2011年5月22日3時0分
金融庁は、東日本大震災で家を失った人が自己破産しなくても住宅ローンの返済免除を受けやすくする仕組みを作る。震災前の借金に新たな借金が重なる「二重ローン」を防ぎ、住宅を再建しやすくする狙い。6月をめどに基準をまとめ、金融機関などと協議した上で早期の適用を目指す。
震災では工場や店舗も含め、9万戸が全壊し、ローンだけ残った人も多い。岩手、宮城、福島3県の地方銀行では住宅ローンの返済猶予は5千件を超え、数百億円規模にのぼっている。
住宅再建には新ローンが必要になるため、被災地では震災前のローンの返済免除を求める声が多い。だが、自己破産しないと返済免除を受けるのは難しい。
このため、金融庁は国税庁と調整して金融機関の税を優遇し、自己破産なしで免除しやすくする。
金融機関は自己破産なしで免除すると「利益供与」とみなされ、免除額に3〜4割の法人税がかかる。これを無税にして免除を促す。金融機関は損失処理にかかる費用が少なくなる。
ただ、金融機関が多額の損失を被るのを防ぐため、ローンすべてではなく、一部に無税免除を認めるなどの条件をつける。財産や収入が多い人、財産や収入がなく新ローンを組めない人などは対象にしないことも検討している。家の被災状況や収入見通し、財産などを考慮し、免除すれば生活再建が進むとみられる人を対象にする方針だ。
金融機関の損失が膨らんでも経営難に陥らないよう、公的資金注入を申請しやすくする法案も今国会に提出する。経営責任を問わないなど基準を緩める。(千葉卓朗)