闘莉王(右)と話をしながらランニングする新井=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは23日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで25日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦の水原三星戦(韓国)に向けて練習した。増川、千代反田が相次いでけがで離脱したセンターバック(CB)には中大卒2年目のDF新井辰也(23)の抜てきが濃厚となった。コンビを組むDF田中マルクス闘莉王(30)の助言を受け、一発勝負の大舞台で初先発する。
約30分間のフォーメーション練習。「4−3−3」の右CBに入った新井に、ストイコビッチ監督からも、左CBの闘莉王からも容赦なく指示の声が飛んだ。頭にたっぷり汗をかいた後、闘莉王と2人でクールダウンのランニングに入った。「できないことは俺に任せろ。できることだけやれ」。練習中とはうって変わって、闘将の口からあふれ出たのは優しい言葉の数々だった。
一発勝負の大一番がプロ初先発。「緊張するなというのは無理な話だが、ACLは出ようと思って出られる舞台じゃない。楽しむ気持ちを忘れるな」という闘莉王の言葉で、大舞台で巡ってきた出番をチャンスととらえ、気持ちが前向きになった。
増川が15日の甲府戦(中銀ス)で負傷退場した。21日の柏戦(豊田ス)では千代反田が頭を強打し、ピッチを退いた。千代反田はこの日もクラブハウスで休養に専念した。増川も別メニューのまま。「柏戦が終わってから心の準備はしてきた」。新井はすでに覚悟を決めていた。
武器は188センチという高さとスペインで学んだ強さ。左隣には闘莉王、右DFには田中隼と経験豊富な先輩のサポートがある。「周りの選手の位置を見ながら、しっかり自分のポジションを取った中でいけるところは激しく(守備に)いきたい」
先月19日、2−0で勝ったACL1次リーグのFCソウル戦は遠征メンバーから外れたが、チームメートがアウェーで体を張って戦う姿は目に焼き付いている。「自分は経験がない分、体を張って頑張る。高さ、強さでは負けない」。守備面での強さを発揮して、チームのベスト8進出に貢献する。 (伊東朋子)
【新井辰也(あらい・たつや)】 1988(昭和63)年1月14日生まれの23歳。東京都出身。188センチ、80キロ。DF。都立日野台高から中大を経てグランパス入団。中大の先輩には同じ都立高(久留米高)から中大を経て川崎入りした日本代表MF中村憲剛がいる。ルーキーイヤーの昨季は左足甲の骨折で約半年間をリハビリに費やしたが、11月17日の天皇杯4回戦の新潟戦(瑞穂陸)に途中出場で公式戦デビュー。ことし1月からは40日間のスペイン留学を経験した。
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