福島第1原発事故 放射性物質セシウムの汚染が濃度的にチェルノブイリ原発事故に匹敵
福島第1原発事故の影響で、放射性物質セシウムの汚染が面積的には一けた狭いものの、濃度的にチェルノブイリ原発事故に匹敵するとの分析結果が、24日に開かれた原子力委員会で公表された。
これは、原子力発電環境整備機構の河田 東海夫氏が、原子力委員会のヒアリングで明らかにしたもの。
チェルノブイリ事故では、放射性セシウムが1平方メートルあたり1,480キロベクレル以上汚染されている地域を居住禁止区域に、また、555キロベクレル以上1,480キロベクレル未満の地域は、特別放射能管理区域としている。
これを、文科省の土壌モニタリングのデータなどをもと分析し比較してみると、福島第1原発の事故では、「放射性セシウムが1平方メートルあたり、1,480キロベクレル以上汚染されている地域は、概算で福島第1原発の北西方向を中心におよそ600平方キロメートル、チェルノブイリでは、3,100平方キロメートル。
555キロベクレル以上、1,480キロベクレル未満汚染されている地域は、700平方キロメートル、チェルノブイリでは、7,200平方キロメートルになるという。
この結果、面積的には、福島での汚染は一けた狭いものの、濃度的にはチェルノブイリ原発事故に匹敵する汚染のおそれがあるという。
ただし、1,480キロベクレルは、年間5ミリシーベルトの被ばくを基準にしたもので、河田氏は「この厳しい基準が妥当といえるか疑問で、日本としての区分分けはあらためて検討するべき」としている。
また、河田氏は「汚染地域の表層の土5cm程度を上下入れ替えることで、相当の効果があるはずだ」と話している。
(05/25 03:48)