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[経済・IT]ニュース トピック:企業経営
【境界第1部(4)揺さぶられるニッポン】「日本と心中しない」 グローバル企業の秘めた覚悟
2011.5.24 19:34
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「外国人採用元年」。人材を海外から取り込もうとする日本企業の動向を指してこう言われる。ここに来て雪崩を打つように動き出したのは、高度経済成長の成功体験から抜け出せなかった企業が、国内外からの「圧力」で一斉に目を覚ましたことにほかならない。
松下電器産業(現パナソニック)の国際担当の元幹部で、甲南大学教授の安積敏政(63)は自らが三十数年間身を置いてきたグローバルビジネスの経験を、講演会などで語っている。今年1月、韓国の経済界から招かれてソウルに赴いた際、出席者から「日本はどうして弱くなってしまったんだ」と真顔で心配された。
日本の経済力が絶頂期にあった昭和54年に出版され、「強すぎる」日本を分析した「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(エズラ・ヴォーゲル著)。当時、一世を風靡(ふうび)したフレーズだが、それから30年がたった今、お家芸としていた半導体や液晶パネルで韓国勢にお株を奪われ、日本は完全に勢いを失った。その余りに大きい落差の理由は何なのか-。国内の講演会でも出席者から幾度となく、こうした質問を受ける。安積の指摘は厳しい。
「日本企業はかつて足しげく現場を歩き、アジアの国々の隅々に分け入ってお客さんに会いに行ったが、今はそういう泥臭い営業をしなくなった。顧客をきちんと見なくなればライバルの動向も見えなくなる。その一方で、日本の技術はすごいと過信し、韓国に負けるはずがないとおごっているうちに逆転されていた」
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