「交流戦、阪神1‐2西武」(22日、甲子園)
阪神がドロ沼の4連敗で、借金は09年の最終戦(10月9日)以来となる「6」に膨らんだ。延長十一回、小林宏が元トラ戦士の平尾に決勝打を浴びたが、深刻なのは点を取れない打線だ。六回に38イニングぶりの得点を挙げたものの、5併殺の拙攻続き。思いきって、打て!!指揮官の言葉です。
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目を覆いたくなるようなシーンだった。最後も1点を追う延長十一回、代打・桧山が打球がイレギュラーする幸運な中前打で出塁。まだ、ツキは残っている‐。見ている誰もがそう思った瞬間、続く代打・林威助が遊ゴロ併殺。4万6847人の大きなため息が、甲子園を包み込んだ。
猛虎打線が何かに取りつかれたかのような、併殺地獄にはまってしまった。四回は、故障から復帰した平野が右前打で出塁したが、マートンが投ゴロ併殺。五回も金本が右前打を放ったが、直後に城島が三ゴロ併殺に倒れた。
七、八回も先頭が四球を選んだが新井、ブラゼルが併殺打。低めにボールを集める西武・帆足の注文通りに内野ゴロを打たされ、2004年4月の横浜戦以来、7年ぶりとなる1試合5併殺を記録した。
走者は出すのに、次の一打がこれほど難しいとは。真弓監督は「そんなに自分にプレッシャーをかけてもらわなくてもいいんだけど。どんだけゲッツーを打っても、どっちみち(バントで)送ったりとかしてない監督の責任やからね」。敗因はすべて指揮官にある。だからこそナインには、目の前の1球だけに集中してほしい。
この試合まで、32イニング連続無得点で、3試合連続完封負けと、チームの打撃不振は深刻だった。だがこの日は六回、2死一、三塁から一塁走者の平野が一、二塁間で挟殺される間に、三塁走者の鳥谷が生還。不名誉な連続無得点を、37イニングで止めた。
38イニングぶりにスコアボードにともした「1」。だが真弓監督は「向こうに助けられたみたいなもんやけどさ」。タナボタの1点では、素直に喜ぶことなどできない。そんな得点だから、ナインにも焦りも生まれてしまったのか。
今、指揮官が求めるのは開き直りだ。「硬くなろうが何しようがな。打たなあかんところは、打たなあかんのやから。思い切っていってくれるだけでいい」。
この日はスタメン復帰した平野が2安打するなど、チームとしても相手を上回る8安打を放った。投手陣も最後まで粘った。決して光が見えていないわけではない。この状況を打開するには、とにかく失敗を恐れずバットを振るしかない。
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