2011年5月20日(金)

学生ら「挑戦したい」 草加・独協大ではやぶさ展示

「こんなに小さいのか」と、はやぶさの帰還カプセルの背面ヒートシールドを見る学生ら=19日午後、草加市の独協大学

 7年間かけ60億キロの宇宙の旅から奇跡の帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」の機体などの展示が19日、草加市の独協大学で始まった。

 立川敬二JAXA理事長は記念講演で「われわれの研究は有人月面探査が目的だ。宇宙ステーションでの生活では、理工系だけではなく芸術や哲学も必要。10年後の宇宙飛行士の一般公募では、芸術家や哲学者も一般公募したい」と若者たちにエールを送った。見学した学生らは「本当ですか」「日本の技術者の大きな志を実感した」と目を輝かせた。

 「今、日本が沈んでいる時。はやぶさの奇跡が、みんなで活気を取り戻すきっかけになってほしい」と法学部1年の安倍拓哉さん(18)。同じく吉原博基さん(18)は「宇宙にチャレンジしたい。日本の技術はすごい、とあらためて思いました」。

 「世界に誇れる日本の実力を身近に感じた」と法科大学院の高江洲博章さん(28)。同じく堀岡雄一さん(27)は「将来の道の一つとして宇宙も考えてみたい」と話した。

 「花嫁衣装のようだね」。展示されたはやぶさ回収の時のパラシュートを見て、かつて同大で図書館学を教えた今まど子さんが言った。傷だらけの耐熱シールドを見て「あんな小さかったんだね。宇宙を大旅行したなんて、驚いた」。

連日、講演・座談会

 展示は働く人のために午後9時まで開くほか、23日までの期間中、連日、講演や座談会があるのも今回展示の特徴。草加市とともにイベントを後援する地球儀のトップメーカー渡辺教具製作所の渡辺美和子社長は「講師陣は普通ならあり得ないメンバー。レベルが高い。科学者たちの生の声をぜひ聞きたい」。

 華やかな講師陣は、はやぶさ帰還までの7年間、取材を続けた同大特認教授の山根一真さんと、同大で天文学を受け持つ福井尚生教授ら。

 山根さんは「すんなりいってたら、こんなに喝采を受けなかった。はやぶさは期待されながら駄目になり、そして生き返った。ぼろぼろになって帰ってきたところに、多くの人の共感が集まった。どうして頑張れたのって、そこを知ってほしい」と話した。

 山根さんの著書「小惑星探査機はやぶさの大冒険」を基に、渡辺謙さん主演の東映映画「小惑星探査機はやぶさ │遙(はる)かなる帰還」の撮影が始まっている。

 講演会などの問い合わせは、独協大学(電話048・946・1798)へ。

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