民間会社が漁獲から加工、販売までを一体的に手がけることのできる「水産業復興特区」を創設するという宮城県知事の構想について、漁業者への理解を求める説明会が石巻市で開かれ、漁業者からは反発する意見が相次ぎました。
宮城県の村井知事は、今月10日の政府の復興構想会議で、津波で壊滅的な被害を受けた水産業を再構築するため、民間会社が漁業権を得たうえで漁獲から加工、販売までを一体的に手がけることのできる「水産業復興特区」の創設を提案しましたが、優先的に漁業権を持っている宮城県漁業協同組合は構想に反発し、提案を撤回するよう求めています。このため宮城県は、構想の意義を漁業者に理解してもらおうと、石巻市で説明会を開き、地元の漁業者およそ100人が出席しました。県の担当者は「漁業者の新たな選択肢として提案したもので、利益や漁業権を民間企業に奪われる仕組みではない」などと説明し、理解を求めました。これに対して漁業者からは、「漁業者を無視した勝手な言い分で、構想は棚上げすべきだ」とか「水産業に民間の資本を入れてもうまくいかない」などと、反発する意見が相次ぎました。また、県漁協の専務理事が「初めて説明を聞いたが理解できない。反対の署名を集めて抗議したい」と述べ、改めて県に構想の撤回を求める考えを示しました。宮城県では25日も気仙沼市で説明会を開き、漁業者に構想への理解を求めたいとしています。