九州新幹線ＣＭをＤＶＤ化、反響受けネット販売

 九州新幹線

　ＪＲ九州（本社・福岡市）は、３月１２日の九州新幹線鹿児島ルート全線開業を記念して制作したテレビＣＭをＤＶＤに収録し、２５日からインターネットで販売する。東日本大震災の影響でテレビ放映を自粛したが、ホームページ（ＨＰ）で流したところ「大勢の人が笑顔で手を振る光景に元気づけられた」と反響があった話題作。売り上げの一部を被災地への義援金にあてる。

　ＣＭタイトルは「祝！九州」。全線開業前の２月２０日に、鹿児島中央から博多駅まで新幹線を走らせ、車内のカメラなどから撮影した。

　映っているのは鹿児島、熊本、佐賀、福岡各県の駅ホームや学校のグラウンド、河川敷や歩道橋、自宅ベランダなど様々な場所で手を振る１万人以上の沿線住民の姿。住民たちは思い思いの衣装や横断幕といった小道具を準備し、跳び上がって手を振ったりウエーブをしたりして祝福している。最後に「一つになってくれてありがとう」「一つになった九州から日本は楽しくなるはずです」とのナレーションが流れる。

　完成したＣＭは３月９日から九州で放映されたが、同１１日に震災が起きた後は自粛。ただしＨＰでは公開を続け、ネット上に国内外から「全国で流してほしい」「みんなで頑張ろう」といった書き込みが相次いだ。同社にも宮城県の被災者などから「すごく感動した」とのメールが寄せられ、担当者も反響に驚いている。

　４月２３日にテレビ放映を再開したが、ＤＶＤ化を求める声が多く、イベント告知用を含む４６種類のＣＭに未使用映像も加えた。収録時間は５０分。８月末まで専用ＨＰ（ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｓｈｕｋｕ９．ｃｏｍ／）で注文を受け付ける。１枚１０００円（税込み）で、うち２００円が義援金。テレビＣＭは５月１５日で終了した。