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 白い花に囲まれほほ笑みかける遺影=東京都内(撮影・園田高夫)

 白い花に囲まれほほ笑みかける遺影=東京都内(撮影・園田高夫)

(5/24)

 肺炎がきっかけの合併症のため、21日に死去した俳優・長門裕之(本名加藤晃夫=かとう・あきお)さん(享年77)の通夜が23日、都内で営まれた。関係者ら400人が参列した別れの席は、生前、女性好きで知られた長門さんを異例の“下ネタ”でしのんだ。喪主を務めた実弟の津川雅彦(71)が、マキノ雅彦として監督を務めた「寝ずの番」(06年)で長門さんと共演し、一番弟子を演じた笹野高史(62)は弔辞で“暴走”。「師匠が喜んでくださると信じて」と、劇中で歌われた春歌「ちょんこ節」を熱唱。性交渉を意味する「ちょんこ」を連呼して“師匠”を送った。

  ◇  ◇

 不謹慎ではなく、のこされた人間の精一杯の愛情表現だった。通夜が艶(つや)やかな歌で彩られた。

 「ちょんこしながら東山見れば 山が上がったり下がったり♪ 日本銀行の頭取でさえも マラの先にはカリがある ア〜ちょんこ ちょんこ♪」‐。悲しみの席で参列者が笑いをかみ殺した。最初は静まりかえっていた場所で、笹野が声高らかに卑わいな歌を師匠に贈った。

 「寝ず‐」で、亡くなった落語家(長門さん)の通夜の日にハチャメチャに騒ぐ弟子を演じた笹野と、同じく弟子役の中井貴一(49)。弔辞に立った2人は「僕らにはこれしかない」と、明るい送り出し方を決めた。

 中井の弔辞の後、笹野が遺影の前に立った。「師匠、『いひひ、驚いたろう?』と笑っていますね。意表をつかれました。裏をかかれました。おかげさまで寂しい思いを頂いております」と語りかけた。そして、「師匠は喜んでくれるでしょう」と劇中では中井が歌う「ちょんこ節」を披露。お座敷遊びで芸者が歌う春歌(しゅんか)で、卑わいな歌詞が延々続く同曲を、8番まで約14分も熱唱した。

 笹野は式後に「不謹慎かと思って後で落ち込みました。(でも)師匠は『やれよ。こういうふうにしてくれよ』とおっしゃってるんじゃないかな。津川さんも『よかったよ』と言ってくれた」と照れ笑いした。長門さんの法名は極芸院釋浄晃。ユーモアを愛し、色っぽさを忘れず旅立った名優にぴったりだった。

 棺には最愛の妻・南田洋子さん愛用の服と写真、長門さん愛用の帽子に加え、日記帳、長門さんが自室に飾っていた映画や舞台の大入り袋が納められた。式場から人けがなくなると、1年前の長門さんだけが笑っていた。津川ら家族が「いたずらっぽさが一番出ている」と太鼓判を押した、とびきりの写真だった。

(デイリースポーツ提供)

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