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  • 東電、2号機でベント2回失敗 圧力下がらずプール破損か


     3月27日、陸上自衛隊が撮影した白煙を上げる福島第1原発2号機

     福島第1原発事故で、2号機の原子炉格納容器の圧力が上昇した際、東京電力が内部の蒸気を外部へ放出して圧力を下げる「ベント」という作業を3月13日と15日に試みたが、2回とも圧力が下がらず失敗していたことが18日、東電関係者への取材で分かった。

     圧力上昇を防げず、格納容器につながる圧力抑制プールが破損した可能性が高い。2号機からは大量の放射性物質が放出され汚染水も発生。原子炉の安定停止作業は難航しており、東電の危機管理態勢が問われそうだ。

     ベントで放出される蒸気には放射性物質が含まれるが、格納容器が破損すると極めて大量の放射性物質が外部に出る恐れがあり、それを防ぐ重要な措置。国からベント実施命令も出た。

     ベントは、格納容器から外に出る配管に設置された二つの弁を開け、外側にある薄いステンレス製の「ラプチャーディスク」が内部の圧力で破れるようにし、蒸気を放出する仕組み。

     東電によると、地震発生2日後の3月13日午前11時に二つの弁を開けたが、格納容器内の圧力が低下せず、周辺の放射線量も上昇しなかった。15日午前0時2分には別系統の二つの弁を開けたが圧力は下がらなかった。

     東電が公表した原発の運転データに関する資料にも圧力が低下しなかったことが記録されている。資料で東電はベントされたかはどうかは不明と断定を避けているが、東電関係者は2回とも失敗と判断していると明かした。

     2号機のラプチャーディスクは設計上、約5・3気圧で破れる。格納容器内は1回目は約3・8気圧、2回目は約7・4気圧で、ディスクが破れたかは不明。また2回目は弁が数分後に閉まった。弁を開け続けるにはバッテリーが必要だが、電池切れになっていた可能性もある。

     15日午前6時10分に圧力抑制プール付近で爆発音がし、第1原発正門の放射線量は、午前6時の毎時73・2マイクロシーベルトから3時間後には1万1930マイクロシーベルトに上昇。原子力安全委員会は「圧力抑制プールの破損が原因」との見方を示している。

     1、3号機ではベントを実施、ベント後の正門の線量は281・7~385・5マイクロシーベルトだった。

     東電は「ベント失敗の原因や、圧力抑制プール破損との関連は検証中」としている。

      【共同通信】