「俺たち電力屋は送電の回復のスピードには自信かある」という過信まで重なっているのかも知れない。
なんていうかな、別に東電擁護という意味じゃなくて電力会社の津波に対する意識という意味で考えると、津波対策として非常用発電をすぐさま移動させる動きをしなかったのは東電だけじゃなくて他の電力会社も皆同じなんですね。つまり東電に限らず電力屋がリアルな危機感を持って捉える事ができなかった訳です。その背景として上のような意識があったのかもしれないと思っている訳ですね。私自身、そんなに熱心に原発をモニタしてきたわけじゃないので自信がないのだけど、日本の原発の歴史の中で、外部電電を失って非常用発電で対応した経験というのが思い出せない訳です、そういう事があったかも知れないけど、回数も時間も少ないのだろうと思います。それが「そりゃあ、大変だ。直ぐにも非常用発電を移動させよう」なんていう事を妨げていたように思います。
なんていうかな、いろいろな事を考えている面があるんだけど、「原発の耐震性」みたいな時に「設備の内側に関して詳細な解析をする」という風潮が大きくて、なんていうか、地震で原発の周囲全体がどういう状態になり、それが原発にどういう影響を与えるかみたいな「想定」がもともとに少なすぎた気がするんですね。そういう「広く見た耐震」という考え方が重要な気がする訳です。
少し無駄話をすると、労働者の安全教育をするとするじゃないですか、「こういう事になると危険ですよ、これはしては行けませんよ」なんてね。でもね、こんな注意事項の話からしてもたいていは頭を素通りする訳ですね。だから安全教育では最初に事故の事例の話をするわけですよ。「こんなささいな手順違反一つで、この人は死んでしまったんですよ」とか「確認一つをしなかったために、この人は相棒を失明させてしまったんですよ」なんてね。こうやってなんていうか「リアリティ」を高めておく事でその後の注意事項は良く聞いて貰えるみたいなね。まあ、労働者の安全教育と同じに考えては行けないのだけど、「津波で非常用発電が失われるぞ」みたいな部分に「リアルな危機感」を電力会社が抱かなかった事の問題を少し掘り下げて見たいと思ったりした訳です。
296. 技術開発者 — May 19, 2011 @08:59:21
>ですから,非常用電源が使えなかった時に,外部電源が使えたら被害を防げたはずだというのは事実としてはその通りですが,批判としては奇妙に感じます。
hn33jpさんのコメントにも書きましたが、「非常用発電を失う事に対する危機感」が低かった理由として、外部電源系の安定性への過信があったように感じている面があり、その外部電源の安定性への過信を現実にするなら、特別な強化の考え方もあるかと思ったりした訳です。
無駄話をすると、チェルノブイリは独立性の強い原発だったんですね。その当時のソ連の電力事情を考えてみると分かるのですが、あちこちしょっちゅう停電していたので、原発が停止して外部電力で冷やすなんて想定が怖くてできないんですね。だから、制御棒を入れた後も余熱で発電タービンを回し続けてその電力で自分を冷やそう(たぶん最後には非常用発電で冷やす事になるとは思いますけどね)という、ちょっと気が遠くなるくらい怖い考え方の原発です。この停止後に何処まで発電ができるかのテスト中に事故した訳ですけどね。
これも無駄話になってしまうかも知れないけど、警察と軍隊の内部機能の違いみたいな話に「警察は社会から切り離されたら機能出来ないが、軍隊はできる」なんてのがあります。つまり機動隊はどこかに派遣されるときにその土地の宿泊施設を利用し、その土地の食堂で飯を食い、燃料もその土地のスタンドで入れるけど、軍隊はそれを全て自前でまかなう訳ですね。それゆえ社会インフラが破壊されたところへ機動隊はいけないけど軍隊は行ける訳です。
原発という「とにかく冷却機能を止めては成らない」というしろものを考えるときに、その冷却機能を機動隊的に考えるのか軍隊的に考えるのかがあるような気がします。非常用発電というのは自前でまかなうという意味で軍隊的です。そして外部送電の耐震強化というのはどちらかというと機動隊的な感じになりますね。
マニュアルには、
55°Cの急激な低下がある場合は停止する
という規定があったためオペレータが止めた可能性があるという東電報告を信用したい。
この規定は時間稼ぎのためではなく、燃料棒等の保護のためとだと思います。
しかしながら、この規定は今回の事故においては適用すべきでなかったと思います。判断ミスがあったのではないかと思います。
東電は、マニュアルに従ったから過失ではないとの主張だと思います。マニュアル自体は、安全・保安院が承認するものだと思いますがその場合でも両者に責任があると思います。
298. 技術開発者 — May 19, 2011 @09:46:19
>現状、人の集団で最大の単位は国どうしなので、経済であっても国家間の勝ち負けというのはあると自分は推定します。
勝ち負けというか、経済的な差はあるし、その差が貿易の推進力になるのね。ただ貿易によりその差を拡大したり維持するというのが原理的に無理な面があるのね。貿易というのは基本的に経済的な差により駆動されるものだから、動けば動くほどその差を縮めようとする働きをするということなのです。別なところで「ストルパー・サミエルソンの定理」も紹介しているけど、先進国と発展途上国の貿易というのは、個々の産業的には先進国が有利に見えるけど国内的には発展途上国の方に都合の良い事が起きるのね。発展途上国にしてみると国内的に見ると馬鹿高くなる知識集約産業製品(自動車・家電)を買って、農産物やら労働集約型製品(繊維製品とか)を国内的には普通の値段、相手の国にとって安い価格で売っている感じで「損している」みたいに見えても、実は国内の雇用とか賃金という意味では発展途上国は経済成長しやすく、先進国は経済成長が鈍化する方向になるのね。
別段、技術立国というか貿易立国を否定する気は無いんですね。何らかの「特化」を起こさない貿易立国というのはあり得ないということね。シンガポールはその部分を割り切って「知識立国」を宣言しているよね。そのため、「高い教育を受けた人はうちに移住して下さい、優遇しますよ」という政策と、「単純労働の人は出かせぎに来ていただいて良いけど、子供ができたら即退去してね」という政策を同時にやっていますよね。そうやっている間に国民の教育レベルを上げて対処していくつもりだけど、最終的にその教育に落ちこぼれた人があるレベル以上できたら「棄民」しないと「知識立国」にならないのではと思ったりします。
日本はどういう形で「特化」する気なのかを明確にしない「技術立国」というのは或る意味でとても危険なんですね。
299. くろきげん — May 19, 2011 @09:18:01
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305517594
技術開発者さん>私が1号炉の「隔離時炉心冷却装置」が動かなかった事を重視するのは、
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305537119
なべさん>1号炉の「隔離時炉心冷却装置」の動作状況に関する信頼できる情報源がありましたら教えていただけますでしょうか?
なべさんは技術開発者さんに「「隔離時炉心冷却装置」が動かなかった事」に関する情報ソースを求めています。その理由は次の通りです。
なべさん>「半日動作した」とか「1号炉にはその系統はなかった」とか「水温が上昇したために止まった」とか「電源喪失で電磁便[ママ]が閉じて止まった」とか相矛盾する憶測レベルの話が氾濫していてさっぱりわからなくなってしまっています。
このように情報が錯綜している場合には情報ソースを当然示すべきであることを指摘されているのに技術開発者さんは次のように述べました。
《中略》
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305676643
技術開発者さん>今回、弁を閉じた状態で一時的に弁操作の直流電源を失い、それが1号炉の冷却水喪失をもたらした部分を見ると、
さすがにこれは無視できないので、なべさんは次のように再度指摘しました。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305723067
なべさん>先に提示した東電のオペレーションに関する資料や安全院の資料などを含め、私が調べた範囲では技術開発者さんが述べているような事が起きていたかどうかを確認できません。
なべさん>情報ソースを教えていただけますでしょうか?
技術開発者さんは早く情報ソースを示すべきだと思う。
結果的に正しい意見を述べていたとしても、この議論の仕方はさすがにちょっとまずいと思います。これだけ情報が錯綜してわけがわからない状況なのに憶測に見えるような発言を繰り返すのはやめて欲しいです。情報源を示して他人にも検証可能な議論をするべきだと思います。特に信頼してくれているファンがたくさんいる技術開発者さんのような人が発言する場合には。
技術開発者さんには憶測抜きに情報ソースを示してわかっていることとわかっていないことを整理して頂きたいです。
誰かが出て来ている資料を整理して紹介してくれるとよろこぶ人は多いと思います。(当然ぼくもうれしい!)
P.S. ところで個人的にKataseさんは全然悪くないと思う。ぼくはなべさんとKataseさんが資料を示してくれることをとてもありがたく思っています。体調的に元気もないし、チェックする時間も取れないのですが。
300. サルガッソー — May 19, 2011 @12:29:45
そもそも民事はともかくとして刑事事件として立件されるという話も聞かれませんが
この流れはいつ決まったのでしょう?
301. 技術開発者 — May 19, 2011 @14:25:14
>情報ソースを教えていただけますでしょうか?
引用出来る形になっているものを探したけどありませんでした。
元ネタは5月15日の東電の記者会見の質問と回答です。
1号炉の非常用復水器が地震後自動起動して、作業員がマニアル西多賀って止めて、その後津波がきて復水器が止まったままになった事に関するやりとりの中に、「弁をあける直流電源が津波で障害を受けた」という発言があったと思うのだけど、引用できる形ではみつかりません。もし私の勘違いなら申し訳ないです。
安全設計で考慮(想定)する「事故」には2種類ありまして、1つは、工学的に考え得る最悪の事故で「重大事故」、もう1つは重大事故を超える「仮想事故」です。普通、「想定事故」と言った場合は前者の重大事故を指し、より狭義にはLOCA(冷却水喪失事故)と同義で使われます。「過酷事故」という用語が用いられることもありますが、これも重大事故の意味です。
仮想事故は「技術的見地からは起こるとは考えられない事故」ですが、原子炉立地審査指針では仮想事故が発生した場合においても周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを求めており、事業者は仮想事故時の被ばく評価を行い、この結果は立地条件の適否判断に用いられています。(もちろん公開されています)
一方、定期安全レビュー(PSR)で行われている確率論的安全性解析(PSA)は重大事故に至るあらゆるシナリオを想定し、最終的に炉心損傷に至る確率(CDF)を評価するものです。これは事業者が解析した結果を規制当局がレビューするという形ですが、規制の実務を担っているJNES(原子力安全基盤機構)でも研究活動の一環として独自にPSAを実施しています。JNESは研究成果の公表に積極的で、多くの資料が日本語と英語で制限なしに公開されています。Kataseさんの言われる国の機関からの提言というのがこのJNESのレポートです。尚、どなたかが当該レポートの著作権注記を批判しておられましたが、これはこのレポートが業務委託で作成されているため、受託者へ配慮したものかと思われます。
PSAのレポート内で想定しているシナリオの一つがたまたま実際に起こったシーケンスに近かったからと言って、その危険が「指摘されていた」とか対策が「提言されていた」ことにはなりません。十分に可能性の高い(と評価される)シナリオに対して何の対策も打たなければCDFが高くなってしまい、評価結果はNGとなります。実際にはレビューに合格しているので、PSA上は問題なしと判断されたわけで、ある意味国がお墨付きを与えたとも言えます。
後知恵では「これとこれだけでも対策しておけば…」というのはいくらでも言えるのですが、それは再発防止の観点からは重要ですが過失の判定には不適切です。
原子力発電を使い続ける以上、大衆が被ばくする原子力事故の可能性は決してゼロにはなりません。そのリスクを背負った上で利用する覚悟が必要です。一方、原子力発電をやめ、他の手段で電力を得たり、あるいは電力使用量自体を減らす選択をした場合、原子力事故のリスクはゼロになりますが国民の包括リスクが小さくなるかどうかはまた別の話です。
303. fisker — May 19, 2011 @20:12:38
非常用復水器の手動停止云々を含めた地震発生後のオペレーションの妥当性については、現時点で拙速に判断する意味もメリットもなく、状況が明らかになってから再発防止の観点で検証すればよいことだと考えます。状況もよく分からない中で専門家でもない人達が騒いだところで、正しい判断ができるとも思いません。
と断った上で一般論として申し上げると、安全系機器というのは事故などの非常時にダメージを少しでも食い止めることを目的としており、設計も操作手順もその観点で考えられています。安全系が作動するような状況において、経済的な損失を避けるために系統を危険に晒すということは普通考えられません。温度・圧力の急激な低下に際し手動停止することになっているのなら、それは安全上の理由によるはずです。また、電磁作動弁が直流電源喪失時に閉となる設計についても同様の理由と考えます。
BWRの系統にそれほど詳しいわけではないのであくまで推論ですが、日本でもアメリカでも(恐らく他の国でも)長年運用され、安全レビューを受けてきた原子炉でそんなポカが残っている蓋然性は、ゼロではないものの非常に低いと思います。
304. 匿名希・望 — May 19, 2011 @20:03:14
>後知恵では「これとこれだけでも対策しておけば…」というのはいくらでも言えるのですが、それは再発防止の観点からは重要ですが過失の判定には不適切です。
今このエントリでは正に、再稼働するに際しての「再発防止」の観点から議論しているのでは無かったのですか?
過失の有無を検討するに際しても、飽くまでもそのような過失を犯すに至った要因を分析して排除する事で「再発防止」を考える為だと思ってましたが違うのでしょうか?
>原子力発電を使い続ける以上、大衆が被ばくする原子力事故の可能性は決してゼロにはなりません。そのリスクを背負った上で利用する覚悟が必要です。
>一方、原子力発電をやめ、他の手段で電力を得たり、あるいは電力使用量自体を減らす選択をした場合、原子力事故のリスクはゼロになりますが国民の包括リスクが小さくなるかどうかはまた別の話です。
リスクの許容は単なる数学ではありませんよ。
同じ期待値なら一度に食らう最大ダメージも考慮の対象ですし。
国民全体のリスク期待値が同じかより低くても、引受先が偏るのならそれは公正さの問題を惹起します。
305. zorori — May 19, 2011 @20:17:24
>そういえば重大事故のときはたいてい免責の事故調査の話が上がってくるのですが今回はないですね。
>そもそも民事はともかくとして刑事事件として立件されるという話も聞かれませんが
>この流れはいつ決まったのでしょう?
司法が違法,適法を判断するような問題では無いからでは。そういうレベルの過失や犯罪の可能性は設置者の東電には多分なく,審査した保安院や安全委員会の判断の是非が問題になるぐらいではないかでしょうか。この場合は免責によって事故原因を解明する必要はありません。その裁定の基準は審査当時の津波等の学術的知見からみて明らかな誤りが有る場合でしょうが,津波の分野では見解が分かれていたとすれば責任を問うのは難しいでしょう。となると,学術的にも一致した見解のない事項についての政治的判断と言うことになります。政治的判断の(結果論的)誤りの責任は,現代日本では政治裁判は行われていませんから,選挙で有権者の裁定を受けるということしかならないのではないでしょうか。
例えば,姉歯事件の様な場合,「想定」すべきことは法律に定められていて違法かどうかは比較的明確に決まります。姉歯建築士は構造計算書を捏造という分かりやすい違法行為を行っていますし,確認審査機関や建築主事はそれを見落としたという行政責任が有ります。しかし原発の場合は「想定」すべき具体的内容は法律には規定されていません。指針が有るだけです。その指針に照らして設置者が自らの判断で想定し,それを行政機関の保安院が審査し認める事になっています。安全委員会は保安院の判断が正しいかダブルチェックします。この仕組みでは,東電については,審査資料の捏造などの審査を欺く行為がなければ,違法を問うことは出来ないと思います。審査側については,当時の学術的知見に著しく反した判断をした可能性はあるかもしれません。津波については審議会で産総研の岡村行信活断層・地震研究センター長が異議を唱えたことをどのように考えるかでしょう。これが岡村氏の個人的見解なのか,当時の標準的知見だったのかで,行政責任の有無が決まるのではないでしょうか。ただ,岡村氏は次に様に言っています。
http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2011/03/0327earth_quake_chiso/
-------引用--------
岡村さんも「石巻―浪江は確実な部分だけで、ほかにもグレーの部分はある。砂の侵入は内陸3〜4キロだが、津波自体はもっと奥まで進んだだろう」と指摘。厳密な証拠を求める科学研究と、想定外にも備える必要のある原発の防災対策を混同するべきではないと指摘する。
-------------------
つまり,学術的見解からすれば当然,想定しておくべき津波を想定しなかったという事ではなく,原発では想定外(想定すべき発生確率以下)にも備える必要がある,と言うご自分の政治的見解を述べられたようにも思えます。結局,法律論争でも,学術論争でもなく,政治判断ということではないでしょうか。
306. zorori — May 19, 2011 @20:37:13
原子力安全委員長が述べたような隕石の衝突やテロ攻撃を受けた場合にも安全で有るべきでしょうか。それともそれは諦めますか?
同じ趣旨の質問ですが,設置者や行政に何ら責任がない不可抗力の原発災害は許容できますか?
どちらとも言えないというのもあるかとは思いますが。
>と断った上で一般論として申し上げると、安全系機器というのは事故などの非常時にダメージを少しでも食い止めることを目的としており、設計も操作手順もその観点で考えられています。安全系が作動するような状況において、経済的な損失を避けるために系統を危険に晒すということは普通考えられません。温度・圧力の急激な低下に際し手動停止することになっているのなら、それは安全上の理由によるはずです。
マニュアルの件の規定の理由は、分かりませんが、急激な温度・圧力変化により燃料棒が熱応力により破損するということが「廃炉が始まった」には書かれていました。それでマニュアルをそれにあわせて修正されたと推定しました。修正するなら条件付で修正をするべきであったと思います。
まだ見ていないのですが、関連するWSJの記事を紹介しておきます。
http://jp.wsj.com/Japan/node_237921
308. fei — May 19, 2011 @21:34:37
個人的には、いろいろ参考になるご意見でした。ただ、いささか得心のいかないところもあるので、少々質問させてください。
> PSAのレポート内で想定しているシナリオの一つがたまたま実際に起こったシーケンスに近かったから
> と言って、その危険が「指摘されていた」とか対策が「提言されていた」ことにはなりません。
> 十分に可能性の高い(と評価される)シナリオに対して何の対策も打たなければCDFが高くなってしま
> い、評価結果はNGとなります。実際にはレビューに合格しているので、PSA上は問題なしと判断された
> わけで、ある意味国がお墨付きを与えたとも言えます。
とのことなんですが、原子力安全・保安院の、平成23年3月2日付けの文書「定期安全レビューにおける確率論的安全評価の位置付け」(http://www.nsc.go.jp/annai/kihon22/gensoku/20110302/siryo2-2.pdf
つまり、原理的に「十分に可能性の高い(と評価される)シナリオに対して何の対策も打たなければCDFが高くなってしまい、評価結果はNGとなります。」ということは成り立たないように思いますし、国がお墨付きを与えたことにもならないように思うのですが、いかがでしょうか。
309. e10go — May 19, 2011 @23:27:58
>PSAのレポート内で想定しているシナリオの一つがたまたま実際に起こったシーケンスに近かったからと言って、その危険が「指摘されていた」とか対策が「提言されていた」ことにはなりません。
>後知恵では「これとこれだけでも対策しておけば…」というのはいくらでも言えるのですが、それは再発防止の観点からは重要ですが過失の判定には不適切です。
・今回の様な津波が来れば炉心損傷被害が出るのは、原子力安全基盤機構の解析で判っていた。
・原発を作る際、およびその後の検討では、今回のような津波は来ない、とされていた。
・しかし、今回のような津波が来る事は、津波の研究で判っていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%A5%E6%B3%A2
津波の高さは防波堤・防潮堤にぶつかれば、海岸での波高の2倍以上になる事は既知の事実です。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq26.html
http://www.city.awaji.hyogo.jp/bosai_keikaku/pdf/shiryou/shiryou3.pdf
これは、原発政策における津波の想定に問題があった、つまり過失と言えるでしょう。
もっとも、起きた事を攻めても仕方のない事で、これを教訓に現在の原発を対策するべきでしょうね。
なお、浜岡原発で予定されている対策(高さ15mの防波堤を作る)では、今回と同じ津波が来ればフクシマの二の舞いになると思います。
310. ファブヨン
— May 20, 2011 @00:11:23
もしかしたら、公判を通じて新たにいろいろなことが明らかになって来るのかも知れません。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110519/trl11051912340002-n1.htm
311. Katase — May 19, 2011 @23:50:03
・NHK「かぶん」ブログ−【水野解説・原発1号機で一体何が・・?】
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/600/82370.html
>1号機については、運転員が非常用復水器を手動停止させた可能性が明らかになりました。これが妥当だったのかどうか。
まず、津波が来る前に停止させたのは、マニュアル通りなので問題ないと思います。ただその後、すべての電源が失われた緊急事態になっても非常用復水器の起動や停止を繰り返していた形跡があります。
この点は適切だったかどうか、きちんと検証する必要があると思います。
>この非常用復水器を起動すると急激に原子炉の温度が下がります。
たとえばガラスを急に冷やすと割れてしまいますが、原子炉にとっても急激な温度変化の繰り返しはよくないんです。
このためマニュアルではその場合、装置を停止させることにはなっているんですが、これはちょっとしたトラブルで原子炉が止まったときなど、いわば通常時のマニュアルなんです。
すべての電源と冷却機能が失われるというこの緊急事態の時に
この装置を止めることはやはり考えられません。
>この装置を動かし続ければ、その性能上、
少なくとも8時間は原子炉を冷却を続けることができました。
その分、事態の進展を遅らせることができた可能性があります。
>このためこうした緊急事態の時のマニュアルを東電はきちんと整備をしていたのかどうか。
運転員の訓練などをしていたのかどうかという点が焦点になってくると思われます。
今後、事故調査委員会などの場できっちりと検証されるべきだと思います。
注意点としては、運転員が非常用復水器を手動停止させたのは、確認された事実ではなく可能性があるというまだ推定の段階であることです。
ただし、もしそうした操作が行われていたのでしたら、すべての電源と冷却機能が失われるという緊急時には非常用復水器の起動や停止を繰り返していたのは不適切と考えられるとのことです。
緊急事態の時のマニュアルを東電がきちんと整備をしていたのかどうかという事についても、今後の事故防止の観点から検証されていく必要があると思います。
どんな高さの堤防を作ってもそれを超える津波がくる可能性はありますが、堤防を高くすればその確立を小さく出来る(ゼロには出来ない)ところに意味があるのです。
順番が前後して申し訳ありません。非常用復水器の手動停止についてですが、燃料を含む炉内構造物は温度変化で熱応力しか受けないのに対し、気相部は大きな圧力変化による応力を受けます。圧力バウンダリが維持できなくなれば過酷事故の危険が高まりますが、燃料が熱応力で損傷(破損はあり得ないでしょう)しても事故の推移や廃炉の可能性にはほとんど影響しないと思います。
313. ワカシム
— May 20, 2011 @03:50:16
>Kataseさんが今回の東電側のミスから教訓を得ようという、津波対策の個別の問題から話を始められたのに対して、
私が読んでいる限り、katase様は、教訓を得ることは期待しているかもしれませんが、ここまで投稿されている文章は、それよりも前の段階の、東電の危機管理の妥当性の評価が、まだ終結していないという立場で、それを評価する議論をしているのであろうと思っています。
そしてご本人は、東電側の過失という解釈を支持していたと思います。
なので、誰かが東電の危機管理の査定がいかに合理的で健全であったかを示せば結論が変わる可能性のある議論だと思うのですが、どうもそういった論点から外れたレスが多いので、「んもう!」となったのだとしか、私には読めませんでした。(katase様の投稿を主眼に議論を閲覧すると)
#286fei様
>せっかくお誉めいただいたのに恐縮ですが、私自身ちょっと考えを変えたところがありますので、説明させていただきますね。
私が「#278. ワカシム — May 18, 2011 @14:22:35」で取り上げた話は、あくまでkatase様が注目している論点に対してのレスのなかで、論点をはずしていない健全な議論が成立しているレス、という意味でfei様を一番多く引用したものでありますから、結論部分や判断の方向は、とくに考慮していません。
結論の方向付けに言及するほどおこがましくもありません。
したがって、論点に沿った話であれば、異なった見解がぶつかるのは健全な議論のありかただと思います。
katase様が「んもう!」と思われたのは、少なくとも氏が論点にしている部分とは関係のないレスが多いからだよな、と、私は読者として述べているだけです。
ここまでの議論を閲覧してきた私見として、東電側の危機管理が本当に妥当だったのかといえば、後知恵という非難が不適切な程度には不誠実であった可能性は十分に残っていると思いますし、そうでない可能性も十分に残っていると感じていますが、ここでの議論を閲覧している段階では、自分はどちらの解釈が妥当か判断していません。
あくまで、私がここでの読者として表明していることは、議論の健全性が損なわれていて、さらに、その大部分はkatase様の非ではないという認識を、読者として表明した次第です。(それが#278の投稿)
※異なった論点の議論が並立していることはかまわないと思います。
またkatase様が中心にすえている論点を「大事ではない」と思う方は、議論にお付き合いする必要はないと思いますし、異議があれば正面からレスすれば良い話だと考えます。
314. Wien — May 20, 2011 @04:31:35
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/plant-data/f1_7_Sousajisseki.pdf
に情報があります。
運転員が手動で非常用復水器を止めた件については記載がないですね。
また2号機のベントで格納容器の圧力低下が確認できないことも書かれています。
315. zorori — May 20, 2011 @05:56:44
>津波の高さは防波堤・防潮堤にぶつかれば、海岸での波高の2倍以上になる事は既知の事実です。
引用先には、次のような記述しか見当たりませんが、何処に書いてあるのでしょうか?
-----------------引用-----------
、「遡上高」は気象庁から発表される「予想される津波の高さ」と同程度から、高い場合には4倍程度までになることが知られています。
------------------------
防潮堤は津波の高さ+αを防げれば良いのでは?
316. と — May 20, 2011 @06:56:38
安全委員会としても、かなり指針を厳しく変える方向みたいです。個人的に関係者に知り合いがいるので、そんな空気は感じていましたが、学者組織なので切り替えは早いです。
一方の保安院は、官僚組織なのでそう簡単に方針は変わらないと思いますが、組織改変なども噂されているので、どうなるかはわかりません。
> 想定しておくべき津波を想定しなかったという事ではなく,原発では想定外(想定すべき発生確率以下)にも備える必要がある,と言うご自分の政治的見解を述べられたようにも思えます。
えー、カギカッコ内ではそうは読めないので、それは編集の解釈ではないでしょうか?想定外にしようとしていたような事象が、ある程度の確率で起きた可能性があるだろうということを言っているわけでしょ。おきたかどうかが確かじゃない点がグレーなわけですがおきた可能性は結構。そもそも、「想定すべき発生確率」ってどこかで定められているんでしょうか?
zororiさん ― May 19, 2011 @20:37:13
>隕石の衝突やテロ攻撃を受けた場合にも安全で有るべきでしょうか。
まあ人によって違うとは思いますが、
大きい隕石の直撃はあきらめて良いと思います。
テロ攻撃は、具体的な内容によるんじゃないかと思います。
核兵器の直撃とかの時に安全を期待することはできないでしょう。
318. Isshocking — May 20, 2011 @08:05:45
>防潮堤は津波の高さ+αを防げれば良いのでは?
e10goさんは資料の読み込み不足だったのだと思います。
http://www.city.awaji.hyogo.jp/bosai_keikaku/pdf/shiryou/shiryou3.pdf
に
「切り立った地形に津波が遡上した場合は、沿岸での津波の高さ程度まで浸水します。」
とあります。
また、事実上も福島第一に押し寄せた津波は14m程度で、原子炉建屋の浸水もGL(海抜10m)+4.5mと評価されていますから、矛盾しません。
319. Katase — May 20, 2011 @07:23:14
私の考えとしては、
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305669490
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1304903496#CID1305674717
にコメントした通りです。再度書きますが、
私は、原発を今後も存在させるとしたら、これからどうしていったら良いだろうかと考えています。
その為には、事実関係をできるだけ把握して問題点を挙げていき、現実的に可能な改善策を検討してみて、どの様に対策していくとより良いのかを考えるのは、必要な流れだと思っています。
東電の危機管理の妥当性の評価は、その過程の中のスタート地点の1つとなるものであると思っています。
とさん — May 20, 2011 @06:56:38 — ご紹介の岩手日報の記事『原発の各種指針見直しへ 安全委「明らかに間違い」』によりますと、
>原子力安全委員会の班目春樹委員長は19日、福島第1原発事故を受け、原発の安全設計審査指針など各種指針を見直す方針を示した。安全設計審査指針は「長期間にわたる全電源喪失を考慮する必要はない」と規定しており、班目委員長は「明らかに間違い」と述べた。
>今回の事故は電源喪失で事態が深刻化した。班目委員長は記者会見で、津波による電源喪失に対して防護が十分でなかったと説明。「(安全対策に)穴があいていたことが分かってしまった」と語り、多重防護を原則として指針を改定するとした。
>3月11日の地震では福島第1原発の2、3、5号機で、想定した最大の揺れの強さ(基準地震動)を最大3割超えた。班目委員長は「予想を上回る地震だった」とし、耐震設計審査指針も見直し対象になるとの考えを示した。
原子力安全委員会の方も、福島第一原発の事故に関する事実関係をできるだけ把握して、これまでの問題点を挙げていき、それらに対する改善策について検討を始める様です。
P.S.技術開発者さんについては、これまでも根拠を示さずにご自分の憶測や思い込みだけから論じられる場合が多く、過去に別エントリーで私からも指摘をさせて頂きましたが、それに対しては無視をされてこられました。
例)
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303686889
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303720693
何事も憶測や思い込みだけから自論を展開されるのは控えて頂きたいと思います。
320. Isshocking — May 20, 2011 @08:19:06
>このためマニュアルではその場合、装置を停止させることにはなっているんですが、これはちょっとしたトラブルで原子炉が止まったときなど、いわば通常時のマニュアルなんです。
すべての電源と冷却機能が失われるというこの緊急事態の時に
この装置を止めることはやはり考えられません
「ちょっとしたトラブル」で非常用復水器、隔離時冷却系を操作することは無いと思います。
また、操作時は計装系がほとんどダウンしていて、原子炉内で何が起こっているか定量的に把握できない状況だったことを勘案する必要もあります。
何が観測可能で何が制御可能だったかを把握する前に操作の妥当性を俎上に乗せないほうが良いと思います。
321. fei — May 20, 2011 @07:47:52
何度もすみませんが、
> また、JNESのレポートもざっと眺めただけなのですがCDFが高いので対策が必要、とはなっていな
> かったと思います。(確認はしてません)PSAでは非常に確立が低い事象も扱いますので、そのシ
> ナリオの1つに津波から過酷事故に至るシーケンスが想定されていても必ずしも対策が必要という
> 評価にならないことは変わりません。「津波がくる(可能性がある)こと」自体に意味はなく、
> あくまでも問題はその確立です。
同レポートの序論なのですが、「改訂後の耐震設計審査指針で考慮すべき事項として指摘されている地震時の随伴事象である津波のPSAのモデルを構築していく際の予備的な検討として、津波時の基本的なシナリオを検討した」とあります。ですから、「対策が必要」とは確かになっていないと思うのですが、そもそもこの報告書では対策の必要性を検討されていないのではないでしょうか。
さらに、津波PSAについては、巻末の付録にまとめられていますが、「この評価精度を上げるためには、プラントの解放基盤面の地震動レベルに応じた、津波ハザード・フラジリティー(波高毎の発生頻度等)データの整備が不可欠である。」とあるように、発生確率については、まだ十分なデータが整備されていないことが示唆されています。
つまり、個々のプラントにおける津波のCDFへの寄与は、妥当な津波PSAモデルが構築されて、津波ハザード・フラジリティーのデータが整備された後で個々に評価され、その結果CDFが高くなればプラント毎に対策が必要になる、という流れであって、少なくとも2008年はその準備段階つまり確率が高いから対策が必要とか確率が低いから対策は不要とかの検討以前の段階にあったと読めるのですが。
>隕石の衝突やテロ攻撃を受けた場合にも安全で有るべきでしょうか。
これを心配するなら、都市の人口密集部への隕石直撃や爆弾テロの方を心配すべきであって、相対的に原発単独にリスク考慮する必要は薄いと思います。
323. fisker — May 20, 2011 @09:36:46
JNESのPSAレポートについてですが、確かにそんなことが書いてましたね。レポートの解釈としては仰る通りだと思います。
324. Katase — May 20, 2011 @09:13:00
私も、注意点として可能性の段階であると注釈を入れましたが、
非常用復水器を手動で停止した可能性があるとしたのは、東電側の説明によるものです。
・朝日新聞「地震・原子炉圧力上昇・津波…東電、データ4冊分公表」
http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY201105160495.html
>東電は非常用復水器の停止の原因は不明としているものの、炉内が冷えすぎたため手順書に従って人為的に閉めた可能性があるという。
手順書に従った緊急時の操作が不適切であった可能性があるということで、NHKの水野解説員の指摘の主眼も、緊急時マニュアルがきちんと整備されているかを検証していく必要があるだろうというものです。
325. Isshocking — May 20, 2011 @09:48:38
>外部電源系の安定性への過信があったように感じている面があり、
あまり話題になってませんが、今回の地震では東北電力の送電線保護がうまく機能しなかったため、東通原発では一時ながら、外部電源喪失を起こしました。
数県をまたぐような広域災害の場合は、あちこちで負荷短絡や発電所・変電所のトリップが起こりますので、そうすると送電線が無傷であっても電源復旧はかなり困難になります。
広域震災時の幹線系の機能確保は、まだ信頼性において難有りと思うべきですね。
326. もと美術系 — May 20, 2011 @10:43:07
ごんべえさんとIsshockingさんが答えられましたが、出来れば他にも、当エントリーで発言している皆さんの意見を伺いたいです。
> zorori May 19, 2011 @20:37:13
> 原子力安全委員長が述べたような隕石の衝突やテロ攻撃を受けた場合にも安全で有るべきでしょうか。それともそれは諦めますか?
> 同じ趣旨の質問ですが,設置者や行政に何ら責任がない不可抗力の原発災害は許容できますか?
Isshockingさんが仰りたいのは、非常用復水器や隔離時冷却系が働くような事態はそもそも緊急事態なのではないか、ということではないでしょうか。
328. かとう — May 20, 2011 @11:09:41
問い自体がナンセンスです。
隕石の直径が10kmだったら原発どころじゃなく、その範囲一帯壊滅ですね。1mmの隕石で壊れる想定も難しいし。
テロだって、内偵されている中核派あたりが火炎瓶とゲバ棒持って来た位で何とかなるわけじゃないだろうし、その程度警備で止められないようでは話にならないし、上で書いたように民間飛行機をハイジャンクされて突入なら、自衛隊に交戦規定を与えていない国なんだから突入されるし。
「何を想定するか」を決めていない以上、ただのナンセンスな問いです。
329. 技術開発者 — May 20, 2011 @10:40:16
>広域震災時の幹線系の機能確保は、まだ信頼性において難有りと思うべきですね。
私の仕事場は以前は準工業地帯にありまして、特別高圧線が引き込みやすかったので、内部に特高変電設備をもっていたんですね。その頃からの意識として「特高は停電しないなぁ〜」なんて意識があるわけですよ。なんていうか、住宅地と混在が進んでいたんだけど、周りの民家が停電して暗くなっている時でも特高変電のある近くの工場とか私の仕事場は普通に明かりがついている訳ね。特別高圧を引き込むにえらい負担金がかかりそうな所へ移転したので普通の受電に成った訳だけど、停電とかを経験するたびに「前は停電しなかったな」なんて今でも同僚に言われる訳です(笑)。
なんていうか、単に特高受電のユーザーであっても「特高は停電しない」みたいな意識がめばえるくらい安定していた訳で、それが過信を生んできたのかもと考えたりするわけですよ。
330. SF物理マニア — May 20, 2011 @11:38:04
いや、地球規模です。ハルマゲドンです。
331. e10go — May 20, 2011 @12:16:47
>>津波の高さは防波堤・防潮堤にぶつかれば、海岸での波高の2倍以上になる事は既知の事実です。
>引用先には、次のような記述しか見当たりませんが、何処に書いてあるのでしょうか?
すみません。波高の2倍以上の根拠になる説明をネット上で見つけられないので、遡上高の説明が載っているURLを示しました。
なお、以下のURLでは「防波堤が津波の高さより高い場合、津波は防波堤に衝突すると約2倍程度の高さの波となって上方に打ち上がり水塊が防波堤の背後に落下してくる。」と記載されています。
http://www.jma-net.go.jp/ishigaki/tmanual/6syou.htm#06-3
津波が防波堤や高い岸壁にぶつかった時の振る舞いをネット上で詳しく説明しているのを探せないでいますが、以前に読んだ文献の記憶で説明します。
(1)津波は海面が高くなった状態で沖から海岸へやってきます。
(2)津波が津波の高さより高い岸壁や堤防等の壁にぶつかります。
(3)津波自身に勢いが付いている為にそこで押しとどめられる事はなく、海水がその壁を駆け上ろうとします。
海の波しぶきが波より高いのは、こういう理由ですね。
(4)後からやってくる海水により壁を駆け上る威勢がより強くなります。
これが、防波堤・防潮堤での遡上高が津波の高さよりも高くなる理由です。
>同じ趣旨の質問ですが,設置者や行政に何ら責任がない不可抗力の原発災害は許容できますか?
少し用語を修正すると説明しやすいんですね。
かってに「設置者や行政に何ら過失がない」と言う事にさせていただけると、日本国民が「そんなの許容出来ない」と考えたから、「事業者の無過失責任」という、法体系から見るとイレギュラーな規定を持つ「原子力損害の賠償に関する法律」というのが成立している訳ですね。
でもって、この法律に「異常に巨大な天災地変」なんて「無過失責任の適用除外」の但し書きがある訳ですが、こんなのに厳密な法律的な基準は無くて、考え方としては「社会通念」が基準だろうと思います。社会の多くが「いくら無過失責任といっても、こんな酷い天災で責任を負わせるのは良くない」と思うなら、この但し書きの「異常に巨大な天災地変」を適用する事になるし、社会が「そんなことはない、この程度の天災なら耐えろ」と思うようなら、適用しないだけの話じゃないかな。
333. hn33jp — May 20, 2011 @12:55:04
どれほど科学的に検証されたものなのか分からないので、ここで紹介するのが適切かどうかは疑問ですが、こんなサイトがあります。ちょっとした読み物としては、面白いです。
http://matome.naver.jp/odai/2128203609272402101
隕石が当たる確率は、100億分の1だそうです。
334. かとう — May 20, 2011 @13:19:49
津波の海岸到着時の波高が、沖合いでの波高の何倍になるかなんて、そう簡単に解るわけじゃありません。
平たく言えば、湾の形状とその津波の周期まで考えないと駄目って事です。干満差が全ての海岸で同じじゃないのと同じです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E6%B9%BE#cite_note-0
詳細はこういう論文もあります(干満差の話ですが)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004758690
335. KY — May 20, 2011 @14:17:22
現状を見てると、世間は『「そんなことはない、この程度の天災なら耐えろ」と思う』方向に流れている気がしますね。
実際、KYも東電の粗探しをしてた方が「楽しい」んですよね。で、知らない間に原発推進の片棒を担いでる、と。KYは馬鹿だから。
以上、無駄コメ失礼。
336. げげげ — May 20, 2011 @14:56:06
1号機の水素爆発はまあしょうがないと思いますが、2号機3号機はしばらく非常用の冷却装置(隔離時冷却系?)が動いていたようですし、その気になればいつでも海水注入して水素爆発防げたような気がするのですがなぜ2号機も3号機も爆発防げなかったのでしょう?
少なくとも東電発表によればそのような推定になると思います。
しかしながら、ネットを調べると「ECCSの配管が地震で損傷していた」という話もありました。この場合、ECCSが自動起動したらすぐに、障害配管から水漏れを起こして、圧力・温度が急激に下がるというのは説明がつきます。オペレータはマニュアルでなく、そのような現象を見てECCSの復水器のバルブを閉めたというのもありかなとも思います。
まだまだ、情報の開示が不足していると思います。
338. e10go — May 20, 2011 @17:23:07
>平たく言えば、湾の形状とその津波の周期まで考えないと駄目って事です。
防波堤や岸壁の波高がその2倍になるのは、津波が持っているエネルギーによるものです。
湾の形状で効いてくるのは、沖からの波が狭い所で重なるための効果で数倍になる事で、湾の形状は関係ありません。
海岸における津波の高さは地震の規模により決まります。
沖合いの水深100mで波高が1mなら海岸ではグリーンの法則で3mに達します。
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/know/tsunami/ryoteki.html#takasa_yosoku
津波の周期もここでは関係ありません。津波の波長は数キロから数百キロに達しますが、そちらの方が効いてきます。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq26.html#tsunami_4
津波が海岸に達した時には時速36キロ程度の速度があります。しかも後ろから波が押しているから防波堤や岸壁にぶつかってもその勢いは衰えません。
http://www.jma-net.go.jp/ishigaki/tmanual/1syou.htm
これだけのスピードの波なら波高が2倍になるのは不思議じゃないでしょう。
339. e10go — May 20, 2011 @17:32:34
<誤> 湾の形状で効いてくるのは、沖からの波が狭い所で重なるための効果で数倍になる事で、湾の形状は関係ありません。
<正> 湾の形状で効いてくるのは、沖からの波が狭い所で重なるための効果で数倍になる事で、防波堤や岸壁の波高が2倍になるのとは関係ありません。
340. zorori — May 20, 2011 @21:40:42
>えー、カギカッコ内ではそうは読めないので、それは編集の解釈ではないでしょうか?想定外にしようとしていたような事象が、ある程度の確率で起きた可能性があるだろうということを言っているわけでしょ。おきたかどうかが確かじゃない点がグレーなわけですがおきた可能性は結構。そもそも、「想定すべき発生確率」ってどこかで定められているんでしょうか?
確かに伝聞情報なので信頼性が低いですね。で、議事録原文をざっと見てみましたが,想定外云々の発言は見あたりませんでしたので前のコメントは取り下げます。学術的な議論で「過失」を問うのは難しいと思いますが,検討を行いますと答えながら,無視したような事実があれば「過失」になるかもしれません。
ただ1箇所,工学的判断に類する発言が有りました。明らかに考慮すべき地震を考慮していないというのではなく,地震動についてはよく分かっていないし,先延ばしにして検討しても進歩はないだろうから,それなりのものを考慮すべきというような意見かと思います。これは私の解釈で偏っているかもしれませんので,原文を引用します。
-------引用----------
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/107/3/033/gijiroku33.pdf
○岡村委員 この中間報告の性格をどう考えるかだと思うんですね。ただ、現状でわかっている
ことは、先ほど申し上げたことなわけですね。そこからどういう地震動が考えられるかというこ
とは、まだ研究としては全く行われていない話ではありますけれども、ただ、そういう海溝型地
震に関する知見というものを考えると、それなりのものを考えるべきではないかというのが私の
意見です。だから、それをここに入れていただけるのかどうかということだと思います。
だから、地震動に関しては、よくわかっていないということもありますから、今後検討すると
いうことでもいいのかもしれないですけれども、ただ、実際問題として、この貞観の時期の地震
動を幾ら研究したって、私は、これ以上精度よく推定する方法はほとんどないと思うんですね。
残っているのは津波堆積物ですから、津波の波源域をある程度拘束する情報はもう少し精度が上
がるかもしれないですが、どのぐらいの地震動だったかというのは、古文書か何かが出てこない
と推定しようがないとは思うんですね。そういう意味では、先延ばしにしても余り進歩はないの
かとは思うんですが。
---------------------
「想定すべき発生確率」も地震についても明確に定められていないようで,「考慮する活断層は更新世以降(12から13万年以降)」ぐらいですね。
実際に地震についてどの程度に設定したのかは,東電の資料(P91〜93)に「設計用地震の年超過確率が10^-4〜10^-6」とあります。http://www.tepco.co.jp/nu/material/files/fg09062401.pdf
341. ふぃっしゅ — May 20, 2011 @20:34:49
たぶん、それを考える視点が違うのだと思います。
現場でリスクマネージメントを考えている側のとらえ方と、第三者的に対応策を考えたり受けとめる側の差だと思います。
kataseさんに、「ミスと考えているのか」「その対策で防ぎ得たと考えるか」をはじめとしてたくさん質問や意見がありましたが、質問をされる方々はおそらくリスクマネージメントを意識して働いた経験がある方で前者の立場、そしてkataseさんは後者と思って読んでいます。
生命や社会へ大きな影響を与える重大事故へのリスクマネージメントを必要とし、常に意識しながら働く職場は限られています。
医療や運輸などの重大事故後の報道をみても、現場と社会の受け止め方の差を感じます。
同じことを、今までの議論の流れに感じています。
私自身「今日も医療事故が起きませんように」と祈りながら出勤している立場なので、技術開発者さんやzororiさんをはじめとした方々のリスクマネージメントという視点でのコメントがとてもわかりやすいし勉強になります。
さらに、それがうまく伝わらないもどかしさも、どうしたら理解しあえるのかという点で勉強になります。
どちらが正しいとかではなく、リスクマネージメントを求められる側と求める側の考え方の違いなのだろうと思います。
ネット上でウォールストリートジャーナルの記事が紹介されていました。
「福島第一原発、事故直後の事実が明らかに」2011年5月19日
http://jp.wsj.com/Japan/node_237921
その中で、「復旧の時間はもっとあると勘違いしていた。」「それぞれの組織が自分のチャンネルを使って情報を発信し統一性がなかった。」「電源を復旧させる時間はまだ8時間あると考えていた。」など、そこで働いていた人の発言が掲載されています。
一見普通のインタビューですが、自分の判断や行動を報告・分析するヒューマンエラーに対する訓練が徹底されていることが解りますし、リスクマネージメントを理解した記者によるインタビューであると思います。
原子力の現場はさらにリスク対策を徹底することでしょう。組織として当然の方向性だと思います。
社会が安全対策を求めればより安全な原子力発電の技術を生み出す方向になる。脱原発の方向性との矛盾をどうするか、これまでここでも何人もの方が問われてきました。
こういう答えの出ない苦しみに、拙速にならずに考え続けるしかないのではないでしょうか。
お答えいただきありがとうございます。
ご三人とも,原発以外でも相当の被害が出るような災害は仕方ないというお考えですね。
ところが,15Mの津波で,3万人近くの犠牲者が出ていますが,福島原発事故も仕方無いと思う人は少ないように思えます。仕方無いと思わないのは,不可抗力ではなくて過失が有るからという思いのためではないかと考え二つ目の質問も入れました。
>「何を想定するか」を決めていない以上、ただのナンセンスな問いです。
説明が不足でしたが、隕石直撃やテロを設定したのは「対処しようがない原因」という意味でした。それは諦められますかという質問です。対処しようがない原因なら諦めるしかないではないかとお考えかもしれませんが、それは原発を作るという前提だからです。原因の隕石やテロには対処できないなら、原発を作らないことで原発災害は防げます。そこまでしても原発災害は許容できないのか、対処できない原因による原発災害は諦めて原発を維持するのかという質問でした。結局、後者であるとお答えいただいたことになります。
私は、今回の事故の過失の有無にかかわらず,原発は廃止してもらいたいと思っています。この立場では、則,停止可能なら再発防止策も必要ありません。でもそれは無理で当面は稼働せざるを得ませんせんから過失追求や再発防止策の検討と実施は必要と思います。ただ、そうすることで,再起動と原発継続前提であるかのようにすり替わってしまうのを恐れています。
343. zorori — May 20, 2011 @23:13:36
ありがとうございます。
なるほど,ご説明のようなことは当然あると考えていましたが,2倍という具体的数字は知りませんでした。
かとうさん,
>津波の海岸到着時の波高が、沖合いでの波高の何倍になるかなんて、そう簡単に解るわけじゃありません。
いや、海岸と沖合の波の高さの違いではなくて、同じ海岸で障害物の防潮堤がある場合とない場合での波の高さの違いです。
344. zorori — May 20, 2011 @23:15:33
>社会の多くが「いくら無過失責任といっても、こんな酷い天災で責任を負わせるのは良くない」と思うなら、この但し書きの「異常に巨大な天災地変」を適用する事になるし、社会が「そんなことはない、この程度の天災なら耐えろ」と思うようなら、適用しないだけの話じゃないかな。
まさに,その社会通念の一旦を知りたいというのが質問の目的なのです。
で,東日本大地震は「異常に巨大な天災地変」とは思っていない人が多いようですね。3万人近く犠牲者があってもです。じゃあ,隕石直撃ならどうかと質問したのです。
今回の原発被害を起こせる程度の隕石や飛行機が都市部に直撃しても3万人の犠牲者は出るとは思えませんけど。
345. zorori — May 20, 2011 @23:26:29
本質には関係ない細かいことですが、補足します。
津波の波高が高くなるのは、水深が浅くなるとスピードが落ち、後ろの波が追いつき重なりあうためで、単にスピードの問題ではなくスピードの変化の為だったと記憶しています。チリで発生した津波の太平洋の真ん中あたりの波高さは数センチしかなく船に乗っていても分かりませんが、速さはとんでもなく速いので1日で日本に到達して10メートルにもなるのですね。
346. Katase — May 20, 2011 @22:58:46
私は企業に勤めていた時に、研究所担当の仕事として日本で導入が始まったばかりのISO2001の環境管理マニュアルを草案から書きましたが、その業界で認証を初めて受けた企業となりました。日頃の環境に対する負荷を下げる為の化学物質汚染防止の安全対策や非常時の緊急対応マニュアル等の作成をして緊急時対応の訓練も指揮していました。実際に日常での実施に加えて緊急時の訓練も定期的に行い、その都度各マニュアルの不備に気付いた点を改訂していきました。
(ちなみに、私の書いた環境管理マニュアルは、当時これを導入しはじめた他社の手本として参照されました)
また、私は原発が多数ある福井県敦賀市にも住んでいた経験があり、原発のある地元住民の気持ちも分かります。その実体験から分かるのですが、地元の人達は原発事故は日常の漠然とした恐れになっています。福島で実際に原発事故が起きたことから、この恐れは非常にリアルなものになっていると思います。安全性の向上が無ければ、地元は原発の再起動には合意しないでしょう。
私は、安全を管理をする企業の立場(しかもマニュアル作成と実施の管理を担当)と、地元住民の両方をリアルに経験しているので、両者のどちらの立場に偏ることもなく、両方から均等に距離をとっていると思うので、むしろ、どっちつかずの印象がでたのかも知れないと思っています。
急激な電力減少を防ぐには原発を再起動をしていった方がいいけれども、地元の同意無しでは不可能です。地元の同意を得るには、原発により安全な対策をして受け入れて貰わないとならなりません。それには、原発事故でそれまでに判明した問題点から対策を立てていき、今年の夏までには暫定的な安全基準を示してそれに対する応急的な対策がされなければなりません。
まずは、応急の安全対策でどこまで地元がOKしてくれるのか。今、分かっていることを基に、2ヶ月でどれだけ効果のあると思える応急対策がとれるかだと思います。
再起動には地元の合意が必要になってきます。他県の人達が電気が必要といっても、それだけでは通用しないでしょう。
国が早く安全基準の見直しを進めて暫定的な対策を示さないと、再起動はやっぱり困難になると思います。もし事故が起これば直接の被害を被るのは地元の人なのですから。
それと、再起動の問題はこれから繰り返し続きます。緊急だからと説得して最初の再起動はクリアしても、どんどん次がやってきます。きちんと安全対策を検討していかないと、いつまでも緊急処置では地元のOKは取れないと思いますし、改善を進めていかないと不信も生まれるでしょう。
地元民の立場からは、これまでより安全性を高めて事故の可能性を下げて欲しいと思います。
企業のリスクマネジメントの立場からは、問題を見つけ出してどうしたら防げたのかを考え、それに対する現実的に対応できる改善策を検討して対処していき、地元に改善内容の説明と再起動の理解を求めていくことになると思います。
まだ復興という段階じゃないかも知れないけど津波に強い街作りとか検討されているのかなぁ・・・。
348. かとう — May 20, 2011 @23:22:14
設問は了解しました。この回答の意図です。
>そこまでしても原発災害は許容できないのか
僕は許容するという日本国民の合意があったから作ったんだと思ってます。
だって、その頃はまだ約10年前のヒロシマ・ナガサキの記憶も残っていて(30年前の小学校だって8/6は登校日で黙祷してました。今の小学校はどうでしょう?)、第五福竜丸の事故も起きた直後ですよ。核に対する不安感なんて、今以上にあったのに原発を作り始めたんですよ。
(廃炉や使用済み核燃料の問題等、後処理を楽観しすぎの見切り発車がいい加減すぎるのは駄目すぎますが。)
当時、大人だった人に聞いてみたいですが、もう90オーバーか。。。
e10goさん、zororiさん
僕の勘違いでした。
垂直方向にも水平方向にも平らな壁を作ったとしても乗り越えられてしまうって話ですか?
複雑な形状を作り、渦等を起こさせてエネルギーを減らすとかそういう技術的な話になっていくのかな。ちょっと形状をってぐらいじゃどうしようもないけど。
349. Katase — May 20, 2011 @23:46:43
ISO2001→ISO14001でした。訂正致します。
(またおっちょこちょいをしてしまいました)
350. しがないSE — May 21, 2011 @00:42:22
「技術開発者さんはKataseさんと同じことを言ってると思うんだけどなんでこういうやり取りなのかなぁ」とちょっともやもやしながら見ていたのですが、なんだか少しわかった気がしました。
少なくとも、対立項であったりどちらかが正しいとか分があるとかではなく、単に分析の手法とレイヤが違うだけなんじゃないでしょうか。
うまく表現できないんですが、私はハンドルにあるとおりしがない一介のSEでして、それも某巨大製造業の関連会社なので、いきおい、生産管理の現場系の話に親和性があったりします。
日本の製造業界では「なぜ5回」なんてのとかいろいろありまして、「起きた問題そのものではなくて問題の本質を探してそこから改善策を考えましょう」なんてのがわりとポピュラーです。
もともとの成り立ちは、起きている問題を各個撃破するんじゃなくて、その根元から断ちましょうということなんですが、ただこれは、緊急対応には向かないんですよね。
自分が持っているイメージでは、ISOなどの守備範囲は、"そこにすでにある問題"とか、「なぜ1〜2回」階層ぐらいな感じで、即効性はそこそこあるけれども、応用度が少々低いというか。
#別にKataseさんのご意見がそうだといってるわけじゃないですよ!
まぁ「肩がこる」といってマッサージに行って「ココを押したら気持ちいい」というツボと「ココを押すと全体的に快調になるツボ」が違っていて、結果はどちらを押しても悪くないんだけど、押してほしいツボと押されるツボが違うと、「あぁ違うんだよぉ」みたいな感じかと
#卑近な話にしてしまって申し訳ありません...
以下は四方山話みたいなもんなんですが、日常、SEとしてシステムの設計なんかやって、「SPOFの回避」なんて話があって、部品とかは多重化しておくんですが、これは故障率がゼロでない以上、どこまで多重化しても絶対の安全はないわけで、偶然というかなんと言うか、先般、「電源障害」に遭遇してしまいました。
細かいところはお話できないのですが、障害の経過などを調査・分析した結果、システム導入当時の設計方針に照らせば、「ミスがあった」ということにはならないよね、という話になりました。
システムが障害停止しちゃったお客さんにしてみれば、そうは言ってもちょっと配慮すれば回避できたんじゃないかという話もあるにはあるんですが、結論としては「目的に対する手段のリスクを事前に合意すること」というのが今後の回避策としてけりがつきました。
要するに「設計が間違っているわけではないことは理解するけど、"こんな場合に電源障害でシステム止まっちゃうけど、それでいいんですか?"と確認してくれればよかったのに」という話です。
このときはたまたま故障箇所が悪くて、本来のフェイルセーフが機能せずにシステムが停止してしまって、電源が問題であることといい、故障箇所は「想定外」だったし、障害ケースとしてもあえて実装しなかった箇所であったりと、不謹慎ながら、原発事故を思ってしまった一件でした。
「全電源喪失に対策が打てていなかった東電に過失はあったか」という話については、第三者的には、まぁ過失といっていいんじゃないの、と思うのですが、似たようなことをやらかした身としては「そう言えなくもないことはないんだけど...」と歯切れの悪い意見が出てきてしまいます。
与太話で失礼しました。
351. Katase — May 21, 2011 @01:36:08
http://p1.qee.jp/iso14001-guide/acquisition/bunsho.html
規格が要求する記録は、以下のものがあります。
ISO14001の規格が要求している”文書化”又は”手順”は、次のものがあります。私は、以下の文書類全てをできるだけ継続して実行しやすいものにする事を心がけて、草案から書いて責任者として実施していました。
上からの命令とはいえ本業の研究が一時期中断して大変でしたが、かなり勉強になりました。ISOは少し特殊ではありますが、リスクマネージメントの観点からは、共通性が高いと思います。
4.1 一般要求事項
4.2 環境方針
4.3.1 環境側面
4.3.2 法的及びその他の要求事項
4.3.3 目的、目標及び実施計画
4.4.2 力量、教育訓練及び自覚
4.4.3 コミュニケーション
4.4.4 文書類
4.4.5 文書管理
4.4.6 運用管理
4.4.7 緊急事態への準備及び対応
4.5.1 監視及び測定
4.5.2 順守評価
4.5.3 不適合並びに是正処置及び予防処置
4.5.4 記録の管理
4.5.5 内部監査
>ISOは少し特殊ではありますが、リスクマネージメントの観点からは、共通性が高いと思います。
意思決定と行動・結果の「見える化」は常に意識されるべき事柄ですね。
わたしもISO9000とかISO14000の立ち上げにはちらと関わったことがありますが、確か研究開発部門とか1品制作部門ではおそろしく管理標準を実行するのが困難で、除外していました。
特許管理の都合とか、納入先などの関係で守秘義務があったりして、そうそう情報開示できないものも多かったのです。
353. zorori — May 21, 2011 @06:35:59
#345. zorori — May 20, 2011 @23:26:29は反射的に書いてしまった的外れなコメントでした。
防潮堤で遮られることでの波の上昇は確かに波の速さに関係しそうです。
354. Katase — May 21, 2011 @06:55:14
研究部門でのISO14001適用例が当時皆無で、他は参考にならないので0から作成するのは大変でした。
私の所属していたのは企業の中で半ば独立した分析関係の研究所で他社からの分析依頼なども常時あり、個々の分析結果などを除いては秘密保持の必要性は特になく、逆にISO14001の認定というのが宣伝になるという事で導入が決定されました。
手本となるものが何もなく、ISO14001について徹底的に勉強してその理念に基づいて研究部門に応用していきました。作成しなきゃならない書類はやたらと一杯ありますし、しかも各書類が相互に関連しているので、1つを少し書き換えたら、漏れなく全てを書き換えなければならなかったりして、とても大変でした。
書類作成の期限が迫ってきた時は、ほぼ連日徹夜の状態でした。(^^;)
認定申請の際の質疑応答の訓練もしなきゃいけなくて大変でした。
無事に認定にこぎ着けましたが、今から思うとよくやったもんだと自分でも思います。(私、官僚になっても意外とやれるのじゃないかと、半ば本気で思いましたよ。笑)
ISOには14000シリーズとは別にISO9000シリーズがあり、そちらは工場などでの品質管理が主なものです。しがないSEさんがご存知だという応用度が少々低いISOは、生産管理の現場系ということですので、ISO9000シリーズの方ではないかと思います。
355. ごんべえ — May 21, 2011 @07:22:03
>で,東日本大地震は「異常に巨大な天災地変」とは思っていない人が多いようですね。
巨大な地震ではありますが、地震の規模として世界で60年間に5回ある程度の地震ですから、プレート境界のそばであることを踏まえると異常とは言いがたいでしょう?マグニチュードが過去最大からもう一つ上がってエネルギー30倍のM10.5とかだと異常に巨大かもという議論が始まっても不思議ではありませんが、それもべき乗則ではまあいずれあることでしょう。
より震源に近い女川と、同じような位置にある福島第2は(ぎりぎりにしろ)耐えたのに福島第1は耐えなかったというのも、立地の選択を含む計画・設計の誤りだろうとみる所以です。ただし、当時の知見が足りないから過失とは言わないという可能性はあり、そこが無過失責任で補償するべしというところでしょう。
>3万人近く犠牲者があってもです。じゃあ,隕石直撃ならどうかと質問したのです。
>今回の原発被害を起こせる程度の隕石や飛行機が都市部に直撃しても3万人の犠牲者は出るとは思えませんけど。
まず、あたったら壊れそうな隕石が10年に一度くらいは地球上のどこかに落ちているというようなことはありませんよね(あったとしても、影響範囲がずっと小さいので、直撃する確率はすごく低い)。原発を特異的に壊す程度の隕石の場合は、異常な天災と言ってよさそうですが、それはそれで、巨大ではないので、やっぱり免責はなくて、原子力事業者に賠償していただくという話だと思います。
356. ブランク永井 — May 21, 2011 @09:29:32
>だって、その頃はまだ約10年前のヒロシマ・ナガサキの記憶も残っていて(30年前の小学校だって8/6は登校日で黙祷してました。今の小学校はどうでしょう?)、第五福竜丸の事故も起きた直後ですよ。核に対する不安感なんて、今以上にあったのに原発を作り始めたんですよ。
感覚的な話ですが、今の人達の方が放射能への拒否反応は強いように思います。以前の方が耐性が出来ていたというか、あきらめのような雰囲気があったと推察します。
それと、「核」はあくまで原子力の兵器利用、「原発」は平和利用という目的の違いも大きかったと思います。
http://www.ustream.tv/recorded/14765682
358. LEOPARD — May 21, 2011 @12:16:27
つまり、雷は不可抗力で、日本の観測史上最大の最大の地震は不可抗力では無い、と言うことですね。分かりました。
地震、雷、火事、親父と言うけど、最強は雷だったんだ。びっくり。
359. totti — May 21, 2011 @12:44:40
日頃はROMばかりなのに、横から口を挟んで申し訳ないですが
そうですね、私も視点が違うと思います。
10日ほど前にdisraffさんが指摘しておられた
>責任追及視点ばかりでなく再発防止視点からも考えてみてはいかがか
>という事ではないかと。
kataseさんがご自信で発言しておられるとおり、東電を悪者にする事は
今は考えていないのでしょうけれど、入り口となる視点自体は変えて
おられないようですので、話しがかみ合わないのは当然かなと思います。
360. Niimi — May 21, 2011 @15:11:59
地震の規模(マグニチュード)と津波の高さってのは、リニアでは比例しないのですよね? (横ズレだけなら津波は生じない)
日本放送協会の放送で知ったんですが、今回の津波はプレートの上下動以外の要因で、「さらに」高い波が生じたと。事前の日本海溝の調査でそのような兆候はつかんでいたとはいえ、まさに「想定外」の高さの波が生じていたんですよね。
なるほどM9.0超の地震は60年内に5回あったかもしれないけど、今回の高さに匹敵する津波が5回ともおきていたわけじゃないでしょう? (2千年に2回程度だっけ?)
そこら辺の視点がすっぽり抜けているような気がするのは、私の無知ゆえでしょうか…?
361. ごんべえ — May 21, 2011 @15:59:51
>リニアでは比例しないのですよね? (横ズレだけなら津波は生じない)
完全に比例したりはしないでしょうね。
> なるほどM9.0超の地震は60年内に5回あったかもしれないけど、今回の高さに匹敵する津波が5回ともおきていたわけじゃないでしょう? (2千年に2回程度だっけ?)
確かに5回ともじゃないかもしれませんが、
2千年に2回ということもないと思います。
2千年に2回ってその場所(宮城沖)での話でしょうか?
Wikipediaによると
1960年チリ地震
本震発生から15分後に約18mの津波がチリ沿岸部を襲い、
スマトラ島地震(2004年)
平均で高さ10mに達する津波が数回、インド洋沿岸に押し寄せた(地形によっては34mに達した場所もあった)。
てことで、10数メートルの津波は現実に観測されていますよね。
特に、1960年チリ地震は、福島第一建設前に観測されていて、その影響が設計考慮に入れられているわけですが、同レベルのことが近くで起きる可能性を考えなかったんですね。
LEOPARD ― May 21, 2011 @12:16:27
「つまり、雷は不可抗力で」?どうしてそうなるのか意味がわかりません?
「つまり、雷は不可抗力で」?どうしてそうなるのか意味がわかりません?
普通の人はご存じないかも知れませんが、電気供給約款には電力会社の免責事項が書いてあって、その解釈になります。たとえば、雷で停電してHDDが壊れたとします。そこで、電力会社に弁償してくれと迫っても弁償してもらえません。なぜなら、雷による停電は不可抗力だからです。もちろん、原発が雷程度で過酷事故に至るようでは話になりませんが。
因みに、ごんべいさんの主張される「地球上で」理論は無意味です。だって、福島に影響の無い場所で発生する地震に対する対策は無駄だからです。(当たり前かw)津波の来ない場所で津波の対策をしても無駄だからです。だから重要なのは3.11の前の福島第一原発の想定が設計当時の科学水準や知見を考慮したうえで妥当かどうかであると思います。
363. normed_vector
— May 21, 2011 @21:48:43
マグニチュードと津波の大きさは必ずしも比例するとは限らないようです。
たとえば、1605年の慶長大地震(M8前後)、1611年の慶長三陸地震(M8.1)、1896年の明治三陸地震(M8.2-8.5)、1896年の昭和三陸地震(M8.1)など、これらの地震時には、いずれも大津波が発生しています。
上記のように、M8クラスの地震でも大津波は度々起こっているわけですので、M9クラスの地震による津波を警戒するだけでは余りにも不十分なことは歴史が教えるとろこだと思います。震度に関して言えば、明治三陸地震が震度3、昭和三陸地震が震度5と比較的小さいながらも、大津波が発生しています。
364. normed_vector
— May 21, 2011 @22:15:25
1896年の昭和三陸地震
→
1933年の昭和三陸地震
365. LEOPARD — May 21, 2011 @23:06:05
>M9クラスの地震による津波を警戒するだけでは余りにも不十分なことは 歴史が教えるとろこだと思います
ではnormed_vectorさんはどの程度の津波を警戒すべきとお考えですか?また、その根拠もあわせてお聞かせ願います。
366. よたよたあひる
— May 22, 2011 @01:59:44
>ブランク永井様
#356.(May 21, 2011 @09:29:32)より引用、
〜〜〜〜〜〜
>感覚的な話ですが、今の人達の方が放射能への拒否反応は強いように思います。以前の方が耐性が出来ていたというか、あきらめのような雰囲気があったと推察します。
それと、「核」はあくまで原子力の兵器利用、「原発」は平和利用という目的の違いも大きかったと思います。
〜〜〜〜〜〜
↑
「耐性」とか「あきらめ」というよりは、もうちょっと積極的な支持というか、「原子力エネルギーの明るい未来」という夢が一定共有されていたのじゃないかと思います。もちろん、それは「平和利用」が大前提になっているのだと思いますけどね。
戦後の復興と高度経済成長の下で、核兵器のものすごい破壊力を「平和利用」の科学の力でコントロールして豊かな社会を作るエネルギーにする、という夢と希望の共有が一定あったのだと思います。
俳優の下條アトムさんは1946年生まれで本名もアトムなんですよね。もちろん、このアトムは原子力のアトムからきているそうです。また、下條さんの小学校同級生には、「ウラン」さんという女性もいらしたそうです。ウィキペディアの下條アトムさんの項にあります。
手塚治虫の『鉄腕アトム』は1951年に漫画の連載が始まっていて、アトムは「10万馬力の原子力モーター」搭載という設定、藤子F不二雄の『ドラえもん』は1969年連載開始ですが、ドラえもんの胃袋は『原子ろ』です。
…体内には、原子程度に分解してエネルギーに変換する「原子ろ」と呼ばれる胃袋を有し、人間同様に食事をする…ウィキペディアの「ドラえもん(架空のキャラクター)」の項より引用
これ、「質量がエネルギーになる夢の原子力」ですよね。
そのほかにも、私が子どものころ読んだ科学読み物とか「子ども百科事典」とかで紹介される「原子力(平和利用)」は、たとえば、「マッチ箱1つ分の燃料で1年間新幹線を動かすことができる」なんて記述があったり、ファウンデーションシリーズのジュブナイル化翻訳『銀河帝国の興亡』で、科学技術の遅れた辺境の惑星アナクレオンでは原子力を知らないから石炭を使っている、なんてエピソードがありました。
実は、私は高校の物理の授業で原子力発電のしくみを知るまで、原子力発電所では原子力の不思議な力で電気をつくっているのだと信じていましたので(苦笑)、蒸気でタービンを回して発電するしくみを知って、ものすごくがっかりしたのです。
もちろん、昭和40年代に子どもだった私の感覚ともっと年長の人たちの感覚はまた異なるでしょうけど、「原子力発電」に「未来のエネルギー」という夢を託して「核兵器」とは別のものとして受け入れていった流れは、たとえば、NHKの朝ドラ『鳩子の海』なんかに表れていると思います。
NHKの朝ドラ『鳩子の海』は、記憶をなくした戦災孤児(実は広島の原爆被災者…あとから出生の秘密がわかる)のヒロインが紆余曲折を経て東海村の原子力発電所の技術者と結婚するけど、結婚生活がうまくいかなくなり離婚、離婚後に自分の本当の名前がわかり、その後夫と和解する、というドラマでしたけれど、戦争、復興、学園紛争、公害、原子力発電、女性の自立と今からふりかえるとてんこ盛りの内容です。
http://hon-yuuki.com/2008/03/post_4.html
http://hon-yuuki.com/2008/03/post_5.html
「放射能」による健康被害について、昭和の中ごろに忘れられていたわけではないはずですが、復興、経済成長と豊かな生活の獲得の後、大気汚染やその他の公害問題とオイルショックを経て、科学技術が問題を解決することに希望を求めたのが、「原子力発電」の受容、支持だったのかもしれません。
平和利用の原子力発電での「放射能汚染」について、一般国民が知るようになったのは、1979年のスリーマイル島原発事故と1986年のチェルノブイリ原発事故が起きてからだったと思います。
私自身も83年ごろにTMI事故についての学習会に参加してから、「反原発派」になりました。結果的に何もできないまま、東京に住んで福島や新潟の原発で作られる電力を消費してきて、今年の3月11日を迎えてしまったことは本当に悔やんでも悔やみきれません。
>#78
外部電源を供給する鉄塔が震度5に耐えられればこの事故は起きなかったので、貴方の論は福島事故については当てはまりません。
368. 真理省 — May 22, 2011 @04:26:07
369. ごんべえ — May 22, 2011 @07:29:01
>だから重要なのは3.11の前の福島第一原発の想定が設計当時の科学水準や知見を考慮したうえで妥当かどうかであると思います。
これからの安全性を考える上ではまったく意味がないし、賠償責任についても無過失責任なので関係なく、せいぜい感情的な意味しかないと思いますが、なぜ重要なのでしょう?
370. kurita
— May 22, 2011 @08:14:08
5000億円を全部ソーラーパネルの設置にかけたとして(この際だから設置場所の費用だとか考えずに)どのぐらい発電できるようになるのでしょうか? 何をどう“余裕でクリア”するのか、具体的に教えてください。
371. zorori — May 22, 2011 @08:49:30
http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A9C93819499E3E7E2E39D8DE3E7E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E0E7E2E6E0E2E3E2E2E0E2E0
津波の専門家による研究レベルのことは分かりませんが、施設の対策という工学レベルでは何もわかっていないと言うのが実情だと思います。津波の原因は地震だけでなく、「島原大変肥後迷惑」のような山体崩壊によることもありますね。
私も含めてですが、津波についてにわか勉強して、15mの津波を見た後では、5.7mの津波想定はいかにも不十分であるかのように思えてしまいます。津波に対する知見をもってすれば、それ以上の想定が出来たようにも感じます。実際に審議会WGで指摘した委員もいました。それでは、今後どの程度の想定津波にすれば良く、それに耐える対策が可能であると自信を持って言える人がいるんでしょうか。
実は、「全電源喪失」もそんな風に思われていたような記憶があります。20年ぐらい前に傍から見ていた記憶ですので、最近はもう少し現実味を持って議論されてたのかもしれませんが。
「全電源喪失」が起きる状況とは、外部電源などのインフラが全部被害を受けたという大災害であるわけで、まさに今回のような状況です。まあそんな場合は仕方ないと世間が思うだろうという予想は見事に外れました。
373. Isshocking — May 22, 2011 @09:18:26
>原発は別にして、一般建築ではそもそも津波は殆ど考慮されていません。
今回の津波では海辺の油槽所など、各地に油のタンクが流される被害が続出しました。気仙沼ではそのために大火災が発生しています。
ソースは忘れましたが、燃料タンクに対する津波防災の基準は何もないんだそうです。耐震基準だけですね。
374. 裏たかじん — May 22, 2011 @09:53:24
>5000億円を全部ソーラーパネルの設置にかけたとして
むしろ、↓の方に聞いた方が・・・。明らかに間違った使い方でガイガー使っても開き直るようなお方ですが・・・。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110522k0000m040077000c.html
375. LEOPARD — May 22, 2011 @10:08:13
>これからの安全性を考える上ではまったく意味がないし、賠償責任についても無過失責任なので関係なく、せいぜい感情的な意味しかないと思いますが、なぜ重要なのでしょう?
免責事項である「異常に巨大な天災地変」かどうかを判定するうえで重要だと考えるからです。それにはやはり建設当時の科学水準などを考慮すべきでしょう。ここには感情など関係ありません。
376. zorori — May 22, 2011 @17:17:11
>気仙沼ではそのために大火災が発生しています。
大変な被害者が出ているわけですが、被害者への補償や事業者の責任問題はあまり報道されませんね。原発との違いは何なんでしょうか。
同時に、何故それで良しとしちゃってたのか、というのが私としては気になるところで、技術開発者さんの、再発防止という観点からの論考は非常に興味深く、頭の中のもやもやを、良い方向にもやもやさせていただけるのでは、と期待しつつ読ませていただいてます。
378. ごんべえ — May 22, 2011 @21:36:42
>大変な被害者が出ているわけですが、被害者への補償や事業者の責任問題はあまり報道されませんね。原発との違いは何なんでしょうか。
まず、大きな違いは局所性でしょうね。津波によって壊された燃料タンクによる火事は概ね津波の直接的な影響範囲と重なるわけで、そのあたりの、家屋は、火事にならなくても甚大な被害が発生しているのに対し、原発の被害は内陸数十キロメートルに及んでいますね。
また、影響期間が大きく違いますね。送電は停電から復旧し、鉄道、高速道路も復旧していますが、原発周辺は立ち入りすらできない状況が続いていますね。
半減期30年のセシウム137を相当量撒いているので、その土は放射能が概ね1/10になるのに100年くらいはかかるわけです。
次に、火事に関しては、失火の責任に関する法律で、通常よりゆるく、すなわち故意または重過失がないと問われないことになっています。
無過失責任が定められている原子力事故とは逆なわけですね。
379. fisker — May 22, 2011 @22:55:13
今回の事故で判明した、「何故こんな簡単な事をやっていなかったか、という、今分かっている対策」については当然全国だけでなく全世界の原発に水平展開されるべきですし、間違いなくされるでしょう。国内については、非常用電源の多重化、受電設備浸水対策などの比較的短時間でできる対策は先月中旬頃までにほぼ完了しているはずです。今現在、福島第一と全く同じ規模の地震、津波で事故に至るプラントは国内にはないでしょう。
もちろん、今はまだだれも想像も出来ないような事態で今後も重大な事故が起こる可能性は残ります。そして、振り返ってみればやっぱり「なぜこんな簡単なことを誰も考えつかなかったんだ」となるわけです。
飛行機の設計なんかでも同じだと思いますが、結局人間はそうやって失敗を重ねて少しずつ賢くなっていくしかないのでしょう。
380. zorori — May 23, 2011 @06:07:09
まだ、良く考えていないのですけど、範囲と期間が桁違いに大きいというのは、同感です。私のその点が一番大きな原発の特徴であり、それ故に反原発です。放射能は関係ありません。放射能には病気の治療や材料検査などお世話になっています。
で、被害の範囲と期間が桁違いに大きい為に原子力災害は免責になっているのではないでしょうか。電力事業者の賠償能力を超えますから。地震保険が無かったのも似たような事情ですが、政府の指導で阪神・淡路震災以降にやっと出来ました。それから考えると、局所的といえる程度の石油コンビナートの賠償は免責出来ないと思うのですが。しかし、火災の延焼は確かに免責の場合が多いです。江戸時代から火事は大災害の代表でもあります。どうも、考え方に整合が取れていないような気もします。
今回の原発災害は大災害だと言うのが大方の認識で私もそうです。ところが、賠償や責任ということになると、東電だけで履行可能な大した災害ではないと世間で思われているようなところが有るんじゃないでしょうか。政府もそれを気にしているようなところがあるし。
381. ファブヨン
— May 23, 2011 @05:16:43
>勝ち負けというか、経済的な差はあるし、その差が貿易の推進力になるのね。
生き物である限り、競争は必ずあります。だから勝ち負けはハッキリあると思います。
人の生活形態は、複雑化していて分かり難いとしても、複数の項目の勝ち負けがあると考えるのが妥当かと。
また、経済的な差の大半は、資源や土地に起因するもので、国や個人の実力差だとは言い難いです。
つまり、エネルギー他の国際競争は、資本主義の世の中では非常に大きなウェイトを占める大事な競争でありながら、最初からとても不公平で理不尽な競争だと考えています。
貿易に関しては、海の幸山の幸のような手に入りにくいものの交換が推進力の基本であって、資源他ほぼ同じ状態で、貧富の差だけ有る国同士で、貿易が推進する力があるとはとうてい考え難い。
よって、ここで言う貿易の推進力とは、不公平で理不尽な資源や土地の差が生み出してると言い換えることが可能かと。
よって
>貿易というのは基本的に経済的な差により駆動されるものだから、動けば動くほどその差を縮めようとする働きをする
と言うお考えにはピンときません。
資源や土地に関する権利を我が物とする側の優位さは、まったく変化がないです。資源も土地も無限ではないけれど、持てる者が有利なだけで何も変わりません。
経済に詳しくない自分のざっくりした意見で言うと、この関係性に拮抗できるのは、労働者側に立ってバランスを取ろうとする政治的な制度や日本の得意分野である技術と言った、人の知恵や努力だけです。
「ストルパー・サミエルソンの定理」なるものですが、非常に限定的な場面を一方の側から説明してるに過ぎず、上記のように、実質的には持てる者が有利な状態を維持するだけで、特に意味の有る定理だとは思えません。
経済の素人のザックリ感想で言わせてもらいますが、昔は、大雑把にこういうことが起きるのでは?と考えられていたけれど、実際には、違って、各国のエゴと言うか保護貿易に近いことを実施したところが儲けることに成功し、欧米のこの手の建前論に騙されてと言うか、実態を見ずに信じてしまったところは良いように奪われてしまったり、低い経済水準に固定化されて身動きが取り難い柵として機能してるということではないでしょうか?
実態としての国際社会は、感情を別の感情で制する法や、暴力を別の暴力で制する警察が無い、いわゆる無法地帯ですから、定理といえるような規則性がすんなり当てはまることは稀であるように思えます。
例えば、英のGCMと言う炭鉱の会社。
http://resource.ashigaru.jp/top_company_gcmr.html
資源を投資とか経済の数字上で限定して考えると、何も問題ないように思えます。
でも、一方で以前このスレッドで紹介した中国のように、現地の住環境や健康被害農業の壊滅的打撃など悲惨この上ない一方的な活動でもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=UVUM8WtFXag&NR=1
中国のような、新興国であれば、資本のない貧乏な人達の健康や環境を犠牲にして、先進国と新興国の金持ち同士の儲けは上がる可能性があります。
ですが、動画の説明のよるとたったの6%がカンボジアの取り分で、カンボジアのような途上国においては、カンボジア政府の極一部と先進国の企業が儲けるだけで、カンボジアと言う国と国民や環境は一方的に奪われてると考えることも出来ます。
上記二つのあっさりした紹介と不安を紹介したい意図の動画の両方の視点は中和されるべきだとは思うけれど、「ストルパー・サミエルソンの定理」は、人のもついろいろな問題点を省いた考えで、実態はもう少し複雑だと自分には思えます。
また、「ストルパー・サミエルソンの定理」よりも、もっと単純で明快な自由市場経済の本質として、「市場≒労働者」と言う考えがあると思います。
だから、技術であれ貿易であれ金融であれ、給与を国民に回していかないと、国内市場は活性化しないと思います。
数字上どうであれ、貧困を理由とした自殺者や、経済的な理由でいろいろな機会を逃してる人が多い状態が、現状だと自分は認識しています。
電力料金の高騰や、不足による停電は、貧困層や弱者に歪みが直撃するし、企業が海外移転すれば、その分、労働市場が縮小されるわけで、それは、国内市場がますます小さくなることと等価です。
そして、化石燃料を現状のまま輸入することは、他国に福島と同じような犠牲を事故ない状態で引き起こしてると言うことも、考慮しておいて欲しいと思います。
>何故それで良しとしちゃってたのか、というのが私としては気になるところで
これは簡単で、どこの組織でも悲観的シナリオを前面に打ち出すような人は組織内政治をリードする立場には選ばれないわけです。
「こうすれば儲かる」「こうすれば効率的になる」「こうすえば豊かになれる」といっ類の夢を修飾してくれる人が組織行動を決めていくわけです。
本来ならリスクを含めてマトリクスというかポートフォリオを提示できなければならないのですが、たいていの人はせいぜいパラメータ2つか3つの一次結合式以上は理解不能なのです。
今回の地震・津波被害でごく一部の部品が入荷しないために被害がなかったあちこちの工場まで製造ダウンしたケースが目立ちますが、これは「かんばん方式(おっと、サプライチェーンマネジメントか)」に本質的に内在している問題です。
しかし、コンサルタントや推進部署は、リスクマネジメントはトップが総合的に他の施策とひっくるめて勝手にやってくださいという姿勢になることが多いですね。
工学的なリスク解析手法に、例えばFTA(Fault Tree Analysis)とかFMEA(Failure Mode and Effect Analysis)とかあるわけですが、組織の意思決定にもこういう手法を持ち込もうとすると、経営者層とか指導者層という人種は、こういう細かい事実の羅列を嫌うわけですね。「で、一言で説明すればどうなるんだ?」
わたしは、こういうのは大衆メディアの手法、就中テレビの影響が大きいのではないかと思っています。つまり、一番大事なのはキャッチーなフレーズによる印象操作で、事実を過不足なく網羅するという視点がないのではないかと。
これは、一般的な社会人はそのような情報提示を選好するという事実の裏返しでもありますが。
383. ブランク永井 — May 23, 2011 @09:35:47
>「耐性」とか「あきらめ」というよりは、もうちょっと積極的な支持というか、「原子力エネルギーの明るい未来」という夢が一定共有されていたのじゃないかと思います。
確かにその通りですね。「耐性」とか「あきらめ」は米ソの核実験に対するイメージを想定していました。
「原子力エネルギーによる破壊作用、およびそれに付随する放射線被害」自体を利用する「核兵器」と、「原子力エネルギーの有効利用」に主眼を置く「原発」は、概念的に今よりもずっと明確に区別されており、後者による放射線被害の可能性の側面は今ほどクローズアップされていなかったように思います。
384. Isshocking — May 23, 2011 @09:40:58
>防波堤や岸壁の波高がその2倍になるのは、津波が持っているエネルギーによるものです。
うーん、なんか描像が違うような。
津波現象は基本的に圧力の波動です。しかも減衰波ですから、波動としての振幅は震源から離れるにつれて小さくなるはずです。
それではなぜ海岸で波高が大きくなるかというと、海岸地形が進行方向に対して非対称になっているため、圧力によって持ち上がった海面が陸地側に押されてモード変換が起こり、圧力が速度に変わるからですね。
わたしも水理学は発電工学を習ったときにちょっとかじっただけなので、納得してもらえるかどうか自信がありませんが、垂直壁への入射は、直流分布定数回路の終端開放条件にアナロジーされます。
http://asaseno.cool.ne.jp/tech/dc_bunpu3.html
この場合、電圧が圧力、電流が速度に対比できるわけですが、垂直壁だと完全反射になりますから、圧力が2倍になりますが、流速は零になります。垂直の剛体壁で流速が値を持つはずがないんです。
圧力が高まるので、海面は真上に持ち上がりますが、流速がないわけですから、垂直壁を超えてはそれ以上侵入してきません。海面の持ち上がりも垂直壁に最初にぶつかった時だけです。
侵入してくるのはもともと垂直壁より高かった分だけです。
したがって、流速がいくらであろうと、その影響で垂直壁を超えて海岸面の津波の波高が倍になって内陸に侵入してくることはあり得ないのだと思います。
気象庁が発表している津波の波高は海岸線におけるそれですから、福島の場合は15mばかりの津波が来て標高差分の5m分が侵入してきたわけですね。
385. じゃん — May 23, 2011 @10:56:12
風潮が強かったと思います。
60年代に製作された『サンダーバード』も出てくるマシンは全部原子力ですね。
たしか第一話では原子力で飛ぶ旅客機も出てきたはずです。
今なら世界中で着陸拒否されちゃいますね。
386. Isshocking — May 23, 2011 @10:56:20
飛行機と聞いてJAL123便の墜落事故を思い出しました。
当時ボーイング747は最新鋭機、操縦の油圧系統も4重化されており、それこそ操縦機能はちょっとやそっとで失われることのない設計だったはずが、胴体尾部でこの4系統配管が1箇所にあつまっていたため、圧力隔壁の破損のとばっちりで一挙に前油圧系統を失ったものです。
技術が進化すれば災害も進化、しかも大型化する傾向はありますね。
想定外という言葉が批判されていますが、どうしても大型技術は想像力の枠外になる事象が残るようです。
これを観たうちの家族の反応は、「やっぱり原発はないほうがいいわよねえ」というものでした。
確かに、もし石油タンクが狙われるといったストーリーだったら、このような感想は出なさそうです。
このアニメみたいな事が本当に起こり得るかどうかは別にして、原発建設時には存在しなかった技術やインフラの発展によって起こりうる原発災害というのも、もしかしたら想定外のリスクについて考える際には必要な観点なのかなと思いました。
388. もと美術系 — May 23, 2011 @11:28:34
> 「耐性」とか「あきらめ」というよりは、もうちょっと積極的な支持というか、
> 「原子力エネルギーの明るい未来」という夢が一定共有されていたのじゃないかと思います。
> もちろん、それは「平和利用」が大前提になっているのだと思いますけどね。
> 戦後の復興と高度経済成長の下で、核兵器のものすごい破壊力を「平和利用」の科学の力でコントロールして
> 豊かな社会を作るエネルギーにする、という夢と希望の共有が一定あったのだと思います。
小出裕章氏も同様の事を言われていますね。原発に夢を抱いて、60年代に原子力工学を専攻したと述べています。
子供の頃に見た原爆展を見て放射能の怖さを感じたと同時に、そんなすさまじいエネルギーを生むものがあると知ったとのことです。
対談相手の宮台真司氏も、小学校の時は原子力の研究者になりたかったなんて言ってます。
http://www.videonews.com/asx/marugeki_free/524/marugeki524-1_300.asx
http://tod.cocolog-nifty.com/diary/2011/05/post-e629.html
小出氏はその後、原発反対に転じますが、その一番最初のきっかけは、女川町の人々から「原発が安全ならなぜ都会に作らないのか」と問われた時に、答えが見つからなかった事だそうです。
原発災害とそれ以外の災害の違いを考える際のポイントだという気がします。
389. 技術開発者 — May 23, 2011 @11:15:05
>「ストルパー・サミエルソンの定理」は、人のもついろいろな問題点を省いた考えで、実態はもう少し複雑だと自分には思えます。
経済学の理論というのは、どちらかというと帰納的な解析から出てくるものでして、いろんな事例のいろんな条件の違いによる差違を取り除いて本質の所で起きる部分を理論化している訳です。なんていうかな、沢山の「先進国と発展途上国の貿易」の事例を解析すると、当然、それぞれの貿易における特別な部分というのはある訳だけと、その特別な部分では変わらない全体傾向として共通して「発展途上国では賃金の上昇傾向と雇用機会の拡大が、先進国では賃金の下降と雇用機会の減少が」起きてきたし、おそらく今後も起きるだろうという事なんですね。
なんていうかな、別に「自分はそんなことは起きないと思う」と言われるのは構わないのです。物理の法則でも、例えば「振り子の等時性」なんかは割と直観に反しまして、「そんなことはないはずだ、振り子の長さが同じでも錘が重い方がゆっくり振れるはずだ」という人はいる訳です。ただそう思われるのは構わないのですが、その人に「進みすぎる振り子時計」を直して貰おうとして、その人がいくら錘を重くしても、時計はゆっくり進まないだけの話ですからね。
なんていうか、「日本人は学問を馬鹿にしている」なんて言い方を皮肉として言うと皆さんから反感を買うのですが、学問の成果として「自分の直観に反する成果」がある時に、結構沢山の人が「それは学問の成果の方が違っていて、自分の直観の方が正しい」と思う面はあると思います。1990年から2008年のリーマンショックまでに日本でおきていた、労働賃金の下降と雇用機会の減少は、「ストルパー・サミエルソンの定理」ととても良く一致していたのですが、「それが理論的からみて必然的に起こる事だ」という事を理解してくれた人はほとんどいませんでしたからね。ファブヨンさんが「そんなや理論は間違っている」とおっしゃるのは当然かも知れないとも思います。
390. くろきげん — May 23, 2011 @12:20:39
昔から自国の経済の問題を他国との貿易のせいにするという話は大人気です。日本だけではなく、米国や欧州でも大人気。確かにそういうことが理論的には*少し*は(←ここ重要)あるかもしれないのですが、日本や米国や欧州の経済の具合がおかしくなることの主要因ではないことは確実です。
この問題についてはクルーグマンさんが Pop Internationalism というタイトルの本を1996年に出版しており、翻訳が『良い経済学 悪い経済学』というタイトルで出ています。
ポール・クルーグマン著『良い経済学 悪い経済学』日経ビジネス人文庫743
http://www.amazon.co.jp/dp/453219010X
ぼくはこの本をトンデモ経済論を論破することに興味を持ちそうな人には必ずすすめています。なぜならば自国の経済の具合が悪くなったときに他国との貿易のせいにするというのは最もよくみかけるトンデモ経済論だからです。
この本の第4章のタイトルはずばり「第三世界の成長は第一世界の繁栄を脅かすか」です。そしてトンデモ経済論の一例として次のような主張が引用されています。
>これまでは、生産性が高く賃金が高い豊かな国と、
>生産性が低く賃金が低い貧しい国に世界は分かれていた。
>しかしいまでは、生産性が高く、賃金が低い国が登場するようになった。
>世界市場で、こうした国が大きな地位を占めるようになってきたため、
>「生産的な資産の大がかりな移動が起こっている。
>このため、先進国はこれまでの生活水準を維持するのが不可能になっている……。
これはトンデモ経済論なので騙されないようにして下さい。これは1990年代前半の欧州で流行していた言説です。その頃、米国は新興国ではなく先進国の日本を標的にしていました。日本のせいで米国での雇用が失われたという説が米国で大流行していたのです。日本でも中国のせいで日本での雇用が失われたという説が流行ったことがありましたね。もちろんそれらは全部トンデモ経済論です。クルーグマンさん曰く、
|理論的に見て、第三世界との競争で欧米諸国の所得の*分配*(所得の*水準*ではなく)
|に影響がおよぶ可能性があると懸念する理由はある程度まであるが、
|少なくともいまのところ、この影響が実際に懸念すべきものになっていることを
|示す兆項はほとんどない。
「欧米諸国」の中に日本を含めてもこの引用文の主張はそのまま成立しています。国全体の経済の具合が悪くなる主な原因は国内向けの経済政策失敗であることが多いのです。日本はまさにその典型例。経済政策(特に金融政策)を二十年以上失敗し続けています。
ところで日本経済が「加工貿易」による「貿易立国」でまわっていると信じている人ってまだいますか? 確かに大昔に学校の社会の時間にそう習った記憶があるのですが、数字を見てみれば間違った考え方であることが一目瞭然。日本では輸出のGDPに占める割合は1割程度に過ぎません。日本経済は主として国内需要でまわっていると見方の方が正しいのです。(こういう見方は紹介したクルーグマンさんの本にも書いてあります。米国に適用できることの多くが日本にもそのまま適用できます。)
ついでに個人的に気に入っている部分も引用しておきます。クルーグマンさんは次のような文章を俗流国際経済論の典型例として創作しています。
>経済の新しいパラダイムが必要になっている。
>日本がいまでは、ほんとうの意味でのグローバル経済の一部になったからだ。
>日本は生活水準を維持するために、きびしさを増している世界市場での競争の方法を学ばなければいけない。
>生産性を向上させ、製品の品質を高めることが不可欠になっているのは、このためだ。
>高付加価値産業を主体とするものに、日本経済を変えていかなければならない。
>将来、職を生み出すのは、高付加価値産業である。
>新しいグローバル経済で競争力を保つ唯一の方法は、政府と産業が新たな関係を結ぶことである。
これは『良い経済学 悪い経済学』の169頁から「アメリカ」を「日本」に文字列置換して引用したものです。単純な文字列置換で違和感がまったく生じないところがすごい。全文すべてデタラメ!一文でも共感できてしまった人はすでにトンデモ経済論に頭がおかされています。
上に例を挙げた(>から始まる行の)経済論がどうしてデタラメかについては紹介した本の中身を読んでみて下さい。文庫本なので気軽に持ち運べます。値段も安いし。
この本を読んで「トンデモ経済論者の多くが騒ぎ立てている大して重要ではない二次的なファクター」と「経済について詳しく無い多くの人が見逃してしまっている重大なファクター」を区別できるようになれば、経済について正しい理解をし易くなると思います。 (これは経済に限らず、何を理解する場合も同じ。)
P.S. 率直に言います。技術開発者さんは少し黙った方が良いと思う。
391. 技術開発者 — May 23, 2011 @13:29:48
>なぜならば自国の経済の具合が悪くなったときに他国との貿易のせいにするというのは最もよくみかけるトンデモ経済論だからです。
私自身はクルーグマンさんの「俗流経済学批判」を根底において書いているつもりなんですけどね。むしろ「貿易には国家としての勝ち負けがある」という考え方の方がクルーグマンの批判するところでしょ(笑)。
国家としての貿易には自然なネガティブフィードバックの働きがあります。「売りすぎ」が起こると為替の変動により、自国の通貨高になって、「売りにくく、買いやすく」なることで外需よりも内需重視が起きるような部分です。日本人全体が「貿易とは勝ち負けである」という意識に囚われて、「円高を克服しなければ負けてしまう」と国内の雇用を不安定化させて、製造単価を切り下げて「売り続けよう」とした事などをもう少し批判するべきかも知れないんですけどね。
>P.S. 率直に言います。技術開発者さんは少し黙った方が良いと思う。
了解しました。今後は経済に関して「勝ち負け論」が出ても、くろきげんさんの英知にお任せします。
私のここでの発言に対して、私がそんな事を言ってもおらず、考えてすらいない事を「Kataseさんは、こう考えていますが」と勝手に次々と断定して、技術開発者さんの脳内にしか存在しない様な考えの浅い愚かな人物(藁人形)に仕立て上げて、ご自分の披露する自論を引き立てる道具にされた事と、それに対する私の抗議に対しての態度に強い憤りを感じております。
私の抗議に対して、
技術開発者 — May 18, 2011 @17:32:08
>以上でよろしいですか、私はKataseさんのおっしゃる「どういう問題点があったのか?どういう改善が可能なのか?」に考えを傾注したい面がありましてね、 Kataseさんの「自分がこういう考えで書いた事は、万人がその通りに受け取らなくては気が済まない」という幼児性におつきあいする気が余り起こらないのですよ、申し訳ないけどね。歳をとるとね、「人からどう思われるか」をあまり気にしなくなりましてね、良い面も悪い面も出ることだけどね(笑)。
こういった嘲笑で返されたのには、呆れて果てました。
酷い暴言であり、侮辱もいいところです。幼稚なのはどちらですか?
私の「どういう問題点があったのか?どういう改善が可能なのか?」という提議に悉く口を挟んで邪魔をしたのは技術開発者さんの方です。
どの口でそれをおっしゃるのやらです。
例えばまず最初ですが、技術開発者 — May 13, 2011 @12:26:34
> Kataseさんにしてみると、「これらの原発はセーフだったのだから、今までどおりで構わない」と思われるかも知れないですね。
※はあ?誰がそんな事を言いましたか?
>なんていうかな、「責任追及視点」でものを見ると「何で非常用発電装置が死んだのだ」は大きなポイントではあるわけです。ただ、その事にあまり強くこだわると、もともとの概念である「非常用装置は使わないで済む事が最も良く、非常用装置のみでしのぐ期間は短いにこしたことはない」なんて概念が出るところを失う面がありましてね。
※私は最初から「責任追及視点」でなど、見ていません!
他の発言でも、技術開発者 — May 13, 2011 @17:21:57
>なんていうかな、「津波がきたから非常用発電も失いました」という視点からは「非常用発電をもっと津波に強くしよう」しか結論は無いし、kataseさんは、「それで充分」とお考えになると思うのだけど、
※「それで充分」なんて、誰が言いました?
私はそんな単純バカではありません!
技術開発者 — May 14, 2011 @06:19:27
>Kataseさんは、「ミスがあった」と主張されることで、「今回の自然災害の大きさは予測可能であった、自然災害を織り込んだ設計変更は可能であった、よって今回の事故は避けえた。しがって、今後も自然災害を予測し迅速に設備変更をするなら原発は安全である」という主張をされていることになります。
※そんな主張などしていません!
技術開発者 — May 16, 2011 @16:45:49
>私自身はできればこの機会に脱原発の動きを起こして欲しいという意識がありまして、そうなると「再発防止視点」の解析も湿りがちにはなるのですが、Kataseさんを初めてとして「落ち度を探して、今後の参考にしたい」という人が沢山いらっしゃるみたいなので、とりあえず解析してみています。
※まるで私が脱原発に反対しようとする立場の様にもとれますが、私は早くから、段階的な脱原発が良いのではないかと考えてこちらで発言しています。
Katase — May 11, 2011 @00:06:52
>予想される地震の関係で一番危険性の高い浜岡原発がまず停止されますが、それに続く原発の停止については、既存の原発の安全対策をしながら原発以外の発電設備を整えつつ、(立地や老朽化などで)リスクの高い原発から順次段取り良く停止して脱原発を行っていくのが良いのではないかと思っています。
脱原発をしていくにも、定期点検に入った原発の再起動が全てなされないと急激な電力不足に陥る可能性があるので、再起動する原発を選びつつ問題点を検討し安全策を強化して地元の理解を得て再起動していく必要があると思います。
技術開発者 — May 17, 2011 @09:54:14
>Kataseさんは「東電のミスをひたすら探す」という視点でお考えだから、地震の基準で壊れてはならない鉄塔が壊れたとことが大問題であり、他の事はどうでも良い事に見えるかも知れないのだけど、
※これも酷い決めつけです。他はどうでもいいと私が考えている?
私はそんな浅はかな馬鹿ではありません。無茶苦茶な言いがかりですね。
技術開発者 — May 17, 2011 @15:29:34
>こんにちは、Kataseさん。
>>一連の私のコメントをちゃんと読んで下さい。
>読んだ結果として、そういう感想を抱いたというだけです。「そのような感想を抱くな」と言われると、なかなか難しいですね。
※あまりに酷い決めつけに対して私が抗議した事に対して、このお返事です。だだっ子みたいな反論ですね。
技術開発者 — May 18, 2011 @08:57:23
>こんにちは、皆さん。
私としては、Kataseさんの「どういう問題点があったのか?どういう改善が可能なのか?」について協力しようとしているのですが、全く聞く耳をお持ちにならないので、勝手に続けますね。
※全く聞く耳をお持ちになっていないのは、どっちでしょうか?
そして、このコメントの最初の方で紹介した、私の再度の抗議に対する技術開発者さんの反論です。
> Kataseさんの「自分がこういう考えで書いた事は、万人がその通りに受け取らなくては気が済まない」という幼児性におつきあいする気が余り起こらないのですよ、申し訳ないけどね。
自分が不当に陥れている相手からの抗議に対して、幼児性ときました。もう呆れてしまいます。
私は、技術開発者さんの人間性を疑います。
また、こういう酷い態度をとり続けている人に対して、こちらで支持が続いることに、暗澹たる気分になります。
私が何度否定しても、技術開発者さんの勝手に作り上げたKatase像に毒された人達から、その後も引き続き私に対しての侮蔑が続いています。
最近の例では、私に対するtottiさんのご意見 — May 21, 2011 @12:44:40
>10日ほど前にdisraffさんが指摘しておられた
>>責任追及視点ばかりでなく再発防止視点からも考えてみてはいかがか
>>という事ではないかと。
>kataseさんがご自信で発言しておられるとおり、東電を悪者にする事は
今は考えていないのでしょうけれど、入り口となる視点自体は変えて
おられないようですので、話しがかみ合わないのは当然かなと思います。
私は、一番最初から「東電を悪者」にする為の「責任追及」ではなく、原発の「安全性をもっと高めて」、「事故再発防止」をしていく観点から色々な問題の検証をしていく事について考えて発言しています。
話を噛み合わなくしている主な原因は、技術開発者さんの私に対する不当な決めつけによるものです。
私からも率直に言わせて頂きます。
技術開発者さんはもう少し黙っていて頂きたいと思います。
ブログ主のきくちさんの裁定を待とうかと思っていましたが、私の方も、これ以上黙っていられなくなりました。
技術開発者さんのKatase像に惑わされている人達が後を絶たないので、今後の事も考えて、それをきちんと否定させて頂くために、これまでの技術開発者さんの私への不当な決めつけについて、具体的な例を挙げて改めて抗議をさせて頂きます。
P.S.技術開発者さんの不当な態度に対して、こちらで技術開発者さんに抗議をして下さった方々と、私を支持して下さった方々に、とても感謝しております。ご理解をありがとうございます。m(_ _)m
393. 10σ — May 23, 2011 @16:12:16
普段はROM専の者です。
いつもKikulogでの議論を追って勉強させて頂いておりますが、特に技術開発者さんのコメントは様々な分野に渡って含蓄が深く、読んで考えさせられることが多いと思っています。あなたとは考えが異なるのかもしれませんが、参考にしている者もいるのです。
どのような理由で仰ったのかは分かりませんが、「少し黙った方がいい」などという言い草は失礼極まりないですね。
394. ジルベルト下大利 — May 23, 2011 @16:57:43
土地は借地という関西電力のメガソーラーをモデルにすると年間約1,100万kWhで50億円ですから、5,000億円で100ヶ所の太陽光発電所が建設でき、年間の発電量は11億kWhとなります。
日本の総発電量約1兆kWh、その30%が原子力とした場合3,000億kWhですから、270年ほどかかる計算になります。
http://www.kepco.co.jp/pressre/2008/0623-1_1j.html
395. FROY — May 23, 2011 @14:21:17
レスポンスありがとうございます。
遅レスすみません(^^;
事故を減らすことは出来ても、なくすことは無理だと思います。
労働災害はのべ労働時間に比例して増えます。
機械の事故はのべ稼働時間に比例して増えます。
私は建築現場で長く働いていますが、
昔に比べれば事故は減ってはいるものの、
建設業全体で去年だけで371人が死んでます。
私も過去に仲間を何人か無くしていますが、
今日もどこかで誰かが死んでると思って下さい。
どんなに安全対策を施したところで、事故がなくなることはないと思います。
勿論、事故を起こさない為の努力は必要ですが、
それと同時に事故が起きた際のリスクのコントロールも考えるべきだと思います。
原発でいえば今回同様の事故あるいはそれ以上の事故が今後も起きることを前提とするべきでしょう。
それが起きた時、被害が局所的であり、かつ短時間で収束可能なものにしていかない限り、
原子力の未来はないと私は思いますね。
発電以外に利用価値のないエネルギーに対して、
世間がどれだけのリスクを許してくれるかというところだと思います。
396. SF物理マニア — May 23, 2011 @17:55:00
<シリーズ 放射性廃棄物はどこへ>
終わらない悪夢 前編/後編
フランスの放送局で製作されたものですが、米・ソ連・フランス・ドイツ等の放射能汚染・放射能廃棄物処理の状況が詳しく描かれています。
フランスの場合は、アレバ社の処理工場が出てきます。
船と海洋投棄するのは、違法だが陸からパイプ経由での投棄は合法ということで、その場面も出てきます。又、一部は、大気中にも投棄されるようです。プルトニウムを取った、劣化ウランのすべてシベリアに運ばれ、ストックエリアにコンテナとしておかれています。
再放送予定はないようですが、YouTube等で今現在見れるサイトもあります。
>「少し黙った方がいい」などという言い草は失礼極まりないですね。
ああ、くろきさんは悪意なく(少しはあるかも)こういうことをさらりと言い切る人なんですよ。
技術開発者さんもそれを分かっているから、たぶん気にしてない。まぁ、ご本人があまり他人との意見の相反を気に病まなくなったとおっしゃていますし。
398. ブランク永井 — May 23, 2011 @18:11:43
私は技術開発者さんの書かれたことを「批判」はしましたが、技術開発者さんに「抗議」したわけではありません。また、Kataseさんの書かれた指摘を妥当であるとコメントしましたが、Kataseさん自体を支持したわけではありません(もちろん支持しないという意味でもありませんが)。
同じこと・些細なことに見えるかもしれませんが、私にとっては意味が違いますので、一応確認しておきます。
399. ブランク永井 — May 23, 2011 @18:27:27
>Kataseさんの書かれた指摘
というのは、事故以前の東電の対応に関する指摘のことです。
400. 匿名希・望 — May 23, 2011 @18:29:53
私、一度も技術開発者さんからクリティカルな反論を頂いた事が無いんですけど。
401. F田 — May 23, 2011 @18:42:29
どうも、人格批判(攻撃と言ってよい程ね)の発言が増えたようですね。
エキサイトして"!"や"?"を連発するのもどうかと思いますが、
人格をとやかく言うのは厳に慎むべきではないですか。
comさんの「いい加減にして」はそれを言ったのだと読みました。
不誠実な言動に対して「不誠実だ」と言うのがダメだとしたら何と称すべきでしょうかね?
403. Katase — May 23, 2011 @19:11:41
了解しました。
404. Katase — May 23, 2011 @19:12:56
技術開発者さんは、自分の憶測と思い込みに基いて決め込んで、それが正しい事であるように怪しい内容についてもお話をされます。
巧みなたとえ話を交えた話術で、一見分かりやすく誘導したりしますが、その中身を誤魔化されている事も多いです。
お話される中に、考えの根拠となる情報等の引用が1つも無かったりと、とても怪しい言説が散見されます。一見正しそうで、実は間違っている事もあり、特に専門外の知識となると、よく知らないのに知ったかぶりが目に余ります。
例えば、少し前に、技術開発者さんは校庭の放射性セシウムは雨ですぐに流されてしまうから、夏休みまで特に何もせずともかなり減るだろうなんて、解説をしたり顔でなされていました。私は、きちんと資料を示して放射性セシウムは土壌中の粘土質に吸着され易いので、なかなか雨で流れたりしないだろうと反論しましたが、全く無視されて、その後も雨で大半が流れるという説を主張されました。
実際はどうでしょう?
放射性セシウムは土壌の表面に吸着されたまま、ほとんど流れて消える様子は無いですね。雨で大半が流れるだろうなんて、根拠の無いデマカセだったのです。
その後の指摘にも関わらず、技術開発者さんはこれについて白を切っておられます。ご自分の思い込みが間違っていたなんて、認めたくないのですね。
こういった、引用もせずに怪しい知識を言葉巧みに信じ込ませるタイプとしては、武田邦彦氏などがいますね。くろくきげんさんも既に指摘されていますが、経済学の知識もかなり怪しいものです。
なのに、得々と語ってしまっています。
kikulogでは、さんざん皆さん武田氏を批判しておいて、同じ様な怪しい説を言葉巧みに振りまく技術開発者さんを簡単に信用してしまうのは何故でしょう?
技術開発者さんは、特に最近こういう危うい傾向が続いています。
一見分かり易そうに解説してくれたら、それを鵜呑みにして引っかかってしまうのには気を付けた方がいいです。
ニセ科学などを批判しているこのkikulogで、トンデモ説が支持されてまかり通っている現状をとても憂慮します。
405. e10go — May 23, 2011 @19:33:13
>#384. Isshocking May 23, 2011 @09:40:58
>津波現象は基本的に圧力の波動です。しかも減衰波ですから、波動としての振幅は震源から離れるにつれて小さくなるはずです。
津波は移動エネルギーを持っていますが、それが「圧力の波動」という形に表れているとは言えるけど、“減衰波”という言い方は適当ではないでしょう。“圧力の波動”が減衰するのは波が何かにぶつかってエネルギーを消費するからで、海岸に到達するまでは殆ど減衰しません。
>それではなぜ海岸で波高が大きくなるかというと、海岸地形が進行方向に対して非対称になっているため、圧力によって持ち上がった海面が陸地側に押されてモード変換が起こり、圧力が速度に変わるからですね。
「モード変換が起こり、圧力が速度に変わる」という言い方も適当ではないでしょう。
波高の高さ変化 → 波の移動量変化 → 波の速度変化、で説明した方がスッキリします。
波高が高くなるのは、海底の深い所から浅い所へと波の通り道が狭くなるからで、「通り道が広い」深い所から「通り道が狭い」浅い所へ波が来ると、波の形が変わり、同時に波高も高くなります。
波高が高くなればその分、単位面積当たりの海水の移動量が増えて、それに反比例して波の移動速度が遅くなります。
>この場合、電圧が圧力、電流が速度に対比できるわけですが、垂直壁だと完全反射になりますから、圧力が2倍になりますが、流速は零になります。垂直の剛体壁で流速が値を持つはずがないんです。
電圧・電流で説明するには無理があるでしょう。(説明になっていないし、、、)
津波は海岸で短い時間で見た場合、単発の波浪ではなく連続した海水の流れといえます。
防波堤にぶつかった海水の逃げ道が無ければ、その海水を後から来る海水のエネルギーで高く持ち上げます。海水が後からどんどんやってきて高くなり、そして防波堤の高さを越えれば海水が防波堤の向こうへ流れます。
>気象庁が発表している津波の波高は海岸線におけるそれですから、福島の場合は15mばかりの津波が来て標高差分の5m分が侵入してきたわけですね。
「福島で15mの津波が来た」という公式の記録は見当たりません。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1104/05a/tsunami20110405.pdf
http://www.mlit.go.jp/common/000144629.pdf
406. e10go — May 23, 2011 @19:42:39
<誤>Isshockingsん
<正>Isshockingさん
>防波堤にぶつかった海水の逃げ道が無ければ、その海水を後から来る海水のエネルギーで高く持ち上げます。海水が後からどんどんやってきて高くなり、そして防波堤の高さを越えれば海水が防波堤の向こうへ流れます。
これは、この動画を見ると解ると思います。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=lIC4M_b6Wz0
408. ごんべえ — May 23, 2011 @22:04:10
> 被害の範囲と期間が桁違いに大きい為に原子力災害は免責になっているのではないでしょうか
いや、一旦事あれば被害の影響が大きくなることが予想されるので、無過失責任でも負う、賠償用の資金を数千億円は用意してあるという事業者のみが、原子炉等を運転できるということにしたわけで、被害が大きいから免責なんていうことはないでしょう。その大きな被害すらかすむような、巨大な天災地変になったらまた話は別かもというのが件の規定でしょう。
> ところが、賠償や責任ということになると、東電だけで履行可能な大した災害ではないと世間で思われているようなところが有るんじゃないでしょうか。
大した災害ではないと思っている人はあんまりいないでしょうけど、履行不能な場合は、日航のように、株が電子の藻屑となって、債権のかなりを棒引きにしたあと、なおどうにもならない分について国が面倒を見るのが筋だろうと思っている人はそれなりにいると思いますね。株価が0にならないのは、ひょっとして履行可能と思っている人もいるかもしれませんが、大方は政府が助けてくれると思っているんだと思います。
Kataseさん
あんまり論理の破綻している変な人をまじめに相手にする必要はないと思いますよ。積分定数さんが指摘しているように危ういのは最近に限らないし、特に支持されているわけでもないでしょう。
409. zorori — May 23, 2011 @21:58:16
失火責任法は明治32年の古い法律なのですね。
木造住宅が殆どの時代では,延焼はごく普通に起こりえるので,失火者にすべて賠償を求めるのは過大な責任を課すことになるという理由の様です。
原子力損害では,無過失責任,無限責任など事業者に厳しいように見えますが,結局,政府が補填することになっています。要するに国策だと言うことでしょう。
http://www.jaif.or.jp/ja/seisaku/genbai/mag/shosai10.pdf
異常に巨大な天災地変の場合は,最初から政府の措置で賠償されます。それ以外の場合は事業者の責任で賠償ですが,地震,噴火,津波,通常運転(無過失)の場合は政府補償契約によりますので,事業者の賠償による損失は政府により補償されます。一般的な事故(過失)の場合は民間保険で賠償されますが,1200億円を越えれば,政府が援助します。それで、今度の賠償額試算が3兆円とか10兆円とか言われています。1200億円の範囲内でも東電は出来るだけ負担を少なくしたいでしょうし、政府は税金投入の印象を選挙民に与えたくないでしょうから異常に巨大な天災地変をめぐる綱引きが行われると思いますが、それは全体からみればごく一部です。原発は東電の事業のように見えますが、政府の公共事業に近いと思います。被害者への賠償は殆どが政府即ち国民が行うことになっていると思います。
410. JosephYoiko — May 23, 2011 @22:37:13
二体問題の知見を多体問題に適用して誤るのに似ているのではないでしょうか?
411. zorori — May 23, 2011 @22:39:08
>小出氏はその後、原発反対に転じますが、その一番最初のきっかけは、女川町の人々から「原発が安全ならなぜ都会に作らないのか」と問われた時に、答えが見つからなかった事だそうです。
これは広瀬隆の「原発を東京に」の時代から言われていることですが,少し変な問いかけだと思います。なぜなら「爆薬工場が安全ならなぜ人口密集地の都会に作らないのか」とは言われないからです。絶対安全は有り得ませんから,万が一の事故の時に被害の少ない郊外や工業地域に工場を立地するのは妥当と思われています。
結局,原発の場合は,万が一があっては駄目で絶対安全が求められているのではないでしょうか。あるいは原発を設置できる工業地域は半径30km程の面積が必要なのかもしれません。事故を想定した防災訓練もされているのですから、誰でも頭では事故があり得ることは分かっているはずです。ところが,現実に事故が起こると,騙されたと感じます。感覚の部分では絶対安全神話を信じていたのでは無いでしょうか。人間は自分が死ぬと言うことすら実感できませんから。
>飛行機の設計なんかでも同じだと思いますが、結局人間はそうやって失敗を重ねて少しずつ賢くなっていくしかないのでしょう。
帰宅後、着替えながら、人間って痛い目に合わないと身に染みないよなあと思い─まあこれは自分の体験からなのではありますが─だとしたら、原子力は恐くて扱えない、等と思った所でした。今の時点では、という但し書きが付くのかも知れませんが。
Isshocking ― May 23, 2011 @06:00:12さん
>「こうすれば儲かる」「こうすれば効率的になる」「こうすえば豊かになれる」といっ類の夢を修飾してくれる人が組織行動を決めていくわけです。
東電に関してはそうなのかも知れません。原子力安全委員会や原子力・安全保安院、もっと言えば国はどうだったのか。折角開発した防災ロボット─私としてはロボットよりパワードスーツだろ、などと思ってたりするんですが─を廃棄した話がありましたが、なぜそのような選択をしたのか。万一の事故の備え、が売りにならないからだろうか。ウチの原子力は万が一の大事故にも万全の対策を取っています。だからうちの電気買ってねって言える様な事業形態でもないし。海外に原発を輸出するという話が、もうちょっと早く出ていたら、また違った結果になったのか、あるいは、事故が起きる事を前提になどけしからんなんて空気があったりしたのか。東電は何を目指していたのか、などととりとめも無く考えています。
413. zorori — May 23, 2011 @23:06:48
>飛行機の設計なんかでも同じだと思いますが、結局人間はそうやって失敗を重ねて少しずつ賢くなっていくしかないのでしょう。
建築などでは,構造計算法など発明される以前から,崩壊事故を経験しながら発展してきたわけで,地震については現代でもあまり変わりません。
地震の度に被害を受け,基準を改正して来ています。「想定外」の地震を経験し,その都度「想定」の基準をを改正して安全性が向上してきました。
しかし,これが可能だったのは,同時に経済発展が進んだからだと思います。貧困な国では地震対策するくらいなら,金をくれと言われそうです。実は日本でも個人レベルでは同じようなもので,自己負担のある耐震改修は進みません。また,安全性と経済の向上も限度があることも明らかで,無限に安全性が向上することは無いでしょう。
原発はこの限度に既に達している可能性がありそうです。
414. hn33jp — May 24, 2011 @00:59:42
私は以前も申し上げましたが、Kataseさんが立派な発言をされる方だということを認識しております。その前提で、二点だけ指摘させて下さい。
1.いかなる理由があろうと、発言に対する批判ではなく、人格に対する批判をすることには、私は反対です。
2.Kataseさんはご自分への批判をすべて技術開発者さんのミスリードによるものだと結論していますが、それはKikulogで発言されている人たちへの侮蔑につながっています。ここで発言されている方々が簡単にミスリードされるような浅はかな人間だと結論づける前に、そうでない可能性について真摯に検討されることを望みます。
415. よたよたあひる
— May 24, 2011 @00:42:45
小出氏と宮台氏の対談のご紹介ありがとうございました。
小出氏が原子力発電をやめさせようと決めた1970年の時点では、まだ一般的には「原子力平和利用の夢」があったと私は思っていますけど、そういえば、アメリカのTMI事故の前に、日本国内でも、1974年の原子力船むつの放射能漏れ事故があったのを思い出しました。人の健康被害はなかったはずですけど。
>zororiさま
#411. zorori — May 23, 2011 @22:39:08
〜〜〜〜〜
>これは広瀬隆の「原発を東京に」の時代から言われていることですが,少し変な問いかけだと思います。なぜなら「爆薬工場が安全ならなぜ人口密集地の都会に作らないのか」とは言われないからです。絶対安全は有り得ませんから,万が一の事故の時に被害の少ない郊外や工業地域に工場を立地するのは妥当と思われています。
〜〜〜〜〜〜
爆薬工場にしても毒物を取り扱う工場にしても、その立地点となる地域では危険性に反応します。反対運動が起こることはしばしばで、それでも、zororiさんが書かれたように、確かに「安全なら人口密集地である都会に建てたらよい」という表現は聞きませんね。
爆薬工場と原発の違いとして、「発電した電気は都会で使う」ということがあるのではないでしょうか。
つまり、「リスクを抱える原発の地元である過疎の地方とリスクなしに果実としての(安い)電力を使うことができる都会の対立や不公平な感覚をキャッチコピーにしたものということだと思います。
今回の福島第一原発事故のあと、東京電力や関連企業の方たちの奮闘で外部電源が復旧したころ、まだ東北の被災地では停電が解消できない地域もありましたよね。送電線の問題もありますけど、東北電力でも計画停電を実施しました。一方で東京電力の圏内では電力供給能力の不足で北海道電力や中部電力等から電力を融通していたにもかかわらず、23区は計画停電も対象外でしたし。
416. 一公務員 — May 24, 2011 @01:26:08
392. Kataseさん — 2011/5/23@13:36:37
404. Kataseさん — 2011/5/23@19:12:56
技術開発者さんのことは、もう放置されたらどうでしょう。
読者はみんな大人ですから、自分なりの文章の読み方というものがあります。
技術開発者さんをどれぐらい信用するかなど、読者の自由です。
「技術開発者さんを簡単に信用してしまうのは何故でしょう? 」とか、「トンデモ説が支持されてまかり通っている現状」とか、失礼だと思いますが。
技術開発者さんをやっきになって否定しても、読者の技術開発者さんへの評価は変わらないし(高い人は高いまま、低い人は低いまま)、逆にKataseさんの評価を下げるだけだと思います。
>技術開発者さんを簡単に信用してしまうのは何故でしょう?
>トンデモ説が支持されてまかり通っている現状
これらは、全員に対してではございません。
一部のお心当たりのあるであろう方々だけに対してです。
お心当たりが無ければ無視して下さい。
また、私は技術開発者さんの人格を疑うと書きましたが、疑念があると慎重に申し上げているだけであって、人格が悪いなどと断定してはおりません。
一方で、技術開発者さんご自身は、私の事を幼児性があると明確に人格否定をされております。
もっとも、私の疑念に対しては、技術開発者さんは、
>歳をとるとね、「人からどう思われるか」をあまり気にしなくなりましてね、良い面も悪い面も出ることだけどね(笑)。
とのことですので、きっとお気になさらないことだろうと思います。
418. KY — May 24, 2011 @04:12:57
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1189578348
> 「自分が思いつく程度のことは相手も考えているのではないか」と想像してみるのは重要。
ホメオパシーに対して非常に優れた批判を展開されている某研究者さんの考えていらっしゃるレベルの事は、実は老獪で底意地の悪い某「好々爺」さんも、既にとっくの昔に考えていらっしゃるんでしょうね。これは逆もまた然りでしょうね。少なくともKYにはそう読めます。
まあ、こんなことを書いた所で、指摘された本人はなかなか気が付けないでしょうけどね。KYだって、ここまでトサカに来ちゃうと、気が付ける自信は無いし。
くだらないコメントついでにもう一つ。
皆さんは、かなりしっかりと「一貫性の法則(原則)」をお持ちですね。今回は特にそれが強く見て取れます。
419. ごんべえ — May 24, 2011 @05:39:36
> 異常に巨大な天災地変の場合は,最初から政府の措置で賠償されます。
国は「被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずる」だけで、賠償をすることにはなっていません(17条)。もともと政府は賠償する立場にないと思いますが、「政府の措置で賠償されます。」に対応する条文があるなら示していただきたい。
>地震,噴火,津波,通常運転(無過失)の場合は政府補償契約によりますので,事業者の賠償による損失は政府により補償されます。
1200億円までですね。
>1200億円を越えれば,政府が援助します。
「かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、」(16条)なので、あくまでも事業者が払えなくなったらということですね。
>それは全体からみればごく一部です。
異常に巨大な天災かどうかは、1200億円の帰趨ではなくて賠償ということが行われるかどうか、事業者が完全に免責されるかどうかに効いてきます。
1200億円のほうについては、もし東電が原子力損害賠償補償契約を結んでいればその対象ではあるでしょうけど、それはほとんど問題にならないでしょう。津波は「地震によって」にあたらないから云々とか言い出さなくて良いでしょう。
>原発は東電の事業のように見えますが、政府の公共事業に近いと思います。
>被害者への賠償は殆どが政府即ち国民が行うことになっていると思います。
そう思ったからといて何かが変わるわけではありますまい。
原子力事業者が破綻するなら、政府が援助をするということでは国策で推進しているわけです。そうでないと無限責任が絵に描いた餅で補償されないことが予想できるわけで、国の信用がないとそもそも作らせてもらえないでしょう。
だからといって、無限定に援助をしてモラルハザードを招くべきものではないでしょう。国は「原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助」だけをするのであって、つまり、原子力事業者が自力で払えない分だけ援助する話です。
420. 技術開発者 — May 24, 2011 @07:48:07
>もともと政府は賠償する立場にないと思いますが、「政府の措置で賠償されます。」に対応する条文があるなら示していただきたい。
「原子力損害の賠償に関する法律」の第16条ですね。
(国の措置)
第十六条 政府は、原子力損害が生じた場合において、原子力事業者(外国原子力船に係る原子力事業者を除く。)が第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。
2 前項の援助は、国会の議決により政府に属させられた権限の範囲内において行なうものとする。
421. Isshocking — May 24, 2011 @09:00:46
・福島原発付近の津波波高はあちこちで報道されています。
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032101000743.html
ビデオや写真も公開されていますから、「15m程度」を疑う根拠は何も無いはずです。
e10goさんの主張は5m程度の津波が来てそれが原発付近の岸壁にぶちあたり2,3倍の高さになって内陸部に押し寄せたということでしょうか。
・ある流速の水が垂直壁にあたったとき水面が持ち上がる高さは運動エネルギーと位置エネルギーの換算から、最大でも(v^2)/(2g)です。vは流速、gは重力加速度。
e10goさんの言われるように仮に時速36km程度として計算すると、これは5.1mになります。この値はもとの津波の高さとは関係ないので、「もとの高さの2倍」という説明はできません。
また、これは垂直壁にぶつかった瞬間の値で、垂直壁に当たってしまえばそれ以降は流速が零になりますから、継続しません。
・津波は、例えば傾斜した水路のように重力による連続した加速機構はありません。どちらかといえば、水平面にバケツで水を流したときのイメージに近いものです。加速運動ではなく、慣性運動ですから、超えられない垂直壁に当たってしまえばそこで止まるか垂直壁が壊れればさらに突き進もだけです。
「次から次と水が押し寄せてその運動エネルギーが海面全体を盛り上げる」結果にはなりません。
落ち着いて考えてください。垂直壁にあたって高さ2倍になって2倍のまま水平面にそって津波がつきすすんだら、質量保存の法則とかエネルギー保存則とかはどうなるのですか。
>「安全なら人口密集地である都会に建てたらよい」という表現は聞きませんね。
葬儀場とかゴミ焼却場、刑務所などの立地問題と同根だと思います。安全性がどうあろうと「イヤなものはイヤ!」という権利は住民にあります。
423. ふぃっしゅ — May 24, 2011 @11:07:48
#346のコメントでの、kataseさんの地元の安全を考えていらっしゃる思いは今回だけでなく他のエントリーの中でもいつも伝わってきています。
また私の医療分野の話で申し訳ないのですが、以前帝王切開の遅れが原因とされた裁判のあと「帝王切開は30分以内に行えるように」というルールのようなものが示されました。
医療事故を受けて、産科医をはじめとした専門家が科学的な見地から母子の救命率を高めるのに妥当な線として示されたのだと思います。
一般の方にも、こうしたものが示されることは安心感があると思います。
それはそれで目安としては意味があると思いますが、現場では「30分以内にできない」状況はいくらでも推測できるのですね。いくらハード面・ソフト面そしてマンパワーを改善しても、事故は起きうるので。
このあたりを、分野は違ってもfiskerさんや技術開発者さんが同じようなとらえ方をされていると思って読んでいました。
また、今回の地震・津波・原発の広範囲かつ複雑な震災の中で、医療機関での被害の全容の検証と今後の対応策を厚労省で始めたことが、昨日のニュースで伝えられていました。
何人の患者さんが避難することもできずにお亡くなりになったのだろう。
それを目の前でどうすることもできなかったスタッフの方々のお気持はどうだろう。本当に、災害というものの冷酷さに打ちのめされる想いです。
さすがに、災害時に医療従事者が患者さんを助けられなくても、平時のような「あってはならないこと」という受け取り方をされてはいないという印象を受けました。
けれども、一度これだけの震災を経験したのであれば、次に同様な災害が発生した時に「あの教訓を生かした対応策ができていない」と責任を問われることが多々出てくると思います。
耐震構造はほとんどの病院でクリアできていると思いますが、何日間もの停電に耐えられる自家発電をはじめ、自己完結できるぐらいのシェルターでも準備しなければ、患者さんの安全は守れないでしょう。ハードは整備されても、夜間、スタッフ数が少ない時に発生して応援のスタッフが確保できなければどうなるだろうか、といろいろ不安は尽きません。
そのあたりが、zororiさんと技術開発者さんの「社会通念」や隕石のおちる可能性のコメントのなかにヒントがあるかと読んでいました。
そのほか、全ての方のコメントが立場や考え方を超えて参考になり、感謝しています。
もし私のコメントがkataseさんの主張したいことや議論を妨げることになっていたとしたら申し訳ないです。ただ、こんな視点で読んでいる人もいますということをお伝えしたかったのです。
最後に、きくちさん、このコメント欄を閉じようとされている時に書き込ませていただいて申し訳ありません。
424. 10σ — May 24, 2011 @12:06:13
>ああ、くろきさんは悪意なく(少しはあるか も)こういうことをさらりと言い切る人なんで すよ 技術開発者さんもそれを分かっているから、た ぶん気にしてない。まぁ、ご本人があまり他人 との意見の相反を気に病まなくなったとおっ しゃていますし。
なるほど、そうなのかもしれませんね。しかし、くろきげんさんがどういう人であれ、技術開発者さんがどう受け止めたのであれ、議論がこんな形で終わってしまうことが非常に残念です。イチギャラリーとしては、技術開発者さんの意図を汲もうとされず声高に非難する方々、及びこのような展開になってしまったことに失望しています。
425. bamboo — May 24, 2011 @11:48:28
426. 匿名希・望 — May 24, 2011 @12:00:08
>津波は、例えば傾斜した水路のように重力による連続した加速機構はありません。
>どちらかといえば、水平面にバケツで水を流したときのイメージに近いものです。
>加速運動ではなく、慣性運動ですから、超えられない垂直壁に当たってしまえばそこで止まるか垂直壁が壊れればさらに突き進もだけです。
>「次から次と水が押し寄せてその運動エネルギーが海面全体を盛り上げる」結果にはなりません。
バケツの水が大量で、全部一度に流すのではなく一定の速度で流し続けるイメージを想像すれば「次から次と押し寄せて壁を越える」のも別に不合理とは思いませんが。
>落ち着いて考えてください。垂直壁にあたって高さ2倍になって2倍のまま水平面にそって津波がつきすすんだら、質量保存の法則とかエネルギー保存則とかはどうなるのですか。
一旦、越えてしまうとそこから波高を減らしつつ流れるのでは?
#419. ごんべえ — May 24, 2011 @05:39:36
の発言を良く読んで下さい。
zororiさん ― May 23, 2011 @21:58:16
> 異常に巨大な天災地変の場合は,最初から政府の措置で賠償されます。
国は「被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずる」だけで、賠償をすることにはなっていません(17条)。もともと政府は賠償する立場にないと思いますが、「政府の措置で賠償されます。」に対応する条文があるなら示していただきたい
「政府の措置で賠償」の話は「異常に巨大な天災地変の場合」に掛かっている話です。
通常の賠償の話ではありません。
16条は通常の天災による事故の賠償に関して言及した条文です。
「第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ」の部分がそうです。
428. 積分定数 — May 24, 2011 @12:37:04
>・ある流速の水が垂直壁にあたったとき水面が持ち上がる高さは運動エネルギーと位置エネルギーの換算から、最大でも(v^2)/(2g)です。vは流速、gは重力加速度。
これは、バケツの水のような単発の場合か、ホースで水を出し続けるような定常的場合ではないでしょうか?
以下のようなモデルではどうでしょうか?
水平面と垂直な壁がなだらかに接続されている。摩擦はないとする。
水平面に物体を置いて、速さvで運動させると、壁に衝突して壁を上った。高さの最大値は?
と言う問題は、高校物理の基本問題ですが
物体が長さLの心太で、この心太は伸縮はしないが折れ曲がることが出来る
としたら、Lが十分長ければ、(v^2)/(2g)の高さを超えて、Lをどんどん大きくしていくらでも高く上るようにすることが出来ます。
私の計算だとh=v√(L/g)となります。
実際に波がどの高さに達するかは、複雑な要因があるだろうし、私は専門ではないのでわかりませんが、「最大でも(v^2)/(2g)」とは言えないと思うのですがどうでしょうか?
429. 技術開発者 — May 24, 2011 @12:32:08
>遅レスすみません(^^;
まあ、のんびりやりましょうや。
>それが起きた時、被害が局所的であり、かつ短時間で収束可能なものにしていかない限り、
>原子力の未来はないと私は思いますね。
無理に原子力の未来を作る事もないでしょうからね。私なんかは「原子力に未来は無い」を25年まえくらいから言っている。無駄話だけどすこしそんな話をしますかね。綺麗な話じゃあありません。私はその頃少しだけ火力発電の技術開発に絡んだ事があってね。そうなると同じ電力を作る話の中で、原子力は競争相手だからね(笑)。「原子力の技術開発に投資するより、火力の技術開発に投資した方が良いですよ」なんて話をひたすら考えていた(笑)。そんな話をしようとしたら、自分の方の話だけじゃなくて、原子力の「弱み」みたいな事もひたすら探し出して、「そっちの水は苦いぞ」をやらなくちゃ成らないって事ね(笑)。
原子力の「弱み」ってのは基本的に「ゴミ」だと思うんですね。昔もそういう話をしていたんだけどね。なんていうかな、石炭火力だってゴミはでるんだけと、ちょっと工夫すると利用出来るんですよ。石炭や石油の中に硫黄があるのを燃やしてだしちゃうと環境汚染だけど、それをきちんとトラップして硫酸にしてあげると化学工業で使って貰えるし、石炭灰だって環境に悪い成分を出さない事を確認してうまく固めると土木資材として使って貰える。原子力のゴミってのはおよそ使い道が無いのね、やっかいなだけね。どうにも成らない高レベル廃棄物って奴をガラス固化体にして、50年冷やしておいて、そしてどこか外に放射線を出さない場所に処分する訳ね。冷やす場所は今は六ヶ所村だけど、最終処分の場所はまだ決まっていないんだけどね。その最終処分場は最低限千年間は誰も入ったり取り出したりしないように封鎖しないとならない。もちろん自然災害で外にでてくるなんてのも駄目ね。けっこう色んな計算をしましてね、「いずれ、ゴミの処理費の積算が効いてきて、原子力はペイしなくなるぞ」なんて言っていた訳です。まあ「火力の技術開発に投資して欲しい」という欲目の上での計算だけど、そうそう嘘でも無く「ペイしなくなる」という計算はできた面があります。
なんていうかな、原子力の将来なんてのは人が「止めろ」と騒ぐかどうかよりも、結構なま臭い「損得勘定」みたいな面で決まると思っている面があるのね。もともと電力株なんて「安定株」と思われていた面があってね、東電の株だって2200円くらいしていのね、事故前はね。でもって配当がそんなに高い訳じゃなかったはずなのね。ただ、急落もしないだろう、そこそこの配当は出るだろうと言う事で銀行とかも結構買っていた訳です。今は300円を少し上まわるくらいかな。これだって、「賠償のために国有化する」なんて話になったら紙くずだからね、まあ株式会社として存続してもまず配当は望めないけどね。この話って、他の電力会社の株を持ってる株主にとっても人ごとじゃないよね。まあ電力株そのものが、震災前の6割くらいに値が落ちている訳だけどね。
値下がり要因はいろいろあるので、あり得ない想定と思いつつ妄想したりしてね。ここでどこかの電力会社が「うちは原発を止めていきます」なんて宣言して、その途端に株価が上がったりするなんて妄想ね。そんなことがもし起これば、各社「右へならえ」と脱原発宣言するかも知れないなんてね。なんていうか、生臭い世界の人間の妄想ですね(笑)。
430. Isshocking — May 24, 2011 @12:58:16
>一旦、越えてしまうとそこから波高を減らしつつ流れるのでは?
そのための速度エネルギーはどこから来ていると思われますか?重力ですか。
なら、進行方向にしか重力は働かないと主張されるのでしょうか。
垂直壁にぶつかったらいったん速度は零になることが納得できないですか。
431. ブランク永井 — May 24, 2011 @13:36:48
>女川町の人々から「原発が安全ならなぜ都会に作らないのか」と問われた時に、答えが見つからなかった事だそうです。
答えが見つからなかったわけではなく、答えはあったが、その人達に向けては「答えにくい」問いだったということでしょう。
しかし、想定外であろうがなかろうが「事故が起きてしまった」今は、「答えが見つからない」に変わってしまったのだと思います。
オフィシャルサイト
http://www.bsr.jp/genpatsu/
Wikipediaによると
「東京に原発を誘致しようとする都知事と、それに反対する副知事らの対立と議論をブラックユーモアたっぷりに描いたサスペンス映画。」
だそうです。
答えが見つかるでしょうか?
433. ST — May 24, 2011 @15:31:54
ディズニーランドは東京にないから危険かというとそんなことはないと思いますし、地産地消の考え方で言えば「東京で消費する分の食料をすべて東京で生産するのが効率的か」といえばそんなこともないわけですし。少なくとも農場が東京に(消費量と比較して)少ないのは、それが危険だからではないでしょう。
なので、「原発は東京にないから危険」という考え方は一種のトンデモだと思っています。
434. e10go — May 24, 2011 @16:07:29
>わたしはe10goさんが基本的な確認をしてくれるように望みたいのですが。
>・福島原発付近の津波波高はあちこちで報道されています。
>http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032101000743.html
>ビデオや写真も公開されていますから、「15m程度」を疑う根拠は何も無いはずです。
福島原発付近で津波が陸にぶつかる前に「15m程度」になった例がどこにあるのでしょうか。国の公式発表(気象庁の観測データー)では「15m」という数字は出てきませんけど。
私が指摘しているのは陸にぶつかる前の海岸での津波の高さですよ。
>落ち着いて考えてください。垂直壁にあたって高さ2倍になって2倍のまま水平面にそって津波がつきすすんだら、質量保存の法則とかエネルギー保存則とかはどうなるのですか。
論より証拠。津波の実験映像でも見てもらいますか。
http://www.youtube.com/watch?v=gLGtc2CKQXA&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=wnJ3FNkxZ3I&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=RYrTGH3eaCM&NR=1
435. 技術開発者 — May 24, 2011 @15:50:32
>#419. ごんべえ — May 24, 2011 @05:39:36
>の発言を良く読んで下さい。
なるほど、そっちの話ですね。考え方は異常に巨大な天災地変の場合は、原子力災害が自然災害の範囲に含まれてしまうという考え方になるのかと思います。まあ、一種のジョークになりますが、東日本の太平洋側が綺麗に津波に洗われて、建物も人間も暴走した原発もみんな海の中に持って行かれるような話なら、どっちが原因で損害が起きたかなんて識別不可能ですからね。まあ一緒に書いてある社会動乱なんかも似た様な面があって、例えば内乱でドンパチやっているなかで原発が暴走したとしても、ドンパチで被害受けたのか原発で被害受けたのかの識別も難しいですよね。こんな想像を巡らすと、逆に「この部分は地震・津波の被害、この部分は原発の被害」なんて区分ができるうちは「異常に巨大な天災地変」とは言えないという考え方もできるのかも知れません。
なんか「動乱による原発の暴走」なんて想像(妄想)を巡らしていたら、半島の北の方の原発が心配になってきました(笑)。外国の援助でできているから安全対策は同じくらいなんだろうけど、内乱がおきて電力が途絶え、非常用発電機の燃料も内乱のどっちかの軍に強制的に持ってかれる。やがて非常用発電が止まって圧力容器と格納容器が破れて出た放射性物質は日本海を越えて・・・、なんてね。よく考えると原発って平和な国の物ですね。
436. おおくぼ — May 24, 2011 @16:24:40
くろきげんさんも、かつてはトンデモ経済学を信じていて、山形浩生さんに論破されたことがあったのでは・・・。
有名な財界人やエコノミストや国会議員でも、トンデモ経済学を信じている人は多いです。
ジョセフ・E. スティグリッツ の『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』を読めば、IMFがトンデモ経済学に毒されて、世界を混乱に落としていれていたことがわかります(注:陰謀論ではありません、IMFのマヌケさを指摘した本です)。
また岩田規久男さんの『経済学的思考のすすめ』(筑摩書房)や田中秀臣さんの『経済論戦の読み方』 (講談社現代新書) を読めば、経済学が専門家でも誤解しやすいことがわかります。
すみません。
貴方が言われることは、論理になっていません。
438. トンデモブラウ — May 24, 2011 @17:10:27
原発が都市部から遠隔地にあるということは、関係者諸君が「想定外」と弁護していたことは、充分想定されていたということに他ならないのではなかろうか。(当然だけど。)
技術開発者さんは、自分に向けられた疑問を第3者に代弁させて頬かむりすることがあるので、「本心が見え辛いお」とか「誠実さに欠けるのね」と感じる人がでてくるんだな、たぶん。
439. おおくぼ — May 24, 2011 @17:31:22
技術開発者さんの経済学は、「金融政策」の重要性が欠落しているのではないでしょうか?
最近出た本では、田中秀臣&上念司さんの『震災恐慌!』(宝島社)が、「金融政策」の重要性について、わかりやすく説明してあります。
440. 匿名希・望 — May 24, 2011 @19:33:47
>>一旦、越えてしまうとそこから波高を減らしつつ流れるのでは?
>そのための速度エネルギーはどこから来ていると思われますか?重力ですか。
>なら、進行方向にしか重力は働かないと主張されるのでしょうか。
>垂直壁にぶつかったらいったん速度は零になることが納得できないですか。
進行方向以外にも働くとは思いますが一部は進行方行「にも」行くでしょうね。
また波の先頭部分が勢いを殺されても後続部分の運動エネルギーは続々と追加されます。
むしろそのエネルギーが全部どこかへ行ってしまう方が余程エネルギー保存則に反すると思いますが?
441. Niimi — May 24, 2011 @19:24:58
あと津波が陸に到達する前の、検潮所(ブイ)の波高は8mだったそうで……
# 一連のやりとり、思春期前の我侭嬢ちゃんが、大人は解ってくれないって言ってるだけのような。(どれだけ不用意な発言を繰り返したか気づいてない…… のを「はいはい」と受け流してる感じ :-)
>技術開発者さんの経済学は、「金融政策」の重要性が欠落しているのではないでしょうか?
ついでに言えば、ストルパー・サミュエルソンの定理の原型のヘクシャー・オリーンの定理の前提条件である「国家間の資本移動は無いものとする」「生産技術に差は無いものとする」が成り立ってない状況で、結果が一見論理に整合しているかの様に見えるだけで、実際に成り立っていると確信できるのは何故なんだろうと思います。
「貿易は勝ち負けではない」と主張しつつ「先進国の雇用状況が悪くなるのは新興国との貿易が原因」と主張するのでは、自分が何に反論されてるか理解してないんでしょうね。
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