王さん“希望の一本足打法”披露…釜石市、陸前高田市を訪問

　プロ野球・ソフトバンクの王貞治会長（７１）が２２日、名球会会員として宮城県を慰問した２１日に続いて、大震災で被害を受けた岩手県釜石市と陸前高田市を訪れ、一本足打法を披露した。

　雨雲に覆われた被災地にフラミンゴが舞い降りた。王氏は釜石市のラグビーチーム「釜石シーウェイブス」の小学生チームと交流した後、２市の小中学校４校で野球教室を開催。市立平田小の体育館でバットを渡された王氏は、約３０人のちびっ子たちを前に「お母さんなら知ってるのかな？」と言いながら、高々と上げた右足を静止させた後、一気にバットを振り抜いた。球児と保護者からは拍手と歓声。甲子ジャイアンツの平野雄哉主将（１４）は「すごく形がきれい。本物を見られてビックリです。自分でもやってみたいな」と初めて見た一本足打法に酔いしれていた。

　陸前高田市の松林で、たった一本だけ津波を耐え抜いた「希望の一本松」ならぬ「希望の一本足」には、２つの思いを込めた。「一本足は僕の全て。誰にでも自分だけの何かを見つけてほしいんです」「みんなやってみたいって？　結構なこと。一度やってみるってことは、とても大事なことだから。そう簡単にできちゃうと困るけど（笑い）」

　〈１〉自分だけの武器を持つこと〈２〉挑戦すること。復興に向けて歩み始めた子どもたちに「世界の王」が贈ったメッセージだった。