嘉手納以南の基地返還は7割弱

2011年4月22日 09時34分このエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 米軍普天間飛行場の移設に伴う施設・区域返還について、返還される面積は約2600エーカー(1052ヘクタール)で、返還対象となる嘉手納基地より南の施設全体の68%程度にとどまることが21日、沖縄タイムスが入手した米太平洋軍司令部の内部資料で分かった。具体的な返還面積が明らかになるのは初めて。政府はこれまで「嘉手納以南の基地を相当程度返還する」(菅直人首相)とアピールし、嘉手納より南でほとんどの基地がなくなるイメージも広く持たれていたが、資料によれば実際は3分の1が残ることになる。政府の強調する「目に見える負担軽減」と言えるかをめぐり議論を呼びそうだ。(前田高敬)

 また負担軽減を呼び水に普天間移設を前進させたい政府にも、あらためて負担軽減の具体的内容の説明が求められる。

 3月24日付の同資料で、在沖米軍基地の統合後の状態として示された。それによると、那覇軍港(56ヘクタール)、牧港補給地区(キャンプ・キンザー、274ヘクタール)、普天間飛行場(481ヘクタール)、キャンプ桑江(キャンプ・レスター、68ヘクタール)、第1桑江タンクファーム地区(16ヘクタール)は2006年の米軍再編ロードマップ通り全面返還される。

 一方で、ロードマップで「部分返還」とされていたキャンプ瑞慶覧(キャンプ・フォスター、643ヘクタール)は「国道58号線沿いのみ」が返還対象とされ、大部分が維持される。具体的な面積は示されていないが、米側は同国道沿いの「インダストリアル・コリドー」150ヘクタール程度の返還を想定しているものとみられる。

 嘉手納より南の施設・区域返還の完了後も全体の約32%の約1200エーカー(486ヘクタール)は米軍が継続して使用する用地としている。

 ロードマップでは、これら嘉手納より南の返還は「普天間移設とグアム移転の完了にかかっている」とされており、10年5月の日米合意でもこれを確認している。

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