環境省は、東日本大震災で発生したがれきの処理量を抑えるため、利用可能な木材については再資源化を進めるよう各自治体に促す方針だ。小さく砕いてチップ化し、首都圏のごみ発電施設用のバイオ燃料などとして有効利用してもらう。福島第1原発事故の影響で首都圏での今夏の電力不足が懸念される中、再生可能エネルギーの供給力強化につなげる。
京都議定書では、バイオ燃料は燃やしても二酸化炭素(CO2)排出量にカウントされないのがルール。同省には、地球温暖化対策強化に向け、がれきの再資源化を最大限進めることで、再生可能エネルギー普及の一つのきっかけになるとの期待もある。
震災で出たがれきは、阪神大震災の1.7倍の計約2490万トンで、大半は倒壊した家屋などから出た木材が占める。海水をかぶったものは、燃やすと有害物質が出る恐れがあり、塩分を除去する必要があるが、同省は再利用できるものは少なくないとみている。
首都圏の一部のごみ焼却場には、家庭ごみなどを燃やした際に出る熱を活用する発電施設が併設されており、被災地の木材がれきを燃料として受け入れる余地があるという。
[時事通信社]