「枝野批判」オフレコ発言をすっぱ抜かれ、 今度は東京新聞記者を「出入り禁止」 にした経産省の「醜態」広報室長は直撃にひたすら沈黙

2011年05月20日(金) 長谷川 幸洋
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 これには本当に驚いた。

 こうした展開は霞が関のマスコミ対応、そして「記者クラブ」という制度の本質を物語っている。日常の取材活動をしていると、なかなか見えてこないが、いったん役所をはっきり敵に回すと何が起きるか。「権力の本性」をかいま見る思いがする。今回はその点を書く。

 「出入り禁止処分」について確認しようと思って、私は19日午後、事前のアポイントなしで経産省広報室を訪ね、成田を直撃した。アポなしで訪ねたのは、前回コラムで紹介したように、成田はまず「それは『上司』に聞いてください」と逃げようとしたからだ。事実を確認しないことには、話が始まらない。

直撃に沈黙する広報室長

 成田は室長席に座っていた。私を見ると一瞬、驚いた様子を見せながらも「あちらへ」と部屋の隅の椅子に案内してくれた。以下は、やりとりである。

「どうも突然、時間をいただいて、すみません。いくつか聞きたいことがあって来たんですが・・・」と話し始めると、成田は途中で言葉をさえぎって「これはどうなるんですか?」と聞いた。

「どうなるって」


「いや、つまりこれは記事になるんですか」


「まだ何も決めていません」

「きょうお話を聞きたいと思ったのは、私のコラムがサイトに出た。そして昨日の東京新聞にも記事が出た。すると、経産省は東京新聞記者に対して幹部との懇談に出席するのを遠慮するよう求めたという。まず、それは本当なのか。私の記事に関連して、東京新聞記者の取材活動を制限するような措置をしたとすれば、それはどういう判断か?」

 成田は沈黙している。

「つまり、事務次官や官房長との懇談への出席を遠慮してくれ、と言った件です」

 成田はしばらく下を向いていたが、ようやく口を開くと「お話しできないですね」と言った。

「どうしてか」

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