東日本大震災や福島第1原発事故で訪日外国人客が急減し、九州の観光産業も打撃を被る中、台湾からの団体ツアー客約120人が23日夜、福岡空港に到着した。震災後、海外から九州を訪れた団体旅行としては最大規模という。震災直後はキャンセルも検討されたが、参加者たちの「日本を応援しよう」との思いでツアーが実現した。
ツアーは、台湾の国鉄に当たる台湾鉄路局の労働組合の報奨旅行。28日まで5泊6日の日程で、福岡市▽北九州市▽大分県別府市▽熊本県阿蘇市▽熊本市-などを巡る予定という。
この日、空港に降り立ったツアー参加者たちは「日本 加油!」(日本がんばれ)と書かれたポスターを掲げながら入国。藍基(ランチー)(46)さんは「日本の鉄道を見るのが楽しみ。震災は悲しいことだが、日本には頑張ってほしい」と話した。
九州観光推進機構によると、4月に九州を訪れた韓国人が昨年同月より8割減となるなど九州でも外国人観光客は激減。空港でツアー客を出迎えた武田誠一・海外誘致推進部長は「原発事故の風評被害を拭い去るには、実際に来てもらうことが何より重要。今回のツアーが今後の呼び水になってほしい」と話していた。
=2011/05/24付 西日本新聞朝刊=