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'11/5/22

中国地方でも節電意識高まる


 中国地方でも節電意識が高まっている。中国地方での節電がこの夏は、電力不足を補うかもしれない。浜岡原発の全面停止や定期検査中の原発の再稼働の遅れで、西日本の他の地域でも夏場に電力が不足する恐れが出てきたからだ。

 広島市中区の東急ハンズ広島店。今月、扇風機の販売は前年同月の約5倍に増えた。震災後、エアコン使用を抑えようと、仕事場や家庭用に買う人が多い。「震災で省エネの大切さを再認識した。できるだけ節電したい」。売り場にいた広島県海田町の主婦野田彩加さん(24)は話す。

 広島市中区のデオデオ本店は、太陽光発電設備や発光ダイオード(LED)照明など省エネ製品の売り場がにぎわう。

 震災直後、関東や東北が電力不足に陥った。中国地方でも節電に関心が高まったが、電気の周波数が東日本は50ヘルツ、西日本は60ヘルツと異なり、西日本から送ることができる電力は約100万キロワットまで。中国電力は10万キロワットに限定されていた。

 その後、政府の要請により中部電力の浜岡原発が全面停止。定期検査中の原発の再稼働のめどが立たない九州電力や関西電力でも、夏の電力需給に懸念が浮上した。いずれも周波数は60ヘルツで、取り決めでは中電から関西電へ最大400万キロワット、九州電へは同30万キロワットを送ることができる。

 中電は島根原発2号機が稼働しており、需給の懸念は少ない。中電は「まず中国地方で電力を安定供給した上で、他の地方へ送ることが可能か慎重に検討している」とする。

【写真説明】エアコンの使用を抑えようと、扇風機を買い求める人が訪れる大型雑貨店=広島市中区(撮影・宮原滋)




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