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【用語解説】再臨界 運転を停止した原子炉の燃料が、再び核分裂の連鎖反応「臨界」を起こすこと。連鎖反応では、燃料の原子核の分裂で放出された中性子が、別の原子核にぶつかり、次々に核分裂が起きる。冷却が進まず高熱で核燃料が溶け、燃料に含まれるウランの密度が高まり「臨界量」に達すると発生する場合がある。制御は非常に難しく大爆発を起こす恐れがあり、東京電力は原子炉を冷やすため注入する水に、中性子を吸収するホウ酸を加え、再臨界防止措置を取った。
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【プロフィル】班目春樹氏 まだらめ・はるき 昭和47年、東大大学院工学系研究科修士課程修了。東芝を経て50年、東大工学部講師。平成2年、同教授。22年から内閣府原子力安全委員会委員長。専門は機械工学、原子力工学。3月12日に菅直人首相が東京電力福島第1原発を視察した際、同行した。