海水注入中断問題 政府と東電の統合対策室、菅首相が注水中断させた事実ないとの認識
福島第1原発1号機をめぐり、大震災の翌日に東京電力が最初に行った海水の注入が菅首相の指示で中断されたとされる問題で、政府と東京電力の統合対策室は、海水注入は東電から官邸に報告されていなかったとして、「菅首相が注水を中断させた事実はない」との認識を示した。
21日午後4時半すぎ、細野首相補佐官は「海水注入の事実そのものをですね、官邸としては、まったく把握をしておりませんでした」と述べた。
1号機への海水の注入は、震災翌日の3月12日午後7時4分に開始し、午後7時25分にいったん停止した。
その後、午後8時20分に再開したが、55分間、冷却がストップした状態となった。
統合対策室によると、午後7時4分の海水注入は、東京電力が試験的に行ったもので、試験的に海水の注入を開始したことや停止したことは、官邸には報告されなかったという。
このため統合対策室は、海水の試験注入は現場の判断で行われたとして、菅首相が注水を中断させた事実はないとの認識を示した。
この問題をめぐっては、自民党の安倍元首相らが、複数の関係者の話として、「菅首相が、『自分は聞いていない』と激怒して、注水を中断させた」と批判している。
(05/21 18:21)