今後、福島と茨城両県沖で大規模な地震が起きる…。そんな物騒な分析結果を米国の研究チームが発表した。東日本大震災から2カ月を過ぎ、余震の回数も少なくなってきているが、油断は禁物、まだまだ危険というのだ。
米国の研究チームが19日付の米科学誌サイエンスに発表したもので、過去1100年間の地震活動の記録を踏まえて分析したとしている。
それによると、福島、茨城両県沖では1938年の地震(M8・1)以降、1年間に約8センチの地殻変動があり、73年間でプレートが約6メートル沈み込んでプレート境界でひずみが蓄積したという。
今回、この地域で起きたM7・9の余震を考慮すると、今後起きる地震は、過去の地震よりも大きくなる可能性があると結論づけ、「今後起こり得る地滑りの範囲を見定めるため、周辺を監視することが必要だ」と警鐘を鳴らしている。
これでいくと津波で、首都が直撃される可能性もあるが、日本の研究者はどうとらえているのか。
「地震学の見地からすると常識的な見解ですよ」と指摘するのは地震学が専門の琉球大名誉教授、木村政昭氏。
「2004年、インド洋スマトラ沖でM9の巨大地震が起きた後、3カ月後にM8・7の地震が発生した。先の研究はこういう例やGPSで(大陸等の動きを)観察したことなども踏まえ、結論づけている。可能性は否定できないですね」
木村氏の研究でもエリアこそやや違うが、今後、規模の大きい地震が起きる公算は「ゼロではない」とみる。
「今回、東北で大地震が起き、この地域のストレスがとれたとすると、次に警戒しないといけないのは、東北より北と南。私は北海道と茨城県南部、千葉県北部を注視しています。安全の常識として踏まえておくことが大切なんです」
天災は忘れたころにやってくる?