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【社会】

福島1号機、6時間後に炉心溶融か 震災当日に高放射線量

2011年5月23日 14時42分

 東京電力福島第1原発事故で、東日本大震災がおきた6時間後に1号機の原子炉建屋で高い放射線量が計測されていたことが東京電力の公表した資料で分かった。通常は出ないレベルの放射線量で丸1日浴び続けると死亡するレベル。この段階ですでに圧力容器内の水位が下がり、メルトダウン(炉心溶融)が始まった可能性が高い。

 地震直後の運転日誌や中央制御室内の白板の記述によると、地震の6時間20分後の3月11日午後9時8分、10秒間で0・8ミリシーベルトの放射線量を記録。毎時換算すると288ミリシーベルトで、原発の作業員が5年間に被ばくする上限の100ミリシーベルトを20分で超える値になる。

 40分後の午後9時51分に1号機原子炉建屋内への立ち入りが「社長指示」として禁止された。

 午後11時、原子炉建屋に隣接するタービン建屋内の中央制御室近くでも毎時1・2〜0・5ミリシーベルトを記録した。

 通常、原発に従事する作業員でも年間5ミリシーベルトに達することはほとんどないにもかかわらず、翌12日午前9時には、11日入った作業員4人に最大25ミリシーベルトの被ばくがあったと報告された。

 東電の解析では、1号機圧力容器では水位が下がり、3月11日午後9時ごろから燃料が溶融。熱や圧力で格納容器を貫く配管などが傷つき、炉内で発生した水素や放射性物質が漏れた。実際の放射線量の増加も解析結果とほぼ合致。各種計器は当時、圧力容器内の水位が足りていることを示していたが、中央制御室の白板には「1号 水位計あてにならない」と書かれていたことが判明している。

(中日新聞)

 

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