養蜂業者会長ら２人逮捕　輸入品を国産と偽装容疑

　カナダ産などの輸入蜂蜜を国産と偽って販売したとして、神奈川県警は２４日、不正競争防止法違反（誤認表示）の疑いで相模原市緑区の養蜂業「ほくと蜂舎」会長の加藤光雄容疑者（６５）＝緑区牧野＝と社長の河内久子容疑者（６２）＝同＝を逮捕した。法人としての同社も２５日、同法違反容疑で書類送検する。

　２人の逮捕容疑は、２００９年２月〜１０年１２月、カナダ産とニュージーランド産の蜂蜜を瓶に詰め替え、品名を「国産クローバー蜂蜜」、原産地を「北海道」と表示。３２回にわたって同県厚木市の業者などに計１３５５個を計約１３８万円で売るなどした疑い。県警によると、河内容疑者は「私は知らない」と容疑を否認、加藤容疑者は容疑を認めている。

　加藤容疑者は２３日、取材に「蜂の病気などで蜂蜜がとれなくなり、金のためにやった。（偽装を）やってない業者はなく、業界全体でやっていると思う」と話していた。

　県警は２月、同法違反容疑で関係先を家宅捜索。県警によると、押収した国産と表示されている蜂蜜を鑑定した結果、国産のものはなかった。

　神奈川県は昨年１２月に農林水産省から不正に関する情報提供があり、立ち入り検査していた。