2011年5月22日5時30分
東京電力福島第一原発の事故を受けて、米軍が技術支援や物資の提供、放射性物質の拡散対策などを詳細に列挙して日本政府に提出した「支援リスト」の全容が、朝日新聞が入手した政府の内部資料でわかった。米側は原発事故対応への全面的関与を打診していた。
リストには工兵大隊や海上事前集積部隊、病院船など米軍の大規模展開に備えた項目が含まれる。日本政府がメルトダウンを確認するまで2カ月かかるなど事故対応で後手に回る一方、米軍は事故直後から放射性物質が大量に飛散する最悪の事態を想定し、用意できる最大限の支援メニューを示していた。
政府関係者によると、3月17日に陸上自衛隊がヘリで第一原発への放水を実施した直後、米太平洋軍が防衛省を通じて首相官邸にリストを示した。オバマ米大統領は同日、菅直人首相に電話で支援を約束。22日には細野豪志首相補佐官を仕切り役として、米軍と両政府、東京電力などによる「福島第一原発事故の対応に関する日米協議」が発足し、このリストをもとに具体的な支援内容を決めた。