経済・IT【境界第1部(4)揺さぶられるニッポン】「日本と心中しない」 グローバル企業の秘めた覚悟+(3/3ページ)(2011.5.24 19:34

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【境界第1部(4)揺さぶられるニッポン】
「日本と心中しない」 グローバル企業の秘めた覚悟

2011.5.24 19:34 (3/3ページ)

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 ジリ貧になる前に手を打ち出した日本企業。グローバル企業にとって採用の主戦場は日本からすでに海外に移った。ただ、安積はその先に横たわる問題も指摘する。それは海外の優秀な人材を採用するだけでなく、解雇するという点だ。

 「この問題をスマートに処理する能力がなければ2010年代のアジアは乗りきれない。採用より解雇のほうが難しいからだ」

 海外に打って出ても困難はつきまとう。だからといって、国内にとどまっていても座して死を待つのみだ。人口は現在の約1億2800万人から早ければ30年後には1億人を割り込む。市場規模は確実に縮んでいく。採用の「脱日本化」が止めようのない流れとなれば、国内の労働人口が減り、国力が徐々に失われる懸念も出てくる。

 海外展開するメーカーの元役員(69)は日本が凋落(ちょうらく)する可能性があることも踏まえ、意味深長なことを言った。

 「グローバル企業は日本がだめになれば、世界で生きていこうと考える。外国人採用元年とは、多くがその備えをしているということだ。われわれ企業は日本の将来を心配はする。でも、日本と心中はしない。日本が手遅れになろうと、企業は世界で生き抜かなければならないからだ」

(敬称略)

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